【研修】データを読み、街を歩き、事業を考える。用宗を舞台にしたスタートアップ人材向けマーケティング合宿【静岡市役所】
クライアント
静岡市役所
地域
静岡県静岡市
プラ ン
研修プラン

静岡から、スタートアップを支える専門人材を育てる
Shizuoka Startup Talent Academy(SSTA)は、静岡市内の学生や若手社会人などを対象に、スタートアップ企業で求められる専門人材を育成するプログラムです。
スタートアップの成長には、事業を立ち上げる起業家だけでなく、エンジニア、デザイナー、PR・広報、マーケティングなど、それぞれの専門性で事業を支える人材が必要です。SSTAでは、専門領域の知識を学ぶだけでなく、実際の課題へ応用し、自分の経験として説明できるところまでを重視しています。
地域でスタートアップを育てる際には、都市部の成功事例をそのまま当てはめることはできません。顧客数、産業構造、人材、交通、観光動線、地域内の関係性など、事業を取り巻く条件が異なるためです。地域の現状を正しく捉え、限られた資源を組み合わせながら、実現可能な提案へ落とし込む力が求められます。
HONEでは、SSTAのマーケティング実践講座として、静岡市用宗を舞台にした合宿型プログラムを企画・実施しました。会場は、港町にある 古民家を再生した「ミクソロジーハウスふじや」です。講義室の中だけでは分からない地域の実情を、データと現場の両方から考える構成にしました。
合宿形式にしたのは、短い講義の中で知識を得るだけでなく、参加者同士が同じ地域を歩き、見たものや感じたことを持ち寄る時間を確保するためです。専門や経験が異なれば、注目する場所も、魅力だと思う理由も変わります。その違いを議論の材料にし、個人の発想をチームとしての提案へ組み立てていきました。
学んだ知識を、実在する地域課題へ実装する
マーケティング研修では、市場分析、顧客理解、競合 との違い、ブランドの価値、施策の考え方などを学べます。しかし、フレームワークを覚えただけでは、実際の事業課題を解けるようにはなりません。
今回の講座で置いた問いは、「どうすれば用宗に外国人観光客を呼べるのか?」でした。
用宗には、海、港町の景観、食、醸造文化、地域で事業に挑む人たちなど、多様な魅力があります。一方で、魅力を並べるだけでは、旅行者がわざわざ訪れ、滞在する理由にはなりません。誰に来てほしいのか、どのような時間を過ごしてほしいのか、周辺の観光地と何が違うのか、移動や宿泊の制約をどう越えるのかまで考える必要があります。
参加者にとっても、正解が用意された演習ではありません。公開情報を調べ、現地で感じたことを確かめ、チーム内で意見の違い を調整しながら、限られた時間で提案をまとめることが求められました。
データ、フィールドワーク、提案を一つの流れに
プログラムの前半では、マーケティングの基礎と、地方で事業を考える際の視点を共有しました。静岡県・静岡市の観光や宿泊をめぐるデータを読み、平均宿泊日数、客室数、稼働などの論点から、なぜ静岡市に滞在を生む必要があるのかを整理しました。
次に、用宗・石部エリアを実際に歩きました。民泊から海までの距離、空き家の様子、港や店舗の位置、歩いたときの気分、地域で過ごす時間の流れなどを自分たちの感覚で捉えます。統計 上の課題と、現場で見つけた魅力や不便を照らし合わせ、企画の材料を集めました。
フィールドワーク後はチームに分かれ、外国人観光客を呼ぶためのアイデアを検討しました。Web上のエビデンスを調べ、付箋を使って発想を広げ、対象者、提供価値、体験、情報発信、実現方法を整理します。思いついた施策を並べるのではなく、誰のどの課題を解くのか、その施策によって用宗での滞在がどう変わるのかを議論しました。
最後は提案をスライドにまとめ、チームごとに発表。HONEから、マーケティング上の整合性、地域資源とのつながり、実現可能性、追加で検証すべき点をフィードバックしました。
フィードバックでは、アイデアの面白さだけでなく、前提となる顧客像に根拠があるか、用宗で行う必然性がある か、地域の事業者や住民とどのように協働するかを確認しました。すぐに実行できることと、追加の調査や調整が必要なことを分けることで、企画を発表のための案から、事業として検討できる仮説へ近づけました。
地方で事業を考えるための、手触りのある学び
今回の合宿は、知識を一方的に伝える研修ではありません。データを読み、街を歩き、対話し、提案し、フィードバックを受けるところまでを一つの学習体験として設計しました。
地域の課題は、検索だけでも、現場の印象だけでも捉えられません。数字と言葉、分析と体験を往復しながら、事業として成 立する形を考える必要があります。参加者がマーケティングの考え方を自分の専門領域や今後の挑戦へ持ち帰れるよう、用宗という実在する地域を教材にした実践講座を実施しました。
地域そのものを教材にすることで、提案の先には必ず、そこで暮らし、商いをする人がいることも見えてきます。顧客に選ばれる理由と、地域に受け入れられる進め方の両方を考えること。それが、静岡でスタートアップや新規事業を支える人材に必要な実践知だと考えています。
実施内容
地方マーケティング・ブランドづくりの基礎講義
静岡県・静岡市の観光・宿泊課題のブリーフィング
用宗・石部エリアのフィールドワーク
地域資源、空き家、移動・滞在環境の観察
チームでの情報収集・アイデア検討
外国人観光客を呼ぶ施策の企画・プレゼンテーション
各提案へのフィードバックと追加論点の整理
クライアント情報
静岡市/Shizuoka Startup Talent Academy(SSTA)
HONE内の関連リンク
スタートアップのためのマーケティング実践講座in用宗 開催レポート




