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糸島の古民家の塩そば店「おしのちいたま」塩の炭が、壁を描く。【福岡県糸島市】

公開日:

2026年5月18日

最終更新日:

2026年5月18日

糸島の古民家の塩そば店「おしのちいたま」塩の炭が、壁を描く。【福岡県糸島市】

福岡県糸島市にある 塩そば おしのちいたま を訪れました。

糸島・福吉の海岸で平釜を使って丁寧に塩を炊く「またいちの塩」が手がける、塩そば専門店です。


店に入ってまず目に飛び込んでくるのは、古民家の大きな壁を埋め尽くす壁画。


画家・牧野伊三夫さんが描いたこの作品、実は塩づくりの際に出る炭を使って描かれているそうです。塩から生まれた炭が、塩の場所を彩っています。


そして店名の「おしのちいたま」、逆から読んでみると「またいちのしお」。

ユーモラスで、塩を主役に据えることへの意志が、名前に滲み出ています。


お店の様子
お店の様子

「またいちの塩」とは?


色々なシーンを連想させる「塩」
色々なシーンを連想させる「塩」

福岡県糸島市・福吉の海岸に、「またいちの塩」という塩があります。


海水を平釜でじっくりと炊き上げ、時間をかけて結晶化させる。機械に頼らず、火と人の手で塩をつくっています。

そのシンプルさの中に、素材への深い敬意が宿っています。今や全国にファンを持つ、糸島を代表するブランドのひとつです。2000年に福岡県糸島市の玄界灘に面した工房「とったん」で誕生しました。


ちいさな塩レシピ帖(take free)
ちいさな塩レシピ帖(take free)

塩といってもたくさんの種類があり、「おむすび用」など特定のシーンを切り取った、ユニークなパッケージが特徴です。

小さなレシピ本も展開されています。



古民家に宿る、塩の炭で描く壁画


店内の様子
店内の様子

画家・牧野伊三夫さんによる大きな壁画
店内にある画家・牧野伊三夫さんによる大きな壁画

店舗は、長く空き家になっていた古民家をリノベーションされた空間です。古い梁をそのまま活かした天井、木の質感を大事に残されています。


そこには、画家・牧野伊三夫さんによる大きな壁画が広がっていました。この壁画、実は塩づくりの際に出る炭を使って描かれているそうです。素材の出自が、作品に還っているのです。


厨房の様子
厨房の様子

手書き文字が語るもの


看板
お店の外に掲示されている看板

掲示物
店内の掲示物


店内のロゴ、暖簾、メニューに使われている文字、商品のパッケージの文字も、目に留まりました。


一貫した、手書き文字です。少し揺らぎのある線、整いすぎていない余白、手の痕跡が残る表現があります。

この手書きの文字は、入口の看板から暖簾、メニューまで、店のあらゆる場所に一貫して登場します。

同じ手の痕跡が続くことで、文字がこの店の顔になっているように思います。



塩そばは塩のアレンジを提供


塩そば
塩そば

塩そばをいただきました。

卓上には、3種の塩が添えられています。

テーブルに並んだ塩を、好きなタイミングで、好きなだけ、自分の手でかけながら味わうスタイルです。

ひとつの丼の中で、塩によって味が変わっていきます。「塩とはこれほど豊かなものか」と気づかされる体験でした。


「またいちの塩」が塩そばを出す理由が、ここにある気がしました。

塩を売るのではなく、塩を体験してもらう。

その想いが、一杯の丼の中にまで貫かれていました。


卓上のお塩
卓上のお塩


またいちの塩の「ブランド戦略」


「またいちの塩」を見ていると、「塩を思い出す場面」を広げているように感じます。

「おむすびに合う塩」という特定シーンを切り取ったパッケージ、小さなレシピ本の展開、そして塩そば専門店という体験の場。

それぞれが、異なる場面からブランドへと繋がる入り口になっています。


おしのちいたまもその一つで、「糸島に行ったとき」「ランチを探しているとき」という場面から、またいちの塩へと繋がる入り口になっているのかもしれません。


また、入口の看板、暖簾、メニューに一貫して使われる手書き文字。

同じ筆跡が、「またいちの塩らしさ」の目印になっています。


こうしたブランドづくりの考え方について、

詳しくはこちらの記事をお読みください。



店名の仕掛け、炭で描かれた壁画、手書き文字の一貫したたたずまい、そして3種の塩を自分でアレンジする一杯。


どれひとつとっても、「またいちの塩」という生産者の想いから一貫したブランドづくりが感じられました。


糸島市前原駅から徒歩で3分ほどの古民家です。

ぜひ行ってみてください。



店舗情報(HPより抜粋)


定休日:毎週 火曜日

営業時間:11:00〜17:00

※塩そば L.O.15:30

※カフェ L.O.16:30

※第4金曜日 18:00〜21:30

※居酒屋おしのちいたま L.O.21:00


麦酒庭(ビアガーデン)

[夏期限定(7-9月)営業]


所在地:

〒819-1117

福岡県糸島市前原西1-6-22

※敷地内およびお庭へのペットの入場はお断りしております


HONE / 亀元



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HONEの流儀
HONEの流儀

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