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未顧客の「今の行動」から考える、ベネフィット起点のコンテンツづくり|オルタネイトモデル実践

  • 11 分前
  • 読了時間: 9分
オルタネイトモデル実践

SNSやブログ、メルマガなどのコンテンツをつくるとき、「何を投稿しよう?」「どんなネタなら反応が取れるだろう?」「どう見せれば伝わるだろう?」と、発信する内容や見せ方など考えることは多いと思います。


しかし、「どう投稿するか」「どう見せるか」ばかりを考えていると、投稿本数を増やすことや、流行のフォーマットを取り入れること自体が目的になりがちです。 その結果、発信は続けているものの、生活者の購買や行動になかなかつながらない。 そんな悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか。


では、行動につながるコンテンツは何から設計すればよいのでしょうか。


一つのアプローチが、生活者の「今の行動」や「習慣」を理解し、そのなかに自社商品が自然に入り込める切り口を考えることです。


今回は、書籍『“未”顧客戦略 消費者の無関心から逃げない「記憶×習慣」の科学』でも紹介されている思考フレームワーク「オルタネイトモデル」を取り入れながら、未顧客の行動を理解し、ベネフィットを再定義し、日々のコンテンツ企画へ落とし込むまでの流れを解説します。


※本記事は、書籍『未顧客戦略』で紹介されている「オルタネイトモデル」を参考に、実務での経験や思考をもとに解釈・応用した内容です。書籍の内容をそのまま要約・転載したものではなく、コンテンツ企画に活用するための考え方として再構成しています。



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商品の特徴だけを伝えない


生活者の行動の文脈から価値を捉え直す姿勢が大切です。
今の行動・習慣から考える(一部AIにより作成)

コンテンツを企画するとき、商品の特徴や強みから発想をスタートする企業は多いと思います。


例えば、

  • 国産の厳選原料を使用している

  • 専門家が個別にサポートする

  • 水回りから壁まで一本で掃除できる

  • 最短3日で導入できる


これらは、どれも商品の大切な特徴です。

しかし、商品の特徴が、そのまま生活者の感じる価値になるとは限りません。

売り手側から見ると、「こんなによい商品なのに、なぜ買わないのだろう?」と思うことがあります。


ここで必要なのは、「なぜ買ってくれないのか?」と売り手側の基準で考えることだけではありません。「なぜ今、その行動を選んでいるのか?」と問い、生活者の行動の文脈から価値を捉え直すことで新たな価値が見えてくることもあります。



オルタネイトモデルとは?



オルタネイトモデルとは、特定の文脈において生じる人の行動を、「きっかけ」「行動」「報酬」「欲求」「抑圧」という5つの要素で捉えるフレームワークです。



5つの要素


  • きっかけ:行動変容のきっかけは何か?

  • 行動:具体的な行動変容(起こさせたい理想の行動)

  • 抑圧:行動を阻むバリア(不安・コスト・罪悪感など)は何か?

  • 欲求:行動の根底にある潜在的な欲求(インサイト)は何か?

  • 報酬:どんな報酬(価値)があるといいか?


マーケティング活動において「自社商品を買っていない人」をただの「ノンユーザー」や「無関心層」と捉えてしまうと、「自社商品の魅力を伝え買ってもらえるか」という売り手視点の発想になってしまいます。


しかし、「自社商品は買っていないけれど、同じ『欲求』や『悩み』を解消するために、別の手段(代替行動)をとっている人はいないか?」に目を向けることで、アプローチの可能性が一気に広がるのです。



未顧客は「何もしていない人」ではない


ミールキットの例
ミールキットの例(一部AIにより作成)

例えば、「ミールキット」を購入していない、お母さん(親)を考えてみましょう。

彼女たちは料理を「諦めている」わけではありません。

「本当は手作りの温かいご飯を出したい」という想いを抱えながらも、時間と体力がない中で、葛藤しながら「お惣菜・デリバリー・週末の作り置き」といった代替行動で必死に家事を回しています。


「自社商品を選んでいない」という現状も、限られた時間と体力の中で「家族の食卓をなんとかこなす」ために選んだ、彼女たちにとっては一つの合理的な選択の結果です。


この「現在の代替行動が選ばれている理由」を理解し、その中でも欲求をさぐりながら「理想の行動(自社商品を使う行動)」へとスイッチしてもらうための構造を解き明かすのが、オルタネイトモデルの役割でもあります。



実践:ベネフィットを見つけ、コンテンツに落とし込む


行動理解からコンテンツ設計へ(一部AIにより作成)
行動理解からコンテンツ設計へ(一部AIにより作成)

では、生活者に「ミールキットを使う行動」へと切り替えてもらうためのベネフィットをどう見つけ、コンテンツに落とし込むかケーススタディをしてみましょう。



対象商品:ミールキット(下ごしらえ済み食材セット)


  • 商品の特徴:食材がカット済み/調味料付き/10分で主菜が完成/栄養バランスが良い

普通に企画すると、「10分で完成!忙しい日の時短ミールキット」といった機能面のアピールに終始してしまいがちです。

そこで、「行動変容」の視点から考えてみます。



STEP 1|行動変容の整理する


ターゲットは「仕事や育児に追われながらも、本当は家族に出来立ての手料理を食べさせたいお母さん(親)」と設定します。


  • きっかけ:仕事や用事を終え、クタクタになって帰宅した夕方

  • 理想の行動(変容させたい行動):ミールキットを使って夕食を調理する

  • 欲求(深層・インサイト):家族に美味しく温かい料理を食べさせたい、親としての役割もちゃんと果たしたい

  • 抑圧(バリア):献立を考える余裕がない、イチから野菜を切る体力がない、かといって惣菜ばかりだと「手抜き」への罪悪感がある

  • (現状の代替行動):罪悪感を抱えつつお惣菜やデリバリーに頼る、休日に無理をして作り置きをする

  • 報酬:包丁いらずの10分調理で、手抜きへの罪悪感を持つことなく「できたての手作りの温もり」を家族に届けられた安心感


お惣菜やデリバリーを選んでいる現状も、決して「料理や家族への愛情に関心がない」わけではありません。「手作りの温もりを届けたい(欲求)」と「もう何もしたくないほどの疲労(抑圧)」の間で葛藤した結果、やむなく選んでいる現状です。


「ミールキットを使う」という行動に変えることで、抑圧(疲労・罪悪感)が解消され、欲求と報酬(手作りの温もりと安心感)が満たされるストーリーを提示します。



STEP 2|ベネフィットを再定義する


  • 商品の特徴:包丁いらずで10分で温かい料理が作れる

  • 行動変容のポイント:惣菜を買う罪悪感を無くし、手作りの安心感を得る

導き出されるベネフィットは「包丁いらずの10分調理で、手抜きへの罪悪感を持つことなく『できたての手作りの温もり』を家族に届けられる安心感」になります。



行動に繋げるベネフィットがわかると、発信コンテンツの切り口が広がる


行動に繋げるベネフィットがわかると、発信コンテンツの切り口が広がる

「今の行動(惣菜・デリバリー)からミールキットへ行動を変えたい理由」軸(ベネフィット)が決まれば、コンテンツの切り口(企画)のメッセージを作ることができます。


1. 「きっかけ」から作る切り口

  • 「今日のご飯、どうしよう」とため息をつきながらスーパーの惣菜売り場に立つ夕方

  • 20時過ぎに帰宅して、フライパンを握る気力が残っていない夜に


2. 「欲求(インサイト)」から作る切り口

  • たった10分で炒めただけなのに、子どもから「今日のご飯おいしい!」が聞ける理由

  • フライパンから立ち上る湯気と香りがつくる、我が家の「できたて」の食卓


3. 「抑圧(バリア)」から作る切り口

  • お惣菜を買って帰る日の、なんとなく感じる「ごめんね」を無くしたい

  • 「1から作れなかった」ではなく「手作りの温かさを選んだ」と言える夕食へ


4. 「報酬」から作る切り口

  • たった10分で夕食作りが終わったから、食後に子どもと笑顔で話せる時間が生まれた

  • 「今日もちゃんと体にいいもの・美味しいご飯を出せた」という一日の終わりの小さな安心感


5. 「ブランドの思想」から作る切り口

  • 私たちが目指すのは「時短」ではなく、がんばる親御さんの「心のゆとり」です



行動のスイッチを考える「5つの問い」


日々コンテンツを企画する際に、生活者に行動変化の糸口をみつける「5つの問い」をチームやご自身に投げかけてみてください。


  1. どんな「きっかけ」があるか? (生活のどんな場面で関連する悩みや行動が起きているか)

  2. 今、どんな「代替行動」をしているか? (自社商品を使っていない代わりに、何を選択しているか)

  3. その裏にどんな「欲求(インサイト)」があるか? (その行動を通じて、本当はどうなりたいのか・どんな自分でいたいのか)

  4. どんな「抑圧(バリア)」があるか? (面倒、不安、コスト、罪悪感など、行動を変えるうえで何がハードルになっているか)

  5. 行動を変えることで、どんな「報酬」が得られるか? (自社商品を使うことで、どんな満足や安心感が生まれるのか)


これらの問いを通して生活者の文脈を理解した上で、「自社商品の特徴を使えば、抑圧を取り除き、より大きな報酬を得る行動変容をつくれるか?」を想像していきましょう。

そこに、届けるべき本質的なベネフィットや伝わりやすい文脈が見つかるかもしれません。



まとめ:コンテンツづくりは生活者の行動の洞察から


発信コンテンツ作りというと、どうしても「キャッチコピー」「画像デザイン」「投稿頻度」「アルゴリズム対策」といった「どう伝えるか」の技術に目が向きがちです。

もちろん、それらも大切です。 しかし、伝えるべき「価値そのもの」が曖昧なままでは、見せ方や工夫しても発信の軸は安定しません。

「なぜ買ってくれないのか?」だけではなく、「なぜ今その行動をしていて、どうすれば行動が変化するか?」。


生活者の今の行動と葛藤に注目し、そこから変容後のベネフィットを軸に置くことで伝えることが変わってきます。


ぜひ日々の発信づくりやセールスライティングで考えてみてください。



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