BtoBブランディングとは?構成要素・進め方・成功事例をしっかり解説
- 桜井 貴斗
- 5月15日
- 読了時間: 11分

価格や機能だけで選ばれる時代が終わりつつあるいま、多くの企業が注目しているのが、「ブランド」という無形資産です。
企業価値の向上や競合との差別化、さらには売上にも大きな影響を与えます。
本記事では、ブランディングの中でもBtoBブランディングに焦点を当て、BtoCブランディングとの違い、構成要素、進め方、事例を分かりやすく解説します。
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目次
BtoBブランディングの定義
BtoCブランディングとの違い
価格競争からの脱却
信頼性の向上
営業効率の向上
採用・パートナーシップ強化
ブランドパーパス
ブランドアイデンティティ
ブランドバリュー
ブランドコミュニケーション
現状分析
目的設定
ターゲット設定
ブランド戦略策定
施策実行と効果測定
事例1:Sansan株式会社
事例2:freee株式会社
一貫性
長期的な視点
社内浸透
BtoBブランディングとは
BtoBブランディングとは、企業が他の企業に対して行うブランディング活動のことです。企業の認知度向上、信頼感獲得、顧客ロイヤリティ向上などを目的として行われます。製品やサービスだけでなく、企業理念やビジョン、従業員の行動指針など、企業に関わる全てを対象としてブランドイメージを構築し、競合他社との差別化を図ります。
BtoBブランディングの定義
BtoBブランディングは、製品やサービスの品質や価格だけでなく、企業理念やビジョン、従業員の行動指針、企業文化など、企業に関わるすべてを対象とします。これらをターゲット企業に対して一貫したメッセージを発信することで、長期的な関係構築を目指すものです。
BtoB市場においては、法人・組織を対象とするために購買決定プロセスが複雑で、複数の関係者が関与することが一般的です。そのため、BtoBブランディングは、関係者全員に好印象を与え、購買意欲を高める上で重要な役割を果たします。
BtoCブランディングとの違い
BtoCブランディングでは、感情的な訴求が重視されるのに対し、BtoBブランディングでは、論理的な訴求が重要視される傾向があります。また、BtoCブランディングは、マス広告などを用いて広く一般消費者へアプローチするのに対し、BtoBブランディングは、特定の業界や企業へのアプローチに特化しているケースが多いです。
例えば、展示会への出展や営業活動、Webサイト、ホワイトペーパーなどを通じて、ターゲット企業との関係構築を図ります。BtoCと比較して、購買プロセスが長く、関係構築に時間を要する点が特徴です。

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BtoBブランディングの効果
BtoCではあまり意識しない、BtoBブランディングならではの効果があります。
営業効率の向上
ブランドが認知されていることで、営業活動が円滑に進みます。取引先はブランドの信頼性を前提に商談を開始するため、初期提案段階で優位に立つことが可能です。また、ブランドの認知度が高ければ、商談の回数や営業活動のコストも削減できます。
採用・パートナーシップ強化
BtoBブランディングは、外部の取引先だけでなく、採用やパートナーシップにおいても重要な役割を果たします。信頼されるブランドは、優秀な人材やパートナー企業を惹きつけ、より強固なビジネス基盤を築くことができます。
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BtoBブランディングの構成要素
BtoBブランディングを成功させるためには、いくつかの重要な構成要素があります。これらは、ブランドを一貫性のあるものとして確立するための基盤となります。
ブランドパーパス
ブランドパーパスとは、「なぜ自社が存在するのか」を示すものです。企業の理念や社会的使命、長期的な目標がこのパーパスに該当します。例えば、ソフトウェア企業の「革新を通じて社会をより良くする」や、製造業の「持続可能な製品で環境に貢献する」といった明確な目的がブランドパーパスです。このパーパスが従業員や取引先に共感を呼び、企業文化やブランドイメージを形成します。
ブランドアイデンティティ
ブランドアイデンティティは、企業がどのように外部に見られたいかを定義する要素です。ロゴやカラー、フォントなど、視覚的な要素が含まれます。ブランドアイデンティティは、企業の特徴を強調し、視覚的に他社と差別化するために非常に重要です。企業のビジュアルが統一されていると、取引先に対して信頼感や安定感を与えることができます。
ブランドバリュー
ブランドバリューは、顧客に提供する価値や差別化ポイントです。品質、サポート、技術力、対応力など、顧客が実感するメリットを整理・明確化することで、競争優位性が高まります。例えば、あるIT企業が提供するサポート体制やアフターサービスが、他社と比較して顧客にとって大きな魅力となり、その企業のブランドを強化する要素となります。
ブランドコミュニケーション
ブランドコミュニケーションとは、企業が顧客やステークホルダーと行うあらゆるコミュニケーション活動を指します。チャネルを通じて、一貫性のあるブランドメッセージを発信し、顧客との関係を構築します。さらに、専門性のあるコンテンツ(導入事例や業界解説など)を積み重ねることで、顧客との長期的な信頼関係を築く基盤になります。
BtoBブランディングの進め方
BtoBブランディングを成功させるためには、計画的にステップを踏んで進めていくことが大切です。

以下で、その進め方を詳しく解説します。
現状分析
まずは現状を客観的に把握しましょう。自社の強み・弱み、競合他社の状況、市場のトレンドなどを分析し、現状における課題や潜在的な機会を明確にします。SWOT分析などを用いると効果的です。
具体的には、市場規模や成長率、顧客のニーズや購買行動、競合のポジショニングなどを調査します。これらの情報を基に、自社の立ち位置や目指すべき方向性を明確にしていきます。
目的設定
現状分析に基づき、BtoBブランディングを通じて達成したい具体的な目標を設定します。目標は、数値化できるものが望ましいです。
例えば、「認知度を高める」といった曖昧な表現ではなく、「Webサイトの月間アクセス数を〇〇%増加させる」「新規リードを〇〇件獲得する」といったように、達成度を測れる形で設定することで、施策の効果を検証しやすくなります。また、目標達成までの期間もあわせて設定すると、施策の進捗管理や改善サイクルが回しやすくなります。
ターゲット設定
誰に自社のブランドを届けたいのか、明確なターゲットを設定します。ターゲットを絞り込むことで、より効果的なメッセージや施策を展開できます。ターゲット設定においては、業界、企業規模、役職、ニーズ、課題など、様々な要素を考慮しましょう。
ペルソナを設定し、具体的な人物像として捉えることで、より深くターゲットを理解することができます。例えば、企業規模だけでなく、意思決定者や担当者の年齢層、職種、抱えている課題、情報収集方法などを具体的に想定しながら、より効果的な施策を立案していきます。
ブランド戦略策定
設定した目的とターゲットに基づき、具体的なブランド戦略を策定します。ブランド戦略には、ブランドパーパス、ブランドアイデンティティ、ブランドバリュー、ブランドコミュニケーションなどが含まれます。これらの要素を明確にすることで、一貫性のあるブランド体験を提供し、顧客との長期的な関係構築を目指します。
例えば、ブランドパーパスを策定することで、企業の存在意義や社会的な役割を明確にし、従業員のモチベーション向上や共感を得られるブランドイメージの構築に繋げることができます。また、ブランドアイデンティティを明確にすることで、競合との差別化を図り、独自のブランドイメージを確立します。
施策実行と効果測定
策定したブランド戦略に基づき、具体的な施策を実行します。施策実行後は、設定した目標に対する達成度を効果測定し、必要に応じて施策内容を修正・改善していきましょう。
効果測定には、Webサイトのアクセス数やコンバージョン率、展示会からのリード獲得率など、様々な指標を用います。PDCAサイクルを回し、継続的に改善していくことで、より効果的なBtoBブランディングを実現できます。例えば、Google Analyticsを用いてホワイトペーパーの効果を分析したり、CRMツールを用いてリード獲得状況を管理することで、施策の効果を定量的に評価することができます。
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BtoBブランディングの成功事例
事例1:Sansan株式会社

Sansan株式会社は、名刺管理サービスを提供する企業です。同社は、「出会いからイノベーションを生み出す」というミッションを掲げ、ビジネスにおける人脈の価値を最大化することを目指しています。その取り組みとして、CM展開やイベント開催、オウンドメディアの運営など、多岐にわたる活動を行っています。
特に、ビジネスパーソンにとっての課題解決に焦点を当てたコンテンツマーケティングは、多くの共感を呼び、ブランドイメージの向上に大きく貢献しています。顧客の声を積極的に集め、製品開発やサービス改善に繋げることで、顧客との強固な関係構築にも成功しています。
これらの取り組みの結果、Sansan株式会社は名刺管理サービスのリーディングカンパニーとしての地位を確立しました。ブランド認知度の向上は、顧客獲得数の増加に繋がり、業績の向上にも大きく貢献しています。 また、従業員のモチベーション向上にも繋がり、企業文化の醸成にも成功しています。Sansanは「働きがいのある会社」ランキングにもランクインしており、優秀な人材の確保にも繋がっています。
事例2:freee株式会社

freee株式会社は、クラウド会計ソフトを提供する企業です。「スモールビジネスを、世界の主役に。」というミッションを掲げ、中小企業の経営をサポートしています。同社は、シンプルなUI/UXを追求した使いやすいサービスを提供することで、多くのユーザーから支持を集めています。
また、セミナーやウェビナーの開催、FAQサイトの充実など、顧客サポートにも力を入れています。さらに、パートナー企業との連携を強化することで、サービスの拡充と顧客基盤の拡大を図っています。
そして、ブランドイメージの向上が顧客ロイヤルティの向上に繋がり、クラウド会計ソフト市場において高いシェアを獲得。 また、積極的なPR活動により、メディア露出も増加し、企業認知度の向上にも繋がっています。同社は、上場を果たし、さらなる事業拡大を目指しています。
BtoBブランディングで気をつけたいポイント
BtoBブランディングを進める中で、注意すべき点があります。特に重要な要素を以下にまとめます。
一貫性
BtoBブランディングで最も重要なものは一貫性です。ブランドパーパス、ブランドアイデンティティ、ブランドバリュー、ブランドコミュニケーションなど、あらゆる要素において一貫性を保つことで、顧客に明確なブランドイメージを伝えることができます。これは、長期的な信頼関係の構築に不可欠です。
例えば、Webサイト、名刺、パンフレット、SNSなど、あらゆる顧客接点でトーン&マナーを統一することで、ブランドイメージの浸透を促進します。また、社内においてもブランドに関する理解を深め、行動指針を共有することで、一貫したブランド体験を提供することが可能です。
長期的な視点
BtoBブランディングは長期的な視点で取り組みましょう。ブランド構築は一朝一夕でできるものではなく、時間をかけて顧客との信頼関係を築き上げていくものです。短期的な成果にとらわれず、中長期的な視点で戦略を立案し、継続的に施策を実行していくことが重要です。
効果測定を定期的に行い、市場の変化や顧客ニーズに合わせてブランド戦略を柔軟に見直していきます。ブランド構築は継続的な投資であり、短期的な費用対効果ではなく、長期的なブランド価値の向上を目指しましょう。
社内浸透
BtoBブランディングを成功させるためには、社内浸透が不可欠です。ブランド戦略を策定するだけでなく、社員一人ひとりがブランドを理解し、体現する必要があります。そのためには、社内研修やワークショップなどを実施し、ブランドパーパスやブランドアイデンティティを共有することが求められます。
また、社員がブランドを体現するための行動指針を明確化し、日々の業務の中で実践していくことも重要です。社内報やイントラネットなどを活用して、ブランドに関する情報を発信し、社員の意識向上を図りましょう。
まとめ
BtoBブランディングは、競争優位性の確立、営業支援、採用力向上など、多方面に効果をもたらす経営戦略のひとつです。論理的な価値訴求と感情的な共感の両輪で、信頼されるブランド構築を目指してください。
HONEサービスについて
当社では、地方企業さまを中心に、マーケティング・ブランド戦略の伴走支援を行なっています。事業成長(ブランドづくり)と組織課題(ブランド成長をドライブするための土台づくり)の双方からお手伝いをしています。
私がこれまで会得してきた知識・経験を詰め込んだ「3つのサービスプラン」をご用意しており、お悩みや解決したい課題に合わせてサービスを組んでいます。ご興味のある方は、ご検討いただければと思います。
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最後までお読みいただき、ありがとうございました。
【記事を書いた人】

株式会社HONE
代表取締役 桜井貴斗
札幌生まれ、静岡育ち。 大学卒業後、大手求人メディア会社で営業ののち、同社の新規事業の立ち上げに携わる。 2021年独立。 クライアントのマーケティングやブランディングの支援、マーケターのためのコミュニティ運営に従事。
※本記事は一部AIを活用して執筆しています。
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