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地域バイヤープログラム第7期 ストーリーを「翻訳」するバイヤーの真価 in静岡

  • 執筆者の写真: 森勇人
    森勇人
  • 2025年12月27日
  • 読了時間: 7分
地域バイヤープログラム第7期 ストーリーを「翻訳」するバイヤーの真価 in静岡

2025年12月20日〜21日、株式会社WHERE様が主催する「地域バイヤープログラム第7期」にて、株式会社HONEが現地アテンドを担当させていただきました。歴史ある企業から新しい感性で挑戦する店舗まで、2日間にわたりディープな静岡をアテンドしました。


本レポートでは、バイヤーを目指す皆様と共に巡った静岡の「物語」を振り返りながら、「地域の魅力をどう見つけ、どう伝えるべきか」というマーケティングの知見を共有します。


▼地域バイヤープログラムとは

地域の魅力を掘り起こし、市場へ届ける「バイヤー」を目指すものになります。地域商社の有名起業家から4ヶ月でマーケティングの神髄を学ぶことができます。北海道や静岡での現地実習に加え、AKOMEYA TOKYOでのPOPUPやCAMPFIREでのテストマーケティングなど、実践の場も圧倒的。「良いもの」を「売れるもの」へ変える力を育ます。




株式会社HONEでは過去のセミナー資料、お役立ち資料、会社紹介資料がダウンロードできます。


セミナー資料



伊豆川飼料株式会社様:静岡の美味は「ツナ」がっている


静岡のツナ缶
静岡のツナ缶

最初にお邪魔したのは、清水区にある伊豆川飼料株式会社様です。 ここで受講生の皆さんがまず驚いたのは、静岡市民の「マグロ愛」でした。


  • 驚異のマグロ消費量:静岡市の1世帯当たりのマグロ年間支出額は全国1位。2位の川崎市を大きく突き放し、全国平均の約2倍!

  • 産業の循環:マグロ缶詰(ツナ缶)の生産シェアは、なんと全国の98.3%!


さらに興味深いのはここからです。伊豆川さんのお話では、魚の加工過程で出る副産物が肥料となり、それがお茶やみかんを育てる糧となっているとのこと。静岡の美味しいものは、実はすべてが「ツナ」がっているのです。


試食させていただいた「しろつな」と「とろつな」は、これまでのツナ缶の概念を覆すものでした。



しろつな


野菜スープを使用し、あっさりとした脂と大きめのフレーク


しろつな
しろつな

とろつな


希少なトロ部位を使用し、とろけるような味わい


とろつな
とろつな

単なる「保存食」としてのツナ缶ではなく、地域の産業循環という「ストーリー」を付与することで、商品は「体験」へと昇華されます。私は静岡市民ですが、マグロの話から肥料の話まで、知らないことだらけでした。バイヤーは、この目に見えない「繋がり」を言語化する役割を担うのだと、肌で感じました。



株式会社天神屋様:人形店から始まった「おむすび」の物語


天神屋
天神屋

続いては、静岡県民のソウルフードとして知られる天神屋様へ。 今ではお弁当やお惣菜のイメージが強い天神屋様ですが、そのルーツは静岡市伝馬町の「雛人形店」にあります。

忙しい時期に「まかない」として出していた、おむすびやいなり寿司が評判を呼び、今の姿になったそうです。


試食では、看板メニューの「静岡おでん」と「たぬきむすび」をいただきました。


  • 静岡おでん:黒い出汁、青のりとだし粉。県外から来た受講生の皆さんは、その独特なビジュアルに驚きを隠せません。

  • 味の伝承:50年以上の歴史があるたぬきむすび。現場の「手仕事」がブランドを支えています。


静岡おでん
静岡おでん

「ルーツ」を語ることは、信頼構築の第一歩です。なぜ人形屋が食を始めたのか。その物語が、ブランドの独自性を際立たせます。地元民の私も、天神屋様が人形店であったことは知りませんでした。こうして深く知ることにより、自分ごととなって日常に根付いていくのだと思います。



駿府の工房 匠宿様(株式会社創造舎様):伝統を現代の日常へ


匠宿の巨大竹千筋細工
匠宿の巨大竹千筋細工

1日目の締めくくりは、日本最大級の伝統工芸体験施設「匠宿」です。 入り口の巨大な竹細工に圧倒されながら中へ入ると、そこには今川・徳川時代から続く駿河の工芸が息づいていました。


かつては、少し敷居が高い印象もあった匠宿ですが、4年前に株式会社創造舎様がリノベーションを手掛けてから、その姿は一変しました。


  • 地域に拓かれた場所:丸子(まりこ)の特産である「はちみつ」の試食では、花の香りがダイレクトに伝わる個性の強さに驚かされました。

  • 体験の価値化:単なる展示ではなく、竹千筋細工や木工、漆などを自らの手で動かす「ものづくり」の経験。


匠宿コトコトstore
匠宿コトコトstore

どれほど素晴らしい伝統工芸も、現代のライフスタイルに接続されなければ存続は困難です。創造舎様による「体験」という打ち手は、伝統を「自分事化」させるためのデザインの力でした。地方の資産をどう再定義するか、そのヒントがこの場所に詰まっていました。



株式会社マルイリフードサプライ様(丸入商店様):100年の伝統と革新


丸入商店
丸入商店

2日目は焼津へと足を伸ばし、マルイリフードサプライ様を訪問しました。 創業100年を超える老舗でありながら、その姿勢は常にアグレッシブです。


  • プロの眼光:冷凍されたマグロの尻尾を切り取り、その断面からランクを判別する。その「目利き」の技術には、受講生からも感嘆の声が上がりました。

  • マグロのお供:こだわりの「さしみ醤油」と「甘口醤油」。お昼にいただいた「みなみマグロ重」で、その味の違いをダイレクトに体験しました。


みなみマグロ重
天然みなみマグロ重

マグロの卸、加工のみならず、実店舗での販売や食事提供まで。お店は開店前から行列ができるほど。その美味しさを守るための技術と、現場の努力を知ると、より美味しさを感じられます。



GOOD TIMING TEA様:伝統を軽やかに更新する


GOOD TIMING TEA
GOOD TIMING TEA

最後は、静岡市葵区鷹匠にある「GOOD TIMING TEA」様へ。 2023年に開業したばかりのこのカフェは、製茶問屋「だるまや和田清商店」の次世代が手掛けています。


  • 敷居は低く、誇りは高く:コーヒーショップでの経験を持つオーナーが提案するのは、現代的なアレンジを加えた日本茶の楽しみ方。

  • ユニークなラインナップ:玉露、檸檬茶、山椒茶をおしゃれな缶で販売。


3種類のお茶
3種類のお茶

「お茶離れ」が叫ばれる昨今、必要なのは「正解の押し付け」ではなく、訪れる人が「ちょうどいいタイミング」で楽しめる余白です。だるまが並ぶ縁起の良い空間で、お茶を一口。伝統的で日常的なお茶も、味わいを設計することで、特別な体験に生まれ変わります。



まとめ:ストーリーを「翻訳」するバイヤーの真価


プログラムの様子
プログラムの様子

今回の2日間、桜井として同行し、確信したことがあります。 それは、「バイヤーの真価は、現場のストーリーを価値に翻訳することにある」ということです。


地方には、素晴らしい商品が溢れています。しかし、作り手の想いや、その土地ならではの文脈が、最終的な消費者に届くまでに削ぎ落とされてしまうことが多々あります。


  • 見る:商品のスペックだけでなく、製造現場の空気を見る。

  • 聞く:創業の苦労や、大切にしている哲学を聞く。

  • 触れる:実際に食べ、体験し、自分自身の心がどう動いたかを記録する。


これらを丁寧に積み重ね、自分の言葉で市場へ伝えていく。それが、地域の企業を、そして街そのものを元気にする第一歩となります。



さいごに


集合写真
集合写真

静岡にはまだまだ、私たちが知らない「ツナがり」と「ストーリー」が眠っています。その眠っている財産を発掘して世に届けていくことが、これからの時代で求められていることなのだと思います。現場に足を運び、見て聞いて触れる価値を再認識できた2日間になりました。


今回の「地域バイヤープログラム」で出会った企業の皆様、そして熱意を持って静岡を巡ってくださった受講生の皆様、本当にありがとうございました。



HONEのサービスについて


HONEでは、地方企業さまを中心に、マーケティング・ブランド戦略の伴走支援を行なっています。事業成長(ブランドづくり)と組織課題(ブランド成長をドライブするための土台づくり)の双方からお手伝いをしています。


HONEの流儀

大切にしている価値観は「現場に足を運ぶこと」です。土地の空気にふれ、人の声に耳を傾けることから始めるのが、私たちのやり方です。


学びや知恵は、ためらわずに分かち合います。自分の中だけで完結させず、誰かの力になるなら、惜しまず届けたいと思っています。


誰か一人の勝ちではなく、関わるすべての人にとって少しでも良い方向に向くべく、尽力します。地域の未来にとって、本当に意味のある選択をともに考え、かたちにしていきます。


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最後までお読みいただき、ありがとうございました。


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もーりー

株式会社HONE

インターン / マーケター見習い 森勇人


静岡生まれ、静岡育ち。 大学3年次、1年の休学をして全国36都府県を巡る。山形県西川町では3ヶ月の地域おこし協力隊インターンを経験。 復学後、ご縁があり株式会社HONEにてインターン/マーケター見習いとして奮闘中。

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