『複利で伸びる仕事術』-10年後に差がつく成長スキル- を読んで。
- 桜井 貴斗

- 6 時間前
- 読了時間: 12分

ディスカヴァー・トゥエンティワンから出版されている『複利で伸びる仕事術』。
Tips・ノウハウに溢れ、昨今、あらゆる場面でタイパ・コスパが求められていますが、
本書が教えてくれるのは、「短期合理主義」から抜け出した思考・行動・人間関係を“複利”で伸ばすための技術です。
本記事では桜井が心に残ったパートを一部抜粋してビジネスや生き方に転用できる点としてまとめてみました。
【複利で伸びる仕事術】書籍説明
タイパ・コスパだけで、10年後も通用しますか?
本当に仕事がデキる人だけが知っている、“複利で効く34のスキル"
サイバーエージェントで学んだ、一生役立つ必須スキル
タイパ・コスパ重視の時代だからこそ問われる、
「短期成果」ではなく「複利成長」をもたらす仕事のコツとは?
新卒で入ったサイバーエージェントで
優秀な上司や先輩たちから徹底的に叩き込まれた
“成長するためのソフトスキル”を徹底厳選。
「仕事で突き抜ける人」が実践している34の仕事のヒントを一冊にまとめました。
いま、あらゆる場面でタイパ・コスパが求められています。
手っ取り早く成果を出して、それをSNSで自慢しフォロワーを増やす……
本書が教えるのは、そんな「短期合理主義」から抜け出し、
思考・行動・人間関係を“複利”で伸ばすための技術です。
◯課題のセンターピンを見つけて倒す
◯たたき台は、叩かれる余白を作る
◯手段にこだわらず、目的にこだわる
◯シナリオを複数想定する
◯メタ認知力を高める
どんな会社でも、どんな職種でも役に立つ
すべての土台となる仕事のやり方・考え方を紹介!
本書は、こんな方におすすめです。
タイパ/コスパに偏った仕事術から抜け出したい人
成果を出していく同期を横目にくすぶっている20代社会人
成長が頭打ちになっている30代ビジネスパーソン
マネジメントやチーム育成に悩むリーダー層
仕事で突き抜けるために必要なのは、才能ではなく技術。
あなたの仕事は、今日から「複利で伸びていく」。
(Amazonより)




著者について
●宮脇 啓輔(みやわき・けいすけ)
株式会社unname 代表取締役
マーケティングコンサルタント
日経COMEMOキーオピニオンリーダー
1991年3月生まれ。滋賀出身、立教大学卒。
2014年、新卒で株式会社サイバーエージェント入社。社会人としてのスタンス、コミュニケーション力、基礎動作などのソフトスキルを習得し、Web広告運用コンサルタントとして月間1.5億円の運用実績をあげる。2017年、上場前のBASE株式会社に入社し、アプリマーケティングを担当。2018年、株式会社ペイミーにCMOとして参画し、BtoBマーケの立ち上げから、ビジネスチーム全体のマネジメントまで行う。
2019年、株式会社unnameを創業。BtoB企業を中心に累計約50社のマーケティング支援を行う。現在は総合マーケティングカンパニーとして、支援業務以外に、研修事業、プロダクト事業などを展開している。
社内Slackで情報発信をしていたところ、「外に発信しないともったいない」と言われ、Xとnoteで20〜30代向けに発信を始める。その一つである“「頭の回転が速い」を科学する”がnote社主催の創作大賞2024入選。本書が初の著作となる。
「成果を出すスキル」と「成長するためのスキル」
(本書より) ビジネスパーソンが身につけるべきスキルには、大きく二つあります。 ▼成果を出すスキル デザイン、プログラミング、動画編集、生成AIなど、アウトプットが見えやすい技術。学び方が確立しており習得は比較的容易。ポートフォリオ化しやすく、副業にもつながりやすい。 ▼成長するためのスキル コミュニケーション力、やり抜く力、言語化力、内省力など、他のハードスキル習得を加速させる土台となる能力。定量化しづらく、転職の書類では伝わりにくいが、長期に効く。 私は20代の方々と話す機会が多いのですが、ここ数年、前者のスキルの獲得に躍起になっている人が増えているように感じます。もちろん「成果を出すスキル」を身につけること自体は悪いことではありません。しかし、「どちらを先に習得しておくべきか」というと、答えは明快です。若いうちに身につけるなら「成長するためのスキル」一択なのです。
私も成果を出すスキルと成長するためのスキルは異なると思っています。これに近いですが、現代のマーケティングにおいても、「稼げるスキル」と「10年後も使えるためのスキル」も異なります。
稼げるスキルは「今」稼げるため、現状求められているサービスとなります。具体的には動画編集や生成AIを活用したサービス・コンサルティング・研修などは主たるスキルではないでしょうか。
今稼げることは大切ですが、複利として効いてくるのは10年後も使えるスキルであり、本書で言うところの「成長するためのスキル」だと思っています。またこの成長するためのスキルは短期では身に付けられないため、若いうちから向き合っていかなければなりません。
「頭の回転を速くする」方法はある
(本書より) この仮説を立てた後、「頭の回転が速い」ように見える人を観察してみました。そこから見えてきた傾向は次のとおりです。 ・会話自体は流暢で、一見すると得意そうに見える ・好きなこと・得意な領域では会話がどんどん弾む ・ただし、経験のない領域やレベルの高い相手を前にすると、思考の間が長くなる ここから導けるのは、次の3点です。 ①一度考えたことのあるテーマでは、回答速度が速い ②同じテーマでも、高いレベルで問われると再度思考が必要になる ③思考を整理・構造化できていないと、答えが支離滅裂になりやすい (中略) 頭の回転の速さとは、生まれつきの才能ではなく、「日頃から思考を積み重ねておくこと」、そして「その思考を引き出しやすく構造化しておくこと」だと理解するようになりました。
ビジネスにおいては「会話のペースを合わせること」を意識しています。相手が早い返答を求めているようであればこちらも合わせて速度を上げ、ゆっくりであればペースを落としていくイメージです。
いろんな人を見ていて、落とす分には問題ないが、スピードを上げるとアウトプットに粗が出てくる人がいます。
これは単純に準備不足の一言で片付けられてしまうのですが、ではどんな準備をしていけばいいのか?については上記に書かれている点(「日頃から思考を積み重ねておくこと」、そして「その思考を引き出しやすく構造化しておくこと」)だと思います。
つまり、どんな分野でも薄くインプットはしておき、自分なりの意見を持つようにしておくことだと思います。ビジネスだけでなく、政治・経済・テクノロジー・エンタメなど、拾える話題が多いとそれだけ対話もできるはずです。
地頭が良いとは?
(本書より) ▼論理思考ができる 感覚や感情で判断するのではなく、物事を根拠や困果に基づいて整理・判断できる。 ▼仮説思考ができる 限られた情報から「多分、こうだろう」という筋の通った仮の答え(=仮説)を立て、そこから検証・判断を進める思考ができる。 ▼フレームワーク思考ができる 物事を考えたり整理したりするときに、あらかじめ型(フレーム)を使って効率よく抜け漏れなく考えられる。ロジックツリーを活用してMECEに考えたり、構造化したりできるのもフレームワーク思考の一つ。 ▼抽象化思考ができる 個別の出来事や事象から共通点や本質を取り出して、より一般化された“意味”や型”に昇華することができる。逆も然りで、抽象的な話に対して、具体例を交えて説明ができる。 ▼状況の理解と判断ができる 1から10まですべて教えなくても、状況から推測したりすることで、大枠を把握して動ける。周りがしていることを見たり、見て学ぶスキルもこれに紐づいている。
私自身も振り返ると後天的に身につけたので、地頭は生まれ持ったものというよりは努力によってあとから身につけられるものだと思っています。
特に論理的思考・仮説思考・フレームワーク・抽象化思考はすでに体系化されている領域なため、書籍や記事などの単発・虫食い的な感じで学ぶ、と言うよりも20代のうちに講師がいるところ&アカデミックな環境できちんと学ぶ学ぶことをオススメしています。
個人的にはグロービス経営大学院には20代の頃大変お世話になりました。
対症療法と根治療法を使い分ける
(本書より) 課題への向き合い方には、二つのスタイルがあります。 ・対症療法:個別の問題を一時的に改善する(スピード重視) ・根治療法:原因そのものを解消し、再発を防ぐ(持続性重視) どちらが正しいというわけではありません。 根治療法ばかりにこだわると時間がかかりすぎ、業務が止まってしまいます。一方で、対症療法だけでは成長の天井を突破できませんから、「成果を優先すべき場面では対症療法」「同じ失敗を繰り返すときは根治療法」と、状況に応じて使い分けることが大切です。
サッカーにも100mを走るよりも30mの瞬発力が求められるシーンと、90分を通して走り切れる持久力のそれぞれが求められるように、どのタイミング・シーンで自分のバリューが出せるのか?は変わってきます。
ただ、年齢を重ねるとすぐに改善するスピード感のあるスキルよりも、根本の問題を解消するスキルの方が求められます。それは現場に立つだけではなく、現場がより良い方向に行くための改善や全体のマネジメントなどが求められるからです。
大切なのはどちらのスキルも持ち、今、何が求められているのか?を理解する力だと思います。
努力・成果・評価にはタイムラグがある
(本書より) 私が新卒から3年間在籍したサイバーエージェントには、明文化されてはいないものの、社内に根づいた多くの"格言”がありました。共通言語が豊富で、価値観を共有する文化が強い会社です。そのなかでも、私が今も大切にしている言葉があります。 「努力するタイミングと、成果が出るタイミングと、評価されるタイミングはズレる」 これは、一生懸命努力しているのに成果が出ないときや、成果を上げているのに昇格・表彰されないときに、先輩がよく後輩にかけていた言葉です。
マーケティング戦略や理念設計をやっているとわかるのですが、そうすぐに成果には表れません。よくて6ヶ月、1年、2年後なんてこともあります。
自社のブログを執筆するときも同じでした。1ヶ月15記事を書いていて、始めて3ヶ月は果たして意味があるのか?と思っていましたが、そこから6ヶ月後に徐々に効果が出てきました。しかし、成果が出ても評価されるのはまた先…なんてこともあるのでそれまではとにかく忍耐、辛抱です。
逆に企業やブランドが高く評価されて、プレイヤーである自分も同じように評価されるようなことがあったとします。しかしその評価は自分の身の丈に合わないほどの大きな期待だった場合、この逆になるパターンもあります。
評価はされているけれど、成果が出せない。むしろ努力以上に評価されてしまった場合、これはこれで苦しい状態に陥ります。だからこそ、「できないことはできない」と口に出せるような人にならないと信用が落ち込んでしまうと思います。
どちらになっても誠実に、おごらず、コトにまっすぐ向き合える人でありたいと思っています。
「意図がある人」と思われるために
(本書より) 鍵は「最初の3ヶ月」です。新しい環境での第一印象は想像以上に影響が大きく、一度「考えていない人」と認定されると、その印象を覆すのは難しくなります。だからこそ、最初の3ヶ月はしつこいくらいに目的や意図を言葉にして伝えることが大切です。 たとえば、人事部での発言を見てみましょう。 bad「採用サイトのリニューアルは、B案のほうがスッキリしていて印象がいいと思います」 good「今回のリニューアルはデザインを洗練させることより、候補者にコンテンツをしっかり届けることが目的です。だから、見た目よりも回遊性を重視したA案をベースに改善していきたいです」 続いて、マーケターの発言です。 bad「まずは戦略をしっかり練りましょう」 good「今回はスピードが最優先なので、まずは小さくプロモーションを打ち、得られたデータから次の戦略を固めましょう」 いずれも、前者が「意図のない発言」、後者が「意図のない発言」です。後者のように、「何を」「なぜ」「どうする」をセットで話す習慣をつけることが重要です。
「自分の意見を持つこと」と「意図を説明すること」はセットだと思います。
自分の意見を持っていたとしても、それがなぜなのか?どんな背景があるのか?なぜ目的に沿っていると言えるのか?まで明確に言語化してはじめて「なるほど、それはいいね(もしくは違うね)」となるんだと思います。
対面でも電話でもテキストでもただ、「Aだと思います」と言う言葉で終わる人は相手を想像したコメントができていないだけでなく、会話のキャッチボールも増えるためとても効率が悪くなります。
意見は意図もセットで伝える、は全ビジネスマンに身につけてもらいたいスキルです。
最後に・書籍情報
ここまでが『複利で伸びる仕事術』-10年後に差がつく成長スキル-の感想文でした。
ここに書かれている内容はどんな会社でも、どんな職種でも役に立つすべての土台となる仕事のやり方・考え方です。
仕事で突き抜けるために必要なのは、才能ではなく技術と経験。仕事は「複利で伸びていく」。ぜひ直接手に取ってご覧ください。
HONEのサービスについて
当社では、地方企業さまを中心に、マーケティング・ブランド戦略の伴走支援を行なっています。事業成長(ブランドづくり)と組織課題(ブランド成長をドライブするための土台づくり)の双方からお手伝いをしています。

大切にしている価値観は「現場に足を運ぶこと」です。土地の空気にふれ、人の声に耳を傾けることから始めるのが、私たちのやり方です。
学びや知恵は、ためらわずに分かち合います。自分の中だけで完結させず、誰かの力になるなら、惜しまず届けたいと思っています。
誰か一人の勝ちではなく、関わるすべての人にとって少しでも良い方向に向くべく、尽力します。地域の未来にとって、本当に意味のある選択をともに考え、かたちにしていきます。
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最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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【記事を書いた人】

株式会社HONE
代表取締役 桜井貴斗
札幌生まれ、静岡育ち。 大学卒業後、大手求人メディア会社で営業ののち、同社の新規事業の立ち上げに携わる。 2021年独立。 クライアントのマーケティングやブランディングの支援、マーケターのためのコミュニティ運営に従事。








