【研修】地域への思いを、続けられる仕事へ。「道徳と経済」を両立する地域おこし協力隊向けマーケティング研修【一般社団法人長崎県地域おこし協力隊ネットワーク(長崎県)】
クライアント
一般社団法人長崎県地域おこし協力隊ネットワーク
地域
長崎県全域
プラン
研修プラン

協力隊と地域を、一つのチームとして支える
一般社団法人長崎県地域おこし協力隊ネットワーク(NCN)は、長崎県内の地域おこし協力隊と、隊員を受け入れる自治体や地 域を支える中間支援組織です。
地域おこし協力隊は、都市部などから地域へ移り、観光、移住、商品開発、情報発信、一次産業、住民支援など、多様な地域協力活動に取り組みます。地域外から来た視点や経験を生かせる一方、活動の目的や役割が曖昧なまま着任すると、隊員と行政、地域住民の期待がずれ、力を発揮しにくくなることがあります。
NCNは、協力隊だけに努力を求めるのではなく、協力隊、自治体職員、地域住民、協力隊経験者など、関わる人たち全体を一つのチームとして捉えています。相談窓口、研修、アドバイザー派遣、情報発信、採用や定着、生業づくりなどを通じ、隊員が地域で活動し、任期後も自分らしく暮らし続けられる環境を整えています。
大きな特徴は、着任中の活動だけでなく、その 先の仕事と暮らしまで見ていることです。地域に残りたいと思っても、自分に合う仕事や収入の見通しがなければ、定住を選ぶことは難しくなります。隊員の経験や得意分野を地域の仕事とつなぎ、地域に必要なサービスや事業へ変えることが、本人のキャリアと地域の持続性の両方につながります。

良いことをするだけでは、地域に根づけない
地域おこしの仕事には、社会的な意義があります。一方、地域のためという思いが強いほど、お金を得ることや事業として考えることにためらいを持つ場合があります。
無償の手伝いや補助金だけに依存した活動は、任期が終わった後に続かない可能性があります。反対に、収益だけを優先し、地域の歴史や人間関係を置き去りにすれば、地域からの信頼を得られません。必要なのは、地域にとって良いことと、自分や仲間が続けられる経済性を同時に考えることです。
また、協力隊員は地域の外から来た「よそ者」でもあります。新しい視点が期待される一方、正しいと思う提案を急ぐほど、これまで地域を支えてきた人との間に距離が生まれることがあります。まず地域を知り、相手の背景を聞き、自分ができることとできないことを理解する。そのうえで、必要な人に頼り、協働する姿勢が欠かせません。
今回の研修では、こうした現場の葛藤を「道徳と経済の両立」というテーマから捉え直し、マーケティング思考を地域活動へ実装することを目指しました。

地域資源を、誰かにとっての価値へ変える
HONEとしてはマーケティングの理論を一方的に伝えるのではなく、地域おこし協力隊の仕事に置き換えて考える研修を行いました。
マーケティングは、商品を売り込むための技術だけではありません。地域にどのような資源があり、誰がどのような困りごとを抱え、協力隊の活動によって何が変わるのかを考えるための思考法です。
例えば、地域の特産品をPRするときも、魅力的な言葉をつくる前に、誰に届けたいのか、その人はどのような場面で必要とするのか、既存の選択肢と何が違うのかを整理します。イベントや移住施策でも、参加者を増やすことだけを目的にせず、地域とどのような関係を育てたいのか、実施後に何を残すのかを考えます。
研修では、自分の経験、強み、不得意なことを整理し、一人で抱えず他者に頼るポイントを考えるワークも取り入れました。地域の課題は、一人の能力だけでは解決できません。自分が担える役割を知り、行政、住民、事業者、他の隊員と役割を分けることが、活動を前へ進めます。
さらに、長崎県内の現場に入り、地域の魅力と課題を自分の目で確かめるフィールドワークを実施しました。現地で話を聞き、観察し、対話することで、公開情報だけでは分からない関係性や生活の実感を捉えます。理論と現場を往復しながら、地域資源を誰かにとっての価値へ変える方法を考えました。
協力隊の活動と、その先の暮らしをつなぐ
研修の目的は、短期間で完成した事業計画をつくることだけではありません。地域に入り、自分の役割を見つけ、周囲と関係をつくりながら、小さく試し、続けられる形へ育てるための判断軸を持ち帰ることです。
地域への思いと、自分の暮らし。社会性と経済性。よそ者の視点と、地域への敬意。どちらか一方を選ぶのではなく、葛藤を抱えながら両立する道を探ることが、地域に根ざすことにつながります。
NCNがつくる支援の土台と、HONEのマーケティング思考を組み合わせ、協力隊員が任期中の活動を成果へ変え、その先の仕事や暮らしへつなげるための学びを支援しました。
実施内容
地域おこし協力隊の活動に合わせたマーケティング講義
「道徳と経済の両立」を考えるケース・対話
地域資源、対象者、提供価値を整理するワークショップ
自分の強み・不得意・他者に頼る領域の棚卸し
地域の魅力と課題を捉えるフィールドワーク
隊員同士・運営者との対話と振り返り
活動と任期後の仕事・暮らしをつなぐ視点の共有
クライアント情報
一般社団法人長崎県地域おこし協力隊ネットワーク(NCN)




