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2026年10月24日、静岡市駿河区丸子にベーカリーカフェ「パンとエスプレッソと匠宿」がオープンしました。東京・表参道発の人気ブランド「パンとエスプレッソと」が静岡県内に初めて出店。日本最大級の伝統工芸体験施設「駿府の工房 匠宿」に隣接する、自然豊かなエリアに誕生しました。
店舗を運営するのは、静岡市を拠点に建築や地域の施設づくりなどを手がける株式会社創造舎です。「パンとエスプレッソと」のブランドを「暖簾分け」という形で受け継ぎ、静岡の伝統工芸や食文化を生かした、地域ならではの店舗づくりをされています。
全国で親しまれるブランドの魅力と、地域に根ざした企業だからこそ生かせる資源やつながり。その掛け合わせによって、この店舗ならではの魅力が生まれています。
私たちは、10月22日のプレオープンにお邪魔し、古民家を生かした空間や静岡ならではのメニューを堪能させていただきました。そこで印象に残ったのは、パンやエスプレッソを入り口に、伝統工芸をより身近に感じてもらおうとする体験設計です。
日常の延長線上で、伝統工芸に触れる

静岡市駿河区丸子にある「駿府の工房 匠宿」は、駿河竹千筋細工や染めもの、木工、漆、陶芸など、静岡の伝統工芸に触れられる国内最大級の体験施設です。工芸体験やギャラリーを通じて職人の技に出会える一方、伝統工芸には「特別な機会に触れるもの」「少し敷居が高いもの」という印象を持つ人もいるかもしれません。
匠宿が目指しているのは、そうした伝統工芸を、今回の「パンやエスプレッソと」のような日常的で親しみやすいものと組み合わせ、より気軽に親しんでもらえる空間を生み出すことのように感じました。
この考え方は、店舗の各所に表れています。店内は、立派な古民家の趣を生かした落ち着きのある空間。駿河竹千筋細工の照明やお茶染めののれん、漆塗りの壁など、静岡の伝統工芸が随所に取り入れられています。

パンとエスプレッソと匠宿の店内は工芸品を飾るだけでなく、食事の器としても使われているため、食事を楽しみながら職人の手仕事に触れることもできます。工芸品を鑑賞するために訪れるのではなく、パンを食べたり、コーヒーを飲んだりする時間のなかで、自然と工芸に出会うことができます。
日常を入り口にすることで、伝統工芸との距離を縮めようとしている工夫が散りばめられていました。
静岡の食材や名物を、パンとエスプレッソの楽しみに

メニューからも、静岡らしさを感じられます。桜えびとアボカドタルタルを合わせたトーストや、しらすと桜えびのピザ、静岡茶を練り込んだ食パン「静岡茶ムー」など、地域の食材や名物を取り入れた限定メニューが並びます。
なかでも、思わず目を疑ったのが「静岡おでんムー」です。陳列されたパンから顔を出す卵と串を見た瞬間、「おでん?!」と声をあげてしまいました。意外な組み合わせに驚きましたが、実際に食べてみると、これがまたおいしいんです。

おでんのインパクトに目を奪われますが、驚かされたのはパンそのもののおいしさでした。バターの豊かな香りと、しっとりもちもちとした食感がたまりません。
ほかにも、わさびとホワイトチョコを組み合わせたサンドなど、静岡にゆかりがありつつ、地元民から見ても意外性のあるメニューがそろいます。全国に展開する「パンとエスプレッソと」の魅力を土台に、静岡ならではの食文化を新しい形で楽しめるのが特徴です。
地元の食材や伝統工芸を取り入れた匠宿での店舗づくりは、「パンとエスプレッソと」にとっても、ブランドの新たな可能性を広げることにつながっているのではないでしょうか。
参考:47都道府県ご当地オーナー募集 | 株式会社 日と々と
食や工芸の文化は、必ずしも説明を読んだり、知識を身につけたりしてから楽しむものばかりではありません。おいしそうだと思って手に取ったパンが、静岡の食材や食文化を知るきっかけになる。
食事を楽しむうちに、器や照明に使われている工芸に目が留まる。そんなふうに、まず体験があり、その先に地域への関心が生まれることもあるはずです。

食と工 芸を楽しみながら、1日ゆっくり過ごせる場所へ
「パンとエスプレッソと匠宿」がある匠宿工芸村には、伝統工芸の体験施設のほか、飲食店やギャラリー、宿泊施設、温浴施設などが集まっています。
豊かな自然や古民家を生かした空間も魅力の一つ。工芸に触れたり、おいしいものを食べたり、温浴施設でくつろいだりと、1日を通して楽しめる場所です。

「パンとエスプレッソと匠宿」は、そんなエリアに食と工芸が交わる新たな接点を生み出しています。パンを目当てに訪れた人が、店内の照明や器をきっかけに伝統工芸に興味を持ち、工芸を体験してみる。
体験を通じて工芸への理解が深まれば、再びお店を訪れたとき、工芸品の見え方も変わるかもしれません。

実際にいただいたランチプレートは、彩り豊かでおいしく、目でも楽しめる一皿でした。落ち着いた空間も相まって、ゆっくりと時間を過ごしたい日に利用したくなります。食事のあ とに工芸体験や周辺の散策を楽しむなど、過ごし方を組み合わせられるのも、このエリアならではの魅力です。
食を入口に工芸を知り、体験を通じて理解を深め、実際の使われ方から新たな魅力に気づく。「パンとエスプレッソと匠宿」は、食と工芸の両方から、匠宿エリアで過ごす時間を豊かにしてくれる場所になりそうです。
日常と非日常が交わる場所に
今回訪れて感じたのは、伝統工芸を特別なものとして紹介するだけでなく、普段の暮らしの延長線上で触れられるようにすることの面白さです。

パンを買いに行き、エスプレッソを飲みながらひと息つく。そんな何気ない時間のなかに、職人の技や地域の文化と出会う瞬間がありました。「パンとエスプレッソと匠宿」では、日常の親しみやすさと、伝統工芸が持つ特別な魅力を組み合わせることで、新しい暮らしの楽しみ方が提案されています。
これから、静岡の食や工芸、自然が交わる匠宿エリアで、どんな出会いや過ごし方が生まれていくのでしょうか。パンとエスプレッソを楽しみながら、地域の文化にも触れられる場所として、これからの広がりが楽しみです。
【店舗情報】
パンとエスプレッソと匠宿
所在地:静岡県静岡市駿河区丸子・駿府の工房 匠宿エリア
営業時間:9:30〜18:00
定休日:火曜日(祝日は営業)
※営業時間・営業日は変更となる場合があります。訪問前に最新情報をご確認ください。

HONEインターン/森
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