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【レポート】地域でのチームのつくり方 - 超実践チームビルディング。ローカルプレイヤーズ第3期

  • 執筆者の写真: 梨沙子 亀元
    梨沙子 亀元
  • 3 日前
  • 読了時間: 9分
【レポート】地域でのチームのつくり方 - 超実践チームビルディング。ローカルプレイヤーズ第3期

株式会社かたわら 代表取締役の佐藤彰悟さんを講師に迎え、第3期ローカルプレイヤーズのオンライン講義が開催されました。


テーマは「地域でのチームのつくり方-超実践チームビルディング」。


地域で活動していると、会議がまとまらない、意見がぶつかる、メンバーの一体感が生まれない、そんな前に進めない感覚に、多くの人が直面します。

華やかなリーダーシップだけでなく、縁の下で機能するつなぎ役の重要性に、受講生からも深い共感が集まりました。


今回は、特に印象的だった内容を抜粋しレポートとしてまとめます。


ローカルプレイヤーズHP:https://localplayers.jp/


【講師情報】


佐藤彰悟さん

株式会社かたわら 代表取締役

佐藤彰悟さん 

ローカルプレイヤーズ・センパイプレイヤー






株式会社HONEでは過去のセミナー資料、お役立ち資料、会社紹介資料がダウンロードできます。


セミナー資料


チームワークとチームビルディングは違う


チームワークとチームビルティング
かたわら佐藤さん資料より抜粋

よく混同されがちですが、「チームワーク」と「チームビルディング」は異なります。

チームワークは、「いま・ここで・目の前の目標に向かって協力する」力。

チームビルディングは、「中長期的に、変化に対応できる土台や関係性を育てる」取り組みです。


地域や組織の現場では、プロジェクト単位の連携(チームワーク)だけでなく、継続的に新しい人や役割が加わっても力を発揮し続ける基盤づくり(チームビルディング)が重要になっています。



「番頭的ナンバー2」が現場を支える


番頭とは?

日本の組織・現場では、「番頭」という役割が長く重要視されてきました。

その系譜は江戸時代の商家から、現代企業、そしていまの地域社会にも引き継がれています。



番頭の歴史的役割


商家の番頭(江戸~明治)

店主(だんな)の右腕として運営全般を担い、現場知と経営判断をつなぐ縁結び役。

 「帳場」「仕入」「採用・教育」「与信管理」など実務も総括。


企業のNo.2(近代~現代)

経営者と現場をつなぐ架け橋となり、組織運営を機能させる。

方針の翻訳・伝達・現場への落とし込み、部門横断の調整役として多様な価値観を束ねる。


地域の番頭(現代)

行政・民間・住民・移住者など多様な利害調整を行う。

複数の立場や文脈を翻訳し、合意形成の促進、制度や慣習の壁を越える「関係の橋渡し役」。


番頭の本質

番頭とは、現場のリアリティを踏まえて方針を翻訳し、日々の運営を安定させる「経営と現場の橋」。

時代が変わっても、その役割は本質的に変わりません。


行政、民間、住民、NPO、移住者、関係人口など、多様な主体が入り混じる地域の現場では、「多方面の思惑」を汲みつつ結び、合意や意志決定の質を高めることです。

トップのリーダーシップだけでなく、「番頭的ナンバー2」のような現場と方針をつなぐ役割があってこそ、チームやプロジェクトが安定して進化していけるのです。



番頭にはタイプがある!自分の「強み」を知ろう


番頭タイプ
かたわら佐藤さん資料より抜粋

番頭的ナンバー2を「5つのタイプ」に分類して紹介されました。


  • A オペ型番頭(会計・契約・タスク管理の達人。仕組みづくり型)

  • B 翻訳型番頭(トップと現場、抽象と具体を行き来。調整と伝達が得意)

  • C ハブ型番頭(ステークホルダーの調整・巻き込み役。ネットワーカー)

  • D 火消し型番頭(対立や停滞への初動対応。冷静なロジシャン)

  • E 旗振り・物語型番頭(意思決定や背景をストーリー化・発信する役割)


これらは「どれが良い」ではなく、場面ごと・プロジェクトごとに使い分け、補い合うことが大切で自分の得意や強みの把握の大切さも語られました。


同じ状況に直面しても、受け取る人の「解釈」によって、その後の感情や行動は大きく異なります。


解釈について

「地元住民に協力隊業務の進め方について指摘された」という状況の場合、

  • Aさんの解釈:「地元民なら協力隊を信用するべきでしょ」  → 感情:怒り  → 行動:不満の表情や態度を表に出してしまう

  • Bさんの解釈:「私の成長のために指摘して下さっている」  → 感情:感謝  → 行動:指摘を活かして進め方を改善し、成果につなげる

  • Cさんの解釈:「ああ…もうこの地域でやっていけない」  → 感情:不安・絶望  → 行動:協力隊活動ができなくなってしまう

このように、「出来事そのもの」よりも、その出来事をどう解釈するかが、個人の感情や行動に直結しています。

大事なのは、当事者の行動だけを注意するのではなく、 上流にある『解釈』を確認し、ズレがあれば正すことです。現場を安定して動かすためには、「解釈の揃え方」にこそ本質があると語られました。



地域版・番頭に必要な3層の力


地域版・番頭に必要な3層の力
かたわら佐藤さん資料より抜粋

理想的な「No.2」や番頭的役割には、3つの層からなる総合的な力が求められます。


スタンス(自分ごと化の幅)

ピラミッドの土台にあたる部分です。「自分の役割」や「自部署の仕事」だけでなく、組織全体やプロジェクト全体、さらには地域全体までを自分ごととしてとらえられるかどうか。この「当事者意識の広さ」が、すべての出発点になります。

特に地域の現場では、行政・民間・住民・移住者など多様な立場が交わるため、

  • 越境力(セクターや立場をまたぐ感覚)

  • 複数ロールの時間配分(本業・副業・家庭・地域活動などの両立)

  • ローカルな慣習・文化への理解 といったスタンス面が重視されます。



コアスキル(協働を主導する基礎能力)

土台の上に築かれる実践力です。

  • 対自分力(セルフコントロール・自己管理)

  • 対人力(コミュニケーション・合意形成・調整力)

  • 課題分解やプロセス設計(複雑な問題を分かりやすくし、段取りを考える力)

といった協働の基礎となるスキルセットが欠かせません。



心の知能指数(EQ)+一定のIQ

「頭の良さ」(IQ)も必要ですが、それ以上に大事なのがEQ(心の知能指数=感情知性)。 相手の気持ちや場の空気を読み取り、自分の感情を出さず、さまざまな立場の間をうまく調整したり、望ましい決定に導く情緒的なバランス感覚が必要です。

論理だけではなく、メンタルが安定して他者の調整や交渉ができる人こそ、これからのNo.2に必要とされる素養で、自分ごとの範囲の広さも必要です。



【実践ポイント】地域チームビルディング7つのコツ


【実践ポイント】地域チームビルディング7つのコツ
かたわら佐藤さん資料より抜粋

  1. 関係性と影響力をハックする 表面的な肩書きや役職だけでなく、裏の力学や誰が本当のキーパーソンかを見極める。場の空気やネットワーク構造を理解して動くことが、円滑な協働の起点になります。

  2. いつもニコニコごきげんでいる 明るい表情や前向きな雰囲気は、チームに安心感や信頼感を生みます。自分の機嫌を自分で取ることも、欠かせない力です。

  3. 誰でもわかる言葉×例え話で伝える 専門用語や抽象的な表現を避け、相手に合わせた言葉選びと「たとえ話」で伝える工夫を。翻訳・通訳の意識を持つことで、誤解やすれ違いを防げます。

  4. 話し合いはまず「意味と目的」を定義する 何のために話し合うのか、ゴールは何かを最初に明確に共有する。これだけで議論が迷子になるのを防げます。

  5. 約束を守る姿勢を見せ、守らせる まずは自分が約束や決め事を率先して守る。すると、自然と周りもそれに従う流れが生まれます。

  6. 揉め事が起きても対話を諦めず、上流へと遡る 衝突や意見のズレがあっても、「どこですれ違ったのか」「上流にどんな解釈の違いがあったのか」を振り返り、あきらめずに対話を重ねる姿勢が大事です。

  7. 新たな挑戦は小さく試し、成功体験を重ねる いきなり大きな変化を求めず、まずは小さく試すことから。失敗を恐れず小さな成功体験を積み重ねていくことで、チームの自信と実行力が高まります。



まとめ 「影響力の把握」×「解釈の整え」


「影響力の把握」×「解釈の整え」
かたわら佐藤さん資料より抜粋

地域や組織のチームづくりにおいて、鍵となるのは地域でのチーム創りは「影響力の把握」×「解釈の整え」次第というメッセージ。


表面的な役割や肩書だけでなく、誰が本当のキーパーソンなのかを見極める「影響力の把握」と、それぞれの立場や出来事をどう受け止めているかをすり合わせる「解釈の整え」。

この2つが揃うことで、現場に安心感と推進力が生まれ、持続的な協働が実現するのだと思います。

「あの人に言えばなんとかなる」と信頼されることが、こうした土台を支えているのです。

支える個性、社会を担う一員としてどんな時でも持っておきたい視点です。



本レポートは抜粋になります。

「No.2」についてさらに詳しく学びたい方は、ぜひ下記の書籍もご一読ください。


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(Amazonより抜粋)



ローカルプレイヤーズについて


ローカルプレイヤーズ

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ローカルプレイヤーズは、そんな人のための“実験場”です。


地域づくりに関心を持つ人が、現場に入り、試し、学び、地域に持ち帰って活躍できることを目的としています。

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