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2025年11月3日-4日、福岡県柳川市に行ってきました。
毎年11月1日から3日は北原白秋先生の命日である11月2日に合わせ、「白秋祭水上パレード」を開催しています。
柳川市には「堀割」と呼ばれる水路が街全体に広がり、舟が行き交う「水の都」と呼ばれています。
張り巡らされた水路の長さは、柳川市全体で930kmにも及びます。柳川は日本一の干満差(6メートル)を生み出す有明海と共にある干拓地。真水を得ることが難しい地形のため、土を掘り、陸地化してそこに水を流すという仕組みが人の生活には不可欠だったそうです。
江戸時代に完成したこの仕組みの恩恵を受け、現在も農業用水として、そして水害からこの街を守ってくれています。(御花サイトより一部抜粋)
白秋詩歌の母体となった「水郷柳川」にて開催される「水上パレード」は約4キロのコース沿いには各所にステージがあり、郷土芸能や太鼓の演奏、合唱コーラスにブラスバンドなどが披露されます。水面には行灯が浮かび、また、市民の皆さんの心のこもった歓迎・おもてなしを感じながら最終地点では打ち上げ花火でフィナーレを迎えます。水郷柳川ならではの水上パレード。北原白秋への想いと幻想的な夜を感じていただけます。白秋先生の没後10年祭時に始まった水上パレードは2025年の今年、73回目の年を迎えます。(柳川市観光公式サイトより一部抜粋)


北原白秋とは
私自身、北原白秋は詩や童謡の歌詞、校歌などをつくっていることはなんとなく知っていたのですが、深くまで理解をしていませんでした。
「あめあめふれふれ かあさんが じゃのめでおむかい うれしいな」から始まる「あめふり」も白秋先生の作品で、気がつけば多くの詩歌・校歌を書いていました。
白秋先生の弟はそれぞれ出版人となったらしく、北原鉄雄は写真・文学系出版社アルスを、北原義雄は美術系のアトリエを創業。娘は三菱財閥創業家・岩崎家の末裔に嫁いだそうです。
ご自身は苦労人だったそうで、若いうちから売れたわけではなく壮年期から徐々に認知が広まったとの話を聞きました。
柳河高等小学校より県立伝習館中学(現:福岡県立伝習館高等学校)に進むも、1899年(明治32年)には成績下落のため落第。この頃より詩歌に熱中し、雑誌『文庫』『明星』などを濫読する。ことに明星派に傾倒した。(Wikipediaより)

いざ、乗船
日が暮れた18時30分。
1隻10名ほどの定員のお舟にのり、水の上で雅楽や太鼓、コーラスなど、様々な演奏を聞きながら、川下りがはじまります。


舟は地元の企業や同友会・同窓会、趣味仲間など、さまざまなコミュニティの皆さんが貸切をされていました。持ち込み自由のため、オードブルを持参したり、お酒を持ってきたり、思い思いの食べ物・飲み物を持ってきていました。
中には七輪で焼肉をする方々もおり、とても和やかで自由な雰囲気でした。
川下りの道中の2時間ほど、景色は変わるのですが、それぞれの場所には柳川に住んでいる皆さんが川を囲み声をかけてくれる姿が印象的でした。
現在、秀ノ山親方(元大関琴奨菊)が、三柱神社に隣接する高畑公園内の土俵を稽古場に、高畑公民館を宿舎として部屋を設置されているとのことで、秀ノ山の皆さんにもご挨拶する ことができました。
人々の温かさに触れられる美しい柳川の風物詩だなぁと感じました。

川下りのあとは柳川藩主立花邸 御花へ
せっかく柳川に泊まるのなら、一度は体験したいと思っていた柳川藩主立花邸 御花へお邪魔しました。

柳川藩主立花邸 御花は柳川藩主が家族と暮らすために誕生し、歴史を積み重ね、受け継がれてきました。立花家が柳川の地に根差したのは、今からおよそ400年前。立花宗茂が柳川城主となってからです。それ以来、立花家は柳川と共に歴史を紡いできました。

御花は文化財の見学や料亭利用やウェディング、そして宿泊ができる文化財施設となっています。掘割に囲まれた全敷地7,000坪が「立花氏庭園」の名称で国の名勝に指定され、特に「松濤園」「西洋館」「大広間」「御居間」「家政局(お役間)」「門番詰め所」といった、約100年ほど前の伯爵邸の姿をそのままに留める近代和風建築は、日本に現存する文化財として、とても稀有な存在です。(御花サイトより一部抜粋)

特に印象的だったのが大広間。
100年以上前に伯爵邸として建てられた大広間は、1950年の料亭旅館 御花創業以降、
その景観を守りながら、宴を催す場として使われてきました。
中の間、三の間の畳を取り除くと能舞台にもなる100畳の空間は、能だけではなくライブ会場としても利用されてきたそうです。

23時まで開放されているため、お風呂上がりに日本庭園を前にしてゆったりと読書しました。ちょうど私が利用したときは利用者はおらず、贅沢な空間を独り占めすることができました。まるでお殿様になったような気分になりました。


朝、土鍋で炊き立てのお米を3杯いただく
今回は夕食を白秋祭の川下りでとったため、朝ごはんのみのプランにしました。
朝のご接客いただいたスタッフさんのホスピタリティもとても高く、特別な気分を味わうことができました。


朝ごはんは地元の素材がふんだんに使われていて、お米に合うおかずもたくさんあり、土鍋ご飯にぴったりでした。
特に写真下の有明産の焼き海苔がとても香ばしくて本当に美味しかったです。思わずお土産に買って帰りました。
まもなく80歳を迎えるスタッフさんの元気いっぱいのおもてなしもとても印象的で、ごま豆腐の器の下に記載されている柳川守を見て、「立花の家紋があなたを守ってくれる」と言ってくださいました。そして3杯おかわりしてお腹いっぱいになりました。

柳川の歴史に触れ、体験し、柳川のことを学べた1日でした。一人でも、大切な人たちと複数でも、また訪れたくなるまちでした。
HONE / 桜井貴斗




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