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【ローカルプレイヤーズ_レポート】越後湯沢 廃校・ローカルビジネス泥臭視察ツアー〜体感した地域のリアルを語り合い、次のアクションへつなげる〜

6 時間前
読了時間: 9分

【ローカルプレイヤーズ スピンオフ企画│レポート】越後湯沢 廃校・ローカルビジネス泥臭視察ツアー〜体感した地域のリアルを語り合い、次のアクションへつなげる〜

2026年9月21日(月)〜22日(火)の2日間、新潟県湯沢町にて「越後湯沢 廃校・ローカルビジネス泥臭視察ツアー」が開催されました。


案内してくださったのは、きら星株式会社代表取締役の伊藤綾さんです。綾さんは、弊社・桜井貴斗とともに、ローカルプレイヤーズで地域実践プログラムを実施しています。


きら星代表取締役伊藤綾さん
きら星株式会社 代表取締役 伊藤綾さん

▼ローカルプレイヤーズについてはこちら




ローカルプレイヤーズから派生して生まれた今回のツアーには、各地から地域のプレイヤーが集まりました。参加者がはじめに抱いていたのは、これからの方向性を定めるために越後湯沢での取り組みを知りたい、今の事業で地域とより深く関わる方法を探りたいという思いでした。


ツアーで視察した場所は、保育園だったところをコワーキングスペースなどにつくり変えた「きら星BASE(きらほしベース)」や、空き家を改装した民泊です。「白瀧酒造直売所」や、米農家である関農園直営の店舗なども訪れました。視察をしたあとには、まちを見て感じたこと、話を聞いて実行していこうと思った点を参加者同士で共有しました。


地域を見て、聞いて、感じる。そして重要なことは、外への発信です。得た学びを自分で表現することによって学びが深まり、周りの反応を受けることができます。本記事では、「越後湯沢 廃校・ローカルビジネス泥臭視察ツアー」を言葉と感情に着目してレポートしながら、地域づくりに関わるとき、私たちは何を見て、どのように地域と向き合えばいいのか考えてみました。



株式会社HONEでは過去のセミナー資料、お役立ち資料、会社紹介資料がダウンロードできます。


セミナー資料


きら星株式会社について


きら星株式会社は、「誰もが、住みたいまちに住める未来」を目指し、2019年に新潟県湯沢町で設立されました。移住・転職の相談受付や、「きら星BASE」や「県央KaNaU」といった拠点の運営、民泊の管理を行っています。他にもイベントの開催、使われていない不動産の改修もしています。ソフトもハードも一貫して行い、ひとづくりをまちづくりにつなげられることが強みです。




越後湯沢の歴史を見る


ツアー開催地:新潟県南魚沼郡湯沢町
ツアー開催地:新潟県南魚沼郡湯沢町

ツアーの舞台となった越後湯沢は、新潟県のなかでも南側に位置しており、比較的東京に近い場所です。スキーでバブル時代に栄えた、田中角栄のパワーが溢れています。


1982年には上越新幹線が開業し、1985年には関越自動車道が全線開通しました。新幹線も高速道路も越後湯沢を通ることになった理由は、田中角栄が打ち出した『日本列島改造論』にあります。田中角栄は、高度経済成長期に問題となった都市部の過密化や公害、地方の過疎化を是正するために交通網を整備し、人口や産業の分散を図ったとされています。その一環として新潟県を東京都と結びました。


また、1987年に公開された映画「私をスキーに連れてって」の影響により、山岳地帯である越後湯沢は一気にスキーブームが到来しました。



良好なアクセスと急激なスキーブームが相まって観光客が増加した結果、宿泊施設が足りなくなり、リゾートマンションが続々と建設されるようになりました。バブル期であった当時は別荘として売れに売れたマンションも、利用が少なくなるにつれて中古物件としての売買価格の下落が見られるようになりました。



地域の声や自分の状況に適応していく


きら星BASE
きら星BASE

都市部ともう一つの拠点として選ばれた越後湯沢で綾さんがつくったのが「きら星BASE」です。最初はコワーキングスペースとしての利用も見据えた、シェアオフィス・コワーキングスペースとして開発が行われました。綾さんは新型コロナウイルス感染症の流行前から、今後リモートワークが来ると見込んでいたそうです。実際今は、東京の企業で働いている方がリモートで勤務しているそうです。家では孤独になりがちですが、きら星BASEに来ることで綾さんや他の利用者の方との交流機会ができるのです。


きら星BASEの2階には、個室のシェアオフィスがあります。個室は芸術家のアトリエやスノーボードウェアの倉庫として利用されているとのことでした。コワーキングスペースにはコミュニティマネージャーの存在が欠かせませんが、最近は綾さん自身が外へ出張する機会が増えています。そのため、コワーキングスペースは、ドロップイン(一時利用)の開放をやめ、月額利用の会員制へと移行したそうです。これにより、スタッフがいないときでも利用できるようになりました。消防法の規定に合わせるため、壁を上まで張らないようにしている場所もあります。こうすることで部屋数を増やしながら安全で快適な空間を作り出しているのです。きら星が状況に応じて運営方法や施設の構造を変化させてきた様子を見ることができました。


きら星BASEの視察で特に心を打たれたのは、新築中の建物について説明していただいたときです。


きら星BASE周辺の民泊
きら星BASE周辺の民泊

「民泊が増えて観光客が来ているのに、周辺の地域には夜まで営業している飲食店がありません。最寄りのコンビニは夜行くと商品が全然陳列されておらず、日本で一番売上が大きいほどです。だからきら星では平日朝・夜限定の飲食店をつくります。他の地域からテナントを呼ぶ計画でしたが、初年度は工事期間の関係で間に合わないため、自社で飲食店の営業を行うつもりです。にぎわいと儲けの大きさに地域の方がうらやましがるくらい、やってやろうという気持ちです。」


地域でやる人がいないならまずは自分一人でも始めてみようという綾さんの高い志が見られた場面でした。やれる人が限られている地域では、新しく始める人の存在が鍵になると思います。始めてみれば、その事業を必要としている人が集まってきて、地域が求めているものが見えてくるのではないでしょうか。



やりたいと思ったことをやってみる


きら星BASE内には、綾さんの試行錯誤の軌跡も残っています。


1つ目はシェア工房です。綾さんは「みんなで話しながらものづくりができたら楽しいだろう」と、工具や作業台をそろえ、地域の方々が集まって一緒に作業できるような場所を作りました。しかし、求められているものではなかったのか、利用は増えず、現在はスタッフ事務所兼コワーキングスペースになっていました。


テーブルとイスに工房らしさが残る
テーブルとイスに工房らしさが残る

2つ目は薪ボイラーです。越後湯沢は温泉街でもあるので、「高騰するボイラーの燃料台の対策や、電気・ガス・灯油が供給されない災害時を想定して、バイオマス燃料や薪ボイラーという選択肢を普及できないか。」と綾さんは思い立ちました。しかし、地域の方々には「時間をかけて火を起こすほど暇ではないのだ。」と言われ、地域の方の心には刺さらなかったようです。それでも今回、私たちに見せるためにと綾さんは火を起こしてくれていました。


綾さんが薪ボイラーで火を起こす様子
綾さんが薪ボイラーで火を起こす様子

たとえうまくいく保証がなかったとしても、ワクワクする瞬間を大切にして、社会のためになるようなことに挑戦する姿は輝いて見えました。自分の心に正直になってやってみる、地域に合わないものや自分にはできないものに気づくということも、次の行動に進む上で重要だと思いました。



移住のリアルを暮らしながら知る


関農園直営店から見える田んぼ
関農園直営店から見える田んぼ

きら星株式会社では、越後湯沢への移住を検討している方向けの相談も承っています。今回のツアー中にも、お米大好きでスキーが趣味という方が東京から訪れていました。「中屋ふぁーむ」で稲刈りを体験し、面談も行ったそうです。途中私たちと合流してまちを巡ることもあり、夜は同じ民泊に宿泊しました。移住相談をした方は、米作りを直接体験して農家さんへのリスペクトが増したとともに、間近で重機の動きを見たことで、現代の農業技術や文明の利器に圧倒されたといいます。


生活のリアルを伝えるきら星だからこそ、検討材料を持ち帰り、将来の働き方や暮らしをじっくりと考えることができるのだと思います。移住の受け入れを行う側としては、リアルを体験してもらうことによって、外からの見方を知り、今まで気づかなかった魅力に気づけるかもしれません。それが事業に対する思いを強め、新たな取り組みへの架け橋になる可能性があります。



【まとめ】越後湯沢から持ち帰った、地域との向き合い方


ツアーで感じたことはすぐにアウトプット
ツアーで感じたことはすぐにアウトプット

今回のツアーで印象に残ったのは、綾さんが周りのことも自分のことも大切にされていたことです。うまくいかなかったことも見せていただき、今に至る変化とともにお話してくださったからこそ、試して、状況を受け止めて、また動くという姿勢が地域づくりの土台にあると感じることができました。


地域づくりで意識したいスタンスとして、私なりに見えてきたのは3つです。


  1. 初めは自分1人でも動き出してみる

  2. 地域の反応に耳を傾け、柔軟に変えていく

  3. 見聞きしたことを自分の言葉にして外に出す


参加者からは、「人と人をつなぐコミュニティマネージャーになれるようスキルアップしていきたい。」「移住相談と民泊の組み合わせはお試し移住ができて相性がいいと思った。自分の地域でも試したい。」といったアウトプットがありました。同じところを見ていても、受け取り方は人それぞれです。自分の言葉に変えて行動に移していくことで地域に関する学びは自分ごとになるのだと実感しました。


紙の資料やネットの情報ではつかみきれない地域の雰囲気は、現地に足を運び、人と話してわかるものです。次の行動に迷っている方や、学びを自分のなかに留めている方にとって、ツアーへの参加が変化のきっかけになるかもしれません。


ローカルビジネス視察ツアーは、次回の企画も公表されています。本記事を読んで関心をお持ちいただけましたら、下記ページより詳細をご確認ください。


▼静岡県静岡市開催



▼越後湯沢開催





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【記事を書いた人】


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インターン 石井恭華


静岡県出身、大学在学中。経済学を専攻し、地域や産業をテーマにしたゼミに所属。

能登半島での復興支援や、静岡県内でのイベント運営などに関わる中で、地域の活動が「どうすれば人に届き、続いていくのか」に関心を持つ。

現在は株式会社HONEにてインターンとして、地域や企業の取り組みに関する記事を作成し発信している。


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