地方企業のための広報戦略 〜地域を味方に「点」のニュースを「線」にする〜
- 梨沙子 亀元

- 3 日前
- 読了時間: 7分

「自社の活動が知られていない」「人材が集まらない」「商品・サービスの魅力が伝わらない」こうした課題に直面している地方企業も少なくありません。
しかし、広報は大きな広告予算がなくても、予算ゼロで始めることができ、やがては企業の資産として積み上がっていく力を持っています。
最大の価値は、これまで「知られていなかったコト」が繋がり、「選ばれる企業」へと変わること。認知の向上だけでなく、信頼や共感を育み、社会での役割も変化していきます。
この記事では、地方企業ができる広報戦略、具体的なチャネル(SNS・note・ブログ・プレスリリース等)の役割、そして「点で話題化」していた活動を「線」に変える考え方について解説していきます。
ぜひ最後までご覧ください。
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なぜ今、地方企業に広報戦略が必要なのか?

情報過多社会における「埋没の危機」
SNSやWebメディアの急速な発達によって、都市部と同じ情報スピードが地方にも求められるようになりました。しかし、情報を出さなければ、知られないままになってしまいます。
人材獲得競争で後れを取らないために
地方では人口減少が進み、若年層の採用がますます難しくなっています。だからこそ、自社の理念・風土・やりがいを発信し、「働きたい」と思ってもらうための発信が必要です。
選ばれるブランドへ
「なぜこの商品が生まれたのか」「誰が作っているのか」といった背景=ストーリーに価値を感じています。広報によってストーリーが可視化され、共感や信頼を呼び込みます。
広告ではなく資産として残す重要性
地方企業こそ、大きな広告費が捻出できないため、資産として広報コンテンツを「残す必要」があります。一度制作したブログ記事やnote、プレスリリースは、Web上に“資産”として蓄積され、検索流入・信頼形成・採用・営業など、あらゆる場面で長期的に活用可能です。
また、こうした情報発信は、接点を生み出し、地場を味方につけることにも繋がります。地域資源や土地のストーリーを交えた発信によって、土地そのものを「価値あるコンテンツ」に変え、地域ブランドと企業ブランドの同時向上を目指せます。
「点」の取り組みとは?単発で終わる活動の限界

商品開発をした
イベントを実施した
行政と連携した
新店舗をオープンした
勉強会を開いた
これらはすべて立派な広報素材です。「点」で終わってしまっては、情報資産として蓄積されません。
たとえば、「イベントの報告をXで1回投稿して終わり」ではもったいないのです。
「線」に変えるとは?
Mission(ミッション)=自社が大切にしていることを軸にする

広報活動をするうえで最も重要なのが、自社のMission(価値観・存在意義)を明確にすることです。これがブレてしまうと、活動ごとにメッセージがバラバラになり、受け手に伝わりません。
Mission(ミッション)を言語化したうえで、すべての広報コンテンツに通底する思想として落とし込むことで、「あの会社はこういう想いで事業をしている」という印象が確立されていきます。
必要な6つのコンテンツ設計
Timeline(時系列で記録)
創業からの取り組み、事業の進化、地域との関わりなどを、写真や記事、動画とともに時系列で整理。
Project(現在進行中の仕事を可視化)
プロジェクトごとに何をしているかをカード形式で見える化。社外からも「今この会社はこんな挑戦をしているんだ」と把握されやすくなります。
Archive(信頼を支える蓄積)
過去のリリース、講演資料、インタビュー、チラシなどを集約。
報道関係者や自治体、協力企業にとっても使いやすい構造に。
Impact(成果の可視化)
売上や集客の数値だけでなく、地域貢献や従業員の満足度など、多面的な成果を指標として提示。
Journal(物語の深掘り)
創業秘話、商品開発の裏側、従業員の想いなど、人の感情に訴えるストーリーをnoteやブログで発信。
Presskit(報道向け素材の整理)
企業ロゴ、写真、代表者プロフィール、年表、主要トピックをセットにして、誰でもダウンロード可能に。
広報チャネルの役割と使い分け

note
【役割】企業の想いや背景、開発ストーリーなど、深い情報を丁寧に届けるプラットフォーム
【向いている内容】創業ストーリー、スタッフ紹介、商品開発秘話、地域との関係性など
【効果】ファンとの関係性強化、採用ブランディング、コンテンツ資産の蓄積
ブログ(自社メディア)
【役割】SEO効果を狙いつつ、専門的・定常的な情報を発信する場
【向いている内容】商品活用法、業界知識、イベント報告、導入事例など
【効果】検索流入獲得、見込み客への信頼獲得、長期的資産化
プレスリリース
【役割】社会性・ニュース性の高い情報を、メディア向けに公式発信
【向いている内容】新商品発表、表彰、行政連携、イベント開催、協業発表など
【効果】メディア露出、報道資料としての信用性、第三者視点での認知向上
SNS(X / Instagramなど)
【役割】リアルタイムな情報拡散・フォロワーとの接点強化
【向いている内容】日常の風景、速報、イベント告知、ビジュアル訴求、短いトピックなど
【効果】拡散力、親近感の醸成、エンゲージメント向上、つながり強化
地域を味方にする
広報活動において、地方企業が頼りにできるのが「地域」でもあります。地域住民、地域メディア、行政、学校、商工会など、地元に存在する多様なプレイヤーと信頼関係を築くことが、継続的な広報の強みになります。
地域との協働で広がる可能性
地元のイベントでの露出機会
商店街や観光協会とのコラボレーション
地域メディア(新聞、テレビ、ラジオ、フリーペーパーなど)による取り上げ
学校や大学との産学連携
全国的には知られていなくても、「この地域でこれだけ頑張っている企業がある」という文脈が加わることで、読者の受け取り方に変化が生まれます。
地域とのつながりを意識した発信は、単なる「点」の話題ではなく、地元との「線」や「面」となり、企業ブランドの社会的価値を高めることにも繋がるのです。
HONEの広報資産の例

当社を例でご説明します。
過去の活動を資産として活用しながら、現在進行中のプロジェクトを整理し、将来に向けた継続的な発信の基盤を築くことを目的としています。
この構成を通して、「一度出した情報で終わり」ではなく、情報を蓄積し、再編集し、連動させることで、企業全体のストーリーとブランド力を強化していきます。
特にTimelineやJournalは、関係性を深掘りする場としても活用でき、「どう生きてきた企業か」を伝える役割を担います。
まとめ
広報は、地方企業にとって単なるお知らせではありません。
続けることで資産となり、 やがては認知・信頼・採用・集客を支える「土台」になります。
自社のMissionを明確にする 、情報を点で終わらせず、TimelineやProjectで整理する 、note・ブログ・SNS・プレスリリースを目的別に使い分ける 、 地域との接点をつくり、共創の広報を実現する 、情報を出し続けることでブランドを構築していく。
これらの要素を意識しながら、組み立ててみてください。
HONEのサービスについて
当社では、地方企業さまを中心に、マーケティングやブランド戦略の伴走支援を行なっています。
事業の成長(ブランドづくり)と、組織の成長(ブランドを支える土台づくり)の双方から、長期的な価値創出をお手伝いしています。
地方企業に合わせた広報PR戦略の立案・実行も得意としています。
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最後までお読みいただき、ありがとうございました。
【記事を書いた人】

株式会社HONE
マーケター 亀元梨沙子









