【研修】広島の過去・現在・未来を、社員の言葉で捉え直すコンセプト策定ワーク【おりづるタワー(広島県広島市)】
クライアント
おりづるタワー株式会社
地域
広島県広島市
プラン
研修プラン

広島の記憶と、これからの未来を一望する場所
おりづるタワーは、世界遺産・原爆ドームの東側に立つ、広島を代表する複合商業施設です。屋上展望台「ひろしまの丘」からは、原爆ドームや平和記 念公園、元安川、路面電車が行き交う現在の街並みまでを一望できます。
一般的な展望施設との違いは、景色を眺めるだけでなく、風、音、香りまで含めて広島を感じられることです。ウッドデッキを歩き、瀬戸内の風に触れながら眼下の街を見ることで、過去の記憶と、復興を重ねてきた現在の暮らしが同じ景色の中に立ち上がります。
館内には、自分で折った折り鶴を投入する「おりづるの壁」、広島の歴史や文化に触れるデジタルコンテンツ、地域の商品を扱う物産館、カフェなどがあります。折り鶴を通して平和への思いを託す体験と、広島の食やものづくりを楽しむ時間が、一つの施設の中でつながっています。
おりづるタワーが伝えているのは、悲しい歴史だけではありません。
困難を越えてきた人間の強さと、明日を信じる優しさ。訪れる人の国籍や世代が違っても、それぞれが自分なりに広島の過去と未来を考えられる余白を持った場所です。
この場所の誕生には、民間企業が長い時間をかけて広島の未来へ投資した物語があります。既存ビルの屋上から見えた景色を起点に構想が始まり、補助金だけに頼らず、自らリスクを引き受けて施設を形にしました。
原爆ドームという世界的な記憶の隣で、過去を保存するだけではなく、現在の街と次の世代へ視線を開く。その成り立ちそのものが、おりづるタワーの価値を支えています。

施設の価値を、現場で働く社員の共通言語へ
施設には、展望、平和学習、観光、物産、飲食など、複数の役割があります。来館者も、国内外の旅行者、修学旅行生、家族、地域住民、企業や団体など多様です。魅力が豊かであるほど、部署や担当によって施設の捉え方が分かれ、「私たちは何を提供する場所なのか」を一言で共有することが難しくなります。
今回の研修で置いた問いは、「広島における、おりづるタワーの価値とは何か?」でした。
施設の説明文や広告コピーを外部が決めるのではなく、日々来館者と接し、場を運営する社員一人ひとりの視点から価値を掘り起こす。広島という土地が持つ歴史、おりづるタワーの成り立ち、来館者の反応、自分たちが大切にしていることを持ち寄り、施設運営と発信の共通指針になるコンセプトを磨くことが目的です。
社員が持つ知識や経験は、日常業務の中では断片的になりがちです。展望台で来館者の表情を見ている人、物産館で地域の商品を紹介する人、教育旅行を受け入れる人、施設全体の発信を担う人。それぞれが見ている価値を持ち寄ることで、経営理念と現場の実感をつなぎ、部署を越えて使える言葉へ変えていきました。
地域資源、独自性、利用シーンをつなぐ
今回のHONEの役割は、社内研修としてコンセプト策定ワークショップを設計・実施しました。
まず、おりづるタワーを構成する資源を棚卸しします。原爆ドームに隣接する立地、屋上から見える景色、風や音を感じる建築、「おりづるの壁」に積み重なる来館者の思い、広島の地域産品、現場で働くスタッフの案内や接客。普段は別々に語られやすい要素を、一つの体験として捉え直しました。
次に、他の展望施設や平和学習施設と比べたとき、おりづるタワーだからこそ提供できる価値を考えます。「何があるか」だけではなく、「訪れた人の気持ちがどう変わるか」「広島との関係がどう深まるか」まで言葉にすることで、設備の説明を顧客価値へ変えていきました。
さらに、その価値を誰に、どのような場面で届けたいかを具体化しました。広島を初めて訪れたとき、家族で平和について話したいとき、修学旅行で歴史を学ぶとき、広島で暮らす人が自分の街を見つめ直したいとき。利用シーンを描くことで、抽象的な理念を接客、企画、広報へ展開しやすい形に整えました。

コンセプトを、日々の判断に使える言葉にする
コンセプトは、きれいな言葉を掲げて終わるものではありません。新しい企画を考えるとき、来館者へ施設を案内するとき、商品を選ぶとき、広報で一枚の写真を選ぶときに、「おりづるタワーらしいか」を判断できることが重要です。
ワークショップでは、社員の中にすでにある経験や誇りを可視化し、互いの視点を重ねました。広島の歴史を受け継ぎながら、未来へ向けた希望をどう届けるのか。施設の価値を社員自身の言葉で再定義し、部門を越えて共有できる指針へ磨き上げる時間を支援しました。
また、言葉を決める過程そのものにも意味があります。完成したコピーだけを共有するより、なぜその言葉に至ったのかを社員が理解していれば、来館者に自分の言葉で説明できます。コンセプトを外向けの宣伝文句ではなく、働く人が施設への誇りを確かめ、次の行動を選ぶための共通言語として育てることを重視しました。
実施内容
コンセプト策定ワークショップの企画・設計
おりづるタワーと広島の地域資源の棚卸し
社員が感じる施設の価値・強みの言語化
類似施設と比較した独自性の整理
来館者像と具体的な利用シーンの検討
コンセプト候補の作成・共有・フィードバック
日々の企画・接客・発信へ展開する判断軸の整理
▼おりづるタワー誕生の物語と、その丘に立って【広島県広島市】(ほねろぐ)
広島市の「おりづるタワー」を訪れました。
2016年にオープンしたこの場所は、原爆ドームの東側に建つ、人々の願いや未来をテーマにした複合商業施設です。
屋上展望台からは原爆ドームや平和記念公園、広島の街並みを一望でき、折り鶴を折って投入する体験もできます。過去の記憶を伝えるだけでなく、これからの平和のあり方を考える場所です。
▼おりづるタワーHPはこちら


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