top of page

【レポート】島田から、付加価値を生み出し新たな産業をつくる。〜おびサポPLUS プレイベント〜

  • 12 時間前
  • 読了時間: 9分
【レポート】島田から、付加価値を生み出し新たな産業をつくる。~おびサポPLUS プレイベント~

2026年6月30日、島田市の新たな産業支援拠点「おびサポPLUS」のリニューアルオープンに先立ち、プレイベントが大井神社 宮美殿 よろこび大ホールで開催されました。

※撮影:チームCOBACCO


当初の想定を大きく上回る来場者が集まり、静岡県内はもちろん県外からの参加者も訪れるなど、地域産業への関心の高さが感じられる一日となりました。


株式会社HONEも協力企業として参画し、代表の桜井貴斗が「スタートアップ&市内企業セッション」のモデレーターを担当しました。


本イベントでは、行政が描く産業支援の未来と、地域企業が生み出す新たな付加価値について議論が交わされました。2つのパネルセッションを振り返りながら、地域で新たな価値を生み出すヒントをお届けします。



株式会社HONEでは過去のセミナー資料、お役立ち資料、会社紹介資料がダウンロードできます。


セミナー資料


おびサポPLUSとは


おびサポPLUSは、島田市産業支援センター「おびサポ」がリニューアルし、2026年7月に新たな名称でスタートした産業支援拠点です。

リニューアル後は、従来の経営相談に加え、スタートアップとの連携やオープンイノベーションを推進。市職員やコーディネーターが、企業へ足を運ぶ伴走支援やマッチングを通じて、市内企業の課題解決や新たな付加価値の創出を目指しています。

また、企業の経営相談や伴走支援だけでなく、コワーキングスペースとしても利用できます。創業を考えている方や、新しい挑戦のヒントを探している方、地域でつながりをつくりたい方など、どなたでも気軽に立ち寄れる場所になっています。


 〒427-0029

静岡県島田市日之出町4-1(島田商工会議所会館1階) 

開館時間:月~金(祝日を除く)9:00~18:00

利用料:無料




おびサポPLUSを産業発展拠点へ


染谷絹代島田市長
染谷絹代 島田市長

冒頭では、島田市長の染谷絹代さんが、おびサポのこれまでの歩みを紹介しました。おびサポは2016年に市・商工会議所・商工会・信用金庫の4者連携でスタートし、この10年間で約1,000件のビジネス相談に対応してきました。


一方で、人口減少や人手不足、急速な市場環境の変化が進む中、「相談を待つだけでは地域企業の課題解決に十分対応できない」という課題も見えてきました。


染谷市長は、企業が抱える課題を早期に把握し、スタートアップなどの技術や知見とつなぐことで、新たな付加価値の創出やDXを後押しし、「おびサポPLUSを島田市の産業発展を支える拠点へと育てていく」決意が語られたご挨拶となりました。



「待つ支援」から「攻めの支援」へ


左から 篠原さん 染谷市長 鈴木県知事
左から 篠原さん 染谷市長 鈴木県知事

続くセッションでは、静岡ベンチャースタートアップ協会理事の篠原豊さんがモデレーターを務め、静岡県知事の鈴木康友さんと染谷市長が、島田市の産業振興について語り合いました。


染谷市長は、人口減少による労働力不足や、市内企業の99%を占める中小企業の、「稼ぐ力」の向上を大きな課題として挙げました。


地域経済循環率(地域で稼いだお金が地域内でどれだけ回っているかを示す指標)は、2018年の87%から2022年には77.3%まで低下。昼夜間人口比率(昼間に市内で働いたり活動したりする人の割合を示す指標)も88.5%にとどまるなど、市外へ働きに出る人や消費が流出しやすい構造もあります。


セッションの様子
セッションの様子

一方で、市内には食品、医薬品、お茶、自動車部品など、高い技術力を持つ企業が数多くあります。しかし後継者不足により、黒字のまま廃業する企業も少なくありません。


染谷市長は「若者が地元で挑戦したいと思える仕事があるかどうかが重要」と語ります。

地域企業の魅力を次世代へ伝えていく必要性をお話しされました。


鈴木県知事
鈴木県知事

鈴木県知事は、浜松市長時代から取り組んできたスタートアップ支援の経験を紹介し、「地方には都会にはない課題があるからこそ、イノベーションが生まれる」とお話を展開。また、地方ならではの密なコミュニティは弱みではなく強みであり、一人の挑戦者が現れることで、地域全体の空気が変わっていくとの期待も語られました。


セッションを通して浮かび上がったのは「地域に新しい付加価値をどう生み出していくか」という課題です。


人口減少や人手不足が進む中でも、地域には長年培われてきた産業や技術があります。それらを生かしながら新たな価値を創出し、地域経済を活性化していくこと。それが、おびサポPLUSが目指す「攻めの産業支援」の方向性でした。


その方向性を、実際の事業として形にしている実践者たちが登壇したのが、後半のセッションです。



地域資源を「編集」して新しい価値を生む


左から 弊社代表の桜井 青木さん 小松さん 田中さん
左から 弊社代表の桜井 青木さん 小松さん 田中さん

後半のセッションでは、弊社代表の桜井貴斗がモデレーターを務め、島田市の地域資源である「お茶」を切り口に、新たな事業に挑戦する3名が登壇しました。


3名に共通していたのは、新しい資源を生み出したのではなく、地域に昔からある資源を、違う価値として捉え直していたことです。


茶畑を「環境価値を生む資産」へ。 お茶を「ラグジュアリーな体験」へ。 練り切りを「人と人をつなぐコミュニケーション体験」へ。

資源そのものを変えるのではなく、「どのような価値があるのか」「誰に届けるのか」を見直すことで、新たな市場を切り拓いていました。



茶畑を「環境価値」へ


青木さん
青木さん(Blue Farm株式会社 代表取締役)

青木大輔さん(Blue Farm株式会社 代表取締役)

静岡の茶農家出身。

上場企業でファイナンス領域に従事した経験を活かし、茶畑が持つCO₂削減や生物多様性といった環境価値を可視化する「ChaaS(茶畑 as a Service)」を展開。茶畑をお茶を生産する場所としてだけでなく、環境価値を生み出す資産として捉え直し、企業のESGやカーボンクレジットの需要と結び付けています。



お茶を「ラグジュアリー体験」へ


小松さん
小松さん(株式会社カネス製茶 取締役・4代目アトツギ

小松元気さん(株式会社カネス製茶 取締役・4代目アトツギ)

2022年、家業である創業60年以上の製茶業を継ぎ、高級ボトリングティー「IBUKI bottled tea」を立ち上げ。単価2万円という価格帯で、お茶を日常の飲み物ではなく、味わいを楽しむ嗜好品として再定義し、国内外のラグジュアリー市場へ展開しています。



練り切りを「コミュニケーション体験」へ


田中さん
田中さん(ANd muni株式会社 代表取締役)

田中知聡さん(ANd muni株式会社 代表取締役)


看護師やアメリカでの生活を経て2014年に事業を開始し、2025年に法人化。

「Kawaii練りきり」を考案し、和菓子づくりの体験プログラムや材料キットの開発、観光・教育分野での人材育成などを通じて、国内外へ日本文化を発信しています。和菓子をコミュニケーションツールとして捉え、新たな体験価値を創出しています。


地域資源

従来の価値

新たな価値

届ける相手

茶畑

お茶を生産する場所

環境価値

ESGに取り組む企業

お茶

日常の飲み物

ラグジュアリー体験

ホテル・レストラン・海外市場

練り切り

食べる和菓子

コミュニケーション体験

観光・教育・海外



新しい価値を育てるのは、人とコミュニティ


3名の挑戦には、もう一つ共通点がありました。

それは、新しい価値は一人では社会に広がらないということです。


青木さんは、静岡から東京や海外の資本市場へアクセスする難しさに触れながらも、近年は県内のスタートアップコミュニティが成長し、挑戦を後押しする仲間や支援者が増えていると語りました。


「地方だからできない」のではなく、地方だからこそ新たな価値を生み出せる環境が整いつつあることへの期待のように感じられました。


小松さんは、高級ボトリングティーという新しい価値を伝えるため、お茶業界だけではなく、味や香り、体験価値を伝えることに長けたバーテンダーのコミュニティへ飛び込みました。価値を理解してくれる人との出会いが、ブランドを育てる大きな力になったと振り返ります。


田中さんは、伝統的な練り切りとは異なる表現に対して、当初は懐疑的な声もあったといいます。それでも、言葉で説明するだけではなく、実際に体験してもらい、「楽しい」「またやりたい」という一人ひとりの反応を積み重ねることで、新たな価値への共感を広げてきました。


最後には、「専門家への相談だけではなく、同じように挑戦する仲間と出会える場が重要」と3人の共通でお話しされました。


資金やノウハウだけではなく、価値を信じてくれる仲間や挑戦者同士のコミュニティがあること。それこそが、新たな付加価値を生み出し、育てていく土台になることが印象的なセッションでした。



誰に、どのような価値として届けるのか。


全体写真
全体写真

今回のイベントを通して印象的だったのは、地域の付加価値は「新しいものをつくること」だけでは生まれないということです。


地域には、お茶や和菓子、ものづくりなど、長年受け継がれてきた資源が数多くあります。それらを「誰に、どのような価値として届けるのか」という視点で見つめ直すことで、新しい市場や新しい顧客との接点が生まれていました。


また、染谷市長が宣言した、「待ちの支援から攻めの支援へ」という考え方も印象に残りました。企業の現場へ足を運び、強みや課題をともに見つけながら伴走する姿勢は、HONEが大切にしている「至誠」の姿勢とも重なります。


地域には、まだ十分に伝わっていない価値が眠っています。その価値を見つけ、編集し、必要とする人へ届けることが、これからの地域づくりには欠かせません。


おびサポPLUSが企業や挑戦者の交差点となり、島田から新たな挑戦が次々と生まれていくことを期待するとともに、HONEも協力企業の一員として、地域企業の価値づくりに伴走していきます。



地方マーケティングに強い、HONEのサービスについて


HONEでは、地方企業さまを中心に、マーケティング・ブランド戦略の伴走支援を行なっています。事業成長(ブランドづくり)と組織課題(ブランド成長をドライブするための土台づくり)の双方からお手伝いをしています。


HONEの流儀

大切にしている価値観は「現場に足を運ぶこと」です。土地の空気にふれ、人の声に耳を傾けることから始めるのが、私たちのやり方です。


学びや知恵は、ためらわずに分かち合います。自分の中だけで完結させず、誰かの力になるなら、惜しまず届けたいと思っています。


誰か一人の勝ちではなく、関わるすべての人にとって少しでも良い方向に向くべく、尽力します。地域の未来にとって、本当に意味のある選択をともに考え、かたちにしていきます。



\ご相談はこちらから/


HONEサービス一覧
voicyはじめました。
youtube はじめました


その他、気軽にマーケティングの相談をしたい方のための「5万伴走プラン」もスタートしました。詳細はバナー先の記事をお読みください!


最後までお読みいただき、ありがとうございました。


5万併走

\ご相談はこちらから/

【記事を書いた人】


インターン / マーケター見習い 森勇人

株式会社HONE

インターン / マーケター見習い 森勇人


静岡生まれ、静岡育ち。 大学3年次、1年の休学をして全国36都府県を巡る。山形県西川町では3ヶ月の地域おこし協力隊インターンを経験。 復学後、ご縁があり株式会社HONEにてインターン/マーケター見習いとして奮闘中。


bottom of page