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空き家問題を解決するアイデアとは?まちづくりにおける不動産活用

  • 執筆者の写真: 桜井 貴斗
    桜井 貴斗
  • 1月4日
  • 読了時間: 12分

更新日:3月30日

空き家問題解決法

人口減少と高齢化に伴い増加する空き家。この社会課題を地域活性化のきっかけとして活用する、革新的なまちづくりの取り組みが注目を集めています。


本記事では、空き家の活用法や、先進的な事例を紹介し、不動産業界におけるまちづくりの可能性を探ります。




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目次



空き家問題の現状と課題


現在日本では、人口減少と少子高齢化により空き家の数が増加し、深刻な社会問題となっています。


ここでは、増加する空き家の現状や、地域にもたらす影響を解説します。



日本の空き家率の推移


空き家率が上昇
出典:日本経済新聞

出典元リンク先:「放置空き家」20年間で1.8倍 空き家率は最高13.8%(外部リンクへ)


日本の空き家率は、近年増加の一途をたどっています。総務省のデータによれば、2023年時点での空き家率は約13.8%に達し、これは約900万2千戸に相当します。


この数値は、1993年から2023年までの30年間で約2倍となっていて、特に地方部での空き家の増加が顕著です。人口減少と高齢化が進む中、若年層の都市部への流出が続き、地方の住宅が放置されるケースが増えているのが現状です。




空き家が地域にもたらす影響


空き家は地域に様々な影響を及ぼしています。


廃墟

  • 景観への影響

    建物の外観劣化し塗装の剥がれや外壁の損傷が目立つようになります。また不法投棄など管理されていない空き家周辺にごみが散乱する恐れも懸念されます。


  • 生活環境への悪影響

    ネズミ、害虫、シロアリなどの発生と悪臭による、衛生問題や、不審者や犯罪者の隠れ家となり治安悪化など様々なリスクが高まる恐れがあります。


  • 地域全体への影響

    空き家が多いと地域イメージの悪化します。 特に観光地では訪問者の印象や満足度に悪影響を与え、観光客の減少につながる可能性もあります。


空き家が地域に与える影響は私たちが思う以上に大きく、今後増えることを考えると、早い段階の対策が必要だと考えられます。


空き家問題を解決するためには、地域全体での取り組みが必要であり、まちづくりの視点からのアプローチが重要です。



まちづくりにおける空き家活用の重要性


空き家問題は地域社会全体に深刻な影響を及ぼす可能性があります。しかし、効果的に空き家を活用すると、地域の活性化や持続可能なまちづくりに寄与できるかもしれません。


ここでは、空き家を活用した経済的な利益をもたらす取り組みやまちづくりについて紹介します。



地域活性化のための空き家活用

空き家の活用

空き家を活用することで、地域の魅力を再発見し、住民や訪問者に新しい価値を提供する取り組みがあります。


<例>

  • 空き家をリノベーションしてシェアハウスやコミュニティスペースに転換する

    これにより、若者や新しい住民が地域に定住しやすくなり、地域の人口減少に歯止めをかける効果が期待されます。


  • 空き家を観光資源として再生

    このことで地域経済の活性化にも寄与します。

    歴史的な価値のある建物や独自の文化を持つ空き家は観光施設として活用できます。

    このような施設を外部に発信し、地域の魅力を広めていきましょう。


  • 地域住民の交流に活用

    地域のイベントやワークショップを開催するスペースとして、空き家を利用できると地域のコミュニティが強化されるかもしれません。


空き家活用にはさまざまなハードルがあるものの、地域の課題解決だけでなく、持続可能なまちづくりにも寄与する可能性を秘めていると考えています。



不動産業界の新たな役割


今後の空き家問題で注目したい流れとして、国が推進する不動産業界の取り組みがあります。


令和6年6月に「不動産業による空き家対策推進プログラム」が策定されました。

このプログラムは、急増する空き家問題に対応し、不動産業者のノウハウを活用して空き家の流通と利活用を促進することを目的としています。


プログラムは主に2つの柱で構成されています。


  • 流通に適した空き家等の掘り起こし

    • 所有者への相談体制の強化

    • 不動産業における空き家対策の担い手育成

    • 地方公共団体との連携による不動産業の活動拡大

    • 官民一体となった情報発信の強化


  • 空き家流通のビジネス化支援

    • 空き家等に係る媒介報酬規制の見直し

    • 「空き家管理受託のガイドライン」の策定・普及

    • 媒介業務に含まれないコンサルティング業務の促進

    • 不動産DXによる業務効率化と担い手確保


このようなまちづくりの課題に対する国の動きも把握しておくと、事業を後押しする制度利用が可能になります。私も含めて、地域の事業者は有識者と連携して、最新情報を押さえておきたいところです。



空き家活用の成功事例

空き家を活用した成功事例

空き家問題に対して、全国各地で様々な取り組みが行われ、新たな価値が誕生しています。これらの成功事例は一体どのような方法で空き家を効果的に活用しているのでしょうか。


ここでは、地域活性化のヒントとなる、空き家活用事例を具体的にご紹介します。



シェアハウスへの転換事例

シェアハウス

空き家をシェアハウスに変える取り組みは、地域の活性化と住環境の改善を同時に実現する有効な方法として注目されています。


空き家をリノベーションし、共同生活の場として提供することで、住居の確保と地域コミュニティの形成が促進されると同時に、空き家の管理も行うことが可能です。


シェアハウスというと、一般的に若者や単身者が利用するイメージがありますが、最近では高齢者や家族世帯も利用するケースが増えています。したがって、需要がさらに増加する可能性が高いでしょう。



地域コミュニティスペースとしての活用

コミュニティスペース

空き家を地域コミュニティスペースとして利用する取り組みは、地域住民の交流を増やし、コミュニティの絆を深める大切な方法です。この取り組みにより、空き家が単なる廃墟から地域の活力源へと変わります。


特に、高齢化が進んだ地域では、地域のコミュニティスペースが非常に重要です。 

住民主体となり、お互いに支え合うことで、貧困や孤独といった様々な問題を早めに見つけ、解決につなげていきましょう。



観光資源としての再生例

空き家を観光資源に

空き家を観光資源として再生する取り組みは、地域の魅力を引き出し、訪問者の増加が期待されます。


<例>

  • 古民家をリノベーションして宿泊施設に転換する

    伝統的な日本の生活様式を体験する場を提供します。また、地域の生活文化を体験するプログラムを設けると、宿泊客は観光以上の価値ある体験ができます。


  • 空き家を観光情報センターや地域の特産品を販売するショップとして活用

    これにより、観光客が地域の情報を得やすくなり、地元の産業支援にもつながります。


空き家の再生は、地域の観光資源を豊かにし、持続可能な観光業の発展に寄与する重要な手段となっています。



空き家活用のプロセス


「空き家を活用したいけれど、どのようにしたらいいかわからない…」という方に向けて、空き家を活用するための重要なプロセスをまとめてみました。


これらのプロセスを通じて、空き家は地域の資源として再生し、効果的に活用していきましょう。



空き家の調査と選定


空き家活用の第一歩は、適切な空き家の調査と選定です。


地域ごとの空き家データを収集し、空き家の所在地、状態、所有者情報などを把握する必要があります。そして、どの空き家が地域活性化に寄与できるかを見極めていかなければいけません。


選定の際には、空き家の立地や周辺環境、建物の状態、地域のニーズなどを考慮する必要があります。


<例>

交通の便が良い場所や、観光地に近い空き家

観光資源としての活用する

地域コミュニティの中心となる場所にある空き家

住民交流の場として活用する


まちづくりの成功に繋がるためには、それぞれの場所やニーズについてよく考察していく必要があるでしょう。



リノベーションの計画と実施


空き家によっては、そのまま利用するのが難しい場合もあります。


その場合、リノベーションの計画が必要です。リノベーションとは、古くなった建物を修繕・改造して、新しく使えるようにすることです。


まず、建物の状態を詳しく調べ、どの部分をどのように修繕するかを計画し、実際に工事に移ります。


計画段階で専門家の意見を聞き、施工業者や行政、地域の人々との協力は非常に重要です。



地域との連携と合意形成


空き家の活用に、地域との連携と合意形成が必要な理由は以下の通りです。


  • 地域のニーズを理解する

    地域の人々が出すアイデアや提案は、より地域に寄り添ったプロジェクトになると期待されます。

    地域の人々の生活や需要を理解し、空き家をどのように活用するのが最適か判断していきましょう。


  • トラブルの防止

    将来的に起こり得るトラブルや問題を予防するため、事前に合意形成をしておくことがおすすめです。


  • 長期的な持続可能性

    地域の人々がプロジェクトに参加し、共に合意形成しておくと、長期的にプロジェクトが可能になります。


空き家問題は、地域の問題でもあります。そのため、地域全体で取り組み、地域のために という視点を忘れずに、空き家活用に取り組んでいきましょう



空き家活用におけるクリエイティブなアイデア


最近の事例では、空き家を単なる住宅として再利用するのではなく、地域のニーズに応じた多様な機能を持つスペースとして活用する動きが見られます。


以下に実在するクリエイティブな空き家の活用法について紹介します。



香川県香川郡直島町「家プロジェクト」

出典:家プロジェクト
出典:家プロジェクト

出典元リンク先:家プロジェクト(外部リンクへ)

家プロジェクトは直島・本村地区において展開するアートプロジェクトです。「角屋」(1998年)に始まったこのプロジェクトは、現在、「角屋」「南寺」「きんざ」「護王神社」「石橋」「碁会所」「はいしゃ」の7軒が公開されています。点在していた空き家などを改修し、人が住んでいた頃の時間と記憶を織り込みながら、空間そのものをアーティストが作品化しています。
都市と地方、若者とお年寄り、住む人と訪れる人とが交流していく中で生まれる新たなコミュニティの在り方を提起する契機になったこの有機的な取り組みは、日々変化しながら進化を続けています。

(公式サイトから引用)



新潟県南魚沼郡湯沢町「Little Japan ECHIGO」

リトルジャパンエチゴ
出典:越後湯沢観光ナビ

出典元リンク先:Little Japan Echigo | 越後湯沢観光ナビ 観光・スキー情報(外部リンクへ)


廃業した旅館をリノベーションし、1階にカフェバーを併設した宿泊施設兼まちづくり拠点としてオープン。起業、移住、関係人口の増加を目指しています。

東京から新幹線で70分で行ける新潟の玄関口、越後湯沢。スノーリゾートでありながらもロープウェイから眺める絶景や温泉など、オールシーズン楽しめる観光資源が充実しています。まちのリビングのように誰もが気軽に利用できるラウンジやカフェ、『Little Japan ECHIGO』で”ゆざわ”を感じてもらえたらと思います。


福岡県直方市「こどもの居場所いろり」

子供の居場所いろり
出典:mixjam、こどもの居場所、いろり

出典元リンク先:mixjam、こどもの居場所、いろり (外部リンクへ)


築130年の古民家を活用した多世代コミュニティスペースです。


ここでは子育て中のお母さんと地域の人たちが、互いの困りごとを「ちょっと助け合う」風景が日常になっています。
例えば、古民家の2階やキッチンでママが仕事をしているあいだに、ほかの人が子どもの面倒を見たり、キッチン営業を終えたママが近所の一人暮らしの方に夕食を配達するーーという具合に。

https://smout.jp/plans/13281 から引用)



HONE桜井が空き家を活用した民泊施設をオープンします

用宗民泊施設

静岡市の港町「用宗(もちむね)」にある築90年以上の古民家を再生し、地域住民の方々と協力しながら運営する民泊施設が1月にオープンします。


資料ダウンロードから、この民泊施設の際に行ったクラウドファンディングの裏側などについての資料もダウンロード可能です。




まとめ


空き家問題は日本の多くの地域で深刻な課題であると同時に、地域活性化のための新たな機会を提供するものでもあります。


これまでの事例からも明らかなように、空き家を単なる負の遺産として捉えるのではなく、地域の資源として活用することで、コミュニティの再生や経済の活性化を期待できます。


空き家問題を解決するための取り組みが、地域社会の未来を切り開く鍵となるでしょう。


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最後までお読みいただき、ありがとうございました。


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【記事を書いた人】


株式会社HONE  代表取締役 桜井貴斗

株式会社HONE

代表取締役 桜井貴斗


札幌生まれ、静岡育ち。 大学卒業後、大手求人メディア会社で営業ののち、同社の新規事業の立ち上げに携わる。 2021年独立。 クライアントのマーケティングやブランディングの支援、マーケターのためのコミュニティ運営に従事。


※本記事は一部AIを活用して執筆しています。

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