インサイトを理解し、ポジティブなアクションにつなげるためには?
- 桜井 貴斗
- 5月27日
- 読了時間: 8分

「なぜ、あの商品が売れるんだろう?」「多くの人が選ぶサービスの裏側には何があるんだろう?」地方中小企業や地域ビジネスに携わる皆さんなら、一度はそう考えたことがあるのではないでしょうか。
実は、その答えを探る鍵こそが「インサイト」です。消費者が自分でも気づいていない深層心理を理解し、捉えることで、あなたのビジネスは新たな成長の扉を開けるかもしれません。
本記事では、日経クロストレンド記事(次世代マーケターのためのインサイト発見術 早稲田大教授が語る勘所 )を参考に、顧客インサイトの基本から、具体的な発見方法、そして地域ビジネスへの活用まで社内向けにまとめたものを記事化しました。インサイトを理解し、ポジティブなアクションへと繋げる第一歩を踏み出しましょう。
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インサイトとは?
インサイトとは、消費者が自分自身も気づいていない潜在的なニーズや欲求、行動の背景にある本音のことです。
潜在ニーズと顕在ニーズの関連性や定義の理解は人によって異なるので分かりづらいのですが、ここでは、日経クロストレンド記事を参考に、「潜在ニーズ=インサイト」として解説します。

出典:日経クロストレンド
潜在ニーズ(=インサイト):消費者自身が言葉にできない、まだ自覚していないニーズ。
顕在ニーズ:消費者が自覚しており、言葉にできるニーズ。
インサイトは、消費者の深層心理に隠されているため、アンケート調査などではなかなか見えてきません。しかし、インサイトを理解することで、消費者の心を掴む商品開発やマーケティング施策が可能になります。
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顧客インサイトの4つの定義

出典:日経クロストレンド
インサイトの重要なポイントとして以下の4つが挙げられます。
自明ではないこと:それまで世の中に広く知られていなかった、新たな発見や視点であること。
アクションにつながること:単なる気づきに留まらず、具体的な購買行動やポジティブな変化を引き起こす力を持つこと。ネガティブな反応や行動につながるものは、顧客インサイトとは言い難いです。
顧客の行動を変化させる力を持っていること:顧客自身の意識や行動様式に影響を与え、これまでとは異なる選択や行動を促す力があること。
顧客の変化が相互の利益につながること:顧客にとって価値がある変化であると同時に、企業側の収益向上やブランド価値向上にも貢献するものであること。
私自身が特に重要だと考えているのが、「アクションにつながること」です。インサイトはポジティブな変化をもたらすことが前提であり、ネガティブなアクションにつながるものはインサイトとは呼べないと断言できます。
例えば、少し前に炎上したMrs. GREEN APPLE(ミセス・グリーン・アップル)のPVや、2022年のフジロックのウェブCMが炎上した事例は、まさにこの「悪いインサイト」を突いてしまった結果だと考えています。

例えばフジロックのCMは「ダサい」といった声が上がる一方、「良い」とする意見もあり、賛否両論が起こりました。フジロック来場者の年齢層は高いが、若い世代にも人気であるために、ユーザーの分断を招いてしまったと言えるかもしれません。
さまざまなインサイトの定義
あらためて、日経クロストレンドの記事で紹介されている代表的な定義をみてみましょう。

出典:日経クロストレンド
これらの定義からもわかるように、インサイトとは、表面的なニーズのさらに奥にある、顧客を動かす隠れた心理や、問題解決に繋がる本質的な気づきであると言えます。
先にお伝えした「悪いインサイト」も炎上マーケティングや、ダークインサイトなどと表現し、活用しようとする方もいらっしゃいますが、今回はポジティブなインサイトに絞って考えていきたいと思います。
具体的な発見の方法は、日経Xトレンドの記事をぜひご一読ください!
データ、エビデンスをもとに、わかりやすく解説されているのでオススメです。
インサイトを見つけるヒント
HONEでも、インサイトに基づいた商品開発に携わっています。
ほしいも(RAKU RAKU OIMO)

HONEでは過去に、「持ち歩けるほしいも」という商品を開発しました。これは、従来の家庭で食べるイメージの強かったほしいもを、個包装にし、携帯しやすい形状にしたものです。
この商品のインサイトは、「手軽に持ち運べる」「罪悪感がない間食」へのニーズでした。アンケートツールfreeeasyを利用し、干し芋の購入頻度や、職場で干し芋を食べるかなど定性データを集めた結果、上記のインサイトにたどり着いたのです。
ブロッコリー(ブロッコる?)

同様に、「レンジで3分温めるだけで食べられる」というインサイトを突いたブロッコリーの商品化にも携わりました。この案件では、ブロッコリー市場が拡大しているのか、具体的な調理方法などから調査し、ユーザーが求めるインサイトを分析。
主婦層の、「調理の手間を省きたい」という潜在的なニーズや、最近高まる筋トレユーザーなどをターゲットにインサイトを深堀りしています。
これらの事例から、ユーザー自身が自覚していない潜在的なニーズや、既存の行動様式にとらわれない新たな価値提案が、顧客の行動を大きく変える可能性があることがわかります。また、ユーザーが「本当は何を求めているのか」という根本的な部分を捉え、インサイトに基づいた商品開発やサービス提供を行うことの重要性が示唆されています。
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地方中小企業・地域ビジネスにおけるインサイトの活用
地方中小企業や地域ビジネスにおいても、インサイトを活用することで、以下のような効果が期待できます。
地域住民の潜在的なニーズに応える商品・サービス開発
地域ならではのインサイトを発見し、本当に求められている商品・サービスの提供により、顧客満足度を高め、地域経済活性化に貢献できます。
効果的なマーケティング施策の実施
顧客の本音に基づいたメッセージやプロモーションを展開することで、より効果的に集客・売上向上につなげられます。
顧客との長期的な関係構築
顧客の深層心理の理解により、単なる商品・サービス提供だけでなく、顧客にとってかけがえのない存在となるでしょう。
まとめ
顧客インサイトは決して特別な場所にあるものではなく、私たちの日常生活の中に潜んでいます。
なぜ、あの商品は多くの人に選ばれているのだろうか?
なぜ、あのサービスは これほどまでにも人気を集めているのだろうか?
自分自身は、なぜあの商品を購入したのだろうか?
日々の生活の中で、このような疑問を持つことこそが、インサイトを発見するための重要な第一歩となります。何気ない行動や選択の裏側に隠された、まだ言語化されていないニーズや動機を探求する視点を持つのが、新たな発見につながるはずです。
HONEのサービスについて
当社では、地方企業さまを中心に、マーケティング・ブランド戦略の伴走支援を行なっています。事業成長(ブランドづくり)と組織課題(ブランド成長をドライブするための土台づくり)の双方からお手伝いをしています。
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最後までお読みいただき、ありがとうございました。
【記事を書いた人】

株式会社HONE
代表取締役 桜井貴斗
札幌生まれ、静岡育ち。 大学卒業後、大手求人メディア会社で営業ののち、同社の新規事業の立ち上げに携わる。 2021年独立。 クライアントのマーケティングやブランディングの支援、マーケターのためのコミュニティ運営に従事。
※本記事は一部AIを活用して執筆しています。
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