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【「島田駅前公開作戦会議」レポート】おびサポPLUSから、まちの賑わいを考える夜(静岡県島田市)

  • 1 時間前
  • 読了時間: 8分
島田駅前公開作戦会議~おびサポPLUSから、まちの賑わいを考える夜~

2026年8月19日(水)、静岡県島田市の島田駅から徒歩2分の場所にあるオープンイノベーションスペース「おびサポPLUS」にて、「島田駅前公開作戦会議 〜おびサポPLUSから、まちの賑わいを考える夜〜」が開催されました。


主催は静岡ベンチャースタートアップ協会(SVSA)。弊社代表取締役の桜井貴斗は、企画から携わり、当日はファシリテーションも担いました。参加者は、島田市の職員や島田市地域おこし協力隊のメンバーを含む、約20名です。


テーマは、「島田駅前に賑わいを生むためにはどうすればいいか」「おびサポPLUSをどう活用するか」の2点でした。


作戦会議は前半と後半の2部構成で行われました。前半は島田駅前と中心市街地に関するデータをもとに、駅前の現状を参加者全員で共有する時間でした。後半は模造紙と付箋を使ったワークショップ形式で、問題・原因仮説・課題・対策を出し合いました。


まちづくりにおいては、行政や一部の担い手だけで課題を抱え込んでしまうことがあるように感じています。今回の会議は、立場の異なる人たちがゆるやかにつながり小さな企画が生まれる場を目指して、同じデータを見てお互いに話せるように弊社で設計しました。本記事では、島田市に限らず、他の地域でも応用できるポイントに注目して、「島田駅前公開作戦会議」をレポートします。


(HONEインターン/石井)



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セミナー資料


おびサポPLUSとは


「おびサポPLUS(プラス)」は、静岡県島田市が設置する産業支援センター「おびサポ」を2026年7月にリニューアルオープンした施設です。プレイヤーが集い、交流・連携を促進するイベントを開催したり、若者と市内中小企業の交流機会を創出したりする役割があります。高校生が自習のために利用することもあるそうです。


今回の島田駅前公開作戦会議は、おびサポPLUSが始まって以来、初めて開催されたイベントです。施設の活用方法も、当日のテーマの一つでした。


島田市ホームページにも「おびサポPLUS」の説明があります。合わせてご覧ください。



おびサポPLUS
おびサポPLUSでのイベントの様子


データから見えた、「人がいないのではなく、つながっていない」という仮設


前半では、島田市民でもある桜井さんから、島田駅前と中心市街地に関する公的データが共有されました。


弊社代表・桜井が島田駅前・中心市街地のデータを共有
弊社代表・桜井が島田駅前・中心市街地のデータを共有

中心市街地の通行量、居住人口、商店街加盟店は、いずれも減少傾向にあります。一方で、中心市街地の公共施設8施設には年間延べ51.5万人が来訪しており、令和6年度には24人の新規創業者も生まれています。また市民アンケートでは、「住みやすい」と回答した人が86.2%にのぼる一方、その理由に「まちに活気がある」を挙げた人はわずか0.3%にとどまりました。 


流用:


桜井さんが提示した数字からは、駅前に全く人がいないわけではないことがわかります。同時に、「すでにある人や場所の存在が、滞在や回遊、消費、挑戦にうまくつながっていないのではないか」と仮説が立てられ、話し合いの前提ができました。


会場からも、体感に基づく声が上がりました。島田市の職員から「夜に他の職員と一緒にごはんを食べに行くような場所や、泊まるところが少ない」というお話があったように、データと感覚が一致する場面もありました。


なお、島田市には、札幌や福岡、韓国などへの便を運航している富士山静岡空港や、蒸気機関車が走る大井川鉄道があり、各地から観光客が集まります。また、駅から徒歩3分の島田市こども館が賑わいを見せており、「島田駅前公開作戦会議」ではこれらの活用も話題になりました。


島田駅周辺マップ
島田駅周辺マップ(Google マップを筆者が編集して作成)

より詳しいデータと分析はこちらの記事にも掲載していますので合わせてご覧ください。


参考:「駅前に人がいない」は本当か?島田駅前の数字から考える、地域課題の見つけ方




ワークショップで見えた、駅前に求められている3つの機能


後半は5つのグループに分かれ、問題・原因仮説・課題・対策の順にディスカッションを行いました。グループごとに年齢層や立場が異なり、それぞれの視点から意見が交わされました。


参加者同士でディスカッション
参加者同士でディスカッション

参加者の声から見えてきた課題は、次の3点に整理できます。


  • 市外から来た人が「また来たい」と思える場所がない

  • 郊外と駅前の接続が弱い

  • 地元の人が地元を好きになるようなきっかけが少ない


これらの課題に対して出された対策のアイデアは、「娯楽施設」「地場産業であるお茶を楽しめる空間」「チャレンジショップ」などでした。

他の地域で応用できるように言い換えると、「目的地の前後に立ち寄り、滞在できる場所」「地域の自慢を体験できる場所」「小さな挑戦を応援する仕組み」でしょうか。



目的地の前後に立ち寄り、滞在できる場所


島田駅前には「島田市こども館」があり、多くの来場者を集めています。ただし、周辺施設が十分でないため、こども館単体で来て帰ってしまう構造になっているという指摘がありました。参加者からは、遊びの前後に立ち寄れるような場所があれば駅前全体の活性化につながるのではないか、という意見が出ました。


島田市こども館①
島田市こども館②
島田市こども館内の様子(島田市こども館ホームページより流用

イベントに参加していた地元の高校生からは、プリクラが撮れるゲームセンターや、スポッチャのような室内で体を動かして楽しめる遊び場を求める声がありました。放課後や休みの日に友達と時間を過ごす場を求めているように思います。


購買や体験に限らず、ただ居られる場所の需要があり、若者が自然と集まれる場所をつくることは、地域を好きな人が地域に残っていくための一つの手立てにもなりそうです。



地域の自慢を体験できる場所


島田市は大井川の流域に位置し、江戸時代には年貢代わりにお茶を納めた記録が残るほど茶産業が盛んな土地です。現在も市や観光協会がお茶の振興に取り組んでいます。


参考情報:



参加者からは、このお茶を市外にも広めるための施策として、駅前にお茶をたしなめる空間をつくる、既存の和菓子店の商品を集めて食べ比べができる企画を用意する、といったアイデアが出されました。

地域ではその地域らしさに触れる体験が必要と考えられています。



小さな挑戦を応援する仕組み


自らの事業を持つ参加者からは、短期間・低コストで試せるシェアスペースを求める声がありました。衛生基準を満たした営業許可付きのキッチンがあれば、新商品や新しい立地への挑戦のハードルが下がるといいます。


小さく試して確かめてから広げる場があると、事業者が自信を持って前を向けるのかもしれません。ここに、おびサポPLUSが伴走者として関わり、事業支援や人的なマッチングを担うことができれば、単発の挑戦を継続的な取り組みへとつなげていける可能性があります。


話し合った内容は全員にシェア
話し合った内容は全員にシェア


答えを決める会ではなく、問いを持ち寄る会


主催した静岡ベンチャースタートアップ協会の高地さんは「島田市さん頑張って、ではなく、自分でやるんだという気持ちでみんなで何かをやっていきましょう」と参加者に呼びかけました。


静岡ベンチャースタートアップ協会 髙地さん
静岡ベンチャースタートアップ協会 髙地さん

今回の会議は、島田駅前の課題に対する答えを出す場ではありません。立場の異なる参加者が、駅前で何が起きているのか、なぜ起きているのか、本当に取り組むべき課題は何かを、それぞれの視点から持ち寄る場でした。住民や地域に関わる人たちが、まちのことを自分事として考え、話し合い、行動に移していくこと。それが地域の変化につながる一歩になると考えています。ワークショップで出た対策の案は検証前のアイデアです。接点を一過性のもので終わらせず、継続的に集まる機会として育てていきたいと思います。



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誰か一人の勝ちではなく、関わるすべての人にとって少しでも良い方向に向くべく、尽力します。地域の未来にとって、本当に意味のある選択をともに考え、かたちにしていきます。



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【記事を書いた人】


石井恭華

株式会社HONE

インターン 石井恭華


静岡県出身、大学在学中。経済学を専攻し、地域や産業をテーマにしたゼミに所属。

能登半島での復興支援や、静岡県内でのイベント運営などに関わる中で、地域の活動が「どうすれば人に届き、続いていくのか」に関心を持つ。

現在は株式会社HONEにてインターンとして、地域や企業の取り組みに関する記事を作成し発信している。


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