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長野県松本市を訪れた際、友人が「どうしても紹介したい」と連れて行ってくれたのが、「白飯が進む食堂 弐助」でした。辿り着いた食堂は、お米への執念と、規格外の優しさが同居する場所。そこには、効率化と均質化が進む現代で失われている、人と食の幸福な関係がありました。
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掲げられた決意

お店の入り口に立つと、まず目に飛び込んでくるのは「白飯が進む食堂」という潔い一節でした。その言葉通り、こちらの食堂の主役は間違いなくお米です。オーナー自らが泥にまみれ、田植えから収穫まで丹精込めて育てた松本産のコシヒカリ。
地元産野菜など、低農薬で安心・安全な食材にこだわり、看板メニューの「麻婆豆腐定食」と「しらす丼」を中心に、約10種類の定食を提供しています。
低農薬で、安心安全なものを心ゆくまで食べてほしいという心意気が、その一粒一粒にまで宿っているように感じられます。

すべては白飯を美味しく食べるために。
その一点に集約されたコンセプトは、迷いがなく、大和魂を感じます。
地元産の野菜をふんだんに使い、生産者の顔が見える食材を揃える誠実な姿勢に、食べる前から背筋が伸びるような思いがしました。
規格外の優し さに触れて

注文したのは、生姜焼きと唐揚げのダブル定食。運ばれてきた瞬間、その圧倒的なボリュームに、思わず目を見張りました。さらに驚いたのは、頼んでいないはずのエビの天ぷらやポテトサラダの小鉢が「サービスだよ」と添えられたことです。あまりの厚意に戸惑っていると、笑いながら「おかわりもあるからね」と声をかけてくれました。

カリッと揚がったニンニク香るジューシーな唐揚げと、甘辛いタレが絡んだ生姜焼き。それらを受け止める白飯の美味しさは格別。あまりのボリュームに嬉しい苦しさを感じながらも、箸が止まりません。利益を優先する今の時代に、こんなにも真っ直ぐな「おもてなし」があるのだと、胸が熱くなりました。
境界線のない居場所
友人の話によれば、常連さんが当たり前のように追加のおかずを振る舞われたり、時にはお客さんが自ら洗い物を手伝ったりすることもあるそうです。お店と客という一線を越え、まるで大家族のような関係性がそこにはありました。

また、店内には資料館でしかみられないような、レトロな雑貨や江戸時代の駕籠が置かれています。あまりの異質さに話を聞いてみると、店主さんの趣味なんだとか。地域に愛されるお店の条件とは、味の良さはもちろん、そこに漂う「人間らしさ」なのだと気づかされました。誰かを想い、誰かのために腕を振るう。そんなシンプルな営みが、この場所を特別にしています。
あとがき
実は、案内してくれた友人はここでアルバイトをしているようで、思い返せば「バイト先が素敵な店なんだ」と、話していたことが記憶に残っています。目の前で山盛りのご飯を頬張りながら、「こういうお店にお金を落としてあげたいよね」と、はにかむ彼を見て「いい友人を持ったなぁ」と、嬉しくなりました。

美味しいごはんがある場所には、必ず素敵な人が集まります。そして、その繋がりがまた新しい物語を作っていく。今回の訪問で、松本という街が、そこに住む人たちの暮らしが、以前よりもずっと身近に、愛おしく感じられるようになりました。またいつか、あの真っ白な白飯を頬張りに行こうと思います。
HONEインターン/森
ほねろぐとは
株式会社HONEは地方に足を運び、先人たちが紡いできた伝統や、未来に残したい景色を記録します。
いつのまにか、地方の「ほんと」の姿が見えてくる。
町の暮らし。人々の想い。仕事の姿勢。
忙しない日常で忘れ去られた豊かさが、そこには息づいています。
気づけば、地方が近くなる。
現場でしか得られない骨太な体験を、お届けしていきます。
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HONEでは、地方企業さまを中心に、マーケティング・ブランド戦略の伴走支援を行なっています。事業成長(ブランドづくり)と組織課題(ブランド成長をドライブするための土台づくり)の双方からお手伝いをしています。
大切にしている価値観は「現場に足を運ぶこと」です。土地の空気にふれ、人の声に耳を傾けることから始めるのが、私たちのやり方です。
学びや知恵は、ためらわずに分かち合 います。
自分の中だけで完結させず、誰かの力になるなら、惜しまず届けたいと思っています。
誰か一人の勝ちではなく、関わるすべての人にとって少しでも良い方向に向くべく、尽力します。地域の未来にとって、本当に意味のある選択をともに考え、かたちにしていきます。

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