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マーケティングを教えてほしいと言われてつくった資料を解説してみた。

  • 執筆者の写真: 桜井 貴斗
    桜井 貴斗
  • 2024年4月7日
  • 読了時間: 10分

更新日:3月30日


マーケティングを教えてほしいと言われてつくった資料を解説してみた。

どうも、桜井です。


とある場所でクローズドの講義することになり、そのためにビギナー向けのマーケティング講習資料をつくりました。ツイートでお知らせしたところ、何名からか参照したいとのお申し出をいただきましたので公開させていただこうかと思います。


※本資料には著作権のある情報の流用があるため、出典元を明記しています。再流用する場合はお取り扱いに十分ご注意ください。




株式会社HONEでは過去のセミナー資料、お役立ち資料、会社紹介資料がダウンロードできます。


資料




本資料の目的はなにか


本資料は学生向け(主に大学生)に「マーケティングを教えてほしい」という依頼から始まりました。(ご依頼いただいた人いわく)「最近の秀才と言われる学生ほどフレームワークを多用することでオリジナリティがなくなってきている」とのことでした。多様な価値観を持つことが世の潮流となりながらも、正解を求めてしまう傾向にあるということです。


確かに、私自身も学生に対して多少なりとも同様の所感を持っていたため、「ではやりましょうか!」とお話を受けることにしました。





本資料の目的は「地方でマーケティングを扱う、私自身が考えるマーケティングとはなにか?」を解説して理解いただくことです。また大きな前提として、マーケティングにはこれだ!という定説がない(と思っています)。


市場に成長性があるか、シェアを取りきれていない場合、現状成果が出ているファクトから共通項を見出してそれを広げる方法をとりと思いますし、今市場そのものが存在しない場合は「どんな価値を伝えたいのか?」から戦略策定をしていきます。自社のポジショニングや競合優位性、ユーザーインサイトなどの変数を見極めて、勝ち筋を定めていく感じイメージです。


ブランディングとマーケティングの違い

そのため、Tipsやノウハウのような風化されやすい情報商材のような水物ではなく、普遍性を持った実戦学であると思っています。


普遍性があるため、マーケティングが抽象的で捉えどころがない(ように見える)。そしてマーケティングという言葉の解釈が異なるのは「多くの変数」があるからだと思います。変数とは目指す目的、業界・業種、事業規模、ビジネスモデルなどによって「どの変数を重要視するか」が変わってくることです。マーケティングが経営そのものと言われる所以もこの辺りかと個人的には感じています。


以上、前置きが長くなりましたが資料をご紹介していきます!



マーケティングとはなにか


今一度誤解なきように伝えておきますが、これは「地方でマーケティングを扱う、私自身が考えるマーケティングとはなにか?」であり、マーケティングはこうあるべし!という話ではないことをあらかじめご了承ください。

本資料では自己紹介からはじまっていますが、私自身のプロフィールはこちらのnoteに譲り、本題にいこうと思います。



ではまず質問、マーケティングとは?


マーケティングとは?

Googleで「マーケティング」を画像検索すると出てくるのは多くのフレームワークです。


マーケティングとは?

マーケティングとは?

しかし、これはマーケティングなのでしょうか?一言で言うなれば私自身はこのように定義します。


マーケティングとは?

某マーケターの言葉ですが、大切なのは「設定した目的」と「売れる必然」だと思っています。


マーケティングとは?

世の中に出ている成功事例では(当然ですが)目的が設定されているものばかりです。しかし、少しでもマーケティングを実務として携わっている人ならわかると思うのですが、「目的の設定」が抜け落ちていることがとても多いと感じるのではないでしょうか。


ここでの目的=「最終的に成し遂げたいこと」です。さらに注意したいのはそれらを「誰が読んでも誤解のない言葉」で表現する、ということです。つまり、目的=成し遂げたいことはできるだけ定量(数値)で語らなければなりません。


目的・戦略・戦術の違い

しかし、世の中に蔓延る悪しき“マーケティング”では、以下のことから始めてしまうように思います。


マーケティングの誤解

まずはここ5年の市場規模の推移を追ってみる、競合の製品を体感してみる、広告のプランニングを考える、商品のコピーを考える、などなど。


しかし目的のないマーケティングはタスクにしかなりません。


目的なきマーケティング

例えば、下記のA・Bそれぞれで打ち手は変わると思いますか?


それぞれの打ち手

当然ですが、変わりますよね。この問いはあえてわかりやすくしていますが、目的によって打ち手が変わるため、そのための調査・計画なども変わります。だからこそ、目的を定めることはとても大切です。


では目的を定めたあとにどうするか?についてはじめて「マーケティングフレームワーク」を使って現状把握を行なっていきます。ポイントは目的を到達するために必要な情報を集めること、です。


市場分析〜事業戦略〜マーケティング戦略〜コンセプト設計

※フレームワーク個々の細かな情報は割愛します。



戦略とはなにか


続いて戦略です。戦略とは端的に言えば「WHO(ターゲット)」と「WHAT(提供する価値)」を決めること、と言えます。


下記のカオスマップはplaygroundさんが取りまとめられたエンタメビジネスカオスマップです。ご覧の通り、エンタメプレイヤーはネットフリックス、アマプラをはじめとする映像系SaaSから、ショート動画が大量投下されているTikTok、YouTubeなどの動画プラットフォーム、ライブ配信の17LIVEなど、可処分時間の奪い合いが起こっています。


With/Afterコロナのエンタメビジネスカオスマップ

これらプレイヤーは同じWHOなのでしょうか?


多くのマーケターはWHOの切り分け方をデモグラフィック(年齢・性別)とジオグラフィック(商圏・居住地区)で切り分けようとします。これはよく陥りがちな誤解だと思っています。


特にWebマーケティング業界において、Web広告でのセグメントの多くが大きくこの2つに集約される、というのが原因だと感じているのですが、私自身、WHOはデモグラフィック・ジオグラフィックだけではセグメントできないと思っています。


ではどのように設定していけばいいのか?大切なのは特定カテゴリの価値観(サイコグラフィック)でセグメントをすることは1つの手段となると思います。


例えば、


  • 炭酸飲料だったら強炭酸がいい

  • 牛肉は絶対に国産がいい

  • 枕は低反発がいい

のように、購入するカテゴリによってユーザーが買う基準(こだわり)があります。それを価値観と呼び、価値観でそれぞれでセグメントしていくという方法です。


ここでは年齢や性別を軸にしてセグメントすることはありません。結果的に年齢・性別が分けることはありますが、あくまで「特定カテゴリ内でどんな価値基準で商品・サービスを買っているか?」を考えることが大切だと思っています。


もう少し踏み込んで考えると、この「価値基準」というのは消費者が商品・サービスに触れるタイミングによって変わるのではないか?という仮説です。

わかりやすくいうと、


  • 給料日「前」と「後」

  • 大きな買い物をした「前」と「後」

  • 結婚した「前」と「後」

  • 子供が「いる」家庭と「いない」家庭


など、もともとの性格や価値観に加えて、ライフステージや日常生活などの置かれている環境や状況によって変化するもの、ということです。


たとえば、以下のグラフ(っぽいもの)は「家具」の購入を検討しているユーザーの価値観の変化を描いたものです。


  1. もともとの価値観(性格・好み)

  2. 特定カテゴリの価値観(意思決定基準)

  3. ライフイベントによる価値観

サイコグラフィックセグメント例

もともと(①)では「コスパ最重視」だった価値観が、家具カテゴリ(②)においては「見た目最重視」であり、さらに結婚〜引っ越し(③)を機に「機能性重視」に変わっていく、というような流れです。


価値観と時間軸をそれぞれ鑑みながら、いつ・どのフェーズの価値観を持っている人に対してアプローチするのか?は考えていきたいポイントだと思っています。


この手の話をすると、手練れのマーケターや経営者は「でもそんなn1の話をしたって再現性ないでしょ?」「考える時間があるなら現場で手を動かした方がいいんじゃない?」と思うかもしれません。


大切なのは仮説が当たるか当たらないか?ではなく(もちろんもちろん当てるに越したことはないのですが)、再現性や成功確率を高めるためにこそ、考える癖づけを止めないようにしたいと思っています。



マーケティングには意味があるか


ここまでお読みいただき、マーケティングは役に立ちそうだけど、それって意味はあるのか?最近は役に立つより意味がある(©️山口周)方が大切なのではないか?パーパスドリブン、ビジョンドリブンの方がいいのでは?という声を聞くようになってきました。


意味がある、と役に立つ

ちなみに山口周さんの書籍(ニュータイプの時代)には以下のような図と文章が書かれています。


意味がある、と役に立つ

やりましょう!私も地方創生、まちづくり

これは一種の役割だと思っていて、結論として「役に立つもの」と「意味があるもの」をTPOによって使い分ければいいんだと思っている派です。


例えば、広告に例えてみるとわかりやすいかもしれません。


役に立つ広告と意味がある広告

これらは役に立ちそうな広告。


役に立つ広告と意味がある広告

役に立つ広告と意味がある広告

一方、これらは意味がありそうな広告。


役に立つ広告と意味がある広告
役に立つ広告と意味がある広告

広告における「役に立つ」と「意味がある」では例えるなら「機能」と「情緒」ではないかと思っています。


  • 役に立つ広告=機能性を謳ったもの(数字を用いた比較)

  • 意味がある広告=情緒性を謳ったもの(特定の価値観を発信する)

役に立つ・意味があるの対比は、先ほどのWHOで出てきた「デモグラフィック・ジオグラフィック」と「サイコグラフィック」と似ていると思わないでしょうか?私は同じように感じています。


役に立つものが欲しい人にとっては機能性を訴求した方がいいし、価値観に共鳴・共感したい人にとっては情緒性を訴求した方がいい、ということです。すべてのブランドがどちらかに属するということはありませんので、ブランドの持っているエクイティーやユーザーが期待していることなど、様々な要素を鑑みて判断をすることが必要になってくるかと思います。


さらには「広告の目的」によって打ち出し方は変わると思います。


広告の目的

役に立つ広告・意味がある広告について、それぞれの目的を私なりにまとめてみました。


役に立つ広告と意味がある広告の違い


おわりに


もし今回の資料の続きをご覧になりたい方はPDFをご用意しましたのでご希望の方には以下よりダウンロードをお願いします。ちなみに本資料の構成はこんな感じです。


マーケティング資料

本資料以降は、


  • 「役に立つ広告」と「意味がある広告」の具体事例

  • ロジカルシンキング、クリティカルシンキング、ラテラルシンキングの違い

  • パーパス 「意義化」する経済とその先・その他まとめ

などをまとめています。



※本資料には著作権のある情報の流用があるため、出典元を明記しているため、再流用する場合はお取り扱いに十分ご注意ください。


HONEのサービスについて


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最後までお読みいただき、ありがとうございました。


5万伴走


【記事を書いた人】


株式会社HONE  代表取締役 桜井貴斗

株式会社HONE

代表取締役 桜井貴斗


札幌生まれ、静岡育ち。 大学卒業後、大手求人メディア会社で営業ののち、同社の新規事業の立ち上げに携わる。 2021年独立。 クライアントのマーケティングやブランディングの支援、マーケターのためのコミュニティ運営に従事。





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