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フォーカスグループインタビュー(FGI)とは?進め方、活用シーンなど詳しく解説

  • 執筆者の写真: 桜井 貴斗
    桜井 貴斗
  • 2024年7月5日
  • 読了時間: 14分

更新日:3月31日


フォーカスグループインタビュー(FGI)とは?進め方、活用シーンなど詳しく解説

フォーカスグループインタビュー(FGI)は、特定のテーマについて複数の参加者から意見や感想を集める手法で、マーケティングリサーチや製品開発に広く利用されています。


参加者同士の相互作用を通じて多様な視点や洞察を得ることができるため、質的データの収集に有効です。


本記事では、FGIの基本的な概念や進め方、活用場面、メリット・デメリットについて詳しく解説します。





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資料


目次



フォーカスグループインタビュー(FGI)概要


フォーカスグループインタビュー概要

フォーカスグループインタビュー(以下、FGI)は、特定のテーマについて複数の参加者から意見や感想を集める手法です。マーケティングリサーチや製品開発において広く利用されています。


本セクションでは、以下の通り解説そしていきます。


  • FGIの基本的な概念

  • FGIの目的

  • FGI活用場面

  • デプスインタビューとの違い



フォーカスグループインタビューとは


特定のテーマに関して複数の参加者から意見や感想を収集する手法です。通常、6〜12人の参加者が一つのグループを形成し、モデレーターが進行役を務めます。


モデレーターは、事前に準備された質問やトピックを提示し、参加者同士の自由な意見交換を促します。


このプロセスを通じて、参加者の生の声や感情、潜在的なニーズを引き出すことができます。質的データの収集に特化しており、数値データでは捉えきれない深い洞察を得るために非常に有効です。



フォーカスグループインタビューの目的


FGIの目的は、多様な意見や感想を収集して深い洞察を得ることです。消費者のニーズや期待を把握し、新製品の開発や既存製品の改良に役立てられたり、製品やサービスの評価を行い、強みと弱みを明確にすることができます。


また、広告やマーケティング戦略の効果を検証に活用できたりと、様々なシーンで活用され、新しいアイデアの創出に繋げられます。これにより、企業は市場のトレンドを理解し、改善策や革新のヒントを得ることができます。



フォーカスグループインタビューの活用場面


FGIは、以下の通り多様な場面で活用されます。


フォーカスグループインタビューの活用場面

【新製品開発】

ターゲット市場の反応を事前に把握し、製品のデザインや機能、価格設定などの調整に役立てます。


【ブランドイメージの評価】

消費者の印象や競合他社との比較を知ることができます。


【広告キャンペーンの効果測定】

広告メッセージの受け取り方や印象を確認します。


【ユーザーエクスペリエンスの改善】

ウェブサイトやアプリの使用感を把握し、具体的な改善に役立てます。


【社会問題や政策の研究】

市民の意見を収集して政策の効果や改善点を明確にします。


これらの活用場面を通じて、FGIは企業や研究機関にとって貴重な情報源となり、戦略的な意思決定をサポートする重要なツールとなっています。



デプスインタビューとの違い


デプスインタビューは、対象者一人ひとりに対して詳細かつ深く質問を行う調査方法です。

どちらも質的データを収集するための手法ですが、アプローチや目的に違いがあります。


FGIは複数の参加者を対象に行われ、グループディスカッションを通じて多様な意見や感想を収集します。参加者間の相互作用が新しいアイデアや洞察を生み出しやすいのが特徴です。


デプスインタビューは、個々の対象者に対して詳細かつ深い質問を行う一対一のインタビューです。対象者の心理や動機、個人的な経験を深く掘り下げ、詳細な洞察を得ることが目的です。


FGIは市場調査や製品評価に広く利用され、デプスインタビューは個別の消費者理解や複雑な問題の解明に適しています。



フォーカスグループインタビューの進め方


フォーカスグループインタビューの進め方

FGIを効果的に実施するためには、以下の通り進める必要があります。

  • 目的の把握

  • 対象者選定

  • 実際のグループインタビュー


ここでは、FGIの進め方について具体的に解説します。



目的の把握


インタビューを実施する理由や目標を明確にすることで、全体の方向性が定まり、効果的な質問設計や進行が可能となります。


例えば、新製品のコンセプトを評価するためにFGIを行う場合、消費者がその製品に対してどのような期待や懸念を持っているのかを探ることが目的となります。


一方、既存製品の改善点を見つけるためのFGIでは、ユーザーの使用経験や不満点を深掘りすることが主な目的となります。


また、製品のデザインに関するフィードバックを得たい場合は、視覚的な資料を用意し、参加者に具体的な意見を求めるという手法も有効です。


このように、目的が明確であればあるほど、得られるデータも具体的で有益なものとなります。



対象者選定


対象者の選定は、インタビューの質と結果に大きな影響を与えるため、慎重に行う必要があります。ここでは対象者選定における3つのポイントを解説します。


①属性から対象者を選定する

まず、インタビューの目的に応じて、どのような属性を持つ人々が最も適しているかを明確にします。新製品のターゲットユーザーを理解するためには、その製品を実際に使用する可能性が高い消費者層を選ぶことが重要です。年齢、性別、職業、ライフスタイルなどの属性を考慮し、対象者のプロファイルを具体的に設定します。


②リクルート方法の検討

リクルートとは、調査対象者を集めることを意味しており、既存の顧客リストやマーケティングリサーチ会社のパネルを利用する方法、SNSや広告を通じて募集する方法などがあります。インタビューの目的や参加条件を明確に伝え、適切な候補者を選び出すことが重要です。


③参加者への配慮

対象者のスケジュール調整やインセンティブの提供も忘れてはなりません。参加者が快適にインタビューに参加できるよう、日時や場所の調整を行い、適切な報酬を用意することで、協力的な姿勢を引き出すことができます。


このように、対象者選定はFGIの成功に直結する重要なステップです。適切な対象者を選ぶことで、質の高いデータを収集し、インタビューの目的を達成することが可能となります。



実際のグループインタビュー


インタビューの冒頭ではファシリテーターが、リラックスした雰囲気を作り出すことが重要です。参加者が自由に意見を述べやすい環境を整えることで、より深い洞察を得ることができます。


インタビューの開始時

目的と進行方法を簡潔に説明します。参加者に対して、意見の自由な交換を促し、どのような意見も尊重されることを強調します。


インタビューの進行中

ファシリテーターが中心となって議論をリードします。質問はオープンエンド形式で行い、参加者が自由に考えを述べられるようにします。

参加者同士の意見交換を促すために、適度にフォローアップ質問を行い、議論を深めます。

また、特定の参加者が発言を独占しないように注意し、全員が発言する機会を持つことが大切です。


インタビューの終了時

参加者に対して感謝の意を伝え、インタビューの成果や次のステップについて簡単に説明します。また、参加者からの追加の質問やコメントを受け付ける時間を設けることで、インタビューの質をさらに高めることができます。


このように、実際のグループインタビューは計画的かつ柔軟に進行することが求められます。



フォーカスグループインタビューの活用方法


FGIの有効な活用方法について以下の内容で、詳しく解説します。


フォーカスグループインタビューの活用方法


仮説検証


FGIは、新しい製品やサービスの開発段階での仮説検証に役立ちます。例えば、ターゲット市場がどのようなニーズを持っているのか、どのような機能やデザインが好まれるのかを確認するために、消費者の生の声を集めることができます。


具体的には、製品のコンセプトやプロトタイプを参加者に提示し、その反応や意見を収集します。これにより、製品の強みや弱み、改善点を明確にすることができます。また、消費者の求めている価値や、抱えている問題を理解することができます。


FGIを通じて得られたデータは、定量的な調査結果と組み合わせることで、より信頼性の高い仮説検証が可能となります。アンケート調査で得られた数値データを補完する形で、FGIの質的データを活用することで、より具体的な改善策や新しいアイデアを導き出すことができます。



改善点の抽出


FGIは製品やサービスの改善点を抽出する点においても強力なツールです。参加者から直接フィードバックを得ることで、現行の製品やサービスに対する具体的な改善点を明確にすることができます。


既存の製品を使用している消費者に対して、使用感や不満点、改善してほしい点を尋ねることで、製品の弱点や改良の余地を把握することができます。消費者のリアルな声を反映させることで、企業はよりユーザーフレンドリーな製品を開発することが可能になります。


FGIを通じて得られた改善点は、製品開発チームやマーケティングチームにとって貴重な情報となります。具体的な改善点を基に、製品の設計や機能を見直し、より競争力のある製品を市場に投入することができます。



属性ごとの評価


FGIは、参加者の属性ごとの評価を行うためにも有効です。年齢、性別、職業、地域など、参加者の属性に基づいて意見を収集することで、特定のターゲット層に対する製品やサービスの評価を詳細に把握することができます。


例えば、新しい化粧品を開発する際には、各属性ごとの使用感や満足度を評価することができます。若年層と中高年層では求める効果や使用感が異なるため、それぞれのニーズに応じた製品改良が可能となります。


また、地域ごとの文化や生活習慣の違いを考慮することも重要です。例えば、都市部と地方では消費者のライフスタイルや価値観が異なるため、FGIを通じて地域ごとの評価を収集することで、地域特有のニーズに対応したマーケティング戦略を立てることができます。


このように、FGIを活用することで、参加者の属性ごとの評価を詳細に把握し、製品やサービスの開発、マーケティング戦略の策定に役立てることができます。




フォーカスグループインタビューのメリット


FGIは、「質的データ」の収集において多くのメリットを持っています。

ここからは、以下のメリットについて詳しく解説します。


フォーカスグループインタビューのメリット


短い時間で、多くの意見を収集できる


FGIの大きなメリットの一つは、短い時間で多くの意見を収集できる点です。個別インタビューでは一人一人から意見を聞くために多くの時間がかかりますが、FGIでは複数の参加者が同時に意見を述べるため、効率的に情報を集めることができます。


また、参加者同士の対話を通じて、個々の意見が相互に影響を与え合うため、深い洞察が得られることもあります。


例えば、ひとりの参加者が述べた意見に対して他の参加者が共感や反論を示すことで、新たな視点やアイデアが生まれることがあります。このような相互作用は、個別インタビューでは得られない貴重な情報源です。


FGIは、限られたリソースで効率的にリサーチを行いたい企業にとって非常に有用です。

時間とコストを節約しながら、質の高いデータを得ることができるため、迅速な意思決定が求められるビジネス環境において大きな利点となります。



グループ間の比較が可能になる


異なる属性や背景を持つ複数のグループを設定し、それぞれのグループから得られた意見や反応を比較することで、より深い洞察を得ることができます。


製品のターゲット市場が異なる年齢層や性別にまたがる場合、各グループに対して同じ質問を投げかけ、その反応を比較することができます。


これにより、ターゲット市場ごとのニーズや期待を具体的に把握することができ、製品やサービスの改善に役立てることができます。


また、異なるグループからのフィードバックを総合的に分析することで、これまで見落としていた潜在的なニーズや市場のギャップを見つけ出すことができるのです。



話し方や、表情などからも情報が得られる


参加者の話し方や表情など、非言語的な情報も収集できる点もメリットの一つです。単なる言葉のやり取りだけでは捉えきれない、より深い洞察を得ることが可能となります。


例えば、参加者が言葉では「良い」と答えていても、その表情や声のトーンから本当の感情を読み取ることができます。もし参加者が微妙な表情を浮かべていたり、声に自信がなかったりする場合、その製品に対する満足度が実際には低い可能性があります。


このような非言語的なサインを見逃さずにキャッチすることで、より正確なフィードバックを得ることができるのです。


FGIでは、言葉だけでなく、話し方や表情などの非言語的な情報も含めて総合的に分析することで、より深い洞察を得ることができ、製品やサービスの開発・改善において、より精度の高い意思決定が可能となります。




フォーカスグループインタビューのデメリット


FGIは多くのメリットを持つ一方で、いくつかのデメリットも存在します。

以下のデメリットについて解説します。


フォーカスグループインタビューのデメリット


深掘りができない


FGIは複数の参加者から同時に意見を収集するため、個々の意見を深く掘り下げることが難しい場合があります。


参加者全員の意見をバランスよく聞く必要があるため、特定のテーマについて詳細に議論する時間が限られてしまうことがあるため、個々の参加者の深層心理や具体的なニーズを完全に把握することが難しくなることがあります。


このような制約を回避するために、FGIの前後に個別インタビューを実施するなど、他の調査手法と組み合わせることが有効です。これにより、FGIで得られた表面的な意見をさらに掘り下げ、より具体的で深い洞察を得ることができます。



他のに人の意見に流されやすい


参加者が他の人の意見に流されやすいというデメリットがあります。

グループディスカッションの特性上、特定の意見が強く主張されると、他の参加者がその意見に同調しやすくなることがあります。


特に、リーダーシップを発揮する参加者や、意見を強く主張する参加者がいる場合、その影響を受ける可能性があります


この問題を軽減するためには、ファシリテーターの役割が重要です。

ファシリテーターは、全員が平等に意見を述べられるように配慮し、特定の意見が過度に影響を与えないようにする必要があります。


個々の意見を尊重し、多様な視点が出るように促すことが求められます。



統計的なデータは得られない


統計的なデータを得ることが難しい点もデメリットの一つです。FGIは質的データの収集に特化しているため、数値的なデータや統計的な分析には向いていません。


FGIでは、参加者の感情や意見、経験などを深く掘り下げることが目的であり、これらの情報は数値化しにくいものです。製品に対する感想や使用体験についての詳細なフィードバックは得られますが、それを統計的に分析して一般化することは困難です。


統計的なデータを得るためには、より多くのサンプルを対象にしたアンケート調査や実験など、量的調査が必要となります。


このように、FGIは質的データの収集には有効ですが、統計的なデータを得るためには他の手法と併用することが重要です。「質的データ」と「量的データ」を組み合わせることで、より包括的な理解が得られ、意思決定の精度が向上します。




まとめ


FGIは、特定のテーマに対する多様な意見や感想を収集するための有効な手法です。マーケティングリサーチや製品開発において、参加者同士の相互作用を通じて深い洞察を得ることができます。


FGIは質的データの収集に非常に有効な手法であり、適切に活用することで多くの価値を提供します。マーケティングリサーチや製品開発において、FGIを活用することで、より良い成果を得ることができるでしょう。



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最後までお読みいただき、ありがとうございました。


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【記事を書いた人】


株式会社HONE  代表取締役 桜井貴斗

株式会社HONE

代表取締役 桜井貴斗


札幌生まれ、静岡育ち。 大学卒業後、大手求人メディア会社で営業ののち、同社の新規事業の立ち上げに携わる。 2021年独立。 クライアントのマーケティングやブランディングの支援、マーケターのためのコミュニティ運営に従事。


※本記事は一部AIを活用して執筆しています。

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