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売れる商品をつくるマーケティング実践プログラム -第1回 MVV策定編-

  • 執筆者の写真: 森勇人
    森勇人
  • 10月14日
  • 読了時間: 8分

更新日:10月24日

売れる商品をつくるマーケティング実践プログラム 第1回 MVV策定編

2025年10月9日、静岡市のコ・クリエーションスペースにて、「売れる商品をつくるマーケティング実践プログラム」がスタートしました。


主催は株式会社HONEであり、代表の桜井貴斗が伴走支援者として、3ヶ月にわたり全6回の実践講座を行います。静岡県内で自社ブランドやサービスを持つ事業者を対象に、理念を再構築し、マーケティング戦略を刷新していくことを目的としています。


初回のテーマは、「キックオフ&MVV(ミッション・ビジョン・バリュー)策定」。自社の存在意義を改めて言語化し、全体の方向性を定める回となりました。


ぜひ最後までご覧ください。




株式会社HONEでは過去のセミナー資料、お役立ち資料、会社紹介資料がダウンロードできます。


ダウンロード資料




マーケティングとは?



「マーケティングとは、人間を理解することです。」


 講義冒頭、桜井のこの一言で会場の空気が変わりました。数字や手法を扱う講座ではなく、人や文化の構造から捉え直すことになります。


マーケティングは、単なる「売るための仕組み」ではなく、「思想から実践までを貫く設計」です。桜井は、それを「OS・アプリ・拡張」という構造で説明します。


  • OSは土台。社会や顧客、文化をどう理解するかという思想。

  • アプリは手法。広告、PR、SNS、ブランディングといった実践の領域。

  • 拡張は応用。地域、教育、テクノロジーなど異分野との掛け合わせ。


OSが弱ければ、アプリはいずれ壊れます。拡張だけでは、根が伸びません。

 

マーケティングを、複合的な学問として捉えることで、戦略・組織・文化のすべてが一本の線で結ばれていく。今回のプログラムは、その思考を現場に実装するための訓練でもあります。



蝶矢に学ぶ商品の購入サイクル


商品購入サイクル

今回のテーマであるMVV策定に入る前に、「商品はどのようにして購入につながるのか」を事例と共に学びました。


かつて家庭で親しまれていた梅酒づくりは、若い世代を中心に急速に姿を消しています。梅の消費量も年々減少し、20代では60代の半分以下ともいわれます。


こうした状況の中で、「梅体験専門店 蝶矢」はオリジナルの梅酒をつくれるキットのサービスを始めました。梅や砂糖、リキュールを自由に組み合わせ、自分だけの梅酒を仕上げる体験ができます。おしゃれな見た目であることから、ちょっとしたインテリアや、送りものとしても重宝しています。


桜井はこの事例を、「知る→買う→好きになる」という、購買サイクルの理想形とし、家庭内で楽しむ飲み物から、「誰かに贈る体験」へと価値を転換させたと話します。



絞らずに広げる


マーケティングとはどんなスキル?

さらに、従来のマーケティングでは、「ターゲットを明確に絞る」ことが効果的とされてきました。しかし桜井は、現代ではその考え方がリスクになり得るとも言います。


特に今の時代では、ライフステージや、関心が移り変わりやすく、接点や選択肢が増えたからこそ、既存顧客に固執するよりも、新しい接点を増やし、ライトユーザーを継続的に獲得することが重要なためです。


ブランドの成長は、ロイヤルティよりも「浸透率の拡大」に比例します。多様な層に開かれた設計を行うことで、思わぬ層に価値が届き、結果的に支持が広がります。ターゲットを狭めず、接点を複合的に設計することこそが、変化の激しい市場で生き残るための戦略のようです。


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MVVで企業の“物語”を描く


MVV

MVVとは、「ミッション(Mission)」「ビジョン(Vision)」「バリュー(Value)」の頭文字をとった略語で、企業の存在意義、目指す未来像、そして、行動指針を明確に言語化したものです。


よくある説明ですが、私自身これを読んでも理解できませんでした。そんな中、桜井は「MVVは時間軸で考えると腹落ちします」と話し、多くの共感を呼びました。


  • ミッション = 創業:なぜこの事業を始めたのか。何のために存在するのか。

  • バリュー  = 現在:今、どう行動するべきか。どんな判断軸を持つか。

  • ビジョン  = 未来:5年後、10年後にどんな景色を見たいか。


この3つを貫く物語が、組織の一貫性を生みます。ミッションが“理念”であり、ビジョンが“夢”、そしてバリューは“日々の行動”です。


多くの参加者が、創業の原点を思い出し、紙に自分の言葉を書き出していく姿が印象的でした。理念を“作る”のではなく、“掘り起こす”時間。組織の内側に眠る価値をすくい上げていきます。



 Value:理想の行動を言葉にする


理想の行動を言葉に

桜井は、バリュー(Value)を「理想的な行動を、誰もが理解できる言葉に整えること」だとし、絞り込み方を教えてくれました。


  1. 自社で現在できていること、今後も残していきたい行動の書き出し。

  2. 現時点で足りないことや、変えていきたい行動を整理。

  3. これらを踏まえて「理想的な行動」としてまとめる。

  4. そのうえで、それを短く、シンプルな言葉に置き換えていくこと。


こうして絞り込んでいくことで、組織全体で共有できる明確なバリューが生まれます。 たとえば「人脈に頼ってしまう」という課題を「データを活用する」へ、「スピードが遅い」という課題を「スタートアップのようなスピード感を持つ」へと変換するなど、行動をポジティブに再定義することが重要です。


バリューはきれいな言葉で飾るものではなく、実際の行動から導くもの。誰が読んでも同じ意味に解釈でき、日常の判断軸となるように設計することが求められます。



 Vision:未来を明確に描く


未来を描く

桜井は、ビジョンを「未来における自社の理想的な姿を、誰にでも伝わる形で描くこと」だと言います。ビジョンは組織に方向性を与える羅針盤であり、抽象的すぎると共感や行動が生まれにくくなります。


例えば、EXILE系のグループが初期に掲げていた「自己向上を図り、日本に夢を与える」というビジョンは、美しい理念である一方で、何を実現するのかが曖昧でした。


そこで彼らは「ダンスをスポーツにして、子どもが憧れる競技にする」という具体的な言葉に変換し、最終的に「ダンスをオリンピック競技に」という明確な目標へと結実させました。

 このように、ビジョンは理想を描くだけでなく、「誰が聞いても理解でき、行動に結びつく言葉で表現すること」が大切です。抽象的な夢ではなく、実現可能で社会に影響を与える未来像を描くことで、組織の一体感が生まれ、行動の指針として機能するのです。



MVV・コンセプト・パーパスの関係性


MVV・コンセプト・パーパスの関係性

最後に、質疑の中で印象的だったのは、「MVVとコンセプト、パーパスはどう違うのですか?」といった質問です。


  • バリューは組織の約束

  • コンセプトは顧客との約束

  • パーパスは社会との約束


桜井はこう答えます。この構造を意識することで、企業は“内と外の一貫性”を持つことができます。組織内での価値観と、社会へのメッセージがつながったとき、ブランドは単なる商品から“文化”へと変わるのです。



マーケティングは人間理解


マーケティングは人間理解

初回のセッションを終えて、参加者それぞれの顔には充実した表情が浮かんでいました。理念を見直すという抽象的な作業が、次のアクションに直結する“実践の手触り”を持っていたからです。


マーケティングは、情報を操作する技術ではなく、人間の感情を理解する営みです。どんな施策も、誰かの小さな「うれしい」や「助かった」の積み重ねの上に成り立っています。顧客、社員、地域、社会。そのすべての関係をどう編み直すかが、これからのマーケティングの核心です。


私は今回のプログラムを通じて、MVVの意味を深く理解することができました。また、自身の人生に当てはめ、「存在意義」「取るべき行動」「未来像」を描いてみます。時間軸で考え、私が取るべき行動は何かを明確にしていこうと思います。



HONEのサービスについて


当社では、地方企業さまを中心に、マーケティング・ブランド戦略の伴走支援を行なっています。事業成長(ブランドづくり)と組織課題(ブランド成長をドライブするための土台づくり)の双方からお手伝いをしています。


大切にしている価値観は「現場に足を運ぶこと」です。土地の空気にふれ、人の声に耳を傾けることから始めるのが、私たちのやり方です。


学びや知恵は、ためらわずに分かち合います。自分の中だけで完結させず、誰かの力になるなら、惜しまず届けたいと思っています。


誰か一人の勝ちではなく、関わるすべての人にとって少しでも良い方向に向くべく、尽力します。


地域の未来にとって、本当に意味のある選択をともに考え、かたちにしていきます。


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最後までお読みいただき、ありがとうございました。


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森勇人

株式会社HONE

インターン/マーケター見習い 森勇人


静岡生まれ、静岡育ち。 大学3年次、1年の休学をして全国36都府県を巡る。山形県西川町では3ヶ月の地域おこし協力隊インターンを経験。 復学後、ご縁があり株式会社HONEにてインターン/マーケター見習いとして奮闘中。

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