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ブロッコリーをもっと手軽においしく。そのまま
レンチンできる『ブロッコる?』【JAハイナン(静岡県牧之原市)】

クライアント

JAハイナン

地域

静岡県静岡市

プラン

リサーチサポートプラン

ブロッコリーをもっと手軽においしく。そのまま
レンチンできる『ブロッコる?』【JAハイナン(静岡県牧之原市)】

牧之原の農業と、暮らしをつなぐJAハイナン


JAハイナンは、静岡県牧之原市を中心とする地域の農業と暮らしを支える農業協同組合です。温暖な気候と長い日照時間に恵まれた地域で、お茶をはじめとする農産物の生産、集出荷、販売、営農支援に取り組んでいます。


農産物の価値は、品質だけで決まりません。生産者が丁寧に育てた野菜も、生活者にとって調理が難しい、使い切れない、食べ方が分からないと感じられれば、日々の買い物では選ばれにくくなります。産地と食卓の間にある小さな不便を見つけ、商品や伝え方を変えることも、地域農業を持続させるうえで重要です。


JAハイナンが開発した「ブロッコる?」は、ブロッコリーを袋のまま電子レンジで約3分加熱し、洗わず、包丁を使わずに食卓へ出せる商品です。栄養価の高さというブロッコリー本来の魅力に、忙しい日でも続けやすい利便性を加えています。


農協が商品開発に取り組む意味は、余った農産物を加工して売ることだけではありません。消費者の食べ方や買い方を理解し、生産・出荷の現場へ戻すことで、どのような規格や量が求められるか、どこに新しい需要があるかを生産者と共有できます。生活者の変化を産地の次の挑戦へつなぐ役割があります。



健康に良いだけでは、毎日の習慣にならない


ブロッコリーは、健康や栄養を意識する人から支持される野菜です。一方で、房を切り分ける、洗う、茹でる、使い切るといった調理の手間があります。食べた方がよいと分かっていても、仕事や家事で忙しい日には後回しになり、味つけや食べ方が同じで飽きてしまうこともあります。


開発当初には、筋力トレーニングやボディメイクに取り組む層と相性がよいのではないかという仮説がありました。ただし、商品を一部の健康意識が高い人だけに閉じると、市場は広がりません。調査を通じて見えてきたのは、栄養価を求める人だけでなく、料理の手間を減らしたい家庭や、すぐ食べられる副菜を探す生活者にも共通する「手軽さ」への需要でした。


そこで、ブロッコリーの成分や産地だけを前面に出すのではなく、「レンジで3分」という具体的な便益を商品の中心に置きました。健康に良い野菜から、忙しいときにも無理なく食卓へ加えられる一品へ。生活者が買う理由を、日々の行動に近い言葉で捉え直したことが、商品開発の軸になっています。


バリュープロポジション
バリュープロポジション


買う必然をつくる、3つの理由


選ばれる商品には「なんとなく良さそう」ではなく、買う必然を裏づける具体的な理由が積み重なっています。『ブロッコる?』の場合、それは大きく3つに整理できます。


1つめは、栽培品質へのこだわり。 


栽培時に「シィー・プロテイン」液肥を散布し、ミネラル豊富なブロッコリーを育てています。栽培時期に適した施肥設計と、厳選した農家による徹底した栽培管理によって、素材そのものの質を担保しています。


2つめは、圧倒的な利便性。 


袋のままレンジで約3分。洗う必要も、包丁を使う必要もなく、そのまま食卓に出せます。「面倒だから続かない」という最大の障壁を、調理体験ごと取り除いた点が核心です。


3つめは、思わず手に取りたくなるパッケージ。 


栄養と手軽さに加えて、毎日の食事に"心の彩り"を添えるオリジナルデザインを採用。機能だけでなく、選ぶ楽しさという感情的な価値まで設計されています。


ブロッコリーのパッケージと生野菜、マヨネーズ風ボトルが並ぶ商品広告。簡単調理、160g、簡単調理の文字が目立つ。



顧客の声から、商品・パッケージ・売り場を一体で考える


まず、健康志向による需要、普段の購入・調理行動、ブロッコリーに感じる不便、筋トレ層や家庭のニーズなどを整理しました。つくり手側の「栄養価が高いから売れるはず」という視点だけでなく、生活者がどの場面で困り、何が変われば手に取るのかを考えました。


次に、「誰に、どのような価値を、どのように届けるか」をコンセプトとしてまとめました。袋のまま加熱できる仕様、約3分という分かりやすい時間、洗い物を増やさないこと、食卓の一品や運動後の食事に使えることなど、商品形状と利用シーンをつなげています。


「ブロッコる?」という商品名と、思わず目に留まるパッケージも大きな特徴です。売り場で説明を読まなくても、商品名から調理方法が想像できる。かわいらしい表現によって、健康食品の硬い印象を和らげ、家族の食卓に取り入れやすくしています。


また、商品は完成しただけでは届きません。生活者が普段野菜を買うスーパーマーケットなどの売り場で見つけやすく、担当者が短い言葉で特徴を説明できることが重要です。コンセプト、商品仕様、パッケージ、売り場での伝え方を切り離さず、「手軽に食べられるブロッコリー」という新しい選択肢を一貫して伝える設計を行いました。


店内の棚に、ブロッコリーのイラスト入り袋菓子が並ぶ。下に箱詰め商品と「山梨」の看板、温かい市場の雰囲気。

売り場では、一般的なブロッコリーと価格だけで比較される可能性があります。


そこで必要なのは、野菜そのものの価値に加え、洗う、切る、茹でる時間を減らせることまで含めて伝えることです。調理前の状態ではなく、食卓に並ぶまでの手間で比較すると、商品の便益が見えやすくなります。商品名とパッケージを、購入者だけでなく売り場担当者にも説明しやすい営業ツールとして機能するように設計しました。



生産者と生活者の双方に、続けられる価値を


「ブロッコる?」が目指したのは、便利な加工品を一つ増やすことだけではありません。生活者が無理なく野菜を食べ続けられることは、産地にとって安定した需要につながります。調理の負担を減らし、買う理由と食べる場面を増やすことで、生産者と消費者の双方に続けられる関係をつくる商品です。


品質のよい農産物を、生活者の行動に合わせて再編集する。顧客の声から隠れた不便を見つけ、約3分という明確な便益に変え、商品名、パッケージ、販路までつなげる地域発の商品開発を支援しました。


開発後も、どの売り場で手に取られたか、どの利用場面が支持されたかを確かめることで、訴求や販路を改善できます。最初の仮説に固執せず、顧客の反応から学び続けることまで含めて商品開発です。「ブロッコる?」は、農産物の品質と生活者の利便性を対立させず、両方を一つの商品へ落とし込んだ事例です。



実施内容


  • ブロッコリー市場・顧客ニーズの整理

  • 想定顧客と利用シーンに関する仮説構築

  • 消費者調査・コンセプト検証

  • 商品コンセプトと提供価値の言語化

  • 商品名・パッケージで伝える情報の整理

  • 商品仕様と売り場での訴求の整合

  • 販路・プロモーションの検討支援

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