地域の本質的な問題と向き合い、豊かに暮らすために学び合う集合研修in壱岐【長崎県地域おこし協力隊向け研修】
公開日:
2025年9月25日
最終更新日:
2025年11月8日
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9/18〜9/19に長崎県壱岐市にて、一般社団法人長崎県地域おこし協力隊ネットワーク(NCN)さまが開催する長崎県地域おこし協力隊向け研修「ローカルライフデザインラボ」に研修講師として参加してきました。
長崎県地域おこし協力隊向け研修「ローカルライフデザインラボ」とは?
一般社団法人長崎県地域おこし協力隊ネットワーク(NCN)では、担当職員向け・協力隊向け研修全体を「ローカルライフデザインラボ」と銘打ち、「地域の本質的な問題と向き合い、そこから見える可能性を磨き上げて届ける仕組みを考えるとともに、地域に関わる自分自身が豊かに暮らすために必要なことを、試行錯誤しながら学び合う」という目的を持って実施しています。
協力隊向け研修では、行政との関わり方、協力隊としての心構え、地域での暮らし方、任期後の仕事など、協力隊として活動する上で役立つ内容を学んでいくのですが、ただ聞いて終わるだけの研修にはせず、参加する協力隊たちの成果が表れる形を模索し、各々の円滑な活動や暮らしにつなげていきます。
今回の研修テーマは「自分のキャリアを設計する」
今回のテーマは「自分のキャリアを設計する」。
長崎県に在籍する1年目〜3年目までの地域おこし協力隊同士の交流を促し、自分の現在地や強みを知り、将来の働き方・暮らし方など、自分のキャリアを整理することを目指します。
今回参加した地域おこし協力隊の皆さんは30名超。長崎県に在籍する多くの協力隊は退任後も地域に残ることが多いと言います。その上で欠かせないのが退任後のキャリア、です。
研修テーマのゴールとして「自分」の土台と柱を確認する、と題し、
なぜこの地域に移住した?(土台)
私の武器(柱①:スキル・経験・強みを整理)・私のコンパス(柱②:興味・関心・価値観を整理)
3年後の理想の姿(屋根:目指すゴール)
をワークしていきました。
地域おこし協力隊ってどんな制度?
そもそも地域おこし協力隊とはなにか?について少しだけ紹介させていただきます。総務省では以下のように定義しています。
地域おこし協力隊は、都市地域から過疎地域等の条件不利地域に住民票を異動し、地域ブランドや地場産品の開発・販売・PR等の地域おこし支援や、農林水産業への従事、住民支援などの「地域協力活動」を行いながら、その地域への定住・定着を図る取組です。隊員は各自治体の委嘱を受け、任期はおおむね1年から3年です。※総務省サイトより
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地域おこし協力隊募集の現状と課題、そして自治体側ができることとは?
地域おこし協力隊の特徴
自分の経験・能力を活かした地域活性化の仕事に就きながら、理想とする暮らしや生きがいを見つけることができます。
じっくりと時間をかけて仕事や住居等の、定住に向けた準備ができます。(任期後の定住率 約70%)
国・自治体等によるサポートが充実しています。
令和6年度は、10代から60代以上までの幅広い年齢層の総勢7,910名が、移住・定住、観光、商品開発の販売、地域コミュニティ活動、漁業・水産業、農業・林業、環境保全、医療・保健、デジタル、教育・文化、スポーツ等の幅広い分野で活躍しています。
止まらない東京一極集中
「地方創生」という言葉が使われ始めたのが、2014年(平成26年)ころ。2014年9月第2次安倍改造内閣が発表した政策で、同年11月には「まち・ひと・しごと創生法」が制定され、本格的にスタートしました。
本政策は、東京への人口一極集中是正と地方の人口減少に歯止めをかけ、地域経済の活性化を目指すものでした。一方で、東京への人口一極集中はまだまだ止まらず、地方には人が減り、東京は転入超過となっています。
壱岐(いき)ってどこにある島なの?
今回の研修場所である壱岐(いき)市とはどんな場所なのか?について、Webサイト「いきしまぐらし」では以下の通り説明をしています。
壱岐市は九州北部の玄界灘沖、福岡県と対馬の中間地点に位置する島です。壱岐へのアクセス起点となる県は福岡・佐賀・長崎のいずれか。福岡県の場合は博多港と郷ノ浦港・芦辺港を結ぶ高速船(約1時間)が出航。佐賀県の場合は唐津東港と石田町印通寺港を結ぶフェリー(約1時間40分)を利用します。長崎県の場合は大村市の長崎空港から飛行機を利用すると約30で壱岐空港に到着。目的に合わせて交通手段を選べるのも魅力です。※流用:いきしまぐらし

随所に感じる古代の名残
中国の歴史書「魏志倭人伝」をはじめ、日本の「古事記」や「日本書記」にも壱岐の存在が記されていると言います。
南北約17km・東西約15kmの小さな島には巨石古墳や1000年以上前の神社など多くの歴史的な遺跡や建造物が見られます。と思ったらすぐ隣にはおしゃれなカフェや宿、イベントスペースなどが並び、古代と現代が調和した暮らしを感じました。
※参考:いきしまぐらし



仲間を支える個性、仲間を見つける個性
今回のゲスト講師には私とともに株式会社かたわら代表の佐藤彰悟さんが登壇し、地域を支える番頭的No.2とその適性とは?というテーマでお話をしていただきました。
かたわらさんは完全オーダーメイドの組織創り施策で課題解決まで伴走されており、いわば社長の右腕役となっています。一人一人が当事者意識を持ち、主体的に動いて価値を創る。そんな組織変化を生み出していくことを得意としています。
いわば、仲間を「支える」という個性を持っているのがかたわらです。


一方、私は静岡市で空き家を改修した民泊を運営しており、どのようにして空き家を見つけたか?空き家のリフォーム資金をどのようにして集めたか?民泊届出〜OPENまでどのようにしてこぎつけたか?清掃や集客など、現在どのようにして運営しているか?について赤裸々にお話しました。
私一人では到底成し遂げられないプロジェクトのため、仲間を「見つける」大切さについてお話をしました。
※民泊はこちら


地域の本質的な問題と向き合い、豊かに暮らすために学び合う意味について
今回は2日間という短い期間でしたが、地域おこし協力隊の皆さまと寝食を共にすることでみなさんが抱える「地域に溶け込む苦労」を感じました。
地域おこし協力隊はいわば「よそ者」です。よそ者が地域に入り、さらに地域のために活動をするというのはとてもハードルが高いと思います。人によっては空き家問題、移住促進、観光PRな ど、行政の皆さんと協力をしながら課題に向き合っていかねばなりません。
対話をする中でうまくいかないこともたくさんあるはずです。でも地域の本質的な問題と向き合い、豊かに暮らすために学び合うことはとても意義があることだと思っています。
私自身、これからも地域に根ざして働く当事者として力をつけていきたいし、さまざまな人の力になっていきたいと思います。

HONE / 桜井貴斗



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