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【ウェビナーレポート】地方ものづくりの勝ち筋 〜「手仕事・小ロット・高単価」のマーケティング戦略とは?〜

  • 3 時間前
  • 読了時間: 7分

【ウェビナーレポート】地方ものづくりの勝ち筋 〜「手仕事・小ロット・高単価」のマーケティング戦略とは?〜

「良いものを作っているのに、なかなか顧客に届かない。」


弊社代表の桜井さんは地方でものづくりに携わる事業者から、このような悩みを耳にする機会が多いといいます。


本記事では、2026年7月30日に開催されたウェビナーの内容をもとに、地方ものづくりが抱える構造的な制約と、それを乗り越えるための考え方を紹介します。


記事内では、実際の事業にも活用できるフレームワークも紹介しています。ぜひ自社の取り組みに置き換えながら読み進めてみてください。


セミナーのアーカイブ動画はこちら。




株式会社HONEでは過去のセミナー資料、お役立ち資料、会社紹介資料がダウンロードできます。


セミナー資料


地方ものづくりが抱える4つの構造的制約


まずは、地方ものづくりを取り巻く現状を整理してみましょう。


地方でものづくりを行う事業者には、主に次の4つの構造的な制約があります。


  1. 量産によるコスト低減が効きにくい

  2. 製造以外を担う人材が不足している

  3. 価格決定力を持ちにくい

  4. 技術を顧客価値へ翻訳できていない 


地方ものづくりが抱える4つの構造的制約
地方ものづくりが抱える4つの構造的制約

参考情報:


4つの課題を俯瞰すると、マーケティングミックスの「4P」に当てはまります。Product(製品)、Place(流通)、Price(価格)、Promotion(販促)のすべてにおいてダウントレンドになっていることがわかります。


4Pについてはこちらの記事をご覧ください。




量産品では生み出せない、地方ものづくりの強みはどこにあるのか


では、地方ものづくりは量産品とどこで差別化すれば良いのでしょうか。


桜井さんは、品質・背景・体験の3つが重要なポイントだと説明しました。 単に品質が高いだけではなく、「どのような歴史や文化があるのか」「どのような体験につながるのか」まで含めて価値として届けることが重要です。


その事例として紹介されたのが、静岡県静岡市にある伝統工芸体験施設「駿府の工房 匠宿」です。

匠宿では、ホビー、温泉、宿、カフェなど日常的に利用する用途の高いものを組み合わせて、その中に伝統工芸を忍ばせています。このように、浸透率が高まるように、行くきっかけを多く作っているのです。その結果、休日を楽しみに行ったら自然と伝統工芸に触れていたという状況を生み出しています。


「駿府の工房 匠宿」のホームページはこちら




「価値」で選ばれるには


価格を高くしても選ばれる商品・サービスはどのように生まれるのでしょうか。ここで押さえておきたいのが、「水平的差別化」と「垂直的差別化」です。


水平的差別化とは、「どれが好きか」という好みによって選ばれる違いです。香りやデザイン、ブランドの世界観などがこれにあたり、人によって評価が異なります。一方、垂直的差別化とは、「どれが良いか」という品質や性能によって選ばれる違いです。多くの人が「こちらの方が優れている」と感じるため、評価が比較的一致しやすい特徴があります。


2つの差別化:水平的差別化と垂直的差別化
水平的差別化と垂直的差別化

また、価格を上げても消費者が選びやすい商品にはいくつかの共通点があります。

  • 既存顧客のプレファレンス(選好)に合ったPODで独自性がある

  • テーマパークのような快楽的消費である

  • ソーシャルグッドなど社会的価値を伴う消費である

  • 旅行先の買い物など、特別なオケージョン消費

  • 機能だけでなく、感情面でブランドとのつながりが構築がされている


PODについては下記の記事をご覧ください。



一方で、次のような場合は価格を上げると顧客が離れやすくなります。

  • カテゴリーヘビーユーザーだが、ブランドへのこだわりがない

  • 機能だけで比較・選択される商品である

  • 個人的な消費・日常の買い物

  • ブランドの構築ができていない


つまり、価格競争を避けるためには、価格を上げることではなく、価格が上がっても選ばれる理由をつくることが重要なのです。そのためにも、自社は水平的差別化と垂直的差別化のどちらを強みにするのかを整理し、独自の価値を設計することが求められます。



手仕事を顧客価値へ翻訳するフレームワーク


手仕事を価値に変えるためにはどのように考えれば良いのでしょうか。


今回のウェビナーでは、フレームワークとして「ファクト・メリット・ベネフィット」が紹介されました。


ファクトは、客観的で数値的な商品の事実と特徴。メリットは、ターゲットに限らず多くの人に伝わる利点。ベネフィットはターゲットに特に強く訴える便益です。


ファクト・メリット・ベネフィット
ファクト・メリット・ベネフィット

「ファクト・メリット・ベネフィット」は、池田紀行さんの著書『売上の地図』で紹介されているベネフィット3分類を応用したものです。


『売上の地図』についてはこちらをご覧ください。




ターゲット・オケージョン・プレファレンスで考える価格設計


さらに小ロットでも利益を確保するためには、市場の選び方も重要です。ウェビナーでは、ターゲット(顧客)、オケージョン(どんな時)、プレファレンス(何に対して)の3つの視点を掛け合わせて成立するプレミア厶(価格差別化)が紹介されました。この3つが重なる市場を見つけられると、価格を上げても需要が大きく変わらない状況を作りやすくなります。


ターゲット・オケージョン・プレファレンス
ターゲット・オケージョン・プレファレンス

人は商品の価値だけでなく、「いつ」「どこで」「どのような状況で」必要になるかによって、価格の感じ方が大きく変わるのです。


地方ものづくりでは、旅行先でしか出会えない商品なのか、贈り物として選ばれる商品なのか、あるいは特別な体験と一緒に購入する商品なのかによって、価格優位性を持つことができます。重要なのは、「誰に、どのような場面で、どんな価値を提供するのか」を具体的に設計することです。


より詳しい内容はウェビナーアーカイブ動画をご覧ください。



本章の資料は、芹澤連さんの『戦略ごっこ』より作成しています。




まとめ:地方ものづくりの勝ち筋とは


地方ものづくりには、コストや人材、価格決定力、価値の翻訳という4つの構造的な制約があります。しかし、それらは見方を変えれば量産品にはない品質・背景・体験という強みでもあります。 


その強みを顧客へ伝えるためには、「ファクト・メリット・ベネフィット」の考え方を用いて翻訳し、技術を顧客の生活に結びつけることが欠かせません。


さらに、「ターゲット・オケージョン・プレファレンス」を組み合わせ、市場を適切に設計することで高価格でも選ばれる理由を作ることができます。


「良いものなのに売れない」と感じていた商品やサービスも、伝え方や市場の選び方を見直すことで、その価値は大きく変わるかもしれません。


ぜひ一度、自社の商品やサービスを今回紹介したフレームワークに当てはめながら、自社ならではの勝ち筋を考えてみてはいかがでしょうか。



HONEのサービスについて


HONEでは、地方企業さまを中心に、マーケティング・ブランド戦略の伴走支援を行なっています。事業成長(ブランドづくり)と組織課題(ブランド成長をドライブするための土台づくり)の双方からお手伝いをしています。


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大切にしている価値観は「現場に足を運ぶこと」です。土地の空気にふれ、人の声に耳を傾けることから始めるのが、私たちのやり方です。


学びや知恵は、ためらわずに分かち合います。自分の中だけで完結させず、誰かの力になるなら、惜しまず届けたいと思っています。


誰か一人の勝ちではなく、関わるすべての人にとって少しでも良い方向に向くべく、尽力します。地域の未来にとって、本当に意味のある選択をともに考え、かたちにしていきます。



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【記事を書いた人】


神社の拝殿前で、青緑の花柄の着物を着た女性が笑顔で立つ。しめ縄と紙垂が飾られ、祝福ムード。

株式会社HONE

インターン 石井恭華


静岡県出身、大学在学中。経済学を専攻し、地域や産業をテーマにしたゼミに所属。

能登半島での復興支援や、静岡県内でのイベント運営などに関わる中で、地域の活動が「どうすれば人に届き、続いていくのか」に関心を持つ。

現在は株式会社HONEにてインターンとして、地域や企業の取り組みに関する記事を作成し発信している。


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