top of page
執筆者の写真桜井 貴斗

インサイトの見つけ方〜具体的な使い方とは?具体事例から解説します。

更新日:9月22日


インサイトの見つけ方〜具体的な使い方とは?具体事例から解説します。

事業成長には、定量的なデータ分析や定性的な観察から得られる「インサイト」をどのように活用するか?が鍵となります。


本記事では、インサイトの基本的な概念から具体的な使い方までを解説し、実際の現場でインサイトがどのように活用されているか?を解説します。ただデータを眺めたりインタビューを行うのでなく、そこから価値あるインサイトを引き出し、実業に活かす一端になればうれしいです。


目次


マーケティングインサイトとは


マーケティングインサイトとは、消費者の行動やニーズ、心理を深く理解するための洞察を指します。単なるデータの集積ではなく、そこから得られる行動変容につながる価値ある情報と定義しています。消費者がどのような背景や動機で商品を選ぶのか、またはどのような体験を求めているのかを明らかにすることが重要となります。


消費者の真のニーズを把握することで、より効果的なプロモーションや商品開発が可能となります。例えば、ある商品が売れない理由を購買データだけで判断するのではなく、消費者の声を直接聞くことで、潜在的な問題点を見つけ出すことができます。



インサイトの定義


改めてインサイトとは、消費者の行動や心理の奥深くに潜む隠れたニーズや動機を発見するための洞察であるとHONEでは定義しています。


データや情報を分析することによって得られる深い理解や洞察を指します。数字やデータの集まりではなく、その背後にある意味やトレンドを見出すことが重要となります。


インサイトは、「定量的なデータ分析」や「定性的な観察」の両面からその種を得ることができ、これらの定量と定性を組み合わせることでより豊かな理解が得られます。例えば、売上データを分析することで、特定の商品の人気が高まっていることがわかる一方で、顧客インタビューを通じてその理由や背景を探ることで、より具体的な戦略を立てることが可能になります。


インサイトの定義


なぜインサイトが必要なのか


インサイトが必要な理由は多岐にわたりますが、特に重要なのは、顧客のニーズや行動を正確に把握し、競争優位を築くためです。市場が急速に変化する現代において、企業は顧客の期待に応えるだけでなく、先回りして新たな価値を提供する必要があります。


データ分析や顧客の声をもとにしたインサイトは、単なるアイデアを超えた実践的な仮説となり、リスクを軽減しながら新しいビジネスチャンスを見つける手助けとなります。


さらに、インサイトはチーム内のコミュニケーションを円滑にし、共通の理解を促進することができます。全員が同じ方向を向いて行動することで、組織全体のパフォーマンスが向上し、より一層の成長を実現することができるのです。


以上のように、インサイトは「競争優位を築き、実践的な仮説構築ができ、組織全体のパフォーマンスを向上させる」ことができるはずです。



インサイトを発見するポイント


では次にインサイトを発見するポイントについて解説していきたいと思います。


まず前提として、物事の原理原則・本質を理解することが重要です。そのためには、単にデータを眺めることや定型文をインタビューするだけでなく、実際の生活や顧客の行動を観察することが必要となります。


以下に、インサイトを発見するための主要なポイントをまとめてみました。



1. 本音と建前を理解する


顧客が表面上で語ることと、実際に感じていることには必ずギャップが存在します。このギャップを埋めるためには、顧客との対話を重ね、彼らの真のニーズや欲求を探ることが求められます。アンケート調査だけでなく、デプスインタビューや行動観察を組み合わせることで、より深いインサイトを得ることができます。


 本音と建前を理解する
消費者には必ず本音と建前がある。

2. 日常生活の中からインサイトを見つける


普段の行動や習慣の中に、顧客の潜在的なニーズや問題点が隠れていることがあります。


例えば、「ダイエットしたい・痩せたい」と話す消費者がいるとします。しかし、日頃の活動を見てもどうも運動したり食事制限をするわけでもない。よくよく話を聞いてみると、ダイエットサプリには毎月数千円支払っていることがわかりました。


ここでわかることは「痩せたい」の裏側に「苦しい思いをせずに体重を減らしたい」という意図が隠れていることがわかります。


消費者の建前と本音

このように、単なる表層的な消費者の声に引っ張られることなく、深層心理で何を求めているのか?を探ることが大切です。



3. 客観性を保つ


インサイトを発見する際には、感情や先入観に流されず、客観的な視点を持つことが大切です。


得られたインサイトが本当に消費者の潜在的な欲求を表している価値のあるものであるか?を検証するために、定量的なデータや情報と照らし合わせることも忘れないようにしましょう。


また、インサイトが消費者のコンプレックスなどのネガティブな感情を刺激しすぎるものになっていないか?についても客観的に見極める必要があります。どれだけインサイトに刺さったとしても、コンプレックスを過度に刺激するものになってしまうと炎上リスクも出てくるため注意が必要になります。


複数の視点から検証することで、より信頼性の高いインサイトを得ていくことが可能となります。


インサイトの見つけ方については、以下の記事にも詳しく解説しています。


インサイトの見つけ方について


インサイトの具体的な活用方法


では次にインサイトを実際のビジネス施策に活用していく方法について解説をしていきます。


データ分析や消費者へのインタビュー・観察から得られた情報をどのようにしてアクションに変えていくのか?具体的な方法と注意点を説明します。



インサイトをどう施策に実装するのか


インサイトを施策に実装する際に、以下の4つのポイントを意識して検討していくと、よりスムーズに施策に浸透できるのではないかと思っています。


1. 明確な定義と目標設定:

インサイトを明確に定義し、それがどのようにビジネスの目標に寄与するかを理解することが重要です。例えば、先ほどの「建前:ダイエットしたい・痩せたい」けれど「本音(インサイト):苦しい思いをせず体重を減らしたい」だった場合、単に「運動して痩せよう」というコミュニケーションではなく、「楽をして痩せられるか」をターゲットに伝えられるか?を目標として設定することが大切です。


消費者の建前と本音

2. チーム内でのコミュニケーション:

上記のようにインサイトとは何か?インサイトをどのようにコミュニケーションに落とし込むか?をチームで共有し、各メンバーがその価値を理解することで、施策の実行に向けた一体感が生まれます。インサイトの言語化や定期的なミーティングやワークショップを通じて、インサイトの解釈や活用方法について議論することが効果的となります。


3. KPIの設定と進捗確認:

インサイトを実装する際には、具体的なKPI(重要業績評価指標)を設定し、その進捗を定期的に確認することが成功の鍵となります。「建前:森林浴をしてリラックスしたい」けれど「本音(インサイト):快適で便利な環境な手放したくない」という心理があったとします。


この場合、建前だけを見るとワーケーションへの案内〜アクションがKPIになりえますが、インサイトに基づくと「家にいながらも森林浴ができるコンテンツ」=森林のお香・アロマやヒーリングミュージックの購買がKPIになるかもしれません。


このようにインサイトに基づくと何がKPIになり得るか?を見極めるのが大切です。


消費者の建前と本音

4. 柔軟な対応:

市場や顧客のニーズは常に変化するため、初期に仮説立てしたインサイトが必ずしも長期的に有効であるとは限りません。定期的にデータや消費者インタビューを見直し、新たなインサイトを取り入れることで、施策を進化させることが求められます。



具体的な活用事例


では次に具体的な活用事例をご紹介します。インサイトのタネを探す際に当社が着目しているのは、「言っていること」と「やっていること」の差分にインサイトが隠れている可能性がある、という考え方です。


インサイトのタネの探し方

先ほどの「建前:ダイエットしたい・痩せたい」けれど「本音(インサイト):苦しい思いをせず体重を減らしたい」だった場合、言っていることとやっていることの差分は「運動をしていない(痩せるためのアクションをしていない)」となります。


となると、「なぜ痩せたいのに運動していないのか?」→「きっと運動せずに痩せたいのかもしれない」と言った仮説が立ちます。これをサービスに転換すると、「ターゲットインサイト:運動せずに痩せたいと考える人」に、「このサプリを飲むだけでxxkg痩せた実績多数!」と言ったコミュニケーションが出来上がる、と言ったイメージです。


具体的な事例として、もう1点ご紹介します。


エプロンの商品開発を目的としたユーザーへのインタビュー調査をしていたところ、以下のような差分が見られました。


「言っていること:エプロンには大きなポケットが欲しい」、一方で「やっていること:普段エプロンはつけていない」と言った事実がわかりました。


この事実から分かることは、「エプロンには大きなポケットが欲しいけれど、自分自身はエプロンをつけない」→「何らかの理由でエプロンをつけないという判断をしている」→「もしかするとエプロンは面倒と思っている?」「またはただ聞かれたからなんとなく答えただけ」という仮説が立ってきます。


エプロンの商品開発

消費者の声をそのまま生かして大きなポケットのエプロンを作ろう、と考えるのではなく、なぜ普段つけないエプロンについて大きなポケットという回答をしたのか?を解釈することが大切になるということです。


常に消費者の結果・具体的な行動を見て観察し、仮説を立てるというトレーニングを行うことでインサイトらしききっかけを掴めると思います。



施策に活用する際の注意点


ここまでインサイトの発見のポイント、具体的な活用方法を解説してきました。最後に施策に活用する際の注意点を取りまとめてみました。


1. データの信頼性確認:

インサイトが実際のデータや顧客の声に基づいていることを確認することが不可欠です。感情や直感に頼るのではなく、具体的な証拠に基づいた判断を行うことを意識することが大切です。


2. ターゲット顧客の明確化:

インサイトを施策に落とし込む際には、ターゲットとなる顧客層を明確にすることが重要です。インサイトが示す方向性が、実際にどのような顧客に影響を与えるのかを理解することで、より効果的な施策を設計できます。


3. 結果の分析と評価:

施策の実施後には、結果を分析し、インサイトが正しかったのか、または新たなインサイトが必要なのかを評価することも忘れてはいけません。この過程を通じ、仮説の質を向上させ、より効果的な施策につなげることができます。


4. 多角的な視点の導入:

インサイトを施策に活用する際には、チーム内でのコミュニケーションが鍵となります。異なる視点や意見を持つメンバーが集まることで、インサイトの解釈が多角的になり、より洗練された施策が生まれる可能性が高まります。


施策に活用する際の注意点


まとめ


マーケティングインサイトは、単なるデータや観察結果ではなく、そこから得られる深い理解や洞察を指します。ビジネスの現場において、インサイトを活用することで、顧客のニーズをより的確に捉え、効果的な施策を打つことが可能になります。


インサイトを発見するためには、本音と建前を理解し、日常生活の中からヒントを得ることが重要です。また、インサイトを施策に実装する際には、具体的な事例を参考にしながら、注意点を押さえることが成功の鍵となります。


今後のビジネス環境がますます複雑化し、消費者のニーズが多様化する中で、マーケティングにおけるインサイトの重要性は一層高まっていくはずです。本稿で紹介した方法や事例を参考に、皆さんも自社のマーケティング戦略にインサイトを取り入れてみてはいかがでしょうか。新たな発見と成功が、きっと待っているはずです。


インサイトの活用は、一朝一夕にできるものではありませんが、継続的な努力と試行錯誤によって必ず武器になります。その過程で得られる学びと成果は、ビジネスの成長に大きく貢献しれくれると思います。日々の業務の中で、常にインサイトを意識し、顧客理解を深めていくことが、長期的な成功への道筋となるでしょう。


最後に、インサイトの活用は単にマーケティング部門だけの仕事ではありません。企業全体で顧客中心の文化を育み、あらゆる部門がインサイト(本音)を活用できる環境を整えることが、真の競争力につながります。



HONEのサービスについて


当社では地方企業さまを中心にマーケティング・ブランド戦略の伴走支援を行なっています。事業成長(ブランドづくり)と組織課題(ブランド成長をドライブするための土台づくり)の双方からお手伝いをしています。


私がこれまで会得してきた知識・経験を詰め込んだブランド戦略サポートプランでは全5回でマーケティングの太刀筋を学べるものになっているため、ご興味ある方はご検討いただけたらと思います。



その他、マーケティング・ブランディングに関する無料壁打ちも受付中です。お気軽にどうぞ!



最後までお読みいただき、ありがとうございました。


 

【記事を書いた人】


株式会社HONE  代表取締役 桜井貴斗   札幌生まれ、静岡育ち。 大学卒業後、大手求人メディア会社で営業ののち、同社の新規事業の立ち上げに携わる。 2021年独立。 クライアントのマーケティングやブランディングの支援、マーケターのためのコミュニティ運営に従事。

株式会社HONE

代表取締役 桜井貴斗


札幌生まれ、静岡育ち。 大学卒業後、大手求人メディア会社で営業ののち、同社の新規事業の立ち上げに携わる。 2021年独立。 クライアントのマーケティングやブランディングの支援、マーケターのためのコミュニティ運営に従事。


※本記事は一部AIを活用して執筆しています。

Comments


Commenting has been turned off.
bottom of page