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【株式会社藤田屋様】100年企業の事業承継。HONEの言行一致の姿勢に信頼を感じた。

公開日:

2025年8月24日

最終更新日:

2025年9月4日

【株式会社藤田屋様】100年企業の事業承継。HONEの言行一致の姿勢に信頼を感じた。

事業承継は、多くの中小企業が直面する重要な課題です。HONEにも、将来の見通しが立たず悩む経営者から多くのご相談をいただいています。


今回は、1919年創業の老舗傘メーカー・株式会社藤田屋の四代目(予定)として家業に戻ってきた藤田大悟様に、ミッション・ビジョン・バリュー(MVV)策定とその後についてお話を伺いました。



事業承継か消滅か。老舗傘メーカー「藤田屋」四代目の決断


――藤田屋さんの事業について、あらためて教えていただけますか?


藤田大悟さん(以下、藤田さん):弊社は静岡市で1919年に和傘製造卸商として創業しました。1952年に和傘から洋傘製造に移行し、現在は雨傘・晴雨兼用傘・日傘の企画製造・卸売・販売を行っています。従業員30名(正社員10名)ほどの規模です。


静岡市に店舗を構え、郊外に物流センターを持っています。


パーティーレイン藤田屋にて、デザイナーズコラボ商品など特徴的な傘をご紹介いただきました。
パーティーレイン藤田屋にて、デザイナーズコラボ商品など特徴的な傘をご紹介いただきました。

――藤田さんはもともと家業を継ぐ予定だったのですか?


藤田さん:正直に言うと、継ぐつもりはありませんでした。大学から県外に出て、大手自動車系サプライヤーに就職し、傘とは無関係の分野でキャリアを積んでいましたから。


ただ、私が継がなければ実家も、会社もなくなるという状況に直面し、あらためて真剣に考えたのです。地域から愛されてきた会社と、店舗を兼ねている実家がなくなってしまうのは耐え難いと思い至り、「自分が継がなければならない」という使命感から、静岡に戻ると決意しました。


――大きな決断をされたのですね。静岡へ戻られたのはいつ頃でしょうか?


藤田さん:昨年(2024年)9月に静岡へ戻りました。とはいえ、戻る前から家業の現状を調べ、社内へヒアリングを実施し、事業計画書を作るなど、自分なりに経営の見通しを立ててから静岡に戻った形です。


――当時の課題は何でしたか?


課題は山積みで、どこから手を付けるべきかわからない状況でした。ただ、最優先すべき課題は、先祖の創業時の思いも、未来のビジョンも明確に打ち出せていない点にあると感じていました。


――相談先はHONE以外にもあったと思うのですが、桜井と出会ったきっかけと決め手は何だったのでしょう?


藤田さん:私には地縁がほぼなかったので、静岡に戻る前から「静岡マーケティングサロン」に参加していました。主宰のザキさん(山崎啓介さん)に相談し「MVVや商品開発なら、桜井さんしかいない」と、ご紹介いただいたのがきっかけです。


藤田さんは静岡マーケティングサロンでもご活躍中
藤田さんは静岡マーケティングサロンでもご活躍中。出典:マーケの現場から インタビュー記事より

ザキさんのご紹介なら間違いないと思っていましたし、実際、桜井さんのスピード感とコミュニケーション力の高さは素晴らしいものでした。


紹介いただいたその場でLINEグループができ、依頼前にも関わらず「すぐ店舗へ伺います」とスケジュールが決まり、ヒアリングしたその場で支援プランをご提案いただくなど、これまでにないスピードで進んでいくのです。


出口への道のりが、あっという間にひらけたように感じて、安堵したのを覚えています。



――お父様や社内から反対の声はありませんでしたか?


藤田さん:父からの反対はありませんでした。会社の課題感は父と共有していましたし、「誰と組むか」については、私に任せてもらった形です。


父からは、桜井さんの印象を「すごく人当たりがよくて、話しやすい」と聞いています。


社内でも、桜井さんは人気です。桜井さんのセミナーアーカイブを自主的に観る社員もいます。特に商品開発部は感度が高く、前のめりに学んでくれていると感じますね。




「伴走」ではなく「コーチング」 桜井流のスピードとアドバイス


――具体的にどのような支援を受けられましたか?


藤田さん:桜井さんには、支援というよりもコーチングをしていただいたと思っています。最終的な弊社からのお願いは、MVV(ミッション・ビジョン・バリュー)の作り方を教えてくださいというものです。


「弊社には『旗印』みたいなものがなく、中小企業としての存在意義を考えなければいけない」という漠然とした相談をするなかで、桜井さんにMVVを教えていただいて「これだ」と確信しました。


さらに、MVV策定だけでは苦戦すると都度教えていただき、市場調査やアンケートの取り方、目指すべきBEP(ブランド・エクイティ・ピラミッド=ブランドの設計図)の考え方など、課題解決に必要な知識とワークをカスタマイズしていただいた形です。


ブランド戦略について
藤田さんは静岡県産業振興財団の専門家派遣制度を利用。画像は全5回の支援内容をまとめたもの

――支援を受けてみていかがでしたか?


藤田さん:教えていただいたことをこなすのはかなり大変でしたが、それが良かったと思います。加えて、桜井さんの相談しやすさが強く印象に残っています。


「桜井さん、ちょっと教えてもらっていいですか? 」と電話すると、いつでも快く引き受けてくださる。


いただいたフレームワークを自分たちなりに解釈してアレンジを加えることも、「全然いいですよ」と、柔軟に対応していただきました。


――嬉しいお言葉をありがとうございます。実際、MVVから戦略への落とし込みは、判断が難しい場面もあったのではないでしょうか。


藤田さん:そうですね。顧客インサイトの設定では決めどころがわかりづらく苦戦しました。


その点、桜井さんから事実(ファクト)からインサイトを組み立てるようフォローしてもらえましたし、「ある程度仮説を立てた後は、実証しましょう!」と、GOサインをもらえたのも心強かったです。


全5回のプログラムが終わったあとも、同じ熱量で業界関連のニュースやトレンドを共有いただくなど、やり取りを続けさせてもらっています。桜井さんには感謝しかありません。



――ちなみに、どのようなミッション・ビジョンを掲げているのでしょうか?


藤田さん:私たちは創業から、傘を通じて「どんな日でも、心ハレバレとした日々を届ける」という言葉を掲げてきました。


現代において、傘は基本的に使い捨てられる場面が多いものです。市場に流通する傘の半分はビニール傘で、バンバン捨てられていますよね。なくしても探さない人のほうが多いのではないでしょうか。


私たちは、雨よけ、日よけといった機能面ばかり注目されがちな傘を、自分らしさを表現でき、愛着をもって使い続けられる生活必需品にしていきたいと考えています。



――藤田屋さんが長年培ってきた歴史と、目指す未来に説得力があって、心に響く言葉ですね。


藤田さん:まだ迷う部分はあるのですが、話しているうちに洗練されてきたと思っています。


自分の中で腑に落ちるほど、具体的な行動に落としやすくなります。そういう意味で、ビジョンの発信は大事だなと思いますね。




MVVが導いた変革。アトツギ甲子園出場と社内外への影響とは


――HONEの支援によって、どのような変化がありましたか?


藤田さん:売上に直結する成果はまだ出ていませんが、非財務的な面で大きな変化がありました。


MVV策定後すぐに「アトツギ甲子園」へ出場する機会に恵まれました。これは、中小企業庁主催のピッチイベントで、全国から39歳以下の中小企業の後継者が集まり、新規事業アイデアを競うイベントです。



藤田さん:書類審査を突破し関東予選に出場できたのは、ビジョンをしっかり語ることができたおかげです。事業プランには厳しい評価をいただきましたが、ビジョンに共感した方々から多くの応援の声をいただきました。


このイベントを起点にメディア取材が増えたのですが、ここで「私は傘屋です」と答えるだけだったら、これほど多方面に波及しなかったと思います。


――メディア露出以外にも、影響はありましたか?


藤田さん:クラウドファンディングへの挑戦や、先程お伝えした静岡マーケティングサロンでトークセッションをさせていただくなどの機会が増え、認知、人脈ともに広がったと思います。


なかでも、アトツギ甲子園でお話した「アンブレラスカイ」は、大きな反響をいただきました。アンブレラスカイは、公園や広場に色とりどりの傘を吊るすアートイベントです。清水駅前銀座商店街様にご協力いただき、創業初のイベント出展を実現しました。


通常のアンブレラスカイは透明なビニール傘を使いますが、私たちは美術館をコンセプトに掲げるデザイナーズコラボ傘を使い、傘とアートに触れる機会づくりを目指しています。



――傘が額縁のようで、一般的なアンブレラスカイとは違う華やかさがありますね。反響はいかがでしたか?


藤田さん:非常に大きかったです。商店街は市民のみなさんの通勤・通学経路で、歩くたび自然と目に入り、アートな傘の良さと藤田屋を知ってもらうきっかけになりました。


同時に課題も浮き彫りになり、このまま開催し続けてもビジョン、ミッションの達成はできないと考えています。ただ、MVVをもって実行した結果、軸を持って実行できていると感じますし、地域の方々の応援の声も大きいと感じます。


思いつきの単発企画だったら、「変なことしているな」としか受け止めてもらえなかったかもしれません。



進むべき未来に悩む経営者へ


――今後、HONEとはどのように連携していきたいですか?


今後、企業文化をどう作っていくかという文脈と、消費者に対してしっかり弊社のビジョンを伝えながら、マーケットニーズに応えた商品開発をどう行っていくか、この2つの課題にお力添えをいただきたいと思っています。


――ちなみに、藤田さんと同じ悩みを持つ事業者様は、周りにいらっしゃいますか?


実は、めちゃくちゃたくさんいます。アトツギ甲子園に出場した静岡の方々のなかにも、会社としてどこへ向かうべきなのか、今まで培ってきた技術や企業の歴史を踏まえて、どのような方向に進むべきか悩む事業者は多いです。


会社の方向性に悩み、何から始めれば良いのかわからない方には、HONEさんをおすすめしています。


――最後に、HONEを一言で表すとどのような存在ですか?


「言行一致」「有言実行」でしょうか。


支援会社のなかには、「弊社からの受注がゴールだったのかな……」という態度をとられてしまったり、契約が終わると関係も途切れてしまったり、残念な支援サービスもあると思います。HONEさんには、そのようなことが全くありません。


桜井さんが手がけた、いろいろな事業を見ても、完全に一致しているなと思います。



取材にご協力いただきありがとうございました。



株式会社藤田屋 四代目 藤田大悟様

X https://x.com/fujitaya_191908

HP https://fujitaya.jp」



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