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魚や野菜のブランド化。成功のポイントと具体例

  • 執筆者の写真: 桜井 貴斗
    桜井 貴斗
  • 3月4日
  • 読了時間: 8分

更新日:3月30日

魚や野菜のブランド化。成功のポイントと具体例

農産物のブランド化と聞くと、「品種改良」や「加工品開発」を思い浮かべる方が多いかもしれません。しかし、実際には栽培方法の工夫や地域ブランドの活用、ストーリー性の付与など、さまざまなアプローチがあります。


本記事では、農産物のブランド化を成功させる5つのパターンを具体的な事例とともに解説します。自分の農産物や地域に合った方法を見つけ、ブランド価値を高めるヒントにしてください!





資料


目次



農産物のブランド化とは


ブランド化は、一次産業のブランディングで目にする言葉で、特定の生産物の独自性をつくり、消費者に価値を認識してもらうためのマーケティング戦略のことです。単なる商品としての生産物から、消費者にとって特別な意味を持つ商品へと変化させるアプローチだと言えます。


ブランド化のメリット


地域の特産品はあるものの、存在の近さゆえ商品特性や魅力に気づいていないケースはよくあります。ブランド化することで農産物や水産物の安さ、美味しさ以外の付加価値が生まれ、購入されるようになるのが大きなメリットです。他にも、ブランド農産物が全国的・国際的に認知されるようになると、以下の効果が期待できます。


  • 地域の生産者への印象が変わる

  • 地域の雇用創出

  • 観光との連携による地域振興


これらの利点から、まちづくりの文脈で地域×ブランド化を推進する地域が多いのです。


商品に独自性が求められる背景


一次産業のブランド化に対する意識は高まっているものの、実際は「作ってみたけれど売れない」といった課題を抱えてしまいがちです。

そこで国は以前から、農林水産物・食品の地域ブランド化に向けた取り組みを続けてきました。近年、消費者は「安いもの」ではなく、以下の項目も重視すると言われています。


  • 安全性・品質の高い食品

  • 環境に配慮した商品(有機農産物など)

  • 地域のストーリーがある商品


ブランド化はこうした 付加価値を明確に伝え、消費者の支持を得る手段となります。




5つのブランド化パターンと具体例


それでは、実際にどういった方法でブランドを行なっているのか、?具体例とともにみていきましょう。


5つのブランド化パターンと具体例

(1)品種改良で独自性を出す


「味」「栄養価」「耐病性」などを改良し、ブランド化する手法。シャインマスカットや、いちごの「あまおう」などが代表的で、みなさんもご存知の「近大マグロ」もその1つです。


●近大マグロ(近畿大学)

近畿大学が約30年かけて開発した技術を使い、完全養殖のクロマグロをブランド化した事例です。「天然よりも美味しい」「サステナブルなマグロ」というメッセージ性と、高級店との提携で「ブランドマグロ」としての価値を高めることに成功。




(2)加工品開発で市場を広げる(6次産業化)


これは、魚や農産物を使った加工品でブランド化を図るタイプのアプローチとなります。HONEが支援した「PAKU PAKU OIMO」もその1つです。


●RAKURAKU OIMO(静岡県)

株式会社ヤマウメ様のオリジナルさつまいもブランド「紅金波(べにきんぱ)」を使用したほしいも製品。罪悪感なく食べられる「持ち運べるほしいも」として、3,000人の声を聞いて商品開発しました。


▼詳しくはこちら

PAKU PAKU OIMO


(3)栽培・生産方法で価値を高める


「栽培・生産方法」でブランド価値を向上させるには、環境・技術・安全性・味の向上 などの工夫が重要です。


●INDOOR(京都府)

完全人工光型の植物工場でつくられたレタスを販売する『INDOOR』というブランドもその1つ。農薬不使用で、カットレタスの鮮度を最大6日間保持させる新たな加工製法を開発。重量当たりの価格を約25%お得にすることにも成功しています。さらには、環境配慮包装として、プラスチック使用量を約17%削減しています。




(4)地域ブランドの力を活用する


地域を挙げたブランド品として展開する方法です。静岡の「クラウンメロン」、佐賀の「関あじ・関さば」などが代表的です。この手法では、「価値の明確化」「戦略的な発信」「販路の拡大」の3つが鍵 になります。


●夕張メロン(北海道)

夕張市の冷涼な気候と火山灰の土壌を活かし、高糖度のメロンを開発。赤肉のメロンとして希少価値をアピールしたのが、夕張メロンです。糖度・外観・熟度など出荷基準を厳格化し、最高ランク「特秀」にはプレミアム価格を設定。高級ブランドのイメージを強化しています。

また、「夕張メロン」というブランド名は、商標登録されており、夕張市産の特定の品種のみが名乗れることになっています。他産地が「夕張メロン」と名乗ることも禁止しており、偽物対策も徹底しています。




(5)ブランドストーリーで魅力を伝える


この方法は、消費者の心を引きつけ、感情的なつながりを生むため、に、非常に効果的です。


●馬路村のゆず(高知県)

「山奥で見渡す限り自然しかない」といった馬路村の特徴と、村の人が手間ひまかけて栽培している背景を伝えることで愛着を持ってもらったことが成功要因と言われています。

さらに、農薬の使用を控え、豊かな森林と清らかな川の水で育った点も打ち出しており、「健康的」「環境に優しい」というメッセージが支持されています。






ブランド化を成功させるポイント


一次産業のブランド化を成功させるためには、いくつかの重要なポイントがあります。



どの戦略を選ぶべきか?ターゲットと市場の分析


ブランド化(新規事業開発)における第一歩は、客と市場の分析です。市場規模、顧客の属性や嗜好、どんなことに価値を感じているのか等、さまざまな角度で根拠を求めなければ、「作ったけれど売れない」という負のスパイラルになってしまいます。


▼具体的なプロセスは、こちらの記事でまとめています。

【2025年版】地方マーケティングの新常識──地域・事業・組織をまるごと捉えるアプローチとは?


ブランドの一貫性を保つための工夫


中長期的に選ばれ続けるブランドをつくるには、一貫性も大事です。ストーリーやロゴやパッケージなどのビジュアルに限ったことではなく、マーケティング施策や顧客体験に対しても一貫性を持たせてゆくことが求められます。

コンセプトやストーリーは魅力的であっても、コンテンツや顧客体験に落とし込まれていなければ消費者には伝わりません。どのように顧客の第一想起に入るか、本質的な価値提供とブランドの一貫性が欠かせないのです。


▼HONEが支援した事例とともに、ブランド開発についてまとめてみました。

「地方ブランド」のための新商品開発マニュアルをつくりました。



まとめ


魚、農産物のブランド化は、単なる商品価値の向上手段ではなく、地域経済の活性化にもつながる重要な手段でもあります。そして、地域や生産者のアイデンティティを反映したものであるべきです。「地域ブランド」がより高まるような「事業ブランドづくり」で、消費者に響かせていく。HONEでは、そんなブランドづくりを模索していきたいと考えています。


最後までお読みいただき、ありがとうございました。


弊社HONEでは地域ブランドづくり・事業づくりのサポートを行っていますので、お困りの際はお気軽にお声がけください!



HONEのサービスについて


当社では、地方企業さまを中心に、マーケティング・ブランド戦略の伴走支援を行なっています。事業成長(ブランドづくり)と組織課題(ブランド成長をドライブするための土台づくり)の双方からお手伝いをしています。


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最後までお読みいただき、ありがとうございました。

 

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【記事を書いた人】


株式会社HONE  代表取締役 桜井貴斗

株式会社HONE

代表取締役 桜井貴斗


札幌生まれ、静岡育ち。 大学卒業後、大手求人メディア会社で営業ののち、同社の新規事業の立ち上げに携わる。 2021年独立。 クライアントのマーケティングやブランディングの支援、マーケターのためのコミュニティ運営に従事。


※本記事は一部AIを活用して執筆しています。

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