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【アトツギの生存戦略】100年企業を次の100年へ繋ぐ、4つのマーケティング視点

  • 4月21日
  • 読了時間: 5分
「知られている」だけでは売れない?指名買いを生む「認知の5段階」と考慮集合の秘密

「先代からの暖簾や技術は守りたい。でも、このままのやり方では市場の変化に取り残されてしまう」


伝統産業や地域企業のバトンを受け取るアトツギ(後継者)の方々と日々対話を重ねる中で、必ずと言っていいほど直面するジレンマです。


人口減少や市場の縮小が進む地方において、大企業と同じような「右肩上がりの成長」だけを追い求めるマーケティングには限界が来ています。これからの地域企業が生き残り、次の世代へバトンを繋ぐためには、「誰のために」「何のために」マーケティングを行うのか、その目的をアップデートしなければなりません。


環境変化の波と翻訳作業を図示したビジュアル。左は供給過多と価値観多様化、右は技術を顧客価値に変換の重要性を示す。
「良いものを作れば売れた時代」から「価値を翻訳して届ける時代」へ

本記事では、地域企業の生存戦略として不可欠な「4つのマーケティング視点」を解説します。資本主義的な成長と地域の持続をどう両立させるのか、そのヒントを探ります。



時代とともに変化するマーケティングの目的


ビジネスを前に進める上で、これまでは「売上成長」を目的とした視点が主流でした。しかし、地域に根を下ろして事業を営む企業にとって、果たすべき役割はそれだけではありません。


「地方企業4つの生存戦略」と題された表。プロダクト・アウト、マーケット・イン、コミュニティ・イン、レガシー・リレーの4区分。背景に成長と持続の矢印。
地方企業4つの生存戦略

↑の図のように、目的を「売上成長」か「地域の機能維持」か。視点を「企業起点」か「市場・地域社会起点」か。この2つの軸で整理すると、地域企業が持つべき4つの視点が浮かび上がってきます。


それぞれがどのような役割を持つのか、具体的に見ていきましょう。



1. プロダクト・アウト(企業起点 × 売上成長)


「自分たちが作りたいもの」で稼ぐ

近年のマーケティングでは否定されがちな言葉ですが、地域企業やメーカーにとって、すべての源泉となる最も重要な土台です。長年培ってきた他社には真似できない精密な技術はここにあたります。圧倒的なプロダクトの強さがなければ、どれだけ市場のニーズを汲み取っても、コモディティ化して価格競争に飲み込まれてしまいます。


▼Point

企業の「らしさ」と「コアバリュー」を担保する強力なエンジン



2. マーケット・イン(市場起点 × 売上成長)


「市場が欲しいもの」で稼ぐ

良いプロダクトであっても、現代の消費者のライフスタイルに合っていなければ手にとってもらえません。そこで、顧客の声を聞き、消費者が「どんな時にそれを必要とするか」という新しい想起の入り口を設計します。イメージとしては伝統的なBtoBの技術を、現代のBtoCの文脈に翻訳し直す作業です。


▼Point

企業の技術を現代の市場価値に変換し、事業を存続させるための利益を生むアクセル



3. コミュニティ・イン(地域起点 × 機能維持)


「地域社会が存続するために必要な機能」を担う

地方で事業を営むということは、単に自社の利益だけを追求することではありません。雇用を生み出し、地元のサプライチェーンを守り、地域の風景や文化の一部を維持することも役割となります。市場が縮小していく中で、「この会社がなくなったら地域が困る」という不可欠なインフラとしての機能を担い続ける視点が不可欠となります。


▼Point

地域社会との関係を深め、企業が存在し続けることの「社会的意義」を証明する土壌



4. レガシーリレー(自社起点 × 機能維持)


「先代から受け継いだ本質的な価値」を次世代へ繋ぐ

アトツギが背負う最大のミッション。先代たちがどのような想いでその事業を立ち上げ、困難を乗り越えてきたのか。その歴史と哲学を再解釈し、形を変えながらも本質的な価値のバトンを次の世代へ渡していく責務があります。単なる現状維持ではなく、未来へ向けた「進化を伴う継承」が求められます。


▼Point

組織を一つにし、変化の激しい時代においてもブレない羅針盤となるもの


「地方企業4つの生存戦略」と題された表。プロダクト・アウト、マーケット・イン、コミュニティ・イン、レガシー・リレーの4区分。背景に成長と持続の矢印。
【再掲】地方企業4つの生存戦略

なぜ「すべて」の視点を行き来する必要があるのか


これら4つの視点に、絶対的な正解や優劣はありません。100年企業が次の100年を生き抜くためには、これらすべてを行き来し、バランスを取る必要があります。


「プロダクト・アウト」と「マーケット・イン」の視点だけでは、単なる利益追求に陥り、地域の文脈から切り離されていつか疲弊してしまいます。 逆に、「コミュニティ・イン」と「レガシー・リレー」の視点だけでは、美しい想いはあっても稼ぐ力がなく、事業として立ち行かなくなってしまいます。


「市場のニーズを捉えたプロダクトでしっかりと利益を稼ぎ出し、その利益を使って地域に必要な機能を守り、レガシーを次世代に繋いでいく」


この循環こそが、地域企業のリブランディングにおける本質です。



終わりに:泥臭い実践の先にあるもの


事業承継は、単なる引き継ぎではなく「第二の創業」です。 先代との考え方の違いや、社内の古参社員との軋轢など、アトツギの皆様が直面する壁は決して低くありません。


しかし、自社の強みを信じ、地域の声に耳を傾けながら、泥臭く現場で一次情報を集め続ける行動の先に、必ず次世代のブランドの輪郭が見えてきます。HONEはこれからも、地域で挑戦するプレイヤーと共に汗をかき、マーケティングの力でその背中を押し続けていきます。



HONEのサービスについて


当社では、地方企業さまを中心に、マーケティング・ブランド戦略の伴走支援を行なっています。事業成長(ブランドづくり)と組織課題(ブランド成長をドライブするための土台づくり)の双方からお手伝いをしています。


HONEのサービスについて

大切にしている価値観は「現場に足を運ぶこと」です。土地の空気にふれ、人の声に耳を傾けることから始めるのが、私たちのやり方です。


学びや知恵は、ためらわずに分かち合います。自分の中だけで完結させず、誰かの力になるなら、惜しまず届けたいと思っています。


誰か一人の勝ちではなく、関わるすべての人にとって少しでも良い方向に向くべく、尽力します。地域の未来にとって、本当に意味のある選択をともに考え、かたちにしていきます。


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最後までお読みいただき、ありがとうございました。


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【記事を書いた人】


プロフィール

株式会社HONE

代表取締役 桜井貴斗


札幌生まれ、静岡育ち。 大学卒業後、大手求人メディア会社で営業ののち、同社の新規事業の立ち上げに携わる。 2021年独立。クライアントのマーケティングやブランディングの支援、マーケターのためのコミュニティ運営に従事。

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