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執筆者の写真桜井 貴斗

【ユニーク事例あり】全国のまちづくりに関する成功事例と課題を紹介


全国のまちづくりに関する成功事例を紹介

日本の各地域で、独自の工夫を凝らしたまちづくりが進んでいます。人口減少や高齢化が進むなか、地域の持続可能な発展を目指し、住民たちによる主体的な活動が今後ますます重要になるでしょう。


各地の事例を見ると、地域資源を活かし、観光や産業振興、コミュニティの再生などを通じて、着実な成果を上げている例が増えているようです。


本記事では、まちづくりが注目される理由や直面する課題、そして成功した地域の具体的な事例を紹介するとともに、ユニークな取り組みについてもご紹介します。


 


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目次

 

まちづくりとは何か?


まちの様子

まちづくりとは、地域の特性やニーズに応じて、住民や行政、企業などが協力し合いながら、地域の環境や社会、経済を改善・発展させるための総合的な取り組みです。


例えば、地域の景観や公共空間のデザイン、交通システムの改善、地域産業の振興、住民参加型のイベントの開催などがあげられます。


住民が自らの地域に愛着を持ち、誇りを感じられるようになることで、地域のアイデンティティ形成にも繋がります。


地域の人々が共に考え、行動することで、より良いまちづくりが実現していくでしょう。



今、まちづくりが注目される理由とは


近年、まちづくりが注目される背景には、社会的・経済的要因があります。

まちづくりが注目される理由について、4つの項目でまとめました。


まちづくりが注目される理由


地方の活力低下への対応


多くの地方では、若者の流出や高齢化により地域の活力が失われつつあります。こうしたなかで、地域の魅力を再発見し、新たな産業を育てる試みが各地で始まっているようです。


例えば、地元の特産品を活かした商品開発や、観光資源の掘り起こしなどを通じて交流人口を増やし経済に活気を取り戻そうとする動きが広がっています。


また、地域を活性化させるためには地域住民の意見を反映させる取り組みも必要です。


地域住民が自らの手で地域を作り上げることで、地域への愛が深まり、この町のために何かしたいという気持ちが醸成されます。


地域住民と共に課題に向き合えば、一体感ができ、社会的なつながりや文化の再生にも結びついていくでしょう。



社会的繋がりの回復


都市の発展とともに、地域のつながりを再構築する必要性が高まってきました。

人々が互いに支え合ったり、協力し合う関係は、地域の活性化や発展に寄与します。


地域の繋がりを回復するために、地域イベントや、住民参加型のワークショップを通じて、住民同士が顔を合わせ、意見を交換する機会を構築していく必要があります。


このような機会を通して、コミュニケーションが生まれ、地域の特性を活かした次のプロジェクトやボランティア活動にも繋がり住民の結束を強めることができるでしょう。


また、地域の歴史や文化を再認識することも、社会的繋がりの回復につながります。

あなたは、自分の住んでいる地域の歴史や文化についてどれだけ理解しているでしょうか。


例えば、伝統行事やお祭りを復活させることで、共通の体験を持ち、地域の歴史や文化を知る機会に繋がるかもしれません。


まちづくりにおける社会的繋がりの回復は、地域のつながりを再構築する必要性が高まっている昨今だからこそ強く求められています。



経済活性化と観光の推進


地域への旅行者が増えると、宿泊施設や飲食店だけでなく、地域全体にお金が落ちる仕組みが生まれます。地元の農産物を使った特産品や、職人が作る工芸品なども売れるようになり、そこで働く人も増えていきます。


観光客との交流を通じて、地域の良さが口コミで広がり、何度も訪れたいと思う人が増え、なかには、その土地に魅了され移住を考える人も出てくるでしょう。

伝統的な祭りや行事を大切に守りながら観光に活かしている地域では、年間を通して安定した収入を得られるようになってきました。


ただし、観光で地域を元気にするには、そこに住む人たちの協力が欠かせません。

地元の人たちが自分たちの地域の良さを知り、来てくれた人をあたたかく迎えることで、長く続く観光のまちづくりが実現できるのです。



子育て・教育環境の充実


若い世代が安心して暮らせる環境づくりも重要なテーマです。


保育施設の整備はもちろん、地域全体で子育てを支援する仕組みづくりが求められています。公園や遊び場の整備、放課後の居場所づくりなど、子どもたちが健やかに育つ環境を整えることで、若い家族の定住を促進している地域も増えています。


地域の未来を担う子どもたちが健やかに成長できる環境を提供することは、持続可能な地域社会の実現に直結することでしょう


また、教育環境の整備においては、ICT(情報通信技術)を活用した学びの場の提供が注目されています。

地域に関係なく質の高い教育を受けられる環境が整えば、地方でも安心して子育てを続けることができます。


子育てや教育環境の整備は、その地域自体の信頼を生み、住民との絆を強める要素となるため、しっかりと基盤を構築していく必要があるでしょう。



まちづくりに関する成功事例5選


全国各地で実施されているまちづくりのなかから、成功した事例を5つ紹介します。

これらの地域は、地域住民や外部の支援を得ながら、持続可能な発展を目指している点が共通しています。



岡山県真庭市


グリーナブルヒルゼン
GREENable HIRUZEN(グリーナブルヒルゼン)

出典:GREENable HIRUZEN(グリーナブルヒルゼン)- CLTパビリオン「風の葉」-


林業を基幹産業とする真庭市では、木材の有効活用を軸にしたまちづくりを展開しています。バイオマス発電所の整備や、木工製品のブランド化など、地域資源を最大限に活用した取り組みが特徴です。


2021年、サステナブルの価値をより多くの人に知ってもらうための施設として、GREENable HIRUZEN(グリーナブルヒルゼン)がオープンしました。

この施設内にある象徴的建造物CLTパビリオン「風の葉」は、隈研吾氏が設計監修し、東京・晴海で一度展示されていました。展示の役割を果たした後に真庭市へ移築し、GREENable HIRUZENの象徴となっています。




宮崎県綾町


綾城
綾国際クラフトの城・綾城


宮崎県の綾町は、宮崎県のほぼ中央部に位置し、美しい照葉樹林に囲まれた自然と共生するまちづくりを進める地域です。


1970年代から、住民は自然を守る運動を展開し、全国初の「自然生態系農業推進条例」を制定しました。農薬や化学肥料を排除し、環境に配慮した有機農業を推進しています。


1985年に「綾城」や工芸の殿堂「国際クラフトの城」が完成したことで、綾町の手づくり工芸は多くの人に知られるようになり、町外から多くの工芸家が移住しました。

その結果、木工、陶芸、絹織物など40を超える工房が開かれ「手づくり工芸の里」として

知られ、多くの消費者が訪れる交流拠点となっています。




香川県直島町


赤かぼちゃ
草間彌生の作品「赤かぼちゃ」


アートの島として知られる直島町。かつては過疎化に悩む離島でしたが、現代アートを核とした独自のまちづくりにより、世界中から注目を集めています。美術館やアート作品が点在する街並みは、島の景観と見事に調和し、訪れる人々に深い印象を与えています。



徳島県神山町


出典:えんがわオフィス
えんがわオフィス

出典:えんがわオフィス


徳島県神山町は、NPO法人グリーンバレーを通じてサテライトオフィスの誘致、移住定住などを推進してきました。現在では、IT企業やクリエイターが集まる聖地のような場所として知られています。


地域の空き家をリノベーションしたり、移住者や起業家を受け入れることで、今後も地域の活性化を推進していくことでしょう。


地方に企業の拠点を誘致し、その土地で雇用も生み出している神山町。まちづくり事例の一歩先にいる神山町は、他の地域のモデルケースとして注目されています。




岐阜県飛騨市


ヒダスケとは
ヒダスケとは


岐阜県飛騨市は2011年から2021年の10年間で約4,000人の人口が減少し、人口減少・高齢化において課題の先進地です。


2017年に「飛騨市ファンクラブ」を設立し、地域外の人とのつながりを構築しました。

この延長として、「ヒダスケ!」を立ち上げ、地域課題を資源とした交流プログラムを提供しています。


ウェブ上でボランティアや体験活動をマッチングし、農作業やデザイン支援など多彩なプログラムを実施。地域の魅力発信と課題解決を両立させる新たな地方創生のモデルケースとなっています。




ユニークなまちづくり事例


近年、全国各地で見られるまちづくりの取り組みのなかには、地域の特性を活かしたユニークな事例もあります。ユニークな事例は、外部からの注目を集め地域の活性化に貢献していくことでしょう。ここでは、3つの事例を紹介します。



全国から留学生が!「大人の島留学」|島根県海士町


海士町の様子
海士町

離島である海士町では、全国から意欲的な若者を受け入れる「島留学」を実施しています。

全国から留学生を受け入れ、地域の文化や生活を体験してもらうことで、地域の魅力を再発見し、移住を促進することが目的です。


参加者は島での生活を通じて、漁業や農業を体験し、地域の人々と交流を深めます。島留学を通じて、新たな視点や活力を島にもたらすとともに、UIターンのきっかけにもなっています。



まちごとホテル化|大阪布施商店街


布施商店街の様子
まちごとホテル


大阪府の布施商店街では、地域の活性化を目指して「まちごとホテル化」という取り組みが進められています。商店街の店舗や空き家を宿泊施設として活用し、観光客を呼び込み、地元の魅力を伝えています。


宿泊施設では、地元の食材を使った朝食や、地域の歴史を学べるワークショップなどが行われ、訪れる人々にとって新しい体験が得られる場となっているようです。


地元の人々のあたたかいおもてなしによって地域の魅力が浸透し、さらなる観光客の誘致につながる好循環が生まれていくことでしょう。


商店街を活用した事例は、他の地域でも参考にされる可能性が高く、今後のまちづくりのモデルケースとしても期待されています。



チャンバラ合戦で地域活性化|岐阜県可児市


チャンバラの様子
岐阜県可児市 チャンバラの様子


岐阜県可児市では、子どもから大人まで楽しめる「チャンバラ合戦」が、地域活性化の取り組みとして注目されているようです。


可児市では、定期的にチャンバラ合戦イベントが開催され、参加者は特製の武器を持って戦いを繰り広げます。


地域の特産品の販売や地元の飲食店の参加もあり、県外から観光客も訪れることで経済効果を生み出しています。



成功ポイント


ここまで紹介したまちづくりの事例を見ると、成功にはいくつかの共通するポイントがありそうです。ここでは、まちづくりを成功に導くポイントを4つ紹介します。


まちづくりにおける成功のポイント

①地域住民の参加と協力

住民が自らの意見やアイデアを持ち寄り課題を共有することで、実効性のある施策が生まれます。住民の声を反映させることで、地域に対する愛着や責任感が育まれ、持続可能な発展が促進されるでしょう。


②地域資源の活用

各地域には独自の文化や自然、歴史的な資源があります。地域資源を活かすことは、地域の魅力を高めるだけでなく、観光客の誘致や地域経済の活性化にもつながります。


③外部との連携

地域内だけでなく、他の地域や企業、大学などとの協力を通じて、新たなアイデアや技術を取り入れることができます。多角的なアプローチを可能にすることで、より効果的なまちづくりが実現されるでしょう


④長期的なビジョン

短期的な成果の追求ではなく、持続可能な発展を見据えた計画を立てることで、地域の未来を見据えた取り組みが進められます。


上述の通り成功ポイントを押さえることで、まちづくりをより効果的に進行し、地域の活性化につながる取り組みを推進していきましょう。



まとめ


まちづくりは、持続可能な発展を実現するための取り組みとして、全国各地で様々な成功事例が生まれています。地方の活性化や経済の再生、社会的な繋がりの回復といった課題に対して、地域ごとの独自の工夫やアイデアが求められています。


今後は、成功事例を参考にしながら各地域が抱える課題に対して柔軟に対応していくことが求められていきそうです。


地域の特性を活かした取り組みを広げ、持続可能な社会の実現に向けた道筋が開かれることを期待しています。



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最後までお読みいただき、ありがとうございました。


 


株式会社HONE  代表取締役 桜井貴斗



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