「プロダクトアウト」と「マーケットイン」とは?地方企業の“ものづくりの精神”を活かす方法
- 桜井 貴斗
- 4月4日
- 読了時間: 5分

「プロダクトアウト」と「マーケットイン」という2つのビジネスアプローチについて解説します。地方企業が持つ“ものづくりの精神”を活かしながら、いかに現代市場で通用する商品やサービスを生み出せるか。そのヒントをお届けします。
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目次
地方事業に「プロダクトアウト」が多い理由
「マーケットイン」を取り入れるには?
具体的な実践方法
地方に根付く「ものづくりの精神」とは?

地方には、地域資源や伝統技術を活かした独自のものづくり文化が息づいています。
たとえば、地元の素材を活かした食品や、代々受け継がれてきた工芸品など。それらは、職人の技術と情熱によって生み出される、誇り高き製品です。
このような価値観は「クラフトマンシップ」とも呼ばれ、地方企業の強みの源泉でもあります。
「プロダクトアウト」とは?
「プロダクトアウト」とは、自社の技術や信念を出発点に商品を開発し、市場に提供するアプローチです。
たとえば、地元の醤油職人が「この製法が一番」と信じて作った商品を、そのまま世に出す。——これがプロダクトアウトの典型例です。
地方企業では、この考え方が強く根付いており、伝統や品質に対する自信が商品の形に反映されています。ただし、市場や顧客のニーズが後回しになりがちなため、販売面で苦戦することもあります。
地方事業に「プロダクトアウト」が多い理由
業界内の評価重視:「品評会で評価されれば売れる」という文化
地域密着の商習慣:口コミや地元ネットワーク中心の販売
閉じた情報循環:同業者間の情報交換が中心で、消費者の声が入りにくい

「マーケットイン」とは?
「マーケットイン」は、顧客のニーズを出発点に商品開発を行う手法です。
たとえば、「都市部の若者が好む、スパイシーな味の商品が欲しい」という声を拾い、それを地元の素材で具現化する。これがマーケットインの考え方です。
地方企業がこの視点を取り入れることで、これまで接点のなかった市場にリーチできるようになります。
「マーケットイン」を取り入れるには?
「マーケットイン」を実践するために、次の3つの顧客視点を意識すると良いと考えています。
誰が使うのか?(地元住民、観光客、都市部の消費者など)
どう使われるのか?(日常使い、ギフト用途など)
何のために使うのか?(健康志向、思い出づくり、贈り物など)
具体的な実践方法

ワークショップの実施:ターゲット層(地元住民や都市部の消費者)を招いて意見をヒアリング。
バイヤーとの対話:小売店・ECサイト運営者との定期的な打ち合わせで市場動向を把握。
SNSやクラウドファンディング活用:テスト販売や共感マーケティングを実践。
パッケージやストーリーの工夫:技術の物語などで価値を訴求。
社員向けの勉強会:マーケティングやトレンドを学ぶ場をつくり、視野を広げる。
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「プロダクトアウト」と「マーケットイン」のバランスがカギ

大切なのは、「プロダクトアウト」と「マーケットイン」をどちらか一方に偏るのではなく、両方の視点を持つことです。
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こだわり抜いた素材と製法(=プロダクトアウト)に加えて、「持ち運びやすく、罪悪感なく食べられるおやつが欲しい」という3000人の声(=マーケットイン)をもとに商品を開発。ニーズを検証しながら商品化された、両者を融合させました。このように、顧客ニーズを理解したうえで、どう自社の強みと融合させるか。これが地方企業にとっての成長戦略のカギとなります。
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まとめ
地方企業の「ものづくりの精神」(クラフトマンシップ)は、技術や情熱に支えられた大きな価値です。しかし、現代の市場で成長を遂げるには、顧客の声を取り入れ、時代の流れに柔軟に対応する力が求められます。
「いいものを作れば自然に売れる」という考え方だけでは通用しづらい時代です。
まずは「どんな商品が求められているのか」を知ること。そのうえで、自社がそれを作るべきかどうかを判断できる状態が理想だと思います。
つまり、「マーケットインを体現すること」がゴールなのではなく、「マーケットを知った上で、プロダクトアウトを選ぶ」という選択肢もあっていいのです。
「プロダクトアウト」と「マーケットイン」を正しく理解し、両者のバランスを取ることで、地方発のブランドが全国、さらには世界へと羽ばたく可能性が広がります。
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最後までお読みいただき、ありがとうございました。
【記事を書いた人】

株式会社HONE
代表取締役 桜井貴斗
札幌生まれ、静岡育ち。 大学卒業後、大手求人メディア会社で営業ののち、同社の新規事業の立ち上げに携わる。 2021年独立。 クライアントのマーケティングやブランディングの支援、マーケターのためのコミュニティ運営に従事。
※本記事は一部AIを活用して執筆しています。
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