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執筆者の写真桜井 貴斗

【1枚でまとめる!新規事業企画書】必須項目と作り方・戦略設計のテンプレート例

更新日:9月25日


【1枚でまとめる!新規事業企画書】必須項目と作り方・戦略設計のテンプレート例

新規事業企画書は社内の合意形成に必要な資料です。しかし、企業によって業態や意思決定プロセスが異なるために、必要な要素、粒度は独自性を求められがちです。


本記事では、新規事業立ち上げのアイデア出しから社内への比較検討に役立つ企画書の作り方と留意点を解説します。無料で使えるテンプレートをご用意しました。ぜひ、貴社の新規プロジェクトにご活用ください。


目次


新規事業企画書とは?


新規事業企画書は、新しいビジネスアイデアの実現に必要な情報を整理し、社内外の合意形成に使われる資料です。


新規事業企画書と似ている資料に「新規事業計画書」があります。両者の違いは、株式会社才流(サイル)の解説が非常にわかりやすいのでご覧ください。


新規事業企画書は、新規事業の「コンセプト」や「内容」を理解してもらうことに重きを置いているのに対して、新規事業計画書はコンセプトや事業内容を理解してもらったうえで、その先の具体的な「計画」の部分が重視されます。 新規事業企画書は「この事業をやるかどうか」の意思決定に、新規事業計画書は「どう進めるか」の意思決定に必要なものです。
出典:株式会社才流
出典:株式会社才流


新規事業企画書を1枚でまとめる形式は、忙しい経営者にとってありがたいものですが、ごく限られた範囲にどの要素をいれるべきか迷うのではないでしょうか。


本記事では、新規事業企画書の役割を踏まえながら、意思決定に必要な要素を検討するフレームワークをご紹介します。



新規事業企画書の役割

新規事業において、ステークホルダーに対し「この事業をやるかどうか」の判断材料を提示し、意思決定を促さなければ始まりません。例えば、経営者の意思決定、プロジェクトチームのビジョン共有、外部機関(投資家、銀行など)への提案が求められます。


中小企業の場合、経営者の思いつきで事業スタートして頓挫してしまう話をよく耳にします。そこで、事業アイデアと根拠を具現化しておけば、そのような失敗自体を回避できます。


具体的には以下のメリットがあると考えられます。


  • 事業への情熱と根拠が、社内に伝わりやすくなる

  • アイデアの検証ができる

  • ステークホルダーに共有しやすい


新規事業企画書は、企業の未来を描くための設計図として役に立ちます。事業アイデアをまとめるならば、どんな立場の人であれ作成をおすすめしたいツールです。



1枚でまとめるメリットと活用シーン


新規事業企画書を1枚でまとめると、情報が簡潔に整理され、関係者が理解しやすくなります。一方で、1枚にまとめた場合のデメリットも考えられます。


1枚でまとめるメリットと活用シーン

メリット


情報の集約と可視化

事業の核心を1枚に凝縮することで、全体像が一目で把握できます。これにより、複雑な事業計画の要点が伝わりやすくなります。


意思決定の迅速化

重要なポイントが1枚にまとめられているため、意思決定者が素早く内容を理解し、判断を下すことができます。


コミュニケーションの円滑化

1枚の資料を用いることで、プレゼンテーションやディスカッションの際に、全員が同じ情報を共有しやすくなります。


アイデアの洗練

限られたスペースに情報を詰め込むため、企画者は本当に重要な要素を選別し、アイデアを磨く必要があります。



1枚でまとめるデメリット


デメリット


情報の制限

1枚に収めるため、重要な情報を省略せざるを得なくなる可能性があります。これにより、事業の全体像や詳細な分析が伝わりにくくなる恐れがあります。


深い理解の困難さ

1枚では複雑な事業計画の細部まで説明することが難しく、読み手が事業の本質や課題を深く理解するのに支障をきたす可能性があります。


説得力の低下

詳細なデータや分析結果を十分に提示できないため、提案の裏付けが弱くなり、説得力が低下する恐れがあります。


誤解のリスク

限られた情報で事業を説明するため、読み手が誤解する可能性が高くなります。


フォローアップの必要性

1枚の企画書だけでは不十分な場合が多く、追加の説明や資料が必要になることがあります。これにより、かえって時間がかかる可能性があります。


柔軟性の欠如

読み手の関心や質問に応じて、情報を柔軟に提供することが難しくなります。


これらのメリット・デメリットを考慮すると、初期段階の概要説明や興味喚起には有効ですが、詳細な検討や最終決定には、より包括的な資料を用意したほうが良いでしょう。



新規事業企画書の構成要素


新規事業計画書に記載される項目をまとめました。ただし、作成の目的や共有先によって記載すべき内容は異なります。読み手が行動するために欲しい情報を取捨選択し、必要十分な内容を簡潔にまとめるのがポイントです。


背景 

なぜこの新規事業を企画したのかという理由や動機を説明します。


課題

この新規事業が解決しようとしている具体的な問題や課題を明確に定義します。


ビジョン

新規事業を通じて何を目指すのか、長期的なビジョンや目標を示します。


事業概要

具体的に何をする事業なのか、提供する製品やサービスの内容を詳細に説明します。


提供方法

事業の運営方法、ビジネスモデル、顧客への提供プロセスなどを記述します。


競争優位性

競合他社との差別化ポイントや、市場で勝てる理由を明確に示します。


チーム構成

事業を遂行するチームの構成、必要な人材、組織体制について説明します。


実現可能性

事業の実現に向けた課題や障壁、それらを克服するための戦略を提示します。


持続可能性

事業の長期的な継続性、収益モデル、成長戦略などを記載します。


新規事業企画書は実績の証明ができません。1枚目にこれらをまとめ、2枚目以降に具体的なデータや市場分析、財務予測などを適宜盛り込むのも良いでしょう。



1枚で伝わる企画書作成のポイント


一番大切なポイントは、情報に優先順位をつけることです。関係者が迅速に理解し、次のステップへの判断材料を提示する設計図として機能するとよいでしょう。特に、限られた時間で意思決定を行う場面では、要点を押さえた明確な表現が求められます。



アイデアを明確に言語化する


重ねてお伝えしますが、事業企画書のゴールは読み手に新規事業の価値と実現可能性を伝えることです。その企画書の説得力は、その根拠と熱意の言語化にかかっています。企画書にまとめることを目的とせず、まず事業アイデアの言語化をしましょう。


アイデアを明確に言語化する

①現状分析と課題

市場動向、競合状況、自社の強みを客観的にデータ化します。顕在・潜在的な課題を明確化し、解決の必要性・緊急性を示しましょう。


②事業コンセプト

顧客ニーズと自社の強みを結びつけた独自性のある提案を言語化します。簡潔で印象的な言葉で表現し、ビジョンと具体的な実現方法を示しましょう。


③顧客対象(誰に)

ターゲットの属性、ニーズ、行動パターンを具体的に定義します。市場規模と成長性を数値で示し、ペルソナを用いて具体化しましょう。


④提供価値(何を)

顧客の課題解決や体験向上につながる具体的な価値を明確にします。競合との差別化ポイントを強調し、顧客にとっての意義を説明しましょう。


⑤チャネル(どうやって)

顧客との接点を最適化する販売・流通経路を設定します。オンライン・オフラインの組み合わせや、既存チャネルの活用方法を具体化しましょう。


⑥想定される効果

顧客、自社、社会それぞれにもたらす定量的・定性的効果を予測します。KPIを設定し、達成時期と測定方法を明確に示しましょう。


⑦コスト・収益予測

初期投資、運営コスト、売上予測を根拠と共に提示します。損益分岐点と投資回収期間を示し、中長期的な収益性と成長性を説明しましょう。



1枚でまとめた計画書の例


①銀行・投資家への提案資料として


創業者の経歴、ビジネスのコンセプト、必要資金、財務予測を重視した例です。マネーフォワードはこのほか、銀行・投資家への説得力ある事業計画を練るために必要なテンプレートを提供しています。



②4Pでまとめたテンプレート


戦略を4Pでまとめた計画書です。対象顧客、戦略コンセプト、商品特性、価格、チャネル、販促が俯瞰しやすいため、社内資料として活用しやすいと考えられます。


出典:事業計画書テンプレート│無料ダウンロード『日本の人事部』 
出典:事業計画書テンプレート│無料ダウンロード『日本の人事部』 

戦略設計に使えるフレームワーク ・テンプレート


戦略設計に役立つフレームワークはさまざまです。ここでは、ビジネスモデルを視覚的に整理する「ビジネスモデルキャンバス」を使ったテンプレートをご紹介します。


資料は作って終わりではなく始まりです。読み手に伝わる資料作りの一助になれば幸いです。



ビジネスモデルキャンバス


ビジネスモデルキャンバスは、顧客への提供価値を視覚的に整理するフレームワークです。誰に何をどうやって提供するのか、実現に必要な収支、組織体制を俯瞰できます。


アイデアを明確に言語化する

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ビジネスモデルキャンバスの使い方


①9つの要素を書き出す

それぞれの要素に、必要な情報を書き込みます。


②足りない部分を補う

①で書き出した内容を整理し、不足部分を補います。分析・調査が足りなければ、ここで補いましょう。


③清書する

①と②をもとに、内容をアップデートします。



ダウンロード


このテンプレートは、通常のビジネスモデルキャンパスを社内共有用にカスタマイズしました。ビジネスアイデアの整理、意思決定者への提案にご活用ください。


▼ダウンロードはこちら



まとめ


社内の合意形成を円滑に進めるには、明確で簡潔な企画書が不可欠です。そのためには、ビジネスモデルを整理し、明確かつ簡潔に言語化しなければ、意思決定者の納得は得られません。


この記事が、新規事業のアイデアを具体化し、実現への第一歩を踏み出すための一助になりましたら幸いです。



HONEのサービスについて


当社では地方企業さまを中心にマーケティング・ブランド戦略の伴走支援を行なっています。事業成長(ブランドづくり)と組織課題(ブランド成長をドライブするための土台づくり)の双方からお手伝いをしています。


私がこれまで会得してきた知識・経験を詰め込んだブランド戦略サポートプランでは全5回でマーケティングの太刀筋を学べるものになっているため、ご興味ある方はご検討いただけたらと思います。




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最後までお読みいただき、ありがとうございました。



 

【記事を書いた人】


株式会社HONE  代表取締役 桜井貴斗

株式会社HONE

代表取締役 桜井貴斗


札幌生まれ、静岡育ち。 大学卒業後、大手求人メディア会社で営業ののち、同社の新規事業の立ち上げに携わる。 2021年独立。 クライアントのマーケティングやブランディングの支援、マーケターのためのコミュニティ運営に従事。


※本記事は一部AIを活用して執筆しています。

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