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インサイト発見力を高めるための『四則演算的思考法』

  • 執筆者の写真: 桜井 貴斗
    桜井 貴斗
  • 2024年4月9日
  • 読了時間: 7分

更新日:3月30日


インサイト発見力を高めるための『四則演算的思考法』




そこで本記事では、下記について解説いたします。


▼本記事で説明する内容

  1. インサイトとはなにか?

  2. 具体事例から考えるWhat(提供価値)

  3. 四則演算式思考術



 


突然ですが、みなさんは「インサイト」をご存知でしょうか?

Googleで「インサイトとは」を検索した際の最上位の解説にはこのように書かれています。


インサイトは直訳すると「洞察」や「物事を見抜く力」などを意味します。そして、マーケティングにおけるインサイトの意味としては、「人を動かす隠れた心理」を指しています。消費者自身も気づいていない無意識の心理ですが、認識すれば行動を起こすでしょう。

無意識の状態ということで、インサイトは「潜在ニーズ」と混同されることがありますが、これは正しいとは言えません。例えば、「痩せたい」という顕在ニーズがあると仮定します。なぜ痩せたいのかさらに掘り下げると、「健康になりたい」「おしゃれな服が着たい」「自信を持ちたい」などといった理由、潜在ニーズが見えてきます。潜在ニーズは欲求があるのにそれに気付いていない状態を指し、対してインサイトはまだ欲求さえない状態を指しています。

インサイトとは?


消費者さえも自覚していない潜在的な欲求、とも言えるかもしれません。図で表すと↓のようなイメージです。


インサイトとは人間の本質的・本能的欲求に基づく心理


フジロックに置き換わったのは何か?


ちょっと別の話をさせてください。


少し前ですが2022年、フジロックのCMが議論になりました。一説には「動画の作りそのものがお粗末」「ステレオタイプなサラリーマンがあまりイケてない」など、さまざまな意見が交わされました。


ここで大切なのは、「フジロックのターゲットは誰か?」ということです。


日本3大フェス比較調査

とある調査では2018年(コロナ前)では20代が46%、30代が41%と、比較的若年層が多いようなデータがありました。



一方、別の記事では以下のような内容がまとめられていました。


今回、何より驚いたのは、中高年の多さだ。見る限り観客は30代以上。50代、60代の白髪まじりの“おひとりさま男子”も目立つ。特に元ロック野郎だったタイプでもなさそうな、ごくごく普通のサラリーマンタイプ。至極、平和な風景である。

先ほどのアンケートデータよりもずっと定性的な情報ですが、若年層よりも中高年の参加が増えている、という記事となっています。


仮に「フジロックの利用者は中高年が増えている」がファクトだった際に、冒頭に紹介したフジロックのCMの登場人物(おそらく40代半ば〜後半)はファクトと同世代ということになります。ユーザー目線からすると、同世代が出ているCMを見て文句を言う人はあまりいないように思います。


では動画を非難しているのは誰か?というと、登場人物とは異なる世代=「20代〜30代前半」or「50代以上」と言うことになります。50代以上が避難するメリットがない、とすると非難しているのは「20代〜30代前半」という推論が浮かび上がります。



なぜ20〜30代前半はCMを非難しているのか?


ここからは「フジロックの利用者は中高年が増えている」がファクトであり、かつCMのターゲット外である「20代〜30代前半」が動画を非難していることを前提とした場合、なぜ彼ら・彼女らが動画を非難しているのか?について考えてみたいと思います。


それは、コロナ禍で「ライブフェスを利用しなくなってしまったユーザー」がCMを非難をしているのではないか?と言う仮説です。非難の背景には「本当はフェスに行きたいけれど(金銭的・物理的、その他何かしらの理由で)行くことができない」人たちのエネルギーが負(マイナス)に働き、不満に転化しているのではないか?と言う仮説からきています。


つまり、「20代〜30代前半」のユーザーはライブフェスで感じていたWhat(提供価値)を別の何かに置き換えている、とも言えるかもしれません。

ライブフェスに置き換えられた別のWHAT(提供価値)は何か?

これもまた仮説の域を出ないのですが、私は「THE FIRST TAKE」だと推察しています。



「THE FIRST TAKE」

「THE FIRST TAKE」のWhatとは何か?


なぜ「THE FIRST TAKE」に置き換えられたのか?については、「プロのアーティストの一発撮り=たった一度しか見れない姿」にライブを照らし合わせているのではないか?と言う仮説です。



「いやいや、フェスやライブには比べ物にはならないよ…」と言う反論が聞こえてきそうですが、私自身、もちろん全く置き換えられたとは思っていません。しかし、コロナ禍による行動規制・若年層の可処分所得の低さ・昨今のスマホ依存など背景から「コロナ禍限定の一時的なWhatの代替」には十分なのではないか?と考えています。


このようにして、フェスのWhatが「THE FIRST TAKE」に置き換えられた「20代〜30代前半」が、フジロックに行く中高年のCMを見て、ジェラシー半分に「こんなダサいフェス行くものか!」と非難するかもしれない、と思うわけです。



四則演算的思考を使ってみよう


ここでようやくタイトルの「四則演算的思考」について触れていくわけですが、考え方は至ってシンプルです。


目的(Objective)と手法が四則演算などの簡単な数式で成り立つことを四則演算的思考と勝手に読んでいます。


先ほどの「フェスに行く」という「How」は「アーティストの一期一会に立ち会える」という目的(objective)を達成させるための手段である、という数式が成立するのではないか?ということです。


目的(object)に到達するためにHowがある

これが20代〜30代前半のユーザーにとっては↓のように置き換わった、というようなイメージです。


目的(object)に到達するためにHowがある2

ただ漠然と「仮説を立てる」というと途方に暮れてしまうかもしれませんが、「ユーザーが求めている目的(objective)は何か?」が分かれば、そのために「○○という行動・手段をとっている」という仮説が立てられるかもしれません。


さらにフジロックの外部アンケートやファクトを集めることで、「若年層のフェス利用が減っている」「オンライン上でのライブが高まりを見せている」「その結果、THE  FIRST TAKEが流行っている」などと因果関係・相関関係が明らかになり、新しいHow(手法)を導き出すことができる(かもしれない)という考え方です。


もう1つ別の例題を考えてみましょう。


「モテる」という目的に対してどんなHowが考えられるか?という問いです。手法を考えるだけなのでそんなに難しい話ではないですよね。


Howを掛け合わせると目的(object)が最大化できる

仮説としては↓のような「異性とたくさんデートする」×「マッチングアプリを複数利用する」の2つの手法が掛け合わされた結果、「モテる」と定義することにしました。となると、「デートの数・マッチング数・メッセージ送信数・アプリの利用数」などがKPIになるのかもしれません。


Howを掛け合わせると目的(object)が最大化できる

今度は、Howが先行した場合。「毎日noteを書く」+「SNSフォロワーを増やす」ことは結果どんな目的を到達することになるのか?とりあえずHowをこなしているけれど、これってなんの意味になるんでしょう?と路頭に迷ってしまっているのかもしれません。


そんな時は「そもそも何を目指しているんでしたっけ?」と目的や目標を今一度定義づけてあげてもいいと思いますし、「毎日noteを書くことでどんな意義やスキルを身につけましたか?」と日々のアウトプットから得られている結果を問うてみるのもいいかもしれません。


Howの先にある目的は何か?

いずれにせよ、四則演算を使えば「目的=手法」を繋ぎ合わせることができ、ファクトから仮説構築を、仮説から効果検証を導くことができるのではないか?という話でした。


概念・抽象的な話が多く分かりづらかったらごめんなさい!皆さんのインサイト発見、仮説構築力の一助になれたなら幸いです。



HONEのサービスについて


当社では、地方企業さまを中心に、マーケティング・ブランド戦略の伴走支援を行なっています。事業成長(ブランドづくり)と組織課題(ブランド成長をドライブするための土台づくり)の双方からお手伝いをています。

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最後までお読みいただき、ありがとうございました。


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【記事を書いた人】


株式会社HONE  代表取締役 桜井貴斗

株式会社HONE

代表取締役 桜井貴斗


札幌生まれ、静岡育ち。 大学卒業後、大手求人メディア会社で営業ののち、同社の新規事業の立ち上げに携わる。 2021年独立。 クライアントのマーケティングやブランディングの支援、マーケターのためのコミュニティ運営に従事。



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