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地域の可能性を多角的に見つめる「GHILフレーム」について解説します。

  • 執筆者の写真: 桜井 貴斗
    桜井 貴斗
  • 6 日前
  • 読了時間: 5分
地域の可能性を多角的に見つめる「GHILフレーム」について解説します。

今回は、宮副謙司氏(青山学院大学ビジネススクール)の研究論文『地域資源に着眼し地域価値へと編集するためのフレームワーク考察』をもとに、地域資源の可能性を引き出す「GHILフレーム」という考え方をご紹介します。


地域活性化に取り組む人たちにとって非常に示唆に富む内容であり、HONEとしても地域事業のお手伝いをする中で「現場で使える考え方」だと実感しています。


地域に眠る資源をどのように見つけ、価値として再編集していくか。その手順と考え方を、論文を読み解くかたちでご紹介していきます。





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セミナー資料


目次




「GHILフレーム」ができた背景


地域を元気にする取り組み、すなわち「地域活性化」は、いまや自治体や企業、地域住民にとって重要なテーマとなっています。そうした中で注目されてきたのが、「マーケティング」の視点を取り入れた地域活性化マーケティングという考え方です。


この考え方では、地域に存在する自然や文化、産業などの地域資源を、単なる情報として整理するだけでなく、それらを組み合わせ、意味づけし、「その地域ならではの価値(地域価値)」として創造し、それを発信・提供していくことが求められます。


しかし実際の現場では、「何を地域資源として拾い上げ、どのように価値として編集するか」という判断や方法に迷いや課題がありました。


このように、資源の見つけ方・価値のつくり方が体系化されていないという問題意識から生まれたのが、「GHILフレーム」です。


地域活性化マーケティング


どんなフレームワークなのか


一般的にフレームワークは、以下のような目的で活用されます。

  • 情報を的確に整理する

  • 自由で多様な発想を引き出す

  • 視点の転換を促し、新たな可能性を発見する

  • 発想を広げ、アイデアの数を増やす

  • 小規模な試行(パイロット)で検証する

  • 関係者間で合意形成を進める


「GHILフレーム」は、これらのビジネスにおける知見を「地域活性化マーケティング」に応用するという視点から研究されました。

特に、地域資源の発掘・整理・再構築という初期段階において、どのようなフレームワークが有効なのか。


その選定と活用方法を示し、リサーチやディスカッションの現場で活用できる方法論として明確化することを目指しています。


具体的には、


  • 地域資源をどのように整理・分類し、価値へと導出していくかというプロセスを体系化する

  • 戦略立案やSTP・4Pなどの既存フレームと並ぶ、独自の“地域活性化向け思考ツール”を確立する

  • ワークショップやリサーチ、発想を促進する場で、実務的に活用できるよう整理する

を通じて、地域価値の創造を構造的に支援しようという試みです。



GHILフレームの基本構造(4つの視点)


GHILフレームの基本構造(4つの視点)

GHILとは、地域を捉える4つの基本視点の頭文字です。


  • G:Geography(地理) 自然、地形、立地、交通など、地域の“場所性”

  • H:History(歴史) 地域が歩んできた歴史や文化、伝統

  • I:Industry(産業) 農業、製造業、観光業などの産業活動

  • L:Life(生活) 現代の人々の暮らしや地域社会の営み


GHIL分析の全体像|地域資源を価値に変える4ステップ


GHIL分析の全体像|地域資源を価値に変える4ステップ

GHILフレームは、地域資源の再評価から価値創造までを次のようなプロセスで進めます。


(1)地域資源の発見

  • 統計や地理データ、人口動態などを調査

  • インタビューや現地観察によって“肌感覚のある情報”を掘り起こす


(2)地域資源の着眼(GHILで分類)

  • ブレインストーミングで資源を抽出し、GHILの4視点に分類

  • 類似資源はグループ化し、特徴を表すラベル(名前)をつける


(3)地域資源の編集(価値に変換)

Q-GHIL分析

  • 量的評価:参加者の共通認識としての多さ

  • 質的評価:象徴性や誇りとしての高さ

C-GHIL分析

  • 異なる視点を掛け合わせて、新たな価値文脈を創出(例:地理×歴史)

アナロジー

  • 類似事例や文化との比較からインスピレーションを得て、資源を再構成


(4)地域価値の創造(GHILフレームの完成)

  • 編集された資源の中から、地域の“らしさ”を表すコンセプト(価値テーマ)を導出

  • 例:〇〇町のテーマ「自然とともに暮らす知的な里」



まとめ GHILフレームの魅力と実践意義


GHILフレームは、地域に存在する無数の資源を「着眼」し、「編集」することで、本質的な地域価値を導出する実践的なフレームワークです。


  • 単なるデータ収集ではなく、意味の再構築へ

  • 地域の未来や誇りにつながる“語れる価値”を創る

  • マーケティングと地域づくりを橋渡しする一歩として活用可能


地域の魅力を効果的に伝えるためには、まず「何を見つけ、どのように語るべきか」を明確にすることが重要です。GHILフレームは、異なる視点を掛け合わせる「編集」によって、地域の「らしさ」を多角的に捉え、未来志向の地域づくりを支える羅針盤となるでしょう。



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最後までお読みいただき、ありがとうございました。


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【記事を書いた人】

この記事を書いた人

株式会社HONE

代表取締役 桜井貴斗


札幌生まれ、静岡育ち。 大学卒業後、大手求人メディア会社で営業ののち、同社の新規事業の立ち上げに携わる。 2021年独立。 クライアントのマーケティングやブランディングの支援、マーケターのためのコミュニティ運営に従事。


※本記事は一部AIを活用して執筆しています。

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