top of page

「コンセプト策定」のアプローチは3つある。HONE式コンセプト策定を用途別に説明します。

  • 執筆者の写真: 桜井 貴斗
    桜井 貴斗
  • 11月13日
  • 読了時間: 9分
「コンセプト策定」のアプローチは3つある。HONE式を用途別に説明します。

コンセプト、と聞いてどんな言葉を思い浮かべますか?


「コンセプト」を辞書で引くと、「【辞書】心の中で考えられる何か。思想。概念。アイデア」といった言葉が出てきます。


実際、マーケティングにおいては「【マーケティング・コンセプト】顧客に提供する価値、及び、その表現」と訳しています。


つまり、


  • 消費者にWhat(提供便益)を理解させるもの

  • ブランドコンセプトを見れば、“消費者にとってそのブランドがどういう価値を持つのか” “消費者にとって何がいいのか”がわかる


といった定義になるかと思います。


しかし、昨今、企業さまのコンセプト策定をしている際、大きく3つのアプローチがあると感じるようになりました(同じように「コンセプトをつくりたい」といってもアプローチを変えた方がいいなと思う事象が増えました)。


本記事では商品やサービス、ブランドそのものの「コンセプトを決めたい」と思い立った際、どんなアプローチの仕方があるのか?を大きく3つに分けて解説していきます。



\お役立ち資料はこちらから/


株式会社HONEでは過去のセミナー資料、お役立ち資料、会社紹介資料がダウンロードできます。


セミナー資料


目次


コンセプトとはなにか


そもそもコンセプトとはなにか?についてですが、以下と定義しています。


(再掲)

  • 消費者にWhat(提供便益)を理解させるもの

  • ブランドコンセプトを見れば、“消費者にとってそのブランドがどういう価値を持つのか” “消費者にとって何がいいのか”がわかる


消費者がコンセプトを読むことで、このブランドはどんな価値を提供してくれるのか?自分たちにとって何がいいのか?がわかる、というのがコンセプトの定義となります。


逆にいうと、


  • 消費者が何を欲しているのか

  • 消費者はどんなことに価値を感じたいのか

  • 競合他社はどんな価値を提供しているのか

  • 競合他社と相対的に比較した際の強みはなにか

  • 自分たちが最も得意なこと、強みはなにか


この辺りが理解していなければコンセプトはつくれない、ということでもあるかと思います。


イベント形式・全員参加型の公開壁打ちです。
コンセプトとはなにか?


コンセプトの3つのアプローチ


ではコンセプトを決めたい、となったとき、自分たちがどこまで消費者のこと、競合他社のこと、自分たちのことを知っているのか?を把握することがとても大切になります。


「現状、把握している度合いによってアプローチの仕方が異なってくる」ため、今回はその程度によって3つのアプローチに分けてみました。


3つのアプローチとは以下の通りとなります。


  • (外部環境分析を通して)自ブランドの可能性を探る

  • 「自ブランド」のコンセプトを言語化する

  • 「自ブランド」の利用シーンを言語化する


以下にそれぞれ説明します。


公開壁打ちの4つのステップ
コンセプトの3つのアプローチ

①(外部環境分析を通して)自ブランドの可能性を探る


まず1つ目は外部環境(マクロ)分析を通して自分たちのブランドの可能性を探るパターンです。


具体的には以下のような外部環境分析を行い、自分たちが置かれている地域の現状、市場環境、競合優位性などを探りながら相対的に立ち位置を把握するやり方です。



▼外部環境例


  • GHIL分析

  • PEST分析&「顧客の価値観の変化/ブランド方針への影響」

  • SWOT分析&強みの活かし方・弱みの補い方

  • 5forces分析&「今後起こりうる社会・市場変化のシナリオ」①方向性

  • 5forces分析&「今後起こりうる社会・市場変化のシナリオ」②戦略アクション

  • (まとめ)各種分析から導く「今後起こりうる社会・市場変化のシナリオ」の仮説

  • 同カテゴリーの競合・価値(Job)競合・時間競合のリストアップ

  • 同カテゴリーの競合・価値(Job)競合・時間競合の分析

  • POP(特定のカテゴリーにおける、最低限必要な要素)・POD(特定のカテゴリーにおける、競争優位となる差別的要素)

  • POF(特定のカテゴリーにおける、存在する限り選ばれない要素)の設定

  • (まとめ)分析・調査から導くジャンル別の競合像の仮説

  • バリュープロポジションマップを用いたユーザー・自社・競合の策定

  • (まとめ)バリュープロポジションの仮説


▼参考情報




「ブランドづくり」「コンセプトづくり」というと、つい自分たちの強みにフォーカスさせてしまうのですが、大切なのは相対的に優位性をつくり出すことだと思っています(そしてそれを「独自性」と呼んでいます)。


そのため私はまずは自分たちの地域の分析(=GHIL分析)から行うことが多いです。


GHIL分析(地域価値の創造に向けた地域資源の着眼・編集の方法論)
GHIL分析(地域価値の創造に向けた地域資源の着眼・編集の方法論)

GHIL分析(地域価値の創造に向けた地域資源の着眼・編集の方法論)
GHIL分析(地域価値の創造に向けた地域資源の着眼・編集の方法論)

それ以外にもベーシックな外部環境分析のフレームであるPEST分析、SWOT分析、5Forces分析を通して、市場環境から自分たちの優位性を客観的な目線で探っていきます。


PEST分析
PEST分析(流用)
SWOT
SWOT分析(流用)
5F
5Force

以上のように外部環境分析からまずは自分たちの立ち位置を決める、というアプローチが「①(外部環境分析を通して)自ブランドの可能性を探る」のやり方です。



②「自ブランド」のコンセプトを言語化する


続いてのアプローチはブランドのコンセプトを言語化する、というパターンです。


すでにある程度情報が揃っていて、どんなワーディングを設定すればいいか?というフェーズであればコンセプトの言語化は有効に働くと思っています。


一方で、外部環境分析(市場に対しての自分たちの立ち位置、競合と比較した際の自分たちの優位性)が甘い中でコンセプトの言語化に入ってしまうと、アウトプットしたものが市場からは求められていないものになってしまったり、競合とかぶってしまう結果にもなるため、注意が必要です。


またコンセプトを機能させるには以下の4つの条件が必要であるとされています(流用:コンセプトの教科書より)。


  1. 「顧客視点」で書けているか

  2. 「ならでは」の発想はあるか

  3. 「スケール」は見込めるか

  4. 「シンプル」な言葉になっているか



さらに、コンセプトを言語化するには以下の構文に沿って自ブランドの「主語・目的・役割」を設定する必要があります。


具体的には、


  • 主語:ターゲットのこと(誰が自分たちのブランドを利用するのか)

  • 目的:どんな目的を達成したいのか(その目的達成のために自分たちのブランドを利用する)

  • 役割:ターゲットが目的達成をする際、自分たちはどんな役割を担うのか


を言語化していきます。



③「自ブランド」の利用シーンを言語化する


最後は自分たちの利用シーンを言語化する、というコンセプトアプローチです。


すでに外部環境分析ができていて、コンセプトの言語化も方向性が決まっている場合、具体的にどんなシーンで思い浮かばれて欲しいか?どんなシーンに欲求が最大化するか?を消費者の行動を鑑みながら策定する方法です。


具体的には以下のような内容を検討していきます。



▼CEPを探す:W’sフレームワーク


  • Why:なぜそのカテゴリーを使うのか、どんなゴールのために採用するのか?

  • When:カテゴリーを購買/利用するのは1日の中でいつか?週や月、季節による違い、平日/休日による違いなどはないか?いつもの行動が変わるのはどんなとき?イベントやアニバーサリーの影響は?

  • Where:カテゴリーはどこで利用されるか、リアル/デジタルの区別はあるか?いつもとは違う場所で利用することはあるか、それはなぜか?

  • While:カテゴリーを利用する前、あるいは利用した後に何をしているか?どんな行動の最中にカテゴリーニーズが生まれるか?

  • With/for What:そのカテゴリーを使うとき、他にどんなカテゴリーを同時に利用するか?カテゴリーが利用できない時、なんで代用するか、どんな行動をするか?それらは利用行動にどう影響し、どう体験を変えるか?

  • with/for Whom:買うのは誰で、利用するのは誰か?利用するときに誰がいるか、誰かと一緒に使うか?行動に影響を与える第三者はいるか?誰かのためにカテゴリーを利用するのか、自分か?

  • How feeling:カテゴリーを利用する前はどんな気分か、利用前後でどのように変わるか?利用している最中はどんな気分か、どんな感情を持っているか?何が行動を増やすのか、あるいは減らすのか?(物理的、心理的な報酬あるいは罰)


【参考】CEPを探す:W’sフレームワーク(流用:戦略ごっこ)
【参考】CEPを探す:W’sフレームワーク(流用:戦略ごっこ)

また上記を検討した後に、より端的に言語化するフレームが以下の図となります。


  • ターゲット(顧客):どんな方が

  • オケージョン(利用シーン):どんなタイミングで

  • プレファレンス(好意度):どんなことに価値を感じるのか


【参考】CEPを探す:W’sフレームワーク(流用:戦略ごっこ)
【参考】CEPを探す:W’sフレームワーク(流用:戦略ごっこ)

上記を言語化することで、より具体的・手法的になり、ネクストアクションに結びつきやすいような取り組みになるはずです。



最後に


以上が3つのコンセプトのアプローチとなります。ぜひみなさんの現状に合わせたコンセプトアプローチを検討してみていただけたらと思います。


弊社HONEでは現状に応じた最適なコンセプト策定も行っておりますので、迷子になってしまった際はお気軽にお声がけいただけたらと思います。


\こ相談はこちらから/



HONEのサービスについて


当社では、地方企業さまを中心に、マーケティング・ブランド戦略の伴走支援を行なっています。事業成長(ブランドづくり)と組織課題(ブランド成長をドライブするための土台づくり)の双方からお手伝いをしています。


HONEのサービスについて

大切にしている価値観は「現場に足を運ぶこと」です。土地の空気にふれ、人の声に耳を傾けることから始めるのが、私たちのやり方です。


学びや知恵は、ためらわずに分かち合います。自分の中だけで完結させず、誰かの力になるなら、惜しまず届けたいと思っています。


誰か一人の勝ちではなく、関わるすべての人にとって少しでも良い方向に向くべく、尽力します。地域の未来にとって、本当に意味のある選択をともに考え、かたちにしていきます。


\こ相談はこちらから/


HONEサービス一覧
voicyはじめました。
youtube はじめました


その他、気軽にマーケティングの相談をしたい方のための「5万伴走プラン」もスタートしました。詳細はバナー先の記事をお読みください!


最後までお読みいただき、ありがとうございました。


5万併走

\こ相談はこちらから/



【記事を書いた人】


プロフィール

株式会社HONE

代表取締役 桜井貴斗


札幌生まれ、静岡育ち。 大学卒業後、大手求人メディア会社で営業ののち、同社の新規事業の立ち上げに携わる。 2021年独立。 クライアントのマーケティングやブランディングの支援、マーケターのためのコミュニティ運営に従事。

bottom of page