地方事業の未来を切り拓く!クラウドファンディングで挑む、飽和市場を勝ち抜くための戦略的ヒント
- 桜井 貴斗
- 7月7日
- 読了時間: 6分
更新日:7月20日

地方事業に携わるみなさま。
丹精込めて作った商品が市場の波に埋もれて、なかなか評価されない……そんなもどかしさを感じたことはありませんか?
「どうすれば私たちの商品に光が当たるのか?」
「伝統的なやり方だけでは先細り…新しい挑戦が必要だと感じている」
今回は、私たちHONEがご支援した静岡県の老舗お茶農家が、厳しい現状を打開するために始めたさつまいも事業で、約130万円ものクラウドファンディングを達成した事例をご紹介します。
株式会社HONEでは過去のセミナー資料、お役立ち資料、会社紹介資料がダウンロードできます。
目次
既存市場の「当たり前」を疑う徹底リサーチ
1. クラウドファンディング攻略の「初速」戦略
2. 話題を「作る」PR戦略
3. 「4P」を基軸とした全体戦略
「お茶農家」が「さつまいも」で挑んだ新しい事業づくり

出典:株式会社ヤマウメ
ご依頼いただいたのは、1901年創業の静岡のお茶農家「ヤマウメ」さんです。2018年からは、お茶との相性が良く、静岡発祥でもある干し芋の栽培・加工を開始しました。百年以上にわたり代々受け継がれ、現在は5代目の佳通さんがその伝統を守り、明治から令和まで続く味を守り続けています。
ヤマウメさんは、新たな展開を模索する中で、さつまいも栽培に活路を見出しました。当時のさつまいも市場は、「紅はるか」「シルクスイート」「安納芋」といった有名品種がすでに席巻しており、飽和状態でした。
既存市場の「当たり前」を疑う徹底リサーチ
私たちはまず、さつまいも市場の現状を分析しました。多くの人が特定の品種でさつまいもを選ぶ中、私たちが注目したのは「干し芋」でした。
そして、驚くべきことに、干し芋のルーツが実は静岡にあるという事実を発見したのです。地域性を活かした独自のストーリーづくりにつながる、まさに「宝の山」でした。
さらに、私たちは「干し芋を買ったことがある人」にアンケート調査を実施しました。そこで明らかになったのは、ほとんどの人が干し芋の「商品名を覚えていない」という事実でした。一見するとネガティブな結果に思えますが、私たちはここに「市場に絶対的な王者がいない」という大きなチャンスを見出したのです。
潜在ニーズは「持ち歩ける無添加おやつ」だった!

出典:株式会社ヤマウメ
商品名を覚えていない市場で勝つには、既存の干し芋とは異なる、新たな切り口が必要です。そこで、アンケートや深掘りインタビュー(定性調査)を通じて、消費者の声に耳を傾けました。
「量を増やしてほしい」「個包装にしてほしい」「ジッパー付きにしてほしい」といった具体的な要望に加え、特に注目すべきは、美容意識の高い女性たちが、干し芋をカットして持ち歩いているという点でした。
「なぜ、持ち歩ける干し芋は少ないのか?」
「本当は持ち歩きたいニーズがあるのではないか?」
この問いから、「無添加で、みんなが好きなお芋のおやつを持ち歩けるようにする」という画期的なコンセプトが生まれました。
コンビニで手軽に買えるおやつは、添加物の多い「飴」「チョコ」「グミ」などに偏っており、ヘルシー志向の方が求める「グルテンフリー」「無添加」で、なおかつ気軽に食べられるおやつは、まだほとんどありませんでした。
こうした「誰も気づいていなかったニーズ」を捉え、以下の商品コンセプトが生まれました。
国産無添加
持ち歩ける
べたつきにくい
リピートできる価格帯
チョコやグミの代替品になる
▼あわせて読みたい🙌
「地方ブランド」のための新商品開発については、別の記事で詳しく解説していますので、ぜひご覧ください。
クラウドファンディング成功の舞台裏

出典:Makuake
このユニークなコンセプトと商品力は、クラウドファンディングで多くの支持を集めました。目標の30万円をわずか1日で達成し、最終的には約130万円もの応援購入という成功を収めました。

1. クラウドファンディング攻略の「初速」戦略
クラウドファンディングでは、プロジェクト開始直後の勢いがその後の成功を大きく左右します。リリースと同時に集中的に購入を促すことで、目標達成までの時間短縮を意識しました。 これにより、プラットフォーム上での露出が増え、話題性がさらに高まるという好循環を生み出しました。
2. 話題を「作る」PR戦略
「1日で目標達成」というニュースをすぐにプレスリリースで発信しました。そして、「1週間で2,000袋完売」といったインパクトある数字の提示により、メディアや消費者の関心を惹きつけました。自ら話題を作り出し、それを最大限に活用した戦略が功を奏した点です。
3. 「4P」を基軸とした全体戦略
以上の結果はマーケティングの基本である「4P(Product:製品、Price:価格、Place:流通、Promotion:プロモーション)」がすべてにおいて最適化されていた結果です。
Product:ターゲットの隠れたニーズに応える「持ち歩ける無添加干し芋」。
Price:手軽に購入できる3,000円台という価格設定。
Place:誰もがアクセスしやすいクラウドファンディングプラットフォーム「Makuake」。
Promotion:事前準備と初速を重視し、話題性を意図的に作り出したプロモーション。
まとめ
「飽和市場だから…」「うちの商品は平凡だから…」と諦めることなく、既存の常識にとらわれず、徹底的な市場調査と顧客インサイトの深掘りによって、誰も気づいていない「勝ち筋」を見つけることです。
自社の強みと地域性を深く掘り下げる。
「当たり前」とされる市場の常識を疑い、顧客の潜在ニーズを探る。
そのニーズを満たすための、独自の製品コンセプトを構築する。
クラウドファンディングを単なる資金調達ではなく、テストマーケティングとプロモーションの場として最大限に活用する。
私たち株式会社HONEは、このような地方食品業者の皆さまが市場の常識を覆し、新たな価値を創造するためのマーケティングリサーチや戦略立案をサポートしています。
もし今回の事例にご興味をお持ちいただき、「自社商品で何ができるか相談したい」「クラウドファンディングで成功するための具体的なステップを知りたい」とお考えでしたら、ぜひ一度お問い合わせください。
HONEのマーケティングリサーチプランはこちらから
\こ相談はこちらから/
その他:HONEのサービスについて
当社では、地方企業さまを中心に、マーケティング・ブランド戦略の伴走支援を行なっています。事業成長(ブランドづくり)と組織課題(ブランド成長をドライブするための土台づくり)の双方からお手伝いをしています。
私がこれまで会得してきた知識・経験を詰め込んだプランをご用意しており、お悩みや解決したい課題に合わせてサービスを組んでいます。ご興味のある方は、ご検討いただければと思います。
またサービスのリンク先はこちら↓
その他、気軽にマーケティングの相談をしたい方のための「5万伴走プラン」もスタートしました。詳細はバナー先の記事をお読みください!
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
【記事を書いた人】

株式会社HONE
代表取締役 桜井貴斗
札幌生まれ、静岡育ち。 大学卒業後、大手求人メディア会社で営業ののち、同社の新規事業の立ち上げに携わる。 2021年独立。 クライアントのマーケティングやブランディングの支援、マーケターのためのコミュニティ運営に従事。
※本記事は一部AIを活用して執筆しています。