【考察】なぜ地域創生プロジェクトは失速するのか?「守り」と「攻め」で考える、行政と民間のより良い関係性
- 2 日前
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地域おこし協力隊の育成や、特産品開発、地域ブランドの向上。全国各地でさまざまな地域創生プロジェクトが立ち上がっては、静かに幕を閉じていきます。
「素晴らしいアイデアだったのに、なぜ定着・自走しないのか?」
その背景には、担当者の熱意や能力の問題ではなく、プロジェクトを発注する「構造」そのものにミスマッチが潜んでいます。今回は、地域で事業をつくる現場の視点から、行政と民間が陥りがちな3つの構造的要因と、これからの地域に必要な「ルールの分離」について考察します。
「失敗できない」組織文化とリスク許容度の違い
行政の最大の使命は「公平性」と「無謬性(失敗しないこと)」です。
税金を原資としている以上、これは当然の前提であり、リスクをとって大きなリターンを狙うことよりも、失敗して市民や議会からクレームを受けないことが組織内で評価される傾向にあります。
結果として、委託先を選ぶ際にも「過去に類似の行政受託実績があるか」「前例としてトラブルがなかったか」という保守的な判断基準が最優先されます。しかし、ゼロから価値をつくり、利益を上げるためのビジネスにおいて、ノーリスクはあり得ません。リスク許容度の前提が、行政と民間ビジネスの最初のすれ違いを生んでいます。

「納品」と「成果」。目的と評価軸のズレ
2つ目は、ゴール設定のズレです。
民間ビジネスにおける成功は「売上・利益の創出」や「顧客獲得」といった明確なアウトカム(=成果)です。
一方、行政の委託事業においては、構造上「予算を期限内に適正に使い切り、仕様書通りのイベント回数をこなし、整った報告書を納品すること」がゴールになりがちです。
事業が終わった後に「どれだけの経済的・社会的インパクトを生んだか」「協力隊がどれだけ稼げるようになったか」という踏み込んだ成果検証が、そもそもの公募や入札の要件に組み込まれていないことが多いのです。これでは、事業が静かに始まって静かに終わってしまうのも無理はありません。

「稼ぐ力」を見極める目利き機能の難しさ
3つ目は、審査側の経験値です。
ビジネスの酸いも甘いも噛み分け、自ら商売をした経験がない担当者が、提案書から企業の「稼ぐ力」を見極めるのは至難の業です。
結果として、現場での実現可能性よりも、「見栄えの良い提案書」や「過去の行政受託実績の数」といった、定量化しやすく、上司や組織を説得しやすい表面的な情報で判断せざるを得なくなります。
本当に地域に入り込んで汗をかける実践者よりも、補助金の扱いや「綺麗な報告書づくり」に長けた事業者が選ばれやすくなる構造がここにあります。

解決策:「守り」と「攻め」の調達ルールを分離する
では、どうすればこの構造を突破できるのでしょうか。
結論から言えば、行政の調達ルールを「守り」と「攻め」で明確に分離する必要があると考えています。
インフラ整備や福祉など、地域住民の生活の基盤となる「地域を守る事業」は、これまで通りの公平性と確実性を重んじたルールで発注すべきです。
しかし、地域のお土産開発やブランド向上、協力隊の自立・起業支援といった「価値をつくり、利益を上げる事業(攻めの事業)」まで、同じ審査基準で発注していることが最大のボトルネックなのです。
攻めの事業において、真に泥臭く伴走し、地域に利益をもたらすプレイヤーを選ぶためには、思い切ったルールの見直しが求められます。
例えば、審査員の半数以上に現役の経営者や起業家をアサインする。あるいは、固定の委託費ではなく、生み出した利益や成果に応じて報酬が変動する「成果連動型」のスキームを導入する、といった具合です。

最後に:自立する地域をつくるために
地域の未来をつくるのは、単なる優しいお悩み相談や綺麗な計画書ではなく、想いを売上に変え、経済的に自立していく泥臭い実装力です。
行政の仕組みを否定するのではなく、目的(守るか、攻めるか)に応じて適切なルールを再設計する。それができれば、行政の持つ公共性・ネットワークと、民間の持つ突破力が噛み合い、地域にはもっと「自走するエコシステム」が生まれていくはずです。
HONEは地域に根ざし、現場に足を運ぶマーケティング会社です。
日本の地方には、魅力的な商品・サービスがたくさんあります。
地方に根ざしたブランドの志や文化、人々の誇りや営み。HONEはそうした人たちの想いを価値に変えるべく、現地に出向いてきました。 私たちは、文化と経済の「骨」を設計し、地域の「らしさ」を未来へつなげる仕組みを育てます。 論語と算盤。想いと仕組み。美学と実行力。 その両立を、マーケティングの力で実装していきます。

▼HONEにできること
語られていない価値の「骨」を探す
商品や地域の中にある「想い」や「背景」は、まだ言語化されていないだけかもしれない。 それらを丁寧にすくい上げ、ブランドの芯として翻訳します。 見落とされがちな隠れた価値に役割を与えることが、事業の骨格をつくるはじまりです。
現場に入り、五感を使って「骨」を磨く
戦略も仕組みも、現場を歩き、対話することから始まります。 地形、歴史、空気、人の言葉やまなざし。デスクリサーチでは捉えきれない情報を五感で受け取り、定量と定性、論理と情緒、ロマンとそろばんを掛け合わせて、設計に落とし込みます。
手を動かしながら、「骨」を強くする
支援とは、プランを出して終わりではありません。 現場に入り、泥臭く、時に失敗しながら共につくりあげていきます。 頭で考えて、手足を動かす中で生まれる「実感」こそが、骨を太くし、しなやかに持続する構造を育てていきます。
文化となる「骨格」を、未来へ残す
目指すのは、ただ売ることではありません。 地域に根ざした文化や営みに芯を通し、事業として持続可能なかたちに育てていくこと。短期的な成果ではなく、関わる人たちの誇りとなり、語り継がれていく仕組みをデザインします。 HONEは、経済と文化をつなぐ骨を共につくり、未来へと残していきます。

▼HONEの強み
01/一貫サポート
戦略設計から実行〜検証まで。経営課題の整理から、現場を動かす具体的な仕組みづくりまでを、一貫して支援します。リサーチ・企画・実装・振り返りのすべてに伴走し、商品・サービスの価値を再定義しながら、現場に根づく事業を共につくります。目指すのは、短期的な成果だけでなく、文化が息づき、長く続く事業と地域のかたちです。
02/現場主義
デスク上、リモートワークでは見えない、地域の空気や人の温度に触れる。HONEは現地に足を運び、実際に現場の風景・人の営みに向き合いながら、これまでの現場で得た経験則を元に戦略・戦術に反映していきます。現在起こっている事実に基づく分析はもちろんのこと、解釈に現場の五感で得た気づきを重ね合わせ、実装へとつなげていきます。
03/全国実績
北は北海道、南は沖縄まで、一次産業から観光、教育、行政、ベンチャー、スタートアップ、アトツギなど、多種多様なプロジェクトに携わってきました。たくさんの地域を見てきたからこそ、それぞれの良さに気づくことができます。そして土地に根付くその事業の「らしさ」を、より鮮明に見つけることができます。全国各地で積み重ねた知見を、次の挑戦に活かします。
04/産学官連携
企業・教育機関・行政と手を取り合い、対話を重ねながらプロジェクトを推進しています。 単なる連携にとどまらず、それぞれの立場が持つ知見や資源を持ち寄り、地域に根ざして実装していくこと。 現場での実践と、学びの場での理論、そして制度や仕組みをつなぐ橋渡しとして、多様なセクターの信頼を得ながら取り組みを展開しています。

なぜ今、“地方”でマーケティングが必要なのか
マーケティングという言葉には、しばしば「スケールする」「売上を伸ばす」といったイメージが付きまといます。しかし、地方において本当に必要なのは、そうした直線的な成長だけではありません。人口減少、担い手不足、そしてインフラや情報環境の未整備。多くの地域が、さまざまな制約の中で日々の営みを続けています。
制約が多いからこそ、その土地に根ざした価値を継続し、文化や人々の想いを循環させていくための工夫が欠かせません。マーケティングの論理をそのまま持ち込むのではなく、人肌を大切に、想いを大切に、未来へとつなげていく。実装力と創造力を備えた「地方のマーケティング」が必要です。

地方に必要なのは、「地域理解」
こうした現場においてまず必要なのは、「何をどう売るか」よりも先に「この地域には何があるのか」「何を残していきたいのか」を知っていく姿勢。つまり「地域理解」です。ブランド構築の土台を固めるには各レイヤーごとに把握すべきポイントを理解することが重要です。

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【記事を書いた人】

株式会社HONE
代表取締役 桜井貴斗
札幌生まれ、静岡育ち。 大学卒業後、大手求人メディア会社で営業ののち、同社の新規事業の立ち上げに携わる。 2021年独立。クライアントのマーケティングやブランディングの支援、マーケターのためのコミュニティ運営に従事。







