選ばれる観光地はどう作られるのか?「DBAs・CEPs・エクイティ」3つのリンクで読み解く地域ブランディング
- 5月13日
- 読了時間: 10分

商品の品質には絶対の自信がある。パッケージデザインにもこだわってリニューアルした。それなのに、なぜかお客様から指名買いされず、売上が安定しない…。
地域でものづくりに向き合う企業や、立ち上げ期のブランドから非常によく聞くお悩みです。周知の事実となりつつありますが、現代の市場において「良いものを作り、意味や物語を語る」だけでは、お客様に選ばれ続けることはできません。
2026年5月26日開催のHONEウェビナーに先駆けて、今回はブランドが「自然と選ばれ続ける」ために欠かせない3つのキーワード、「DBAs」「CEPs」「ブランドエクイティ」の関係性について紐解いていきます。
観光地を強いブランドにする「3つのリンク」とは?

まず前提として、観光地が観光地たる存在になるためには以下の3つの要素が連動しています。
①DBAs(Distinctive Brand Assets)
観光地の「目印」景観、色、モチーフ、象徴的な体験、あるいは特有の呼び名など、その地域をパッと思い浮かべるための記憶の手がかりです。
②CEPs(Category Entry Points)
旅の「きっかけ」のこと。「週末に小旅行したい」「記念日をお祝いしたい」「自然に癒やされたい」といった、生活者の頭の中にその観光地が選択肢として浮かび上がる具体的な文脈や瞬間を指します。
③ブランド・エクイティ
記憶に残る「意味」のこと。「あそこならではの価値がある」「憧れの場所だ」といった、その地域に対する信頼や推奨したくなるほどの本質的な価値です。
観光ブランディングにおいては、『独自の目印(DBAs)で気づかれ、具体的な旅のきっかけ(CEPs)で思い出され、結果としてブランド・エクイティが高まる』という一連の流れ(リンク)をいかに構築するかが鍵となります。
では、この3つのリンクが実際の観光地でどう機能しているのか、4つの事例を見ていきたいと思います。
事例01:京都市(メジャー観光地)

多層のDBAsが、多様なCEPを生み出す
DBAs(目印): 寺社仏閣・鳥居、町家や石畳、抹茶や和菓子、季節ごとの風景
CEPs(きっかけ): 初めての日本旅行、桜や紅葉の季節旅、家族旅行、和文化を体験したい時
ブランド・エクイティ: 日本文化の本丸、一度は行きたい古都、本物感・格式への信頼
京都の強みは、DBAが圧倒的に「多層」であることです。
単一の名物ではなく、景観、食、歴史などの複数のDBAを束ねることで、「春に行きたい」「家族で行きたい」「文化に触れたい」といった、季節や目的別の多様なCEP(旅のきっかけ)を網羅的に広げることに成功しています。
事例02:しまなみ海道(メジャー観光地)

「移動」そのものを体験価値に変え、強いCEPとリンク
DBAs(目印): 多島海と7つの橋、サイクリングロードの青線、海を渡る風景
CEPs(きっかけ): 週末のアクティブ旅、初めてのロングライド、仲間とのリフレッシュ旅
ブランド・エクイティ: サイクリングの聖地、海を渡る爽快な体験、瀬戸内らしさの象徴
本来であれば目的地に向かうための「手段」である移動(自転車で橋を渡る)を、「目的化(アクティビティ)」した事例。
景色(DBAs)と体験を掛け合わせることで、「週末に仲間と思い切り体を動かしたい!」という具体的な旅のきっかけ(CEPs)を設計しています。
事例03:直島(ローカル・ニッチ観光地)

尖ったDBAを核に、全国・海外へ届くCEPをつくる
DBAs(目印): 黄かぼちゃと現代アート、美術館・建築体験、「アートの島」という呼び名
CEPs(きっかけ): アートを巡る旅、建築好きの週末旅、日本再訪で地方に行きたい時
ブランド・エクイティ: 世界に知られるアートの島、静かな余白と創造性
メジャー観光地のようにDBAが多層でなくても戦えているのが直島だと思っています。
「現代アートと瀬戸内の景観」いう極めて少数のDBAに鋭く尖らせることで、ニッチであっても国内外から「そこに行く明確な理由(CEP)」を生み出しました。ローカルが勝つための一点突破の好例です。
事例04:阿智村(ローカル・ニッチ観光地)

「日本一の星空」という一言で、強いCEPと記憶をつくる
DBAs(目印): 日本一の星空、星空ナイトツアー、昼神温泉
CEPs(きっかけ): カップルの夜旅、家族の星空体験、都会疲れをリセットしたい時
ブランド・エクイティ: 星を見に行く目的地、夜の体験価値が高い、癒やされる村
阿智村の最大の学びは、「何をしに行く場所か」が【一言で伝わる強さ】です。
「日本一」という分かりやすい目印(DBA)があることで、「ロマンチックな夜を過ごしたい」「都会の疲れを癒やしたい」という瞬間に、パッと思い出される(CEP)確固たるポジションを築いています。
あなたの地域は「どんな瞬間に」思い出されますか?
4つの事例から分かるのは、選ばれる観光地はただ闇雲に魅力を発信しているのではなく、「自分たちの目印(DBA)が、旅行者のどんな日常の文脈(CEP)に刺さるのか」を的確に結びつけているということです。
地域の魅力を語る時、どうしても「あれもこれも」と情報を詰め込みたくなりますが、大切なのは生活者の頭の中の引き出し(旅のきっかけ)に、どうラベルを貼ってしまっておいてもらうかです。
皆さんの関わる地域やサービスは、どんな「目印」として記憶され、どんな「瞬間」に思い出されているでしょうか? ぜひ、「3つのリンク」の視点から地域の魅力を再定義してみてください。
そんなセミナーを5/26に行います
【5/26 オンライン開催】DBAs・CEPs・ブランドエクイティ実践講座~思い出され、選ばれ続けるブランドのつくり方~
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2026/5/26(火)12:00〜13:00 ※ランチタイムの流し聞きウェルカムです🙌
※配信は2026/5/26(火)12:00〜13:00の配信でございます。お時間になりましたら配信URLにお入りください。
■開催形式
オンライン開催 ※申し込みの参加者には後日接続先URLをお送りいたします。
■参加費
無料
※原則はどなたでもご参加いただけます。
※競合他社と判断した場合は参加をお断りする可能性がございます。
■ウェビナー概要
「良い商品なのに、なぜ売れ続けないのか?」 「クラウドファンディングでは成功したが、選ばれ続けることが難しい。」 「デザインもロゴもこだわりたいが、売り上げに直結しているかわからない。」
こんな声を耳にします。
ブランドの想いはあるが、選ばれない
SNSや広告をやっているが、効果がつながらない
デザインやロゴを変えても、売上に直結しない
“思い出される設計”が抜けていることにあるかもしれません。
本セミナーでは、
DBAs(独自のブランド資産)
CEPs(思い出されるきっかけ)
ブランド・エクイティ(選ばれ続ける理由)
この3つをどうつなぎ、“売れ続ける状態”を設計するのかを解説します。
理論の紹介だけではなく
なぜ今この3つが重要なのか
なぜ地方ビジネスで機能しにくいのか
どうすれば現場に落とし込めるのか
事業に明日から活用できる考え方を、地域ビジネスに実装する視点でお伝えします。
▼詳細・お申し込みはこちらから
HONEは地域に根ざし、現場に足を運ぶマーケティング会社です。
日本の地方には、魅力的な商品・サービスがたくさんあります。
地方に根ざしたブランドの志や文化、人々の誇りや営み。HONEはそうした人たちの想いを価値に変えるべく、現地に出向いてきました。 私たちは、文化と経済の「骨」を設計し、地域の「らしさ」を未来へつなげる仕組みを育てます。 論語と算盤。想いと仕組み。美学と実行力。 その両立を、マーケティングの力で実装していきます。

▼HONEにできること
語られていない価値の「骨」を探す
商品や地域の中にある「想い」や「背景」は、まだ言語化されていないだけかもしれない。 それらを丁寧にすくい上げ、ブランドの芯として翻訳します。 見落とされがちな隠れた価値に役割を与えることが、事業の骨格をつくるはじまりです。
現場に入り、五感を使って「骨」を磨く
戦略も仕組みも、現場を歩き、対話することから始まります。 地形、歴史、空気、人の言葉やまなざし。デスクリサーチでは捉えきれない情報を五感で受け取り、定量と定性、論理と情緒、ロマンとそろばんを掛け合わせて、設計に落とし込みます。
手を動かしながら、「骨」を強くする
支援とは、プランを出して終わりではありません。 現場に入り、泥臭く、時に失敗しながら共につくりあげていきます。 頭で考えて、手足を動かす中で生まれる「実感」こそが、骨を太くし、しなやかに持続する構造を育てていきます。
文化となる「骨格」を、未来へ残す
目指すのは、ただ売ることではありません。 地域に根ざした文化や営みに芯を通し、事業として持続可能なかたちに育てていくこと。短期的な成果ではなく、関わる人たちの誇りとなり、語り継がれていく仕組みをデザインします。 HONEは、経済と文化をつなぐ骨を共につくり、未来へと残していきます。

▼HONEの強み
01/一貫サポート
戦略設計から実行〜検証まで。経営課題の整理から、現場を動かす具体的な仕組みづくりまでを、一貫して支援します。リサーチ・企画・実装・振り返りのすべてに伴走し、商品・サービスの価値を再定義しながら、現場に根づく事業を共につくります。目指すのは、短期的な成果だけでなく、文化が息づき、長く続く事業と地域のかたちです。
02/現場主義
デスク上、リモートワークでは見えない、地域の空気や人の温度に触れる。HONEは現地に足を運び、実際に現場の風景・人の営みに向き合いながら、これまでの現場で得た経験則を元に戦略・戦術に反映していきます。現在起こっている事実に基づく分析はもちろんのこと、解釈に現場の五感で得た気づきを重ね合わせ、実装へとつなげていきます。
03/全国実績
北は北海道、南は沖縄まで、一次産業から観光、教育、行政、ベンチャー、スタートアップ、アトツギなど、多種多様なプロジェクトに携わってきました。たくさんの地域を見てきたからこそ、それぞれの良さに気づくことができます。そして土地に根付くその事業の「らしさ」を、より鮮明に見つけることができます。全国各地で積み重ねた知見を、次の挑戦に活かします。
04/産学官連携
企業・教育機関・行政と手を取り合い、対話を重ねながらプロジェクトを推進しています。 単なる連携にとどまらず、それぞれの立場が持つ知見や資源を持ち寄り、地域に根ざして実装していくこと。 現場での実践と、学びの場での理論、そして制度や仕組みをつなぐ橋渡しとして、多様なセクターの信頼を得ながら取り組みを展開しています。

なぜ今、“地方”でマーケティングが必要なのか
マーケティングという言葉には、しばしば「スケールする」「売上を伸ばす」といったイメージが付きまといます。しかし、地方において本当に必要なのは、そうした直線的な成長だけではありません。人口減少、担い手不足、そしてインフラや情報環境の未整備。多くの地域が、さまざまな制約の中で日々の営みを続けています。
制約が多いからこそ、その土地に根ざした価値を継続し、文化や人々の想いを循環させていくための工夫が欠かせません。マーケティングの論理をそのまま持ち込むのではなく、人肌を大切に、想いを大切に、未来へとつなげていく。実装力と創造力を備えた「地方のマーケティング」が必要です。

地方に必要なのは、「地域理解」
こうした現場においてまず必要なのは、「何をどう売るか」よりも先に「この地域には何があるのか」「何を残していきたいのか」を知っていく姿勢。つまり「地域理解」です。ブランド構築の土台を固めるには各レイヤーごとに把握すべきポイントを理解することが重要です。

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最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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【記事を書いた人】

株式会社HONE
代表取締役 桜井貴斗
札幌生まれ、静岡育ち。 大学卒業後、大手求人メディア会社で営業ののち、同社の新規事業の立ち上げに携わる。 2021年独立。クライアントのマーケティングやブランディングの支援、マーケターのためのコミュニティ運営に従事。









