まちが育つと、人も育つ-まちづくり=人づくりという視点
- 桜井 貴斗

- 6月4日
- 読了時間: 9分

「まちづくりは人づくり」とよく言われます。道路や建物といった“ハード”だけでなく、そこに暮らす人々の意識やつながりといった“ソフト”こそが、まちの未来を形づくるからです。しかし、地域とのつながりが希薄だと感じたり、「自分に何ができるのだろう」と立ち止まる人も多いのではないでしょうか。
“まちづくり=人づくり”という視点から、地域で人が育ち合う意味と、自分にもできる小さな一歩を見つけるヒントをご紹介します。
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目次
まちを動かすのは「人の力」
ハード整備だけでは変わらない理由
「居場所がない」と感じる声の背景
人が育つと、まちに希望が生まれる?
まずは「知る」ことから始めよう
できることから「やってみる」
関わることで「変化に気づく」
「まちづくり」とは、人との関係づくりから始まる
「まちづくり」という言葉は、場所や機会を作ればOKというわけではありません。まちの未来を築くために、そこに暮らす人々との関係構築が肝心だと思います。地域の人々が互いに支え合い、協力し合う関係があってはじめて、持続可能なまちが生まれます。
まちを動かすのは「人の力」
まちづくりにおいて、最も重要な要素の一つは「人の力」です。
どんなに優れた施設やインフラが整備されても、それを活用するのは地域の住民です。人々の意識や行動が、まちの活力を生み出し、持続可能な発展を促進します。
例えば、地域のイベントやボランティア活動への参加によって、住民同士のつながりが深まり、相互理解が進みます。このような関係性が築かれる中で、地域の課題に対する解決策が見出されやすくなり、まち全体が活性化します。
ハード整備だけでは変わらない理由
公共施設や道路などの「ハード」の充実は確かに重要ですが、それだけではまちは変わりません。施設をどう使うか、どのように人と人をつなげていくかという「ソフト」の部分がなければ、ハードは単なる箱物に終わってしまいます。
実際に、多くの地域で立派な施設が建設されても、それを活用する人や仕組みがなければ、有効活用されずに維持費だけがかかる「箱物行政の失敗」という事例が見られます。
逆に、どんなに古い施設でも、住民が積極的に利用し、意見を交わす場であれば、そこには生きたまちの姿があります。つまり、まちの変化は、ハード面の整備だけではなく、ソフト面での人々のつながりや協力によって初めて実現するのです。
本当のまちづくりには、ハードとソフトの両輪が必要です。人々が主体的に参加し、お互いの関係性を育む「場」としての機能が重要なのです。
なぜ今、「人づくり」がまちに必要なのか
現代の社会では、地域コミュニティのつながりが希薄になり、孤立感を抱える人々が増加しています。「居場所がない」と感じる声が多く聞かれる中で、まちづくりにおいて「人づくり」がますます重要な要素となっています。人々が集まり、互いに支え合う関係を築くことが、地域の活力を生む基盤だからです。
「居場所がない」と感じる声の背景

現代社会において、多くの人が「居場所がない」と感じる理由は多岐にわたります。
ソーシャルキャピタル(社会的つながり)ランキングで、日本は167か国中141位と低く、G7諸国の中でも最下位です。
【出典】孤独・孤立:岡崎市社会福祉協議会ウェブサイトより
1. 都市化によるつながりの希薄化
・都市化の進行により、地域コミュニティ内での人と人とのつながりが薄くなっている。
・かつては近所同士で助け合い、交流する機会が多く存在していたが、現在ではそのような
場が減少している。
2. 生活スタイルの多様化
・個々の生活スタイルが多様化し、他者と関わる機会が少なくなっている。
・孤独感や不安感を抱える人が増え、「居場所がほしい」と感じる声が高まっている。
3. 時間的余裕のなさ
・仕事や生活に追われる中で、地域活動に参加する時間的な余裕がなくなる人が多くなって
いる。
・忙しさによって地域とのつながりを意識することが難しくなり、「地域に居場所がな
い」と感じる人が増えている。
4. 個人主義の広がりと意識の変化
・社会全体の価値観が変化し、個人主義が強まっている。
・他者との関係を築くことの大切さを意識する人が少なくなり、地域のつながりがさらに
希薄になっている。
このような背景を理解すると、地域での「居場所」を再び育むためのヒントが発見できます。人と人とのつながりを大切にし、地域社会の一員としての役割を果たす姿勢が、居場所を感じるための第一歩となるでしょう。
人が育つと、まちに希望が生まれる?
地域の人々の成長により、まち全体に希望が生まれます。
人が育つ=個々のスキルや知識が向上・地域社会の絆が深まる
例えば、地元のイベントやボランティア活動参加により、住民同士の交流が生まれ、コミュニティの一体感が醸成されます。このようなつながりが、地域の課題に対する解決策を共に考える基盤となり、まちの未来を明るく照らす光となるのです。
ここでHONEが実際に行った事例をご紹介します。
静岡県島田市・金谷地区の石畳通りにコミュニティ石畳茶屋 縁のオープンに伴走しました。

コンセプトは「みんなの居場所」
プロジェクト実施前、この施設を取り巻く課題は3つありました。
①金谷駅前に立ち寄る場所がなく寂しい
②孤独や不登校など、地域の社会問題に向き合いたい
③金谷宿の歴史を多くの人に知ってもらいたい
JR金谷駅周辺は人口減少と高齢化が進み、かつての活気ある姿は見られなくなりました。一方で、JRや大井川鐵道、新東名高速道路とアクセスが良く、人の往来は比較的多い場所でもあります。
そこで私たちは、あらためて市場を分析し、家や職場・学校とは異なる「第3の居場所」として、主婦の方やご高齢の皆さんが気軽に集える交流の場になるよう戦略を立てました。。
クラウドファンディングで目標達成後、観光目的の方もいれば、地元の子育て世代、シニア世代、あるいは1人でも訪れやすい居場所になっています。
こんなふうに、居場所があることで新しい交流やきっかけが生まれるのだと思います。
【出典】
今日からできる、まちとの関わり方
まちづくりは大きなプロジェクトのように感じるかもしれませんが、実は、私たち一人ひとりが少しずつ関われば、簡単に始められます。
まずは「知る」ことから始めよう

自分が住んでいる地域の歴史や文化、さまざまな特性を理解すると、地域とのつながりを深める第一歩となります。
・地域の問題やニーズを知る
どのような課題があり、どのような支援が求められているのかを理解し、自分がどのよう
に貢献できるかを考える手助けになる。
・地域で行われる講座やワークショップへの参加
このような場に参加すれば、地域に関する知識を深めるきっかけとなる。
・オンラインのリソースやSNSを活用
地域のニュースや活動報告をフォローすると、最新の動向を把握し、自分の関心に合った
活動に参加するきっかけを見つけられる。
できることから「やってみる」
大きなプロジェクトへの参加は難しいと感じるかもしれませんが、小さなアクションが積み重なると、地域に大きな影響を与えられます。
活動内容 | 期待できる効果・意義 |
地域のイベントに参加 | 他の住民とのつながりを深められる |
近所の清掃活動に参加 | 環境を整えるだけでなく、地域の絆を強める機会になる |
地元の商店や農家を応援 | 地域経済を支え、持続可能なまちづくりに寄与する |
最初の一歩は小さくても、継続が大きな変化をもたらします。自分にできることから始めてみると、地域との関わりが深まり、まちづくりの一員としての実感を得られるでしょう。
関わることで「変化に気づく」
最初は小さなことかもしれませんが、地域イベントへの参加、近隣住民との交流を通じ、普段見過ごしていた地域の魅力や課題を発見できるのです。
また、新しいスキルを身につけたり、他者との協力を通じてコミュニケーション能力が向上したりするのは、個人としての成長につながります。地域課題の解決への取り組みにより
、社会に貢献しているという実感が得られ、自己肯定感が高まるでしょう。
このように、地域への関わりで私たちは多くの変化を体験します。最初は小さな一歩でも、その積み重ねが大きな変化を生むのです。
まとめ
「まちづくり=人づくり」という視点に立つと、地域の未来は私たち一人ひとりの行動に左右されます。まちの発展には、地域とのつながりを築き、互いに支え合う姿勢が不可欠です。施設やインフラの整備だけではなく、人と人とのつながりや意識の変化が、持続可能な地域社会を生み出します。
地域のイベントに参加したり、近所の人に挨拶したりする行動が、自分とまちとの関係を深める第一歩となり、まちが育つにつれ、自分自身も成長し、明るい未来が見えてくるでしょう。人と人がつながり、共に歩む姿勢が、これからの社会で大切にされていきます。
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最後までお読みいただき、ありがとうございました。
【記事を書いた人】

株式会社HONE
代表取締役 桜井貴斗
札幌生まれ、静岡育ち。 大学卒業後、大手求人メディア会社で営業ののち、同社の新規事業の立ち上げに携わる。 2021年独立。 クライアントのマーケティングやブランディングの支援、マーケターのためのコミュニティ運営に従事。
※本記事は一部AIを活用して執筆しています。









