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「最期まで自分らしく」を、北の端からデザインする。相沢食料百貨店が支える地域の健康【北海道稚内市】

公開日:

2026年4月23日

最終更新日:

2026年4月27日

「最期まで自分らしく」を、北の端からデザインする。相沢食料百貨店が支える地域の健康【北海道稚内市】

日本の最北端、北海道稚内市。人口減少と大手チェーンの進出という地方都市共通の課題に直面しながら、創業100年を超える一軒のスーパー、「相沢食料百貨店」があります。

この店が経営の核に据えるのは、一見するとスーパーの戦略とは無縁に思える「ぴんぴんころり」という哲学です。効率化こそが正義とされる小売業界で、なぜ地域の一民間企業が、あえて個人の死生観にまで踏み込むのか。


そこには、単なるスーパーとしての役割を超えて地域の「健康寿命」を支える、地域の健康インフラとしての新しいスーパーの生存戦略がありました。一見、非合理とも思える「手間」と「お節介」の先に、相沢食料百貨店が見据える地域のあり方を探ります。



社長の哲学 ー 「ピンピンコロリ」という、究極のウェルビーイング


身体想いの商品を集め、ぴんぴんころりの哲学を実現する
相沢セレクト

福間社長が経営の根底に据えるのは、「ぴんぴんころり」という考え方です。これは「病気に伏すことなく元気に(ぴんぴん)長生きし、最期は苦しまずに(ころりと)大往生する」という、古くから日本で理想とされてきた健康長寿のあり方を指します。


「あのおばあちゃん、最近見かけないね」という会話が日常的に交わされる稚内において、スーパーができることは、単に安く便利な物を提供することだけではありません。


「最期まで自分の足で店に来て、自分の好きなものを選び、美味しく食べて一生を終えてほしい」


そう語る背景には長く入院生活を送るのではなく、住み慣れた街で自立して、自分らしく暮らし続けてほしいという相沢社長の強い思いがあります。健康に生きるという「当たり前の幸せ」を、日々の食事という側面から最後まで伴走し、支え切ること。それが、地域に対して果たすべき、最大の役割だと考えているのです。



家族に食べさせたいものだけを並べる


家族に食べさせたい身体に優しいものを厳選した藍沢セレクト
店内の様子

こうした「最期まで健やかに」という願いを、日々の買い物という日常の風景に落とし込んだとき、お店の棚に並ぶ商品を選ぶ基準は自ずとシンプルになります。


「自分の子どもや親に、安心して食べさせられるか」


効率や安さを最優先すれば、どうしても作り手側の都合が優先された食品が増えてしまいます。しかし、相沢では「本当に体にいい」と自分たちが納得できるものだけを厳選して仕入れています。


そのプロセスは、驚くほど実直です。全国から届く提案に耳を傾けるのはもちろん、自分たちで直接見聞きした生産者のもとへ自ら足を運び、対話を重ねる。特に地元の食材については、一軒一軒の生産者を訪ね、電話をかけ、その人となりや想いを確認した上で仕入れを決定しています。


この一見手間のかかる仕入れの裏には、ただ、「大切な家族に健康でいてほしい」という、誰にでもある素直な気持ちをそのまま形にしているのです。


「自分の家族に作るのと同じように、お客様の食事も考えたい」


効率化が進む現代において、あえて手間を惜しまず一歩踏み込む。そんな相沢社長の誠実な眼差しが、この店の品揃えを根底から支えています。



ターゲットは「市場」ではなく目の前の「お客様」


ターゲットは市場ではなく、目の前のお客様
店頭に並ぶお弁当

良いものを揃えるだけでなく、それをどう届けるか。大手の効率的な運営とは対極にあるのが、「お節介」とも言えるほど距離の近いコミュニケーションです。


例えば、雪が深く、外出が難しいおばあちゃんのために、電話一本で商品を届ける「御用聞き」を今も続けています。「いつものお醤油ね」という一言だけで、どのお醤油のことか即座に分かるベテラン店員の存在は、システム化された機械的なサービスには決して真似できません。


レジ越しに交わされる「今日は顔色がいいね」「膝の調子はどう?」という何気ない言葉。この小さな気遣いの積み重ねが、地域の孤独を防ぐ大切なつながりになっています。相沢が見ているのは、データ上の抽象的な「数字」ではありません。名前があり、歴史があり、今この街で懸命に生きている「目の前のお客様一人ひとり」の暮らしそのものなのです。



地域の健康を支えるスーパーでありたい


地域の健康を地域の人みんなで支える
角打ちの様子

相沢食料百貨店が目指すのは、単に「物を売る場所」であることを超えて、地域の人たちが心身ともに健やかに過ごせる拠点となることです。


便利さや安さだけでは測れない、家族の健康を心から思い、人生の最期まで寄り添ってくれる安心感。最北の地で相沢食料百貨店が守り続けているのは、効率化の波にかき消されてしまいそうな「人としての温かさ」が通い合う、街の当たり前の風景なのです。


HONEインターン/後藤


ほねろぐとは


株式会社HONEは地方に足を運び、先人たちが紡いできた伝統や、未来に残したい景色を記録します。


いつのまにか、地方の「ほんと」の姿が見えてくる。

町の暮らし。人々の想い。仕事の姿勢。

忙しない日常で忘れ去られた豊かさが、そこには息づいています。

気づけば、地方が近くなる。


現場でしか得られない骨太な体験を、お届けしていきます。



株式会社HONEについて


HONEの流儀
HONEの流儀

HONEでは、地方企業さまを中心に、マーケティング・ブランド戦略の伴走支援を行なっています。事業成長(ブランドづくり)と組織課題(ブランド成長をドライブするための土台づくり)の双方からお手伝いをしています。

大切にしている価値観は「現場に足を運ぶこと」です。土地の空気にふれ、人の声に耳を傾けることから始めるのが、私たちのやり方です。


学びや知恵は、ためらわずに分かち合います。

自分の中だけで完結させず、誰かの力になるなら、惜しまず届けたいと思っています。

誰か一人の勝ちではなく、関わるすべての人にとって少しでも良い方向に向くべく、尽力します。地域の未来にとって、本当に意味のある選択をともに考え、かたちにしていきます。


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