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長田西中学校 おさだ学発表会。人と人が交わるたび、まちは少しずつ変化する。【静岡県静岡市】

公開日:

2026年6月22日

最終更新日:

2026年6月22日

長田西中学校 おさだ学発表会。人と人が交わるたび、まちは少しずつ変化する。【静岡県静岡市】

「10年後のおさだを○○な街に創り変えます!そのために○○をします。」

静岡市立長田西中学校の体育館に、自信に満ちた声が響きました。



おさだ学とは


長田西(おさだにし)中学校では、総合的な学習の時間に「おさだ学」と称した地域学習を行っています。中1でおさだを知り、中2で他のまちを知り、中3で10年後のおさだを考える、という流れです。


「おさだ学発表会」は、3年生がイメージする10年後のおさだと、理想的なまちにするために地域の方と考えたプランを報告しました。


株式会社HONEは、講話や職場体験を実施したご縁から長田西中と関わりがあり、今回の発表会にもお呼びいただきました。



9年間、ずっとおさだを考えてきた


発表の冒頭では、代表の生徒が、おさだ学のあゆみを紹介しました。生徒たちは、小学生から数えた9年間、自分たちが暮らす「おさだ」のよりよいまちづくりについて考え続けてきました。


地域探訪では、おさだのまちを歩いて周り、訪れた場所や気づきをもとに探索コースを作成・発表しました。


地域の方と一緒に竹灯籠を作り、徳願寺の参道でライトアップするプロジェクトでは、竹チップを来場者に配布する取り組みも実施。この竹灯籠プロジェクトは、静岡県SDGsスクールアワードに応募し、96チームの中から優秀賞を受賞しています。



職場体験・職業講話では、体験先を生徒自身が選択し、地域で働く方の思いやまちづくりに必要な視点を学びます。(今回、当社もこちらにご協力させていただきました。)


HONEの職場体験
HONEの職場体験

2年生の修学旅行では、大阪・奈良・京都を訪問し、他地域のまちづくりを見て・体験することで、自分たちの地域と比較しながら課題を探します。大阪のまちづくりについては、現地の方から直接お話を聞く機会もあったそうです。


3年生は関心の近い生徒が集まった班に分かれ、10年後のおさだの姿をイメージしながら、先行事例を訪れたり、地域の方に話を聞いたりしながら具体的なプランを考え、実践してきました。



竹、海、紅茶。中学生が見つけた、おさだ「らしさ」


中学生が特に注目したおさだの特徴は、伝統工芸品である「駿河竹千筋細工」です。


他にも、静岡市沿岸を示す「しずまえ」や、国産紅茶の始まりと言われる「丸子紅茶」などがあります。市街地と海・山をつなぐ位置に広がる長田地区ならではの文化です。


駿河竹千筋細工は、安倍川・藁科川流域で良質な若竹・淡竹が産出されてきた土地柄を背景に生まれた工芸品です。弥生時代の登呂遺跡からもザルやカゴが出土されるほど、古くから竹製品が定着していた地域の技が受け継がれています。


駿河竹千筋細工
駿河竹千筋細工

長田地区を含む駿河地域は、伝統工芸の産地でもあります。江戸時代、久能山東照宮や静岡浅間神社の造営にあたって徳川家康らが全国から職人を集めたことが起源とされており、その技術は現在まで受け継がれています。


画像・参考情報:

駿河竹千筋細工:静岡市公式ホームページ 

静岡市の工芸品(一覧):静岡市公式ホームページ 


静岡市内の小中学生の多くは、駿府の工房 匠宿で伝統工芸を体験します。


私自身も静岡市出身で小学生の頃に匠宿で虫かごを作るなど、学生時代から伝統工芸に触れる機会がありました。


小学校時代に作成した虫かご
小学校時代に作成した虫かご

伝統工芸は教育に取り入れられ、一定の認知はされているはずですが、生産は年々減少しています。


一般社団法人伝統的工芸品産業振興協会のデータによると、平成10年度から平成22年度で約4割減少し、その後も少しずつ減少しています。


減少ペースが鈍化した理由としては、消費者が高くても長く使える工芸品に目を向けたことや、訪日外国人需要が生まれたこと、国や自治体の支援制度が機能し始めたことなどが考えられます。


伝統的工芸品の生産額は年々減少している
伝統的工芸品の生産額は年々減少している(一般社団法人伝統的工芸品産業振興協会のデータより経済産業省が作成)


伝統的工芸品を手に取ってもらうためには、必需性を感じさせることや生活へ紐づけることが重要ではないでしょうか?


株式会社HolyTechと静岡大学の学生が取り組んだ、駿河竹千筋細工で作られたティッシュケースと竹100%で作られたティッシュペーパーは日常に溶け込むヒントになりそうです。


生活になじむ伝統工芸
生活になじむ伝統工芸

画像・参考情報:

伝統工芸の地域資源としての活用に関する 実態調査 結果報告書

伝統工芸品にサステナブルな新風を!静岡の駿河竹千筋細工で作るティッシュケースと竹100%ティッシュペーパーが登場



「今あるもの」に価値をつける、10のまちづくりプラン


発表会では全グループがプラン概要を発表したあと、代表の10グループが詳細な提案を行いました。


No.

グループ

グループ名

10年後の理想のおさだ

プラン名

1

2組3班

最強!最強の竹fairyS

竹で溢れた街

Strongest!The Strongest BAMBOO!

2

1組5班

サニーサイド

みんなで協力して住みやすい街

陽だまりステップ

3

5組5班

CLEAN 戦隊

ゴミが落ちていないきれいな街

おさ Pay DX 作戦

4

4組6班

たけのこっしー

高齢の方も暮らしやすい街

笹やかな贈り物

5

6組6班

おさだの歴史対策本部

歴史的な資源を活かした持続可能な街

長田の歴史を知り生かしていく

6

6組4班

I love babys

すべての赤ちゃん、親子が伝統工芸品に触れやすい街

Baby's traditional crafts

7

1組4班

道標とかいて「みちしるべ」と読む

光の道で繋がり、住民が誇れる活気ある街

OSADA CONNECT LIGHT〜想いをつなぐ光の道標〜

8

5組1班

未来を切り拓こう

伝統工芸と最先端のホビーカルチャーが融合した近未来的な街

世界ガンダム化計画by竹千筋細工

9

3組6班

Osada panorama Project

自然豊かなきれいな街

長田の空き地を再利用しよう

10

6組3班

丸子の歴史を変え隊

広い世代の人達がおさだの歴史を通して賑やかになる街

匠×丁

代表10グループの発表内容


各プランに共通していたのは、「今あるものに価値をつける」という視点です。

単に新しい取り組みを行うのではなく、竹・歴史・伝統工芸といった地域固有の資源を起点にしている点が印象的でした。


また、活動の様子を動画で公開したり、地域の方と一緒に商品制作をしたりするなど、「共助」の視点を広めるための工夫も盛り込まれていました。先行事例や課題にも着目した、長期的なビジョンのある提案が並びました。



担い手それぞれが地域を動かす


発表会には、静岡市総合政策課の方や長田西連合自治会長の方もご参加されていました。


静岡市では、「誰もが安心して暮らし、幸せを実感し、住み続けたいと感じられるまち」を目指す総合計画を策定しています。


静岡市総合政策課の方からは、「10年後の長田に合わせて現状を調査していることに説得力があった。その地域に住んでいるからこそわかることを大事にして、中学生らしい考えでまちづくりに関わってほしい」とコメントがありました。


長田西連合自治会長からは、「高齢者はコミュニティがしっかりできているところに住み続けたいと思うもの。今回発表したことを念頭に置いて、生活の中でPDCAサイクルを回していきましょう」というお言葉がありました。



地域づくりは一人ではできない


発表会で印象的だったのは、生徒たちが考えたプランの多くが、学校の中だけでは完結しないことでした。


地域の方へのインタビューや商品づくり、イベントの実施など、どの提案にも地域との接点が組み込まれています。


また、「駿河竹千筋細工のオブジェを民宿に飾る」といったアイデアのように、地域の事業者と連携することで実現できそうな提案もありました。


まちづくりは、アイデアを考えて終わりではありません。地域住民や事業者、行政など、多様な人たちが関わりながら実践し、継続していくことで形になっていきます。


今回の発表会を通じて、教育と地域がつながることで新しい可能性が生まれること、そして子どもたちの発想が地域を動かすきっかけになることを改めて感じました(民宿での実証プランなどは当社も今後も関わっていけたら嬉しいです)。



一人ひとりが動くことで、まちは変わっていく


おさだ学発表会は、地域に関わる一人ひとりがまちの未来を考え、動き、力を合わせることで地域が変わるということを示していました。


例えば、学生はアイデアを出すこと、そして地域に出て顔を見せること。地域住民は、子どもたちの声に耳を傾け、共感したアイデアを一緒にブラッシュアップしながら実現に近づけていくこと。地域の企業は、アイデアを社会に実装し、継続していく場を提供しながら伴走すること。それぞれがこうした役割を果たすことが重要なのだと思います。


プランを立てて提案するだけでなく、現場で人と交わることで、まちの変化を自分ごと化している人が増えていきます。そうした積み重ねの中で、本当に大事にしたい部分が見えてくるのだと思います。


自分の地域で何ができるか、誰がどう動いているかを知ることが、継続的なまちづくりの第一歩ではないでしょうか。


HONEインターン / 石井



ほねろぐとは


AIの急速な台頭により、私たちの世界は、目紛しい変化を遂げています。効率化が進むその影で、古きよき日本の文化や風景、人との繋がりが失われつつあるのも、悲しい現実です。


そんな時代だからこそ、我々株式会社HONEは地方に足を運び、先人たちが紡いできた伝統や、未来に残したい景色を記録します。


いつのまにか、地方の「ほんと」の姿が見えてくる。


町の暮らし。人々の想い。仕事の姿勢。

忙しない日常で忘れ去られた豊かさが、そこには息づいています。


気づけば、地方が近くなる。


現場でしか得られない骨太な体験を、お届けしていきます。



株式会社HONEについて


HONEの流儀
HONEの流儀

HONEでは、地方企業さまを中心に、マーケティング・ブランド戦略の伴走支援を行なっています。事業成長(ブランドづくり)と組織課題(ブランド成長をドライブするための土台づくり)の双方からお手伝いをしています。

大切にしている価値観は「現場に足を運ぶこと」です。土地の空気にふれ、人の声に耳を傾けることから始めるのが、私たちのやり方です。


学びや知恵は、ためらわずに分かち合います。

自分の中だけで完結させず、誰かの力になるなら、惜しまず届けたいと思っています。


誰か一人の勝ちではなく、関わるすべての人にとって少しでも良い方向に向くべく、尽力します。地域の未来にとって、本当に意味のある選択をともに考え、かたちにしていきます。

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