ほうとうとは山梨県を代表する郷土料理で、小麦粉を練って作った平打ちの太麺を使った煮込みうどんのこと。通常、味噌ベースのスープに、かぼちゃ、大根、にんじん、ねぎなどの季節の野菜をたっぷり加え、肉類(豚肉や鶏肉)が入ることもあります。
ほうとうとは郷土料理なのか?観光客向けのグルメなのか?ほうとうがこれから認知・販路拡大をしていくにはどのようなことが求められているのか?について、株式会社HONEでは
セルフ型アンケートツールFreeasyを活用してマーケティングリサーチを行いました。
そこで本記事では、下記について解説いたします。
▼本記事で説明する内容
n1,000の「ほうとう」の現状
ほうとうは郷土料理なのか?お土産需要なのか?
ほうとうは今後、どんな立ち位置で販売していくべきか?
アンケート概要/結果
今回のアンケートは、セルフ型アンケートツールFreeasyを活用して「ほうとう」についてのアンケートを実施いたしました。
セルフ型アンケートツールFreeasyとは
Freeasyでは初期費用、登録費用、ランニングコストは不要。1問×1人@10円で、1回500円からアンケートを実施できるので、従来のネットリサーチと比べて約1/8の圧倒的な低コストで利用ができます。ちょっとした調査でも手軽に実施でき、低価格で多くのサンプル数を取得できるので、正確性の高いアンケート結果が得られます。
アンケート設問内容
今回のアンケートでは以下をターゲットに計5問の質問を行いました。
【アンケート概要】
回収期間:2024年4月17日
ターゲット:[居住地]東京都、山梨県[年齢]15歳以上 99歳以下、[性別]男女
サンプル数:1000
【設問内容】
Q1:ここ1年、ほうとうを外食で食べたことがありますか?
Q2:「ほうとう」のイメージについて、当てはまるものをすべてお選びください。
Q3:「ほうとう」をお土産として買ったことはありますか?
Q4:山梨県のお土産の中で「知っているもの」「買ったことがあるもの」をすべてお選びください。
Q5:ほうとうをお土産で購入する場合、どんな基準で選びますか?当てはまるものをすべてお選びください。
アンケート結果
結果、以下の回答を得ることができました。
Q1:ここ1年、ほうとうを外食で食べたことがありますか?
ここ1年、ほうとうを外食で食べたことがある:18.6%
食べていない:39.3%
1年以上前にほうとうを外食で食べた:42.1%
Q2:「ほうとう」のイメージについて、当てはまるものをすべてお選びください。
郷土料理:70.9%
厚切りのうどん:46.3%
味噌ベースの煮込み料理:44.4%
野菜やきのこなど具材が豊富:42.5%
家庭料理:11.1%
外食でよく食べる:5.2%
お土産に買ってかえる:7.7%
秋や冬に食べる(体を温める料理):25.1%
その他:1.1%
あてはまるものはない:13.3%
Q3:「ほうとう」をお土産として買ったことはありますか?
ある:29.5%
ない:70.5%
Q4:山梨県のお土産の中で「知っているもの」「買ったことがあるもの」をすべてお選びください。
桔梗信玄餅:69.3%
ほうとう:54.6%
桔梗信玄生プリン:19.7%
あわびの煮貝:13.8%
甲州ワイン:47.1%
吉田うどん:25.6%
ほたて甲州煮:6.5%
甲州鳥もつ煮:15.6%
クラフトビール:11.4%
イタリアンロール:3.1%
くろ玉:6.1%
フジヤマクッキー:4.7%
桔梗信玄餅生ロール:7.7%
桔梗信玄飴:10.4%
青い富士山カレー:9.7%
その他:0.4%
あてはまるものはない:15.9%
Q5:ほうとうをお土産で購入する場合、どんな基準で選びますか?当てはまるものをすべてお選びください。
麺の量が多い(コストパフォーマンスが良い):20.6%
その土地・場所でしか買えない:37.9%
お店で食べておいしかった:36.8%
地元の食材を使っている:20.6%
賞をとっているもの:5.7%
パッケージが優れている:5.3%
値段が安い(リーズナブル):15.5%
値段が高い(高級志向):2.6%
その他:1%
あてはまるものはない:25%
ファクトからの仮説
結果、以下の回答を得ることができました。
Q1:ここ1年、ほうとうを外食で食べたことがありますか?
1年以上前にほうとうを外食で食べた:42.1%
Q2:「ほうとう」のイメージについて、当てはまるものをすべてお選びください。
郷土料理:70.9%
Q3:「ほうとう」をお土産として買ったことはありますか?
ない:70.5%
Q4:山梨県のお土産の中で「知っているもの」「買ったことがあるもの」をすべてお選びください。
桔梗信玄餅:69.3%
ほうとう:54.6%
甲州ワイン:47.1%
Q5:ほうとうをお土産で購入する場合、どんな基準で選びますか?当てはまるものをすべてお選びください。
その土地・場所でしか買えない:37.9%
お店で食べておいしかった:36.8%
全体としては、
ほうとうを外食で食べたことはあるが、あまり多くはない
ほうとうのイメージは「郷土料理」のイメージが強い
ほうとうはお土産としてあまり買われていない
山梨土産として大衆的なのは「信玄餅」
ほうとうをお土産として買うとしたら「その土地・場所でしか買えない」 「お店で食べておいしかった」もの
という結果となりました。
アンケートクロス分析について
では続いて、アンケートをクロス分析をしてより詳しいユーザーの指向性をみていきたいと思います。ここでは、以下についてそれぞれ解説をしていきたいと思います。
「ほうとうの外食頻度」と「お土産としての購入経験」の相関性について
「ほうとうの外食頻度」と「イメージ」の相関性について
「ほうとうの外食頻度」と「山梨のお土産で知ってるもの・買ったもの」の相関性について
「山梨のお土産で知ってるもの・買ったもの」と「ほうとうをお土産として購入する際の基準」の相関性について
「ほうとうの外食頻度」と「お土産としての購入経験」の相関性について
ここでは「Q1:ここ1年、ほうとうを外食で食べたことがありますか?」と「Q3:「ほうとう」をお土産として買ったことはありますか?」のクロス分析を行いました。
「ここ1年、ほうとうを外食で食べたことのある人(n186)」のうち、69.4%の人は「ほうとうをお土産として買ったことがある」と回答した結果となりました。
つまり、ほうとうを「外食で食べたことのある人」はお土産として購入する傾向が高いと言えます。逆にいうと、「ほうとうを外食で食べたことのない人」はほうとうをお土産として購入していないとも言えます。
「ほうとうの外食頻度」と「イメージ」の相関性について
続いて「Q1:ここ1年、ほうとうを外食で食べたことがありますか?」と「Q2:ほうとうのイメージについて」のクロス分析を行いました。
「ここ1年、ほうとうを外食で食べたことのある人(n186)」のうち、「ほうとうのイメージ」として平均回答より差分の大きいイメージは「外食でよく食べる」「お土産に買って帰る」などの需要が強く、「ほうとうは外食で食べるもの」「お土産で買って帰るもの」という認識を持っているように見受けられます。
次いでイメージ差分が大きい回答は「味噌ベースの煮込み料理」の回答が多く、味の認識をしているように見受けられます。
「ほうとうの外食頻度」と「山梨のお土産で知ってるもの・買ったもの」の相関性について
次に、「Q1:ここ1年、ほうとうを外食で食べたことがありますか?」と「Q4:山梨県のお土産の中で「知っているもの」「買ったことがあるもの」」のクロス分析を行いました。
「ここ1年、ほうとうを外食で食べたことのある人(n186)」は軒並み平均以上の回答(知っている・買ったことがある)と、お土産に対して感度が高く、行動している傾向があります。
一方で、「ほうとうを外食で食べていない人(n393)」は山梨のお土産について「あてはまるものはない」の回答が多く、山梨のお土産をあまりよく知らない可能性があることがわかりました。
また、「1年以上前にほうとうを食べた人(n421)」はほうとうの認知が高いことも伺えます。過去にほうとうを外食で食べたから「認知やお土産購入が増えた」のか、元々ほうとうの認知があったから、「ほうとうを外食で食べた」のかのどちらかだと考えられます。
「山梨のお土産で知ってるもの・買ったもの」と「ほうとうをお土産として購入する際の基準」の相関性について
最後に「Q4:山梨県のお土産の中で「知っているもの」「買ったことがあるもの」」と「Q5:ほうとうをお土産で購入する場合、どんな基準で選びますか?」のクロス分析を行いました。
「ほうとうをお土産で購入する場合の基準」については、「その土地・場所でしか買えない」「お店で食べておいしかった」が最多となりました。やはり、その場でしか購入できないものへの関心が高いわけですね。
ほうとう以外の他のお土産(信玄餅・甲州ワイン・吉田うどんなど)についても同様の回答になったため、「観光」「外食」「帰省」などのタイミングで、「ここでしか手に入らない・買えない」といったタイミング(オケージョン)を意図的につくっていくことが必要になると考えられます。
本記事(マーケティングリサーチ)のまとめ
以上が【マーケティングリサーチレポート】ほうとうについてのアンケート(2024年4月)でした。
改めてまとめると、
ここ1年、外食でほうとうを食べたことのある人は20%弱
ほうとうのイメージは「郷土料理」が強いこと
ほうとうをお土産として買ったことある人は30%弱
「ここ1年、ほうとうを外食で食べたことのある人(n186)」のうち、69.4%(n129)の人は「ほうとうをお土産として買ったことがある」と回答
「ほうとうを外食で食べている人」は「ほうとうをお土産を買ってもらいやすい」と言える
といった結果となりました。
逆にいうと、郷土料理とラベリングされてしまうと、「外食で食べない」可能性があり、お土産のハードルも上がる、と言えるかもしれません。
ほうとうは「郷土料理」というラベリングを外さないとお土産としてスケールするのは難しいのではないか?という仮説が立ったため、郷土料理以外のパーセプション(認識)を加えていくことがいいのではないかと考えています。
HONEではマーケティングリサーチサポートプランを提供しています。
ここまでお読みいただき、誠にありがとうございました。
商品開発や新規事業開発における一丁目一番地は「市場を知る・顧客を知る」ことだと思っています。市場規模はどのくらいか?どんな消費者が購入しているのか?どんなことに価値を感じているか?具体的にどのくらいお金を使っているか?を把握し、アイデアに根拠を作ることができます。
HONEでは「仮説構築〜調査設計〜実施〜ローデータの提供〜レポーティング(示唆出し)」までをパッケージ化いたしました。
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私がこれまで学んできた経営学、マーケティング/ブランド戦略に加え、この数年間、地方での現場で対峙してきた経験を詰め込みました。単にリサーチを行うのではなく、MVV(ミッション・ビジョン・バリュー)〜マーケティング戦略〜コンテンツ・クリエイティブ制作に一貫性を持たせた調査設計を行わせていただきます。
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その他、メールやチャットなどのやりとりが複数回発生する想定です
領域は「ヒアリング〜調査設計〜調査実施〜集計・レポーティング」となります
実施期間は約1〜1.5ヶ月を想定しています
お打ち合わせの形式はオンライン開催(Zoom)となります
費用は一式で20万円(税別)となります
調査質問数により費用が前後することがあります
調査ツールはFreeasyを使用予定です
お振り込みは原則前払い制にてお願いをしております
Takato Sakurai / 桜井 貴斗
HONE Inc. 代表取締役/マーケター
札幌生まれ、静岡育ち。大学卒業後、大手求人メディア会社で営業をしたのち、同社で新規事業の立ち上げ等に携わる。「売り手都合の営業スタイル」に疑問を感じていた矢先に、グロービス経営大学院にてマーケティングに出会い衝撃を受ける。その後、新たな新規事業の立ち上げを経て、2021年に独立。現在はクライアントのマーケティングやブランディングの支援、マーケターのためのコミュニティ運営などを手掛けている。
一般財団法人 ブランド・マネージャー認定協会(ブランド・マネージャー)
新R25公式コメンテーター
NewSchool(NewsPicks×刀 マーケティングブートキャンプ1期生)
静岡デザイン専門学校 講師
藤枝商工会議所 専門家
島田市商工会 専門家
【記事を書いた人】
株式会社HONE
代表取締役 桜井貴斗
札幌生まれ、静岡育ち。 大学卒業後、大手求人メディア会社で営業ののち、同社の新規事業の立ち上げに携わる。 2021年独立。 クライアントのマーケティングやブランディングの支援、マーケターのためのコミュニティ運営に従事。
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