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【マーケティング初学者向け】バリュープロポジションとは?具体的な事例や使い方を解説します。

  • 執筆者の写真: 桜井 貴斗
    桜井 貴斗
  • 1月2日
  • 読了時間: 12分

更新日:3月30日

【マーケティング初学者向け】バリュープロポジションとは?具体的な事例や使い方を解説します。

「バリュープロポジション」とは、マーケティング戦略において、差別化を明確に言語化するための重要な考え方のひとつです。バリュープロポジションを明確にすることは大企業だけでなく、中小企業や地域の企業でももはや必須のフレームと言っても過言ではないでしょう。


この記事では、マーケティング初学者の方でも分かりやすいよう、バリュープロポジションの基本から実際の事例、使い方のポイントまで解説していきます。




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目次



バリュープロポジションが求められる理由・背景とは?


まず、ここではそもそもバリュープロポジションとは何か?から、中小企業/地域の企業にも求められる背景などを解説していきたいと思います。



バリュープロポジションとは?


バリュープロポジションとは、自分が最も得意で、かつ競合(ライバル)が提供できず、顧客が求めている“独自の価値”のことです。


バリュープロポジションとは

競争が激化する現代において、他社との差別化は不可欠となりました。バリュープロポジションを明確にすることで、企業側は自社の商品やサービスを選ぶ必然性をより明確に伝えることができるようになります。


例えば、ある飲食店が「新鮮な地元の食材を使用したヘルシーなメニュー」をバリュープロポジションに設定したいと思った場合、「商圏人口の顧客がこの価値を求めている」、かつ「競合他社が同じような価値を提供できない」状態であれば成立すると思います。一方で、「顧客はそこまで望んでいない」、または「競合他社がマネできる価値」であればバリュープロポジションとは言えません。


このように、バリュープロポジションは単なる説明ではなく、「顧客がその商品やサービスを選ぶ明確な理由になる」ということが必要となります。


バリュープロポジションを明確にすることで、企業は競合他社との差別化を図り、顧客の心をつかむことができるはずです。特に、選択肢が多い現代の市場においては、顧客に対して「買ってもらう必然性」を与えることが求められます。



なぜ中小企業や地域の企業で求められるのか


バリュープロポジションを決めること、はブランドや事業規模の大きさに関係なく、中小企業や地域の企業にとっても大変重要になります。特に中小企業や地域の企業はもともと使えるリソースが限られているため、「何をやるべきか」よりも「何を捨てるべきか・やらないべきか」を考えることが求められます。


例えば、地域の特産品を使用した商品や、地元のニーズに応じたサービスを提供することで、他社との差別化を図ることが可能となります。差別化をすべきかどうかというのは規模の大きさは関係ありません。


以上のことからバリュープロポジションは中小企業や地域の企業にとって、競争力を高め、顧客との関係を強化するための重要な要素となることがわかると思います。



バリュープロポジションの具体的な事例


ここからはバリュープロポジションの具体的な例をご紹介していきたいと思います。具体的にどんな思考プロセスでバリュープロポジションをつくっていったか?を解説していきたいと思います。



RAKURAKU OIMO(ラクラクオイモ)


静岡県産のさつまいもを使った「ほしいもの商品開発事例」をもとに解説していきたいと思います。


RAKURAKUOIMO
一口サイズのキューブ型で食べられるほしいも「RAKURAKU OIMO」

当初は「静岡でブランドさつまいもをつくる」といったテーマで考えていたのですが、私自身、どうもピンときていませんでした。それもそのはず、静岡に「さつまいも」のイメージがないのです。念のため、ルーツを遡ってみましたが、やはりありませんでした。


その後、商品の定量調査によって以下の事実がわかり、そこから仮説を組み立てていきました。


  • (ほしいもは好きだけど)「商品名を認知していない

  • (ほしいもは好きだけど)「ほしいもを持ち歩いている人は少ない(15%弱)」

  • (ほしいもは好きだけど)「アメ・チョコ・グミを持ち歩いている」


ここで以下のような仮説を考えました。

・持ち歩けるほしいも商品がないから買っていないだけなのではないか? ・持ち歩きにくい形状が持ち歩きを阻害しているのではないか? ・なんとなく「家で食べる間食おやつ」といった認知形成がされているだけではないか?

仮説とともに、「顧客(消費者)が求めていること」「クライアントさんができること」「競合ができないこと」(=バリュープロポジション)を検討し、以下の5つに絞りました。


バリュープロポジション

より詳しい説明・解説は以下の記事に詳細を掲載しています。


「地方ブランド」のための新商品開発マニュアルをつくりました。

https://www.hone.jp/post/local-brand

ブロッコる?


続いてブロッコリーの商品開発に携わった「ブロッコる?」のバリュープロポジションについて解説していきたいと思います。


ブロッコる?
レンチン3分で食卓に出せるブロッコリー「ブロッコる?」

ブロッコリー農家さんのご相談を受けた当初は以下の悩みを抱えていらっしゃいました。簡単にまとめると、「生産は増えているけれど販路が足りていない」ということでした。


ブロッコる?

そこで、単なるブロッコリーの販路開拓ではなく、ブロッコリーのバリュープロポジションは何か?を考えて調査を行ったところ、ブロッコリーの購入理由は「おいしさや栄養素」ではなく、「食べやすさ・調理のしやすさ」であることがわかってきました。


ブロッコる?

そこで、バリュープロポジションを「袋のままレンジで3分、洗わずにそのまま食卓へ。栄養・利便性に加え、思わず手に取りたくなるオリジナルパッケージ」に設定しました。


顧客は「豊富な栄養素や食べやすさ、調理のしやすさ」を望んでいるものの、競合他社も同様にマネできること(豊富な栄養素)があるため、競合がマネできない手軽さやキャッチーさを独自性に設定しました。




バリュープロポジションの作り方・使い方


上記の事例のように、バリュープロポジションを効果的に作成し、活用するためには、いくつかのステップを踏むことが重要です。ここではリサーチ方法・差別化要素の整理方法について解説していきたいと思います。



市場や顧客ニーズのリサーチ方法


バリュープロポジションを効果的に作成するためには、まず市場や顧客ニーズを正確にリサーチすることが不可欠となります。リサーチは、顧客が何を求めているのか、どのような問題を抱えているのかを理解するための第一歩です。以下に、具体的なリサーチ方法をいくつか紹介します。


①アンケート調査

オンラインツールを利用して、ターゲットとなる顧客層に対して質問を投げかけることで、彼らのニーズや嗜好を直接聞き出すことができます。質問内容は、製品に対する期待や現在の不満点など、具体的なものにすることが重要です。


ちなみに私がいつもお世話になっている24時間セルフ型アンケートツール「Freeasy(フリージー)」でのスクリーニング調査です。



【スクリーニング調査とは】 スクリーニング調査とは、アンケートを実施する際、調査対象者を抽出するために、本調査の前におこなう事前調査のことです。年齢や性別などの基本属性以外で調査対象者を絞り込む必要がある場合、実施します。 例えば、下記のような対象者に本調査をおこないたい場合は、スクリーニング調査が必要となります。 ■マーケティング業務に従事していて従業員数100人以上の企業に在籍する課長以上の役職者 ■大学・大学院・短期大学で卒業論文もしくは修士論文を書いたことがある22歳~25歳 スクリーニング調査をおこなうことで、条件に合致した対象者向けに本調査をおこなうことができるため、より精度の高いアンケート結果を回収できたり、アンケート回答者に支払う謝礼コストをおさえることが、期待できます。 なお、スクリーニング調査は「プレ調査」と呼ぶ場合もあります。


②競合分析

競合他社がどのようなバリュープロポジションを提供しているのかを調査することで、自社の強みを見つけ出し、差別化ポイントを明確にする手助けになります。競合のウェブサイトや広告メッセージを分析したり、顧客の声・反応を観察することが効果的となります。


③SNSやレビューサイトの活用

顧客がどのような意見を持っているのか、どのような商品に対して高評価をつけているかを把握することで、トレンドや顧客の本音を知ることができます。これらの情報を総合的に分析することで、より精度の高いバリュープロポジションを構築するための基盤を作ることができます。



自社の強み・差別化要素を整理する


続いてバリュープロポジションを明確にするためには、まず自社の強みや差別化要素を整理することが不可欠です。自社が提供できる価値を理解することで、競合他社との差別化が図れ、顧客に対して魅力的な価値提供が可能になります。


自社の強みを整理する際には、まず内部資源を洗い出します。例えば、特定の技術力や専門知識、特定の顧客層からの支持などが挙げられます。他社にはない、自分たちが持っている独自の価値があるかもしれません。


次に、顧客のニーズや市場のトレンドを考慮し、自社の強みがどのように顧客にとっての利益につながるかを明確にしていきます。例えば、環境に配慮した製品を提供することができるのであれば、エコ意識の高い顧客層にそれらのサービスを届けることができる、といったイメージです。


最後に、整理した強みや差別化要素をもとに、具体的なバリュープロポジションを構築します。これらのプロセスを通じて、自社の独自性を言語化し、顧客に対して明確で独自性のある価値を提供することができるはずです。



バリュープロポジションを活かすポイント


バリュープロポジションを効果的に活かすためには、いくつかの重要なポイントがあります。ここでは「社内で共有しやすい形にすること」、「継続的に見直すこと」の2点に絞って説明をしていきたいと思います。



社内で共有しやすい形にする


社内で共有しやすい形にする

バリュープロポジションを効果的に活用するためには、社内で共有しやすい形に整えることが重要です。まず、バリュープロポジションを明確に言語化し、関係者全員が理解できるようにすることが第一歩となります。


次に、定期的なワークショップやミーティングを通じて、バリュープロポジションの重要性を再確認する機会をつくることも効果的です。定期的に議論の時間をつくることでそれぞれの理解が深まり、実践力の定着に繋がります。また、それぞれの成功事例を共有することで、具体的なイメージを持つことができます。



継続的に見直し・改善する


  継続的に見直し・改善する

バリュープロポジションは一度作成したら終わりではなく、継続的に見直しと改善が必要です。市場環境や顧客のニーズは常に変化しており、これに対応するためには、定期的な見直しが不可欠です。


顧客の声を直接聞くことで、市場や顧客のニーズや期待の変化を把握しやすくなります。定期的なアンケートやインタビューを通じて、バリュープロポジションが実際に顧客にどのように受け入れられているかを確認しましょう。


加えて、競合他社の動向を常にチェックすることも大切です。競合が新しいサービスや商品を投入した際、自社のバリュープロポジションが相対的にどのように位置づけられるのかを分析し、必要に応じて戦略を調整することが求められます。


最後に、社内のチームとも定期的に話し合いを持ち、バリュープロポジションの現状を共有することが重要となります。チーム全体が同じ方向を向いていることを確認することで、より一貫性のあるマーケティング活動が可能になります。これらのプロセスを通じて、バリュープロポジションを常に最適な状態に保ち、競争力を維持することができるのです。



最後に


バリュープロポジションを考えることは、「自社の強み」と「顧客のニーズ」を結びつけることであり、それが結果的に競争優位を築くことになります。企業やブランドの大きさに関わらず、どんな企業でも差別化のための強力な武器となります。


この記事では、バリュープロポジションの基本から具体的な事例、そしてその作り方や活用方法について解説しました。これらの知識を活用することで、自社のマーケティング戦略をより効果的に運用することができるでしょう。


バリュープロポジションを明確にし、継続的に見直し・改善を行うことで、顧客に対してより魅力的な提案ができるようになります。ぜひ、この記事で得た知識を基に、自社のバリュープロポジションを見直してみてください。



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最後までお読みいただき、ありがとうございました。


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【記事を書いた人】


株式会社HONE  代表取締役 桜井貴斗

株式会社HONE

代表取締役 桜井貴斗


札幌生まれ、静岡育ち。 大学卒業後、大手求人メディア会社で営業ののち、同社の新規事業の立ち上げに携わる。 2021年独立。 クライアントのマーケティングやブランディングの支援、マーケターのためのコミュニティ運営に従事。


※本記事は一部AIを活用して執筆しています

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