地方における新商品開発は、地域資源を最大限に活かし、独自の魅力を発信するための重要な考え方となります。
本記事では、地方で成功する新商品を生み出すための4つのステップを詳しく解説します。地域の特性を理解し、ターゲット市場に合った戦略を立てることで、競争力のある商品を開発し、地域経済の活性化に貢献するための実践的なアプローチをご紹介します。
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目次
MVV(ミッション・ビジョン・バリュー)
マーケティングリサーチ
CEP(カテゴリーエントリーポイント)設計
クラウドファンディング
本商品開発
営業・配荷
マーケティング・PR
オルタネイトモデルとは
インサイトは何かを振り返る
新商品開発で必要な4つのステップ
地方における新商品開発は、地域の特性や資源を活かすために、計画的かつ戦略的なアプローチが求められます。成功する商品を生み出すためには、以下の4つのステップを踏むことが重要です。
1. 準備フェーズ:
まずはMVV(ミッション・ビジョン・バリュー)の明確化、マーケティングリサーチ、CEP(カテゴリーエントリーポイント)設計を行います。この段階で市場のニーズや競合状況を把握し、商品開発の方向性を定めます。
2. テストフェーズ:
次に、クラウドファンディング(Makuake)を活用して市場の反応を確認し、商品の本発売に向けた設計を行います。このプロセスでは、消費者からのフィードバックを受け取り、商品をブラッシュアップすることが可能です。
3. 実行フェーズ:
商品が完成したら、営業活動や配荷開拓、マーケティング戦略の実行を通じて認知〜販売を強化していきます。PL(損益計算書)にインパクトのある戦略を立て、狙った消費者に商品を届けることが求められます。
4. 検証・実行管理:
最後に、オルタネイトモデルにまとめ、数値目標を設計して検証フェーズに入ります。商品が市場でどのように受け入れられているかを分析し、必要に応じて戦略を見直します。
以上の4つのステップを踏むことで、地方における新商品開発がより効果的に進められ、地域経済の活性化に寄与することが期待できるはずです。
それでは次に1〜4のフェーズで具体的にどんなことを考えるべきか?を解説していきます。
1.準備フェーズ(MVV・リサーチ・CEP設計)
準備フェーズでは大きく、以下の3点を決めていきます。
MVV(ミッション・ビジョン・バリュー)の明確化
マーケティングリサーチ
CEP(カテゴリーエントリーポイント)設計
を行います。
ブランドの指針を決め、現状を把握し、具体的な利用シーンや手段の仮説を立てていく、と言ったイメージです。この段階で市場のニーズや競合状況を把握し、商品開発の方向性を定めていきます。
以下にMVV(ミッション・ビジョン・バリュー)の明確化、マーケティングリサーチ、CEP(カテゴリーエントリーポイント)設計について解説をします。
MVV(ミッション・ビジョン・バリュー)
この段階では、まずMVV(ミッション・ビジョン・バリュー)を明確にすることが重要です。
MVV(ミッション・ビジョン・バリュー)とは、企業や組織がその存在意義や目指す未来、そして行動指針を明確にするためのフレームワークです。
具体的には、ミッション(Mission)は企業の存在意義や目的を示し、ビジョン(Vision)は将来的に達成したい目標や理想の姿を描きます。そして、バリュー(Value)は企業が大切にする価値観や行動基準を定義します。
この3つの要素を明確にすることで、企業は内部の従業員だけでなく、外部のステークホルダーにも一貫したメッセージを伝えることができます。
MVVは企業の戦略や文化を形成する基盤となり、全員が同じ方向を向いて進むための羅針盤となるのです。
MVVの基本的な考え方、設計の仕方は以下の記事をご参照ください。
マーケティングリサーチ
次に、マーケティングリサーチを行います。市場のトレンドや競合他社の動向、消費者の嗜好性を分析することで、商品開発における欲求、インサイトを得ることができます。この情報をもとに、ターゲットとなる顧客層を明確にし、彼らが求める商品像を描くことが求められます。
調査の目的は大きく2つあると思っています。
1.ブランドの認知度調査 (自分たちのブランドの認知度・好意度を把握する) 2.カテゴリー(業界)の消費者調査 (特定のカテゴリーの消費行動を把握する)
1.ブランドの認知度調査
ブランドの認知度調査はすでにブランドが確立している場合に実施することが多いため、ブランドが浸透している状況下では活きてくるのですが、まだ認知が取れていないブランドについてはあまり意味をなさないと思っています。特に地方企業のブランドにおいての認知・浸透(利用)はそこまで高くないため、認知度調査の機会は少ないかもしれません。
2.カテゴリー(業界)内の消費者調査
カテゴリー内の消費者調査は私が業界理解を正しく行う際に実施する手法です。カテゴリー内の消費者がどんな行動をとっているか?購入・利用頻度は?具体的な利用方法は?満足度は?などを調査します。ブランドに依存しないアンケート手法なので、業界内のユーザーの把握ができ、ブランド認知のないクライアントでも有用性のある情報となります。
以上2点の調査について、具体的にどんな質問をするのか?また、ファクトからどんな仮説を導き出すのか?について検討している方に向けて、弊社ではマーケティングリサーチ単体のプランも用意しております。ご興味があればお気軽にお問い合わせください。
▼マーケティングリサーチプラン https://www.hone.jp/marketingresearch 商品開発や新規事業開発における一丁目一番地は「市場を知る・顧客を知る」ことだと思っています。市場規模はどのくらいか?どんな消費者が購入しているのか?どんなことに価値を感じているか?具体的にどのくらいお金を使っているか?を把握し、アイデアに根拠を作ることができます。HONEでは「仮説構築〜調査設計〜実施〜ローデータの提供〜レポーティング(示唆出し)」までをパッケージ化いたしました。
CEP(カテゴリーエントリーポイント)設計
マーケティングリサーチの後はCEP(カテゴリーエントリーポイント)設計へ続きます。カテゴリーエントリーポイントとは、新しい市場に参入する際や新商品・サービスを展開する際に、消費者の心に強く印象を残すための戦略的なアプローチを指します。
具体的には、消費者が「特定のカテゴリー(シーン)」を思い浮かべたときに、最初に頭に浮かぶブランドや商品・サービスを目指すこと、です。これにより、消費者の購買意欲を高め、行動変容に繋げていくことで競合他社との差別化を図ることができます。
CEPの重要性は、消費者が商品を選ぶ際の意思決定プロセスに深く関わっている点にあります。わかりやすい例で言えば、炭酸飲料を購入する際に「コーラ」が真っ先に思い浮かぶように、CEPを効果的に活用することで、消費者の選択肢の中で自社の商品が優先されるようになります。
より詳しい説明、具体的な事例については以下をご参照くださいませ。
2.テストフェーズ(クラウドファンディング・本商品設計)
続いてはテストフェーズです。テストフェーズでは、実際に市場に投入する前に、商品のアイデアやコンセプトを検証し、消費者の反応を確認することが求められます。
ここではクラウドファンディングと本商品の設計について解説をしていきたいと思います。
クラウドファンディング
弊社がよく活用をしているクラウドファンディングは、単なる資金調達にとどまらず、消費者のニーズや期待を把握するためのテストマーケティングの場として活用しており、非常に有用な手段となります。
クラウドファンディングを利用することで、開発中の商品に対する市場の反応をリアルタイムで得ることができます。応援購入者からのフィードバックを受けて、商品を改善したり、ターゲット層を再考することが可能です。このプロセスを通じて、消費者が本当に求めている商品を明確にし、本商品販売の際のリスクを軽減することができます。
新商品開発で活用しているクラウドファンディングは「Makuake」です。
株式会社マクアケが運営する「Makuake」は、プロジェクト実行者が開発背景などのストーリーと共に発表する新商品や新サービスを、サポーターが応援の気持ちを込めて先行購入することができる、「アタラシイものや体験の応援購入サービス」。 全国約100社の金融機関との連携により日本各地の事業者が活用しているほか、国内外の流通パートナーとも連携し、プロジェクト終了後も事業が広がるよう支援しています。また、プラットフォームとしてプロジェクト実行者とサポーター双方の利便性と満足度向上を目指し、プロダクトの改善や新機能の開発に注力しています。
本商品開発
本商品設計に進む際には、クラウドファンディングで得たデータを基に、具体的な商品仕様やデザインを決定します。この段階では、消費者の期待に応えるために、機能性やデザイン性を重視し、競合他社との差別化を図ることが重要です。
市場のニーズに合った商品を設計することで、成功の可能性を高めることができます。
このように、テストフェーズは新商品開発の成功に向けた重要な基盤を築くプロセスであり、消費者とのコミュニケーションを通じて、より良い商品を生み出すための貴重な機会となります。
3.実行フェーズ(営業・配荷・マーケティング・PR)
テストマーケティング終了後、新商品開発の実行フェーズに入ります。
ここでは、商品を市場に投入し、消費者に届けるための具体的な戦略を立てることが求められます。この段階では、営業、配荷、マーケティング、PRなどの戦術を複合的に絡めながら販売を強化していきます。
営業・配荷
まず、営業活動では新商品の認知度を高め、販売を促進するための基盤となります。ターゲットに対して直接アプローチし、商品の特長や利点を伝えることで、顧客の関心を引いていきます。地域の特性やストーリーを活かした営業も効果的といえます。
営業と近しい存在の配荷も商品を消費者の手元に届けるための重要な要素となります。流通経路を選定し、適切な販売チャネルを確保することで、商品がスムーズに市場に流通します。地方の特産品などは、地元のスーパー・店舗やオンラインショップを活用することで、消費者との接点を増やすことが可能となります。
マーケティング・広報PR
マーケティングパートでは、商品の魅力を広く伝えるための手段となるため、その商品・サービスにあった打ち手を検討して実行します。例えばSNSやWeb広告を活用し、ターゲット層に向けたメッセージを発信することで、商品の認知度を高め、購入意欲を喚起していきます。
マーケティングと隣り合わせとなる広報PRでは地場メディアとのリレーション構築や、地元インフルエンサーとのタイアップ、イベントの出展など、ブランドイメージにあった先と協働して商品の魅力を広めることで、信頼を得ることができます。
これらの要素を組み合わせて実行することで、新商品は市場での競争力を持ち、地域経済の活性化に寄与することが期待されます。
また、マーケティング戦略の全容と実戦への落とし込みについては以下の図をご覧ください。
マーケティング戦略の全体像を理解するためには、その構成要素を明確に把握することが重要となります。
一般的に、マーケティング戦略は複数のフェーズに分けて展開されます。はじめに、市場調査と分析が行われ、ターゲットのニーズや競合他社の分析に移行し調査をします。次に、戦略的な目標が設定され、具体的なマーケティングミックス(商品、価格、プロモーション、配荷場所)が計画されます。
この段階では、顧客に最大の価値を提供できる戦術設計も検討しながら戦略策定をしていきます。そして、実行フェーズに移行し、計画された戦略・戦術が具体的なアクションとして展開されます。
その後、検証と評価が行われ、必要に応じて戦略・戦術の調整が行われます。このサイクルを通じて、企業は市場での競争優位を築き、持続可能な成長を目指していきます。
より詳しい内容は以下の記事をご覧ください。
4.検証/実行管理
新商品が市場に投入された後のパフォーマンスを評価し、必要に応じて戦略を見直すことが求められます。これまでのコンセプト開発や提供価値などを整理し、オルタネイトモデルに照らし合わせながら結果を比較します。
オルタネイトモデルとは
オルタネイトモデルとは未顧客理解に基づきブランド体験を再構築、購買行動を喚起する施策を設計することです。
未顧客理解のツール:「オルタネイトモデル™」とは? どんな企業のどんな商品でも、市場の大部分は「買ってくれないノンユーザー」や「買ってくれても年1、2回程度のライトユーザー」が占めています。事業成長のためには、そんな”未”顧客を理解して獲得していく必要があります。新商品や広告開発、事業拡大、新市場参入を強力に支援します。
オルタネイトモデルとあわせて数値検証を行います。売上データや顧客のフィードバックを分析し、商品の受け入れ状況や市場での競争力を評価します。このデータに基づいて、必要な改善点を見つけ出し、次のアクションプランを策定します。
インサイトは何か?を振り返る
検証の際に消費者のインサイトは仮説通りだったのか?についても振り返りをする必要があります。
インサイトとは、消費者の行動や心理の奥深くに潜む隠れたニーズや動機を発見するための洞察を指します。マーケティングにおいては、単なるデータや表面的な情報だけではなく、消費者が何を求め、なぜそのような行動を取るのかを理解することが重要です。
インサイトを得ることで、企業は消費者の真のニーズに応える製品やサービスを提供し、より効果的なマーケティング戦略を立案することができます。
インサイトを得るためには、消費者との対話や観察、データ分析など多様な手法が用いられます(具体的な方法は後述します)。これにより、消費者の行動パターンや価値観、ライフスタイルを深く理解し、よりパーソナライズされたマーケティング施策を展開することが可能となります。
インサイトについてより詳しい記事は以下をご覧ください。
検証と実行管理を通じて、商品開発のサイクルを回し続けることで、持続的な成長を実現することが可能になります。
まとめ
地方における新商品開発は、地域の特性や資源を活かすことで、競争力のある商品を生み出すことができます。
本記事で紹介した4つのステップを通じて、準備フェーズから実行フェーズ、そして検証までの流れを理解することが重要です。これらのステップを踏むことで、地方の新商品開発はより効果的に進められ、地域経済の活性化に寄与することができるでしょう。
HONEのサービスについて
当社では、地方企業さまを中心に、マーケティング・ブランド戦略の伴走支援を行なっています。事業成長(ブランドづくり)と組織課題(ブランド成長をドライブするための土台づくり)の双方からお手伝いをしています。
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最後までお読みいただき、ありがとうございました。
【記事を書いた人】
Takato Sakurai / 桜井 貴斗
株式会社HONE 代表取締役/マーケター
札幌生まれ、静岡育ち。大学卒業後、大手求人メディア会社で営業をしたのち、同社で新規事業の立ち上げ等に携わる。「売り手都合の営業スタイル」に疑問を感じていた矢先に、グロービス経営大学院にてマーケティングに出会い衝撃を受ける。その後、新たな新規事業の立ち上げを経て、2021年に独立。現在はクライアントのマーケティングやブランディングの支援、マーケターのためのコミュニティ運営などを手掛けている。
※本記事は一部AIを活用して執筆しています。
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