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X運用はAIに任せられる?「SebaschaNS」セバスチャンスから考える、AI時代の発信戦略。

2 時間前
読了時間: 14分
X運用はAIに任せられる?「SebaschaNS」セバスチャンスから考える、AI時代の発信戦略。

AIが文章を書いてくれる時代に、人が発信する意味はどこにあるのでしょうか。ChatGPTに「投稿を考えて」と頼めば、それらしい文章が数秒で出てきます。投稿の作成から分析まで、SNS運用の多くを自動化することもできるようになりました。


そんなSNS運用をAIで支援するサービスの一つが、ベイワークス株式会社が開発・運営するX運用AI「SebaschaNS(セバスチャンス)」です。過去の投稿や利用者の知見、人柄などをもとに、AI執事の「セバスちゃん」がサポートしてくれます。


私はサービス開始からセバスチャンスを利用していますが、一つ気になったことがあります。それは、X運用を効率化するためのAIでありながら、ユーザー自身の経験や考えを入力する工程が残されていることです。全てをセバスちゃんに任せるのではなく、本人が持つ一次情報を、発信の軸にしているのです。


今回は、セバスチャンスを開発する山本達巳さんに、AI時代の発信戦略や、人が発信する意味についてお聞きしました。そこで見えてきたのは、現実世界で何をするかが、大切になってくるということでした。


AIが文章を書き、いずれマーケティングまで考えてくれるようになったとき、人間には何が残るのか。セバスチャンスを通して、これからの発信戦略と、人間の役割について考えます。





SebaschaNS(セバスチャンス)とは


「SebaschaNS(セバスチャンス)」は、ベイワークス株式会社が開発・運営するX運用のAIサービス。利用者の過去の投稿や知見、人柄などをもとに、投稿ネタの提案や文章作成、アカウント分析、運用改善など、X運用にまつわるさまざまな作業を、AI執事の「セバスちゃん」がサポート。


将来的には、相談や依頼につなげるための導線づくりまで支援することを目指しています。「知を埋もれさせない」を掲げ、専門的な知識や経験を持つ人が、本業に向き合いながら発信を続けられる環境を目指している。



山本達巳さんプロフィール


山本達巳さん
山本達巳さん

静岡市出身。関西学院大学卒業後、地元の医療系企業での勤務を経て、父親が経営する医療・介護系企業に入社。経営やバックオフィス業務に携わる傍ら、輸入雑貨のネット販売を始める。2019年に独立し、複数の海外メーカーとの取引や自社アウトドアブランドの展開を経験。その経験を生かし、自社ブランドを伸ばしたい事業者を支援するため、2024年つきみ株式会社を設立。商品ページ制作や広告運用、SNSなどEC領域を幅広く支援しながら、商品ブランディングにも携わる。


現在はベイワークス株式会社の取締役として、AI執事サービス「SebaschaNS(セバスチャンス)」の開発にも取り組んでいる。



Xの発信は、どこで仕事につながるのか


セバスチャンスは、過去の投稿やプロフィールなどをもとに、その人に合ったX運用を支援するAIです。


投稿を考えるだけでなく、投稿ネタを見つけたり、アカウントの状態を分析したり、交流したほうがいい相手を提案したり。X運用にまつわるさまざまな作業を、「AI執事」のセバスちゃんが手伝ってくれます。


多くのSNSがある中で、なぜX運用だったのか。そこには、山本さん自身の経験が関係しています。


山本達巳さん
山本さん

山本さんは、ECコンサルタントとして独立してからの約2年半、顧客獲得の多くにXが関わってきたそうです。意外だったのは、「Xを見て問い合わせました」と直接連絡が来るケースは、ほとんどないということでした。


では、Xでの発信は、どのように顧客獲得につながっているのでしょうか。山本さんが話してくれたのは、フォロワーさん経由の事例です。


例えば、誰かが「Amazonに詳しいコンサルタントはいない?」と探していたとき、普段からXで山本さんの発信を見ている人が、「山本さんという人がいるよ」と紹介してくれることがあります。このとき、紹介された人も山本さんのXを見ることで、これまでの投稿から仕事内容や考え方を知ることができます。何も知らない人を紹介されるのとは違い、ある程度「どんな人なのか」が分かった状態で相談できるため、その後の話も進みやすくなるそうです。


Xから直接問い合わせが来るというより、日々の発信によって自分の存在や仕事を知ってもらい、誰かが必要としたときに思い出してもらう。山本さんの発信は、そのような形で顧客獲得につながっているそうです。



このお話は、私自身もかなり共感するところがありました。私が今インターンをしている株式会社HONEとの出会いも、Xがきっかけです。友人が代表の桜井さんをフォローしており、「静岡に面白い人いるよ」と紹介してくれたことからつながり、インターンをすることになりました。


また、普段の発信を見てくださった方から、記事の執筆を依頼していただいたこともあります。ちなみに、私のフォロワーは300人にも届きません。いわゆるインフルエンサーとは程遠い数字です。それでもXを振り返ってみると、人との出会いや仕事、新しい活動につながるきっかけがいくつも生まれています。


投稿した瞬間には、何も起きていないように見えるかもしれません。それでも、半年後に「そういえば、あの人があんなこと言っていたな」と思い出してもらうことがある。自分には必要のない情報でも、「この人なら友人に合いそう」と別の誰かへつないでもらうこともあります。


コツコツと積み上げた発信は、フォロワー数やインプレッションだけでは測れないところでも、少しずつ効いてきます。



Xを伸ばした先の設計


ここまでの事例のように、Xは直接の問い合わせだけでなく、誰かに思い出してもらったり、紹介につながったりと、さまざまな形で仕事のきっかけを作り出すことができます。


SebaschaNS noteより流用
SebaschaNS noteより流用

では、Xで知ってもらったあと、実際の成果につなげるには、何が必要なのでしょうか。Xに限らず、SNSの運用では、フォロワー数やインプレッション、エンゲージメントといった数字に目が向きがちです。もちろん、多くの人に知ってもらうためには大切な指標ですが、山本さんは「伸ばした先が大事」と話します。


例えば、集客を目的にする場合、SNSで商品やサービスを知ってもらい、興味を持ってもらっただけでは、購入や契約にはつながりません。山本さんは、SNSにできることは、主に「認知」と「興味」の部分だと考えています。


そこからLINEやメルマガ、セミナーなどへつなぎ、より詳しい情報を届けながら比較検討してもらう。必要に応じて1対1で話す機会をつくり、契約へつなげていく。SNSはマーケティング全体の中で、入口としての役割が大きいということです。


そして、セバスチャンスが目指しているのは、この「認知」と「興味」の先まで支援することだと山本さんは言います。


現状のセバスチャンスのサービスでは、認知や興味の獲得が中心ですが、将来的にはユーザーの目的や状況に合わせて、「次はこんな発信をしたほうがいい」「LINEへの動線をつくったほうがいい」「セミナーを開催してみてはどうか」と、次の打ち手まで提案できるようにしていきたいと、山本さんは話します。


Xの投稿をサポートするだけではなく、集客や採用、広報といった目的から逆算し、そのためにXをどう使い、その先にどんな導線をつくるのかまで一緒に考える。いずれは、マーケティングそのものをセバスちゃんに相談できるような存在を目指しているそうです。


このお話を聞いて、桜井さんが普段から話している「SNS運用だけでマーケティングをした気になってはいけない」という言葉を思い出しました。フォロワーが増えた、インプレッションが伸びたという結果だけでなく、その先で誰に興味を持ってもらい、どんな関係をつくり、最終的に何につなげたいのか。


Xを伸ばすこと自体を目的にするのではなく、マーケティング全体の中でXの役割を考えることが大切です。セバスチャンスが目指しているのは、単なる「X運用AI」ではなく、その先にあるようです。



それでも、発信は丸投げしない


マーケティングの設計までAIが手伝ってくれるなら、投稿も全部AIに任せればいいのではないか。私がセバスチャンスを使った時に感じた疑問に、再び戻ります。


実際、技術的には投稿を自動生成し、そのまま発信していく仕組みもつくれます。最近では、X運用そのものをAIに任せるような使い方も増えています。



それでも、山本さんたちは発信を丸ごと自動化する方法を選びませんでした。山本さんが一人のXユーザーとしてみたいものは、その人が現場で見たことや失敗した話、今考えていることだからです。検索すれば出てくる一般論ではなく、「その人が経験し、考えていること」は、AIで出力できないといいます。


たしかに、「AIを使えば業務効率化できます」という話だけなら、今では珍しくありません。でも、「昨日AIで仕事を自動化してみたら、大失敗した」という話なら、少し読みたくなります。どこで失敗し、何を勘違いして、本人はどう感じたのか。


その中に、人が発信する意味がありそうです。セバスチャンスは、文章を書く負担やネタを探す時間を減らしながら、発信の材料までAIで埋めようとはしません。多少不便でも、本人しか知らない知識や経験を入力してもらう。


自分で入力するという、AIらしくない非効率な機能は、人の中に眠っているものを引き出すためのものでした。



発信はAIに任せて、実業に向き合う


山本さんがセバスチャンスを通して実現したいことの一つに、「知識を埋もれさせない」という想いがあります。専門的な知識や面白い経験を持っていても、発信が苦手だったり、忙しくてSNSまで手が回らなかったりする人は少なくありません。


セバスチャンスが目指しているのは、AIが知識そのものをつくるのではなく、仕事や日常の中で生まれた知識を、必要な人へ届けやすくすることです。そのお話の中で、山本さんのこんな言葉が印象に残りました。


「セバスチャンスは基本、頭をからっぽにしてやってほしいですね。その代わり、普段の実生活を死ぬ気で生きてください。」


Xで認知を広げ、興味を持ってもらうことは大切です。しかし、SNSはマーケティングの一部であって、事業そのものではありません。その先で選ばれるためには、商品やサービスを良くし、顧客と向き合い、試行錯誤を重ねる必要があります。



だから、投稿を考えたり、ネタを探したり、分析したりする作業はAIに任せて、人間は目の前の事業に向き合う。そこで得た気づきや失敗、顧客との会話が一次情報となり、今度はAIが発信しやすい形に整えてくれます。


AIが担うのは、発信やマーケティングを効率よく進めること。人が担うのは、発信する価値のある仕事をすること。山本さんの話を聞いていると、そんな役割分担が、セバスチャンスの目指す姿なのだと思いました。



セバスチャンスが目指す「ドラえもん」


最後に、セバスチャンスを今後どうしていきたいか尋ねると、Xの中だけには収まらない、少しSFのような話をしてくれました。山本さんが将来的に目指しているのは、「ドラえもん」のような存在だそうです。


取材の様子
取材の様子

今のAIが知っているのは、基本的にインターネット上に蓄積された情報です。しかし、私たちの生活には、まだAIが知らない情報がたくさんあります。


今日誰と会ったのか。どこへ行ったのか。どんな話をして、何を感じたのか。そんな日常までAIが理解するようになれば、「今日の出来事をこんな切り口で発信してみたら?」と提案してくれるかもしれません。


さらに、発信やマーケティングだけでなく、日々の行動まで理解したうえで、「次はこうしてみたら?」と提案してくれるようになると、X運用ツールというより、本当の意味での「AI執事」です。


ただ、どれだけAIが進化しても、代わってもらえないことがあります。実際に人と会い、仕事をして、失敗し、その中で何を考えるのか。発信のもとになる経験そのものです。


セバスチャンスは、投稿を考える作業から、その先のマーケティングまで、できるだけ丸投げできる世界を目指しています。一方で、AIに渡す一次情報は、人が現実の中でつくっていく。その考え方は、最初に感じた「なぜAIなのに、自分で入力する不便を残しているのか」という疑問にもつながりました。


AIが文章を書き、マーケティングまで考えてくれるようになれば、私たちがSNSの運用に使っていた時間を、もっと目の前の仕事や人との関わりに使えるようになるのかもしれません。


セバスチャンスがあえて残している「非効率」は、効率化できない部分ではなく、人にしかできないことを考えるための余白なのだと思います。



HONEは地域に根ざし、現場に足を運ぶマーケティング会社です。


日本の地方には、魅力的な商品・サービスがたくさんあります。


地方に根ざしたブランドの志や文化、人々の誇りや営み。HONEはそうした人たちの想いを価値に変えるべく、現地に出向いてきました。 私たちは、文化と経済の「骨」を設計し、地域の「らしさ」を未来へつなげる仕組みを育てます。 論語と算盤。想いと仕組み。美学と実行力。 その両立を、マーケティングの力で実装していきます。


HONEは地域に根ざし、現場に足を運ぶマーケティング会社です。


▼HONEにできること


語られていない価値の「骨」を探す

商品や地域の中にある「想い」や「背景」は、まだ言語化されていないだけかもしれない。 それらを丁寧にすくい上げ、ブランドの芯として翻訳します。 見落とされがちな隠れた価値に役割を与えることが、事業の骨格をつくるはじまりです。


現場に入り、五感を使って「骨」を磨く

戦略も仕組みも、現場を歩き、対話することから始まります。 地形、歴史、空気、人の言葉やまなざし。デスクリサーチでは捉えきれない情報を五感で受け取り、定量と定性、論理と情緒、ロマンとそろばんを掛け合わせて、設計に落とし込みます。


手を動かしながら、「骨」を強くする

支援とは、プランを出して終わりではありません。 現場に入り、泥臭く、時に失敗しながら共につくりあげていきます。 頭で考えて、手足を動かす中で生まれる「実感」こそが、骨を太くし、しなやかに持続する構造を育てていきます。


文化となる「骨格」を、未来へ残す

目指すのは、ただ売ることではありません。 地域に根ざした文化や営みに芯を通し、事業として持続可能なかたちに育てていくこと。短期的な成果ではなく、関わる人たちの誇りとなり、語り継がれていく仕組みをデザインします。 HONEは、経済と文化をつなぐ骨を共につくり、未来へと残していきます。


▼HONEにできること


▼HONEの強み


01/一貫サポート

戦略設計から実行〜検証まで。経営課題の整理から、現場を動かす具体的な仕組みづくりまでを、一貫して支援します。リサーチ・企画・実装・振り返りのすべてに伴走し、商品・サービスの価値を再定義しながら、現場に根づく事業を共につくります。目指すのは、短期的な成果だけでなく、文化が息づき、長く続く事業と地域のかたちです。


02/現場主義

デスク上、リモートワークでは見えない、地域の空気や人の温度に触れる。HONEは現地に足を運び、実際に現場の風景・人の営みに向き合いながら、これまでの現場で得た経験則を元に戦略・戦術に反映していきます。現在起こっている事実に基づく分析はもちろんのこと、解釈に現場の五感で得た気づきを重ね合わせ、実装へとつなげていきます。


03/全国実績

北は北海道、南は沖縄まで、一次産業から観光、教育、行政、ベンチャー、スタートアップ、アトツギなど、多種多様なプロジェクトに携わってきました。たくさんの地域を見てきたからこそ、それぞれの良さに気づくことができます。そして土地に根付くその事業の「らしさ」を、より鮮明に見つけることができます。全国各地で積み重ねた知見を、次の挑戦に活かします。


04/産学官連携

企業・教育機関・行政と手を取り合い、対話を重ねながらプロジェクトを推進しています。 単なる連携にとどまらず、それぞれの立場が持つ知見や資源を持ち寄り、地域に根ざして実装していくこと。 現場での実践と、学びの場での理論、そして制度や仕組みをつなぐ橋渡しとして、多様なセクターの信頼を得ながら取り組みを展開しています。


▼HONEの強み


なぜ今、“地方”でマーケティングが必要なのか


マーケティングという言葉には、しばしば「スケールする」「売上を伸ばす」といったイメージが付きまといます。しかし、地方において本当に必要なのは、そうした直線的な成長だけではありません。人口減少、担い手不足、そしてインフラや情報環境の未整備。多くの地域が、さまざまな制約の中で日々の営みを続けています。


制約が多いからこそ、その土地に根ざした価値を継続し、文化や人々の想いを循環させていくための工夫が欠かせません。マーケティングの論理をそのまま持ち込むのではなく、人肌を大切に、想いを大切に、未来へとつなげていく。実装力と創造力を備えた「地方のマーケティング」が必要です。


なぜ今、“地方”でマーケティングが必要なのか


地方に必要なのは、「地域理解」


こうした現場においてまず必要なのは、「何をどう売るか」よりも先に「この地域には何があるのか」「何を残していきたいのか」を知っていく姿勢。つまり「地域理解」です。ブランド構築の土台を固めるには各レイヤーごとに把握すべきポイントを理解することが重要です。


地方に必要なのは、「地域理解」

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最後までお読みいただき、ありがとうございました。


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【記事を書いた人】


もーりー 森勇人

株式会社HONE

インターン / マーケター見習い 森勇人


静岡生まれ、静岡育ち。 大学3年次、1年の休学をして全国36都府県を巡る。山形県西川町では3ヶ月の地域おこし協力隊インターンを経験。 復学後、ご縁があり株式会社HONEにてインターン/マーケター見習いとして奮闘中。

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