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【テンプレートあり】承認される新規事業計画書の書き方とコツを解説

  • 執筆者の写真: 桜井 貴斗
    桜井 貴斗
  • 2024年10月16日
  • 読了時間: 12分

更新日:3月31日


【テンプレートあり】承認される新規事業計画書の書き方とコツを解説

新規事業を立ち上げる際、「計画書」はその事業の成否を左右する重要なドキュメントです。特に上司や投資家の承認を得るためには、内容がしっかりと整理され、説得力があることが求められます。計画書の作成にはコツがあり、ただ情報を羅列するだけでは不十分です。

本記事では、「新規事業計画書」とは何か、その作成方法を項目別に解説するとともに、上司に承認されるためのポイントや、テンプレートを活用した効率的な作成方法を紹介します。



 


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目次



新規事業計画書とは?


新規事業計画書とは

新規事業計画書とは、新たなビジネスを立ち上げるための具体的な計画を示すドキュメントです。


この計画書は、事業の概要、目標、市場環境、競合分析、財務計画など、さまざまな要素を含んでおり、事業の成功に向けた道筋を明確にします。

単なるアイデアの羅列ではなく、実行可能な戦略を示すものでなければなりません。これにより、関係者は事業の viability(実現可能性)を理解し、投資やリソースの投入を決定する際の重要な判断材料となります。


特に、上司や投資家からの承認を得るためには、計画書の内容が整理され、説得力があることが不可欠です。



新規事業企画書と計画書の違い


新規事業を立ち上げる際に作成される「企画書」と「計画書」は、似ているようで異なる役割を持っています。


両者の違いは、株式会社才流(サイル)社の解説が非常にわかりやすいのでご覧ください。


新規事業企画書と計画書の違い
出典:株式会社才流

新規事業企画書は、事業のアイデアやコンセプトを提案するためのドキュメントです。事業のビジョンや市場のニーズ、競合分析などを中心に記載し、事業をやるべき理由を説明します。


一方、計画書は、具体的な実行計画を示すドキュメントです。

事業の目標、戦略、実行体制、財務計画などが含まれ、上司や投資家に対して事業の進め方を証明します。


つまり、企画書が「何をするか」を示すのに対し、計画書は「どのようにするか」を具体的に説明するものです。



新規事業計画書が必要な理由


新規事業計画書は事業のビジョンや目標を明確にする役割を果たします。これにより、関係者全員の目線が揃い、チームの一体感が高まります。


ビジョン作成について詳しく確認したい方は、以下の記事も合わせてご確認ください。

ミッション・ビジョン・バリュー(MVV)を事例をもとに「より深く」理解する。

また、投資家は、事業の将来性や収益性を判断するために、具体的なデータや分析を求めます。計画書がしっかりとしたものであれば、投資家の信頼を得やすくなり、資金調達の成功率が高まります。


さらに、計画書はリスク管理ツールとしても機能します。

事業を進める上での潜在的なリスクを事前に洗い出し、対策を講じれば、予期せぬトラブルを回避できます。これにより、事業の安定性が増し、長期的な成功につながるでしょう。


新規事業計画書は単なる形式的な文書ではなく、事業の成功に向けた戦略的な指針なのです。




新規事業計画書の作成方法|項目別に紹介


新規事業計画書で扱う項目の一例として、以下が挙げられます。


新規事業計画書で扱う項目

これらの項目を整理し、論理的に構成する必要があります。

また、新規事業計画書を作成する前に新規事業企画書を作成することを強くおすすめします。


なぜなら、計画を練る前に新規事業の「コンセプト」や「内容」を上司や関係者に理解してもらう必要があるからです。


新規事業企画書の書き方については、以下の記事も合わせてご確認ください。

【1枚でまとめる!新規事業企画書】必須項目と作り方・戦略設計のテンプレート例


事業内容


新規事業計画書の中で最も重要なセクションの一つが「事業内容」です。この部分では、まず、事業の概要を簡潔にまとめ、どのような製品やサービスを提供するのかを示します。


そして、「誰に」「何を」「どのように」提供するのかを明記し、なぜその市場を選んだのかについても述べましょう。


さらに、事業の独自性や競争優位性についても触れておけば、投資家や上司に対して事業の魅力が伝わりやすくなります。


事業内容のセクションは、計画書全体の基盤であり、大枠を伝えるための重要な項目でもあります。事業内容をしっかりと構築し、他のセクションの説得力も高めましょう。

とはいえ、イチから順を追って書き込む必要はなく、この後の項目を埋めてから立ち戻っても構いません。



事業環境(市場、競合)


事業内容の次は、その事業が取り巻く環境について調査しましょう。


①市場環境

市場環境の分析では、ターゲット市場の規模、成長率、トレンドなどを明確にします。事業がどの程度の需要を見込めるのかを示しましょう。


②競合状況

競合他社の強みや弱み、マーケットシェア、価格戦略などを調査し、自社がどのように差別化できるかを考えます。

競合の動向を把握し、自社のポジショニングを明確にしましょう。


※ポイント


  • 市場分析では、中長期的に魅力的な市場なのかについて言及することで説得力が増されます

  • 競合分析では、「バリュープロポジション」と呼ばれるフレームワークを使用して整理することもおすすめです。


バリュープロポジション
株式会社才流


ロードマップ


ロードマップは、新規事業の進行状況からゴールまでを視覚的に示すものです。

事業の各段階で何を達成すべきかが明確になり、関係者全員が同じ方向を向いて進むための道しるべとなります。


ロードマップには、主要なマイルストーンや期限、必要なリソースについても明記しておきましょう。


ロードマップの書き方

また、ロードマップには柔軟性を持たせることも重要です。市場の変化や予期しない課題に対応できるよう、定期的に見直しを行い、必要に応じて軌道修正も行いましょう。



数値計画(財務計画)


数値計画、つまり財務計画は、収益予測、コスト分析、資金調達計画など、具体的な数値を用いて事業の財務状況を明確にします。


【数値計画にいて必要な要素】

  • 収益予測

  • コスト分析

  • 資金調達計画


①収益予測

事業開始から一定期間内に期待される売上高を見積もります。市場調査や競合分析をもとに、現実的な数字を設定します。


②コスト分析

固定費と変動費を抜け漏れなく洗い出し、事業運営にかかる総コストを明示します。これにより、利益率や損益分岐点を計算し、事業の収益性を評価すできます。


③資金調達計画

必要な初期投資額や運転資金を明確にし、どのように資金を調達するかを示せば、投資家や上司に対する信頼性が高まります。


数値計画は、事業の成功に向けた具体的な道筋を示すものであり、数値計画なしに新規事業計画は立てられないといっても過言ではありません。



実行体制


実行体制では、事業を推進するための組織構造や役割分担、リソースの配置を明確に示します。


まず、プロジェクトチームのメンバーを選定し、それぞれの役割と責任を明確にします。プロジェクトメンバーには、チームリーダー、マーケティング、営業、開発、財務など、各分野専門の担当者を配置しましょう。


体制が整ったら、進捗管理の方法や報告ルールについても明示しておきましょう。

定期的なミーティングや進捗報告を通じて、事業の状況を把握し、必要に応じて軌道修正を行うと、柔軟かつ確実に計画を実行できます。



スケジュール


スケジュールは、特定のタスクや活動の実施日と時間を示す詳細な計画表です。


上述のロードマップの違いとしては、スケジュールは細かいタスクベースの計画表に対し、ロードマップは、プロジェクト全体の大まかな進行方向や目標を提示した、概観を把握できる高レベルの計画表です。


スケジュールを作成する際には、各タスクの所要時間やリソースを考慮し、予期せぬ遅延や問題に備えて、バッファ期間を設けることも重要です。



上司に承認されるためのポイント


事業計画書は事業の成否を左右する重要なドキュメントです。上司や役員、投資家など、多方面からの評価を受けます。ここで説得力に欠けてはいけません。


承認されるためのポイントは5つあります。


上司に承認されるための5つのポイント


①目的・ゴールが明確に記載されている


目的とゴールは必ず明確にしましょう。

具体例は以下の通りです。


①目的・ゴールが明確に記載されている
目的とゴールの具体例

ゴールに具体的な数値目標を掲げることで、計画の実現可能性や意義がより伝わりやすくなります。また、目的やゴールは、事業の進捗を評価するための基準ともなるため、プロジェクトスタート後の評価にも役立ちます。



②定量的なデータの根拠が用いられている


定量的データを用いれば、主観的な意見や推測ではなく、具体的な根拠や実現可能性を提示できます。


例えば、過去の売上データや市場調査の結果、競合分析から得られた数値などが該当します。


また、定量的なデータは、目標設定や進捗管理にも役立ちます。

具体的な数値目標を設定し、チーム全体が「今どこにいて」「どこに向かおうとしているのか」を把握でき、成果を測定しやすくなります。

さらに、リスクを予測し、適切な対策を講じることも可能になります。



③自社が挑戦しなければならない理由が明記されている


まず、自社の現状や市場の動向を踏まえた上で、なぜこの新規事業が必要なのかを具体的に説明しましょう。


例えば、競合他社が同様のサービスを提供している場合、自社がその市場に参入し得られる競争優位性や、顧客に提供できる独自の価値を強調する必要があります。


また、業界のトレンドや顧客ニーズへの対応に、新規事業が不可欠であると証明するデータや事例を用いると、説得力が増します。


さらに、自社のビジョンやミッションと新規事業がどのように一致しているのかを明示できれば、経営陣や投資家に対して一貫性をアピールできます。これにより、事業の重要性がより一層強調され、承認を得るための強力な根拠となるでしょう。



④現時点でわかるリスク分析がされている


事業を進める上で直面する可能性のあるリスクを事前に把握し、対策を検討しておきましょう。


リスク分析は単なる予測ではなく、具体的なデータや過去の事例にもとづいて行うべきです。


また、やみくもにリスクを洗い出すのではなく分類ごとに整理すれば、リスク分析の精度も向上します。分類としては、以下の例があります。


  • 市場リスク

  • 競合リスク

  • 技術リスク

  • 財務リスク


各リスクについて洗い出したら、リスクの影響度と発生確率を評価し、優先順位をつけましょう。

高い影響度と発生確率を持つリスクには、特に注意を払い、具体的な対応策を盛り込めば、計画書の説得力を高まります。


事業環境は常に変化するため、初期のリスク分析が必ずしも最新の状況を反映しているわけではありません。

そのため、定期的なレビューを通じて、リスク管理の精度を高め、事業成功に向けた綿密な準備が求められます。



⑤数値を用いたロードマップが明記されている


ロードマップは単なる計画表ではなく、数値情報を用いて作成しましょう。

具体的な数値情報がなければ、目標達成の成果が測れません。


また、ロードマップには、各フェーズごとの主要なマイルストーンやKPI(重要業績評価指標)を設定し、それに基づく進捗管理が求められます。


各段階での数値目標が設定されていれば、進捗状況を定量的に評価できるため、関係者に対しても、透明性のある報告が可能になります。




テンプレートのダウンロード


本記事では、新規事業計画書を効率的に作成するための入口として、テンプレートを用意しました。


テンプレートには、事業内容、事業環境、ロードマップ、数値計画、実行体制、スケジュールなど、計画書に必要な項目が網羅的に用意されているので、ぜひご活用ください。


▼ダウンロードはこちら





まとめ


本記事では、新規事業計画書の基本的な概念から、具体的な作成方法、承認を得るためのポイントまでを詳しく解説しました。


計画書の作成においては、事業内容や市場環境、競合分析、財務計画、実行体制、スケジュールなど、各項目の丁寧な整理が重要です。また、定量的なデータを用いて自社が挑戦する必要性についても明示しましょう。

また、リスク分析や数値を用いたロードマップも記載すれば、計画の信頼性も高まります。


新規事業の立ち上げに向けて、ぜひ本記事を参考にして、成功への第一歩を踏み出してください。




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最後までお読みいただき、ありがとうございました。


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株式会社HONE  代表取締役 桜井貴斗



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