事業計画は考え方が9割|情熱を形にする思考プロセスを説いてみた
- 桜井 貴斗
- 6月29日
- 読了時間: 13分

事業への熱い想いはあるのに、事業計画書を前に手が止まっていませんか?計画づくりが難しいのは、多くの場合「書き方」に悩み、本質である「考え方」を見過ごしているからです。
事業計画は「考え方」が9割。
この記事では、あなたの情熱を関係者に伝え、事業を成功へと導くための思考法をゼロから解説。さらに無料テンプレート付きで実践をサポートします。計画づくりの第一歩を、ここから始めましょう。
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目次
事業計画は、成功への「翻訳機」であり「羅針盤」
【新規創業者】ゼロからビジネスモデルを設計する
【事業承継者】既存事業を革新する投資計画
【専門スキル型】“自分の腕”を事業の要にする
【参考】開業業種の属性
STEP1・【理念・想い】
STEP2・【事業内容】
STEP3・【集客計画】
STEP4・【実行体制】
STEP5・【数値計画】
売上計画が数字化できない原因と対策
独りよがりな計画を客観視するコツ
日常業務に追われる…計画停滞の打開策
【ブログ記事】:HONE流の新規事業計画書の書き方
思考の整理に役立つフレームワーク3選
ビジネスモデルキャンバス(BMC)
SWOT分析
3C分析
事業計画とは

事業計画とは、あなたが描く事業の将来像を具体的な言葉と数字で表現した設計図です。単なる書類ではなく、事業の成功確率を飛躍的に高める戦略的なツールでもあります。
多くの起業家が「計画よりも行動が大切」と考えがちですが、実際には綿密な計画こそが、限られた資源を最大限に活用し、リスクを最小化する鍵となるのです。
事業計画の考え方が9割を占める理由

事業計画書の美しさよりも、その根底にある「考え方」が成功につながると感じています。
資料作成の技術は容易に習得できますが、事業の本質を見抜き成功への道筋を描く思考力は、真の競争優位性となります。
なぜ「考え方」が事業成功を左右するのか、その理由を解説しましょう。
事業計画は、成功への「翻訳機」であり「羅針盤」
優れた事業アイデアも、内に秘めたままでは誰にも届きません。
事業計画は、あなたの情熱を理解できる言葉や具体的な戦略と数値に変換する、いわば高性能な「翻訳機」です。
また、事業の成功には、ステークホルダーの理解と協力が大切です。
事業には、異なる立場の関係者が存在します。金融機関は融資先としての安定性、家族は生活を、従業員は雇用の安定を、それぞれが事業に求めています。
事業計画は、関係者と対話する「共通言語」となり、誤解や不安を取り除き、強固な協力体制を築き上げます。
計画は作って終わりではありません。市場の変化や競合の出現など、事業には予期せぬ事態がつきものです。
そんな時、事業計画は進むべき道を示す「羅針盤」として機能します。
成功者は、計画を常に現実と照らし合わせながら柔軟に軌道修正を繰り返し、成功へと導いているのです。
事業計画の考え方を状況別に解説

ひとくちに「事業計画」といっても、置かれた状況によってアプローチは大きく変わります。新規創業・事業承継・専門スキル型と、それぞれが直面する課題と求められる戦略は異なるのです。
ここでは効果的な事業計画の考え方を、3つの代表的なパターンに分けて、具体的に解説していきます。自分の状況に最も近いパターンから読み進めていただければ、より実践的な知見を得ることができるでしょう。
【新規創業者】ゼロからビジネスモデルを設計する

新規創業における事業計画の核心は、「ゼロから価値を創造する仕組みづくり」にあります。既存の枠組みや実績がない中で、いかに説得力のあるストーリーを描けるかが勝負の分かれ目となります。
大切なのは、解決すべき課題の明確化です。あなたの商品・サービスが「誰の」「どんな困りごと」を解決するのかを、具体的な顧客像とともに描き出しましょう。市場調査や競合分析も欠かせませんが、数字だけでなく、実際の顧客候補者との対話から得られる生の声を聞いて成功へと導きましょう。
収益モデルの設計では、楽観的すぎる予測は禁物です。堅実的な見積もりをベースとし、段階的な成長シナリオを複数パターン用意し、リスクへの備えをしていきます。
【事業承継者】既存事業を革新する投資計画

事業承継における計画策定は、「伝統と革新のバランス」がポイントとなります。先代が築き上げた事業基盤を活かしながら、新たな時代に適応した変革を進める必要があります。
まずは現状分析から始めましょう。既存事業の強みと課題を客観的に評価し、市場環境の変化がもたらす影響を冷静に見つめる必要があります。長年の経験や勘に頼ってきた部分を、データに基づく判断に置き換えていく作業も必要です。
成功には、短期的な収益改善と長期的な競争力強化の両方を視野に、従業員や取引先との関係性も考慮した段階的な変革プランを立案していくといいでしょう。
【専門スキル型】“自分の腕”を事業の要にする

専門スキルを武器にした独立では、「個人のスキルをいかに事業として発展させるか」が最大のテーマとなります。技術や知識は十分でも、それをビジネスとして継続・拡大していく仕組みづくりが課題となるケースが多いです。
価格設定では、初めは自分のスキルレベルを正当に評価しましょう。安売りは持続可能性を損ない、高すぎる設定は顧客獲得を困難にします。競合調査と顧客価値の分析を通じて、適正な価格帯を見極めるべきです。
事業拡大の戦略は、個人の時間的制約をいかに乗り越えるかになります。外注化、システム化、パートナーシップなど、様々な選択肢を検討し、持続的成長を可能にする体制を計画段階から組み込んでおくとよいでしょう。
【参考】開業業種の属性

事業計画の考え方を5つのステップで解説

効果的な事業計画を策定するには、体系的なアプローチが不可欠です。闇雲に数字を並べても、説得力のある計画にはなりません。
ここでは、5つのステップに沿って、事業計画の考え方を解説します。
STEP1・【理念・想い】
事業計画はまず「なぜ始めるのか」を明確にするところから始まります。
単に利益を追うだけでなく、自分が解決したい課題や実現したい社会的価値を言語化し、個人の動機と社会へのビジョンを組み合わせることで、説得力ある理念が生まれます。
理念があれば、困難な局面で自分を支える精神的支柱となり、チームや投資家の共感を得る原動力になります。
STEP2・【事業内容】
誰に、どんな価値を提供するのか。
ビジネスの骨格である、「誰に」「何を」「どうやって」を策定。
ターゲット | 年齢・職業・ライフスタイルなど、具体的なペルソナを描く |
価値 | 機能的価値(モノ・サービスそのもの)+感情的価値(得られる体験) |
差別化 | 競合と何が違うのか、なぜ選ばれるのか |
STEP3・【集客計画】
どうやって知ってもらい、買ってもらうか。
顧客が「知らない」と、商品は売れません。
認知→検討→購入→リピート の流れを設計
チャネル選定:ターゲットが使うメディア(SNS、展示会、店舗など)
販売プロセス:BtoBなら決裁者への働きかけ、BtoCなら感情に訴える訴求
STEP4・【実行体制】
どんなチームで事業を進めるのか。
実行体制を整えるには、必要人材の確保、組織運営の仕組みづくり、外部パートナーとの連携を具体化しましょう。
人材計画では、事業フェーズに合わせたスキルセットを明確にします。
創業期は多能工型の少数精鋭、拡大期は専門性の高い人材や管理職を配置し、採用コストや教育投資を見込んだ現実的なプランを立てます。
理念に基づく行動指針や評価制度を早期に設計しておくと、組織文化に一貫性が生まれ、安定した運営が可能になります。
STEP5・【数値計画】
どう収益を生み出すか。
最後は「数字」で計画を裏付けます。
売り上げ予測 | 市場規模+競合+自社の強みを踏まえた現実的な見積もり |
コスト・投資 | 固定費・変動費・成長投資を整理 |
シナリオ | 楽観⇔保守的の複数パターンでリスク対応力を示す |
資金調達 | 必要額、調達手段、返済計画を具体化 |
事業計画の考え方で立ちはだかる壁

完璧な事業計画を一度で完成させるのは、経験豊富な経営者でも至難の業です。成功の鍵は、多くの起業家が直面する共通の課題をいかに乗り越えるかにかかっています。ここでは特に躓きやすい「壁」を挙げ、その原因と具体的な解決策を解説します。
売上計画が数字化できない原因と対策
「構想はあるのに、数字が出てこない」
多くの起業家がぶつかる最初の壁です。
原因は単純で、売上の要素を分解できていないからだと考えられます。
「月100万円売り上げたい」では計画になりません。
まず「誰が・いくらで・何回買うか」に分解してみましょう。
例えば飲食店なら「客単価3,000円×1日20人×25日営業=月150万円」のように。
次に、その数字の根拠を集めます。
競合店の客数、商圏人口、類似サービスの購買頻度など、調べられるデータは意外と多いものです。
完璧である必要はありません。仮説でも数字にすれば、検証と修正ができるようになります。
独りよがりな計画を客観視するコツ
自分では完璧だと思った計画も、第三者から見れば穴だらけ、なんてことも。
解決策は「批判的な友人」を味方につけること。
あえて厳しい意見を言ってくれる人に、計画を見せてみましょう。
プレゼンの練習も効果的です。
5分で計画の要点を説明し、相手が理解できなかった部分をメモする。
理解されない箇所こそ、改善すべきポイントです。
もう一つの方法は「逆算チェック」。
最終目標から逆算して、各段階で必要なアクションを洗い出します。
論理の飛躍や見落としが、自然と浮き彫りになるはずです。
日常業務に追われる…計画停滞の打開策
計画を立てたいのに、目の前の仕事で手一杯…。
特に既存事業がある経営者の悩みです。
まず「計画づくりも仕事」だと割り切りましょう。
週に2時間でも、スケジュールに組み込んで死守する。
朝一番の頭が冴えている時間帯がおすすめです。
次に、計画を小さく分割します。
「完成させよう」と思うと重荷になるので、「今週は競合分析だけ」のように、
一つずつクリアしていく感覚で進めます。
外部の力を借りるのも一案です。
コンサルタントや専門家との定期面談を設定すれば、
強制的に計画と向き合う時間が生まれ、進捗も加速します。
事業計画の考え方を助けるテンプレートとフレームワーク

良いアイデアはあるのに、どう形にすればいいかわからない。
多くの起業家が抱える悩みです。
そんな時に頼りになるのが、実績あるテンプレートや思考整理に使うフレームワークです。これらを組み合わせれば、より説得力のある形や計画書へと仕上がります。
プロも用いるこれらの手法を、あなたの事業計画づくりにも活かしてみませんか。
ここでは、弊社が過去にアップしたテンプレート付の記事と実践で活用すべきフレームワークを紹介しています。
【ブログ記事】:HONE流の新規事業計画書の書き方
こちらは、HONEのオウンドメディアの記事になります。ぜひ、併せて読んでいただければと思います。
新規事業を立ち上げる際の「計画書」作成のコツがテンプレート付で掲載されていますので、ぜひご活用ください。
▼【無料テンプレート付】新規事業計画書の書き方と承認されるポイント
思考の整理に役立つフレームワーク3選
複雑な思考や事業構想を整理する、世界中のコンサルタントや経営者たちが愛用するフレームワーク。どれも実際に現場で使われ続けている、実用性の高いものです。
これらを使えば、頭の中の情報が、クリアに整理されていきます。
戦略的思考の基盤となる、3つの手法を見ていきましょう。
ビジネスモデルキャンバス(BMC)

9つのブロックに分けて事業を可視化する手法で、「顧客セグメント」「価値提案」「収益の流れ」などの要素を漏れなく整理します。
散らばっていた事業要素が一つの絵として見えるでしょう。
特にチームでの議論では威力を発揮し、全員が同じ視点で事業を捉えられるようになります。
スタートアップから大企業まで、業界を問わず活用されているのも納得の使いやすさかと。
事業計画の骨格づくりには欠かせないフレームワークです。
SWOT分析

経営戦略の定番中の定番です。
「強み(Strengths)」「弱み(Weaknesses)」「機会(Opportunities)」「脅威(Threats)」の4つの視点から現状を分析します。
内部環境と外部環境を分けて考えるのがポイント。
自社の強みと弱みは内部要因、市場の機会と脅威は外部要因として整理していきます。
実際に使ってみると、普段意識していなかった自社の特徴が浮き彫りになることが多いです。特に「弱み」の部分では、厳しい現実と向き合う必要がありますが、それが成長の糧となります。
競合との差別化戦略を練る際にも、このフレームワークが土台となるでしょう。
3C分析

戦略立案の基本フレームワーク。
「顧客(Customer)」「競合(Competitor)」「自社(Company)」の3つの「C」から市場を分析します。
顧客のニーズや行動パターンを深掘りし、
競合の戦略や強み・弱みを把握した上で、自社の立ち位置を明確にしていく流れです。
この分析を通じて見えてくるのは、成功の鍵となる「勝てる領域」。
自社と顧客の要素が重なる部分こそが、あなたの事業が輝く場所になります。
シンプルな構造だからこそ、どんな業界でも応用が利く汎用性の高さも魅力的です。
戦略の方向性に迷った時は、まずこの3Cに立ち戻ってみてください。
事業計画の「考え方」で未来を切り拓く

熱い想いを形にする。
それが事業計画の本質です。
美しい資料を作るスキルよりも、事業を形にする思考力が成功の鍵となります。
完璧な計画を一度で作り上げる必要はありません。
仮説を立て、検証し、修正を繰り返す。
その過程で事業への理解が深まっていくのです。
まずは小さな一歩から始めてみませんか。
「一人で進めるのは不安」という方は、HONEにお気軽にご相談ください。
あなたらしい事業で地域に貢献する第一歩を、私たちと一緒に踏み出しましょう。
HONEのサービスについて
当社では、地方企業さまを中心に、マーケティング・ブランド戦略の伴走支援を行なっています。事業成長(ブランドづくり)と組織課題(ブランド成長をドライブするための土台づくり)の双方からお手伝いをしています。
私がこれまで会得してきた知識・経験を詰め込んだ「3つのサービスプラン」をご用意しており、お悩みや解決したい課題に合わせてサービスを組んでいます。ご興味のある方は、ご検討いただければと思います。
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最後までお読みいただき、ありがとうございました。
【記事を書いた人】

株式会社HONE
代表取締役 桜井貴斗
札幌生まれ、静岡育ち。 大学卒業後、大手求人メディア会社で営業ののち、同社の新規事業の立ち上げに携わる。 2021年独立。 クライアントのマーケティングやブランディングの支援、マーケターのためのコミュニティ運営に従事。
※本記事は一部AIを活用して執筆しています。
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