マーケティングの4Pとは?基本を解説します。
- 桜井 貴斗
- 3月6日
- 読了時間: 13分
更新日:3月30日

マーケティングの4Pとは、Product(製品)、Price(価格)、Place(流通)、Promotion(プロモーション)の4つの要素からなるマーケティング戦略のフレームワークです。この記事では、4Pそれぞれについて解説します。
4つの要素の基本を知り、効果的なマーケティングを実現するのかを理解しましょう。
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目次
マーケティングミックスとの関係
マーケティングの4Pが重要な理由
顧客にとっての価値とは
製品開発のポイント
価格設定の戦略
価格設定の注意点
流通チャネルの種類
適切な流通経路の選択
プロモーションの種類
効果的なプロモーション戦略
マーケティングの4Pとは
マーケティングの4Pとは、Product(製品)、Price(価格)、Place(流通)、Promotion(プロモーション)の4つの要素の頭文字をとったもので、効果的なマーケティング戦略を策定するためのフレームワークです。これらの4つの要素を最適化することで、顧客に価値を提供し、企業の目標達成を目指します。
これらの要素は相互に関連しており、1つの要素の変化が他の要素に影響を与えるため、全体的なバランスを考慮することが重要です。

マーケティングミックスとの関係
4Pは、マーケティングミックスと呼ばれる、より広範な概念の一部です。マーケティングミックスとは、企業が顧客ニーズを満たし競争優位性を獲得するために、製品や価格、流通、プロモーションなどの要素を最適に組み合わせる手法を指します。
4Pは、その中でも特に重要な要素として位置づけられており、近年では、サービス業の拡大に伴い、4Pに加えてPeople(人)、Process(プロセス)、Physical Evidence(物的証拠)を加えた7P、さらにPolitics(政治力)、Public Relations(広報活動)を加えた9Pといったフレームワークも提唱されています。
4Pを理解し、マーケティングミックス全体を理解しましょう。
マーケティングの4Pが重要な理由

4Pは、マーケティング戦略を策定する上で、以下の点で重要です。
顧客ニーズの把握:4P分析を通じて、顧客のニーズを明確化し、それに合わせた製品開発、価格設定、流通、プロモーションを行うことができます。
競争優位性の構築:競合他社との差別化を図り、独自の価値を提供することで、競争優位性を築くことができます。
効果的なマーケティング戦略の立案:4Pの各要素を戦略的に組み合わせることで、効果的なマーケティング戦略を立案することができます。
業績向上への貢献:4Pを最適化することで、売上増加、市場シェア拡大、ブランドイメージ向上など、企業の業績向上に貢献することができます。
Product (製品) | 顧客に提供する製品やサービスそのもの | 機能、デザイン、品質、ブランド、パッケージなど |
Price (価格) | 製品やサービスの価格設定 | 原価、競合価格、顧客の価格弾力性など |
Place (流通) | 製品やサービスを顧客に届けるための流通経路 | 販売チャネル、在庫管理、物流など |
Promotion (プロモーション) | 製品やサービスを顧客に知ってもらい、購入を促進するための活動 | 広告、PR、販売促進、ソーシャルメディアマーケティングなど |
Product(製品)
Product(製品)とは、顧客のニーズを満たすために提供される有形・無形の商品やサービス全体を指します。製品の機能や品質だけでなく、デザイン、ブランドイメージ、アフターサービスなども含まれます。これらを通じて「顧客にとっての価値」を提供することで、企業は競争優位性を築き、持続的な成長を実現できるのです。
顧客にとっての価値とは
顧客にとっての価値とは、製品が顧客のニーズやウォンツを満たし、問題解決や満足感を与える度合いです。機能的価値と情緒的価値の2つの側面があります。
機能的価値:製品の性能、機能、品質、使いやすさなど、具体的なメリット
情緒的価値:ブランドイメージ、デザイン、所有欲、ステータスなど、感情的なメリット
例えば、高性能なカメラは美しい写真が撮れるという機能的価値を提供する一方、高級ブランドのカメラは所有欲やステータスといった情緒的価値も提供します。顧客は製品から得られる便益全体を評価して購入を決定するため、両方の価値を考慮することが重要です。顧客が何を求めているかを深く理解し、それに応じた価値を提供できるように分析を進めましょう。
製品開発のポイント

ターゲット顧客の明確化:誰に向けて製品を開発するのかを明確にする
ニーズの深堀り:顧客が本当に求めているものは何かを徹底的に調査する
競合分析:競合製品との差別化ポイントを明確にする
市場トレンドの把握:市場の動向や変化を捉え、製品開発に反映させる
テストマーケティング:試作品を市場に投入し、顧客の反応を検証する
これらのポイントを踏まえ、顧客中心の製品開発を行うことで、市場で受け入れられる製品を生み出すことができます。
顧客の声を常に聞き、製品にフィードバックしていく姿勢が重要です。
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Price(価格)
Price(価格)とは、顧客が製品やサービスを得るために支払う金額のことです。価格設定は、企業の収益に直結する重要な要素であり、顧客の購買意欲にも大きく影響します。
適切な価格設定を行うことで、利益を確保しつつ、顧客に価値を提供することが可能です。
価格設定の戦略
価格設定には様々な戦略があります。
戦略 | 説明 | メリット | デメリット |
プレミアムプライシング | 高価格帯を設定し、高級感や高品質を演出する戦略 | 高い利益率、ブランドイメージの向上 | 顧客層が限定される |
ペネトレーションプライシング | 低価格帯を設定し、市場シェアを拡大する戦略 | 早期に市場シェアを獲得できる | 利益率が低い |
バリュープライシング | 価格と価値のバランスを重視する戦略 | 幅広い顧客層に受け入れられる | 価格設定が難しい |
コストプラスプライシング | 原価に一定の利益を上乗せして価格を設定する戦略 | 計算が容易 | 市場価格との乖離が生じる可能性がある |
競合ベースプライシング | 競合他社の価格を参考に価格を設定する戦略 | 価格競争に巻き込まれにくい | 自社の強みが活かせない可能性がある |
市場の状況や自社の製品・サービスの特徴に合わせて、単独で用いたり、組み合わせて用いたりします。
価格設定の注意点
価格設定を行う際には、以下の点に注意する必要があります。

ターゲット顧客の価格感度:ターゲット顧客が価格に対してどの程度敏感かを把握する必要があります。消費者庁の資料なども参考になります。
コスト構造:製品やサービスを提供するためにかかるコストを正確に把握する必要があります。
競合他社の価格:競合他社の価格を分析し、自社の価格設定の妥当性を検証する必要があります。
ブランドイメージ:価格設定はブランドイメージに影響を与えるため、ブランド戦略との整合性を考慮する必要があります。
法的規制:独占禁止法や不当廉売といった法的規制に抵触しないように注意する必要があります。
Place(流通)
Place(流通)とは、商品やサービスを顧客に届けるための経路や場所、そしてそのプロセス全体を指します。適切な流通戦略は、顧客の購買体験を向上させ、売上増加に直接つながる重要な要素です。単に商品を運ぶだけでなく、顧客が商品を「いつ」「どこで」「どのように」入手するかを最適化が求められます。
流通チャネルの種類
流通チャネルは、大きく分けて直接販売と間接販売の2種類があります。それぞれの特徴を理解し、自社の商品やサービス、ターゲット顧客に最適なチャネルを選択します。
直接販売
直接販売とは、メーカーが自社で販売チャネルを構築し、消費者へ直接商品やサービスを販売する方法です。中間業者を介さないため、マージンが発生せず利益率が高い、顧客との関係構築が容易といったメリットがあります。一方で、販売網の構築や管理にコストと手間がかかる点がデメリットとなります。
自社ECサイト
直営店
カタログ販売
イベント販売
間接販売
間接販売とは、卸売業者や小売業者などの仲介業者を通して商品やサービスを販売する方法です。直接販売に比べて販売網の構築が容易であり、広範囲の顧客にリーチできる点がメリットです。一方で、仲介業者へのマージンが発生するため、利益率が低くなる可能性があります。
卸売業者
小売店
代理店
オンラインマーケットプレイス
チャネル | メリット | デメリット |
直接販売 | 利益率が高い、顧客との関係構築が容易 | 販売網の構築や管理にコストと手間がかかる |
間接販売 | 販売網の構築が容易、広範囲の顧客にリーチできる | 仲介業者へのマージンが発生、ブランドイメージのコントロールが難しい |
適切な流通経路の選択
適切な流通経路の選択は、ターゲット顧客、商品特性、競合状況などを考慮して決定する必要があります。例えば、高価格帯の高級ブランド品は、ブランドイメージを維持するために直営店や高級百貨店での販売が適切でしょう。一方で、日用品のような低価格商品は、スーパーマーケットやドラッグストア、オンラインマーケットプレイスなど、より多くの消費者がアクセスしやすい場所で販売することが効果的です。
また、近年ではEC市場の拡大に伴い、オンラインマーケットプレイスや自社ECサイトを活用した販売戦略も重要視されています。消費者の購買行動の変化に合わせて、柔軟に流通チャネルを最適化していく必要があります。オムニチャネル戦略は、オンラインとオフラインの販売チャネルを統合し、顧客体験を最大化するための有効な手段です。
例えば、実店舗で商品を試し、ECサイトで購入する、あるいはECサイトで注文し、実店舗で受け取るといった購買行動をシームレスに繋ぐと、顧客満足度が高まります。
流通戦略においては、在庫管理も大切な要素です。適切な在庫量を維持できると、機会損失を防ぎ、在庫コストの削減に繋がります。
Promotion(プロモーション)
Promotion(プロモーション)とは、製品やサービスをターゲット顧客に認知させ、購買意欲を高め、最終的に購入へと導くための活動を指します。広告、広報、販売促進、パブリックリレーションズなど、様々な手法が含まれます。
プロモーションの種類
種類 | 説明 | メリット | デメリット |
広告 | テレビ、ラジオ、新聞、雑誌、インターネットなどのメディアを通じて、商品やサービスを広く告知する。 | 広範囲へのリーチ、ブランドイメージの向上 | 費用が高額、効果測定が難しい場合も |
広報(PR) | メディアを通して企業や商品に関する情報を発信し、好意的なイメージを形成する。 | 信頼性の向上、メディア露出による認知度向上 | コントロールが難しい、即効性に欠ける |
販売促進 | クーポン、割引、キャンペーンなど、短期間で売上を向上させるための施策。 | 即効性が高い、購買意欲の促進 | 長期的なブランド構築には不向き |
パブリックリレーションズ | 社会貢献活動やイベント開催などを通じて、企業イメージの向上や良好な関係構築を目指す。 | 企業イメージの向上、社会からの信頼獲得 | 効果測定が難しい、長期的な取り組みが必要 |
ダイレクトマーケティング | DM、メールマガジンなど、顧客に直接アプローチする手法。 | ターゲットを絞り込んだアプローチ、効果測定が容易 | 顧客データの管理が必要、迷惑メールと捉えられる可能性 |
コンテンツマーケティング | ブログ、動画など、顧客にとって有益なコンテンツを提供することで、関係性を構築し、購買につなげる。 | 長期的な関係構築、SEO効果 | 効果が出るまでに時間がかかる、コンテンツ作成に専門知識が必要な場合も |
ソーシャルメディアマーケティング | SNSを活用して情報発信や顧客とのコミュニケーションを行う。 | 拡散力が高い、顧客との双方向コミュニケーション | 炎上リスク、運用に手間がかかる |
効果的なプロモーション戦略
ターゲット
ターゲットを考える際には、誰に何を伝えたいのか明確にすべきです。ターゲット層のニーズや行動特性を分析し、適切なプロモーション手法を選択しましょう。例えば、若年層向けにはSNS、高年齢層向けにはテレビCMなど、ターゲットに合わせたメディア選定が肝になります。
目標設定
プロモーションの目的を明確に設定すると、効果測定がしやすくなります。売上向上、ブランド認知度向上、顧客獲得などの具体的な数値目標の設定が、着実なPDCAサイクルを回します。
予算配分
限られた予算の中で、どのプロモーションにどれだけの予算を配分するのかを検討する必要があります。費用対効果を考慮し、最適な予算配分を目指しましょう。例えば、費用対効果の高いWeb広告に重点的に予算を配分するなど、戦略的な判断が必要です。
効果測定と改善
プロモーションを実施した後は、その効果を測定し、具体的な改善策の検討を行います。アクセス数、コンバージョン率、売上などの指標を分析し、次のプロモーションに活かしましょう。
マーケティングの4Pの実践方法
4Pを机上の空論で終わらせず、実際にビジネスに取り入れるためには、体系的なアプローチが必要です。

ステップ1:現状分析
まず、自社の現状を客観的に分析します。SWOT分析などを用いて、自社の強み・弱み、機会・脅威を洗い出しましょう。同時に、競合他社の分析も行い、市場における自社のポジショニングを明確にします。この段階では、市場調査や顧客分析も重要です。
ステップ2:4Pの策定
現状分析に基づき、具体的な4Pを策定します。それぞれの要素を個別に考えるのではなく、相互に関連付けながら、整合性の取れた戦略を構築しましょう。
ステップ3:実行と評価
策定した4Pを実行に移し、その効果をPDCAサイクルで評価・改善します。Webサイトのアクセス数、売上、顧客満足度など、具体的な指標を設定し、定期的なモニタリングも大切です。データ分析に基づき、必要に応じて4Pの内容を見直し修正、最適化を図ります。
<例>
要素 | 具体例(セブン-イレブン) |
Product | プライベートブランド商品、季節限定商品、地域限定商品など、顧客ニーズに合わせた多様な商品展開 |
Price | 競争の激しいコンビニ業界において、価格競争に巻き込まれず、適正価格を維持 |
Place | 全国に展開する店舗網、ATMや公共料金支払いなどのサービス提供による利便性の向上 |
Promotion | テレビCM、キャンペーン、アプリクーポンなど、多様なプロモーション手法を活用 |
セブン-イレブンは、4Pを効果的に活用し、顧客満足度と収益性を両立させています。多様な商品展開、利便性の高い店舗網、効果的なプロモーションなど、各要素が有機的に連携し、競争優位性を築いています。
まとめ
この記事では、マーケティングの4P(Product、Price、Place、Promotion)について解説しました。それぞれの要素が持つ意味や重要性、4Pがマーケティング戦略においていかに重要であるかを理解いただけたかと思います。
4Pは単独で機能するのではなく、相互に関連し影響を与え合うため、全体的なバランスを考慮した戦略立案が重要です。
複合的な要素を理解し、実践することで、効果的なマーケティング戦略を構築し、ビジネスの成功につなげることができるでしょう。
HONEのサービスについて
当社では、地方企業さまを中心に、マーケティング・ブランド戦略の伴走支援を行なっています。事業成長(ブランドづくり)と組織課題(ブランド成長をドライブするための土台づくり)の双方からお手伝いをしています。
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最後までお読みいただき、ありがとうございました。
【記事を書いた人】

株式会社HONE
代表取締役 桜井貴斗
札幌生まれ、静岡育ち。 大学卒業後、大手求人メディア会社で営業ののち、同社の新規事業の立ち上げに携わる。 2021年独立。 クライアントのマーケティングやブランディングの支援、マーケターのためのコミュニティ運営に従事。
※本記事は一部AIを活用して執筆しています。
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