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スパイスをめぐる冒険。北の町で出会った、また旅に出たくなるお店。【北海道美深町】

公開日:

2026年5月4日

最終更新日:

2026年5月18日

スパイスをめぐる冒険。北の町で出会った、また旅に出たくなるお店。【北海道美深町】

四月上旬、稚内での出張を終え、南下する道中で立ち寄った北海道美深町。白樺の風景が広がるこの町に、わざわざ訪れたくなるスパイスカレー店がありました。この地で奮闘する若者と、一杯のカレーが運ぶ物語を記します。



またたびカリー


浜川又行さん
店主の浜川又行さん

またたびカリーは、北海道中川郡美深町にあるスパイスカレー専門店です。名古屋から移住した店主の浜川又行さんが、元理容院を改装して開業しました。昼はカレー専門店として、夜はスパイス料理とお酒を楽しめるバルとして営業しています。


看板メニューの「またたびプレート」は、無水チキンと野菜クルマの二種あいがけで、多くのファンを魅了しています。その店名は、店主の名前と「また旅に出ようと思える空間を」という想いが込められています。



北の町のスパイス


またたびカリー店主の浜川さんは、名古屋で中学校の先生をされていました。そんな堅実な道を降り、北海道の美深町へ移り住んだのは、1冊の広報誌『BASIS』を手に取ったことがきっかけでした。趣味のキャンプや大好きなクラフトビールなど、好きなもの全てが詰まった美深町に惹かれて、移住を決意されました。



理容店の雰囲気が残る店内
理容店の雰囲気が残る店内

理容店を改装した店内は、当時の壁紙や床、照明の温かみがそのまま活かされています。人当たりの良さと楽しい会話は、先生時代に培われたんだろうと思います。教え子達が訪ねてきたり、旅やここでの出会いを通じて人との繋がりが生まれたりと、浜川さん自身が、この町にとって欠かせない「スパイス」のような存在として、訪れる人々に彩りを添えています。



わざわざ来てもらえるように


またたびプレート
またたびプレート

看板メニューである「またたびプレート」は、無水で作られた濃厚な「またたびチキン」と、野菜の奥深い甘みが広がる「野菜クルマ」のあいがけです。


このまたたびプレートは言わずもがなですが、この店で特筆すべきは、毎週変わる限定カレーの存在です。一度作った味は二度と作らないというこだわりには、浜川さんの飽くなき探求心と、訪れるたびに新しい発見を提供したいというおもてなしの心が表れています。


人気のメニューは一年に一度、投票によって復刻することもあるそうです。人口の限られた土地で、こうした試行錯誤を繰り返すことは、「わざわざ来てもらう理由」を生み出すことに繋がっていきます。



台湾ミンチ
台湾ミンチ

旨辛トッピング「台湾ミンチ」も人気で、味の深みと共に記憶に刻まれる体験を提供してくれます。地元の方だけでなく、遠方からの旅人をも魅了する味は、この地で暮らす店主の誠実な姿勢そのものです。



村上春樹と美深町


美深町は、村上春樹の小説『羊をめぐる冒険』の舞台と噂される、白樺が美しい静かな町だと浜川さんは教えてくれました。そんな雄大な自然の中で味わうスパイスカレーは、格別の趣がありました。


週替わり3種がけ
週替わり3種がけ

村上春樹のファンである弊社代表の桜井は、お腹も心も満たされ「今度は泊まりに来たい」と口にしたほどです。単なる飲食店としてではなく、人が出会い、物語が交差するコミュニティの拠点として、またたびカリーはあります。


俳優である松重豊さんが番組で訪れ、1年後のラジオでお話ししてくれたというエピソードからも、その味の確かな実力が伺えます。「また旅に出よう」という名前の通り、訪れる者の心を捉えて離さない場所が、美深町にはありました。稚内からの帰り道に立ち寄ったこの店の奥深さは、忘れられません。



あとがき


集合写真
浜川さんとお邪魔したみんなで

地方で事業を営むことは、時に孤独かもしれません。しかし、浜川さんのように、自身の暮らしを楽しみ、訪れる人との縁を大切に積み重ねることで、そこには確かな物語が生まれます。地域に根ざしながら、外からの風を呼び込む。そんなまたたびカリーのあり方に、これからの地域づくりのヒントを見た気がします。


私自身、浜川さんの真っ直ぐな姿勢に触れ、地域に関わることの豊かさを教わりました。誰かの日常が少しだけ豊かになる、そんな活動の輪を、これからも追いかけていきたいです。この記録が、地方で挑戦を続ける誰かの心に、小さな灯火をともせますように。


HONEインターン/森



ほねろぐとは


AIの急速な台頭により、私たちの世界は、目紛しい変化を遂げています。効率化が進むその影で、古きよき日本の文化や風景、人との繋がりが失われつつあるのも、悲しい現実です。


そんな時代だからこそ、我々株式会社HONEは地方に足を運び、先人たちが紡いできた伝統や、未来に残したい景色を記録します。


いつのまにか、地方の「ほんと」の姿が見えてくる。


町の暮らし。人々の想い。仕事の姿勢。

忙しない日常で忘れ去られた豊かさが、そこには息づいています。


気づけば、地方が近くなる。

現場でしか得られない骨太な体験を、お届けしていきます。



株式会社HONEについて


HONEの流儀
HONEの流儀

HONEでは、地方企業さまを中心に、マーケティング・ブランド戦略の伴走支援を行なっています。事業成長(ブランドづくり)と組織課題(ブランド成長をドライブするための土台づくり)の双方からお手伝いをしています。

大切にしている価値観は「現場に足を運ぶこと」です。土地の空気にふれ、人の声に耳を傾けることから始めるのが、私たちのやり方です。


学びや知恵は、ためらわずに分かち合います。

自分の中だけで完結させず、誰かの力になるなら、惜しまず届けたいと思っています。

誰か一人の勝ちではなく、関わるすべての人にとって少しでも良い方向に向くべく、尽力します。地域の未来にとって、本当に意味のある選択をともに考え、かたちにしていきます。

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