私たちHONEでは、地方企業の戦略として商品の見せ方(How)を考える前に、顧客数を増やし浸透率を上げるべきだと考えています。この根拠になるのが「購入する人が少ないブランドは購入頻度も低い」と証明するダブルジョパディの法則です。
本記事はダブルジョパディの法則を紐解き、地方企業が浸透率を高めるエビデンス ベースド マーケティングを、私なりのアプローチでお伝えします。
株式会社HONEでは過去のセミナー資料、お役立ち資料、会社紹介資料がダウンロードできます。
目次
小さなブランドほど購買数、購入頻度が小さくなる
地方企業が取るべき戦略は「顧客数(浸透率)の向上」
ブランド想起のきっかけ「カテゴリー・エントリー・ポイント」
ブランド想起の文脈「オケージョン」
ブランド想起のされやすさ「ブランド・アベイラビリティ」
HONEの戦略設計は、ターゲット・オケージョン・プレファレンスがベースにある
ターゲット・オケージョン・プレファレンスとは
ダブルジョパディの法則とは
ダブルジョパディの法則は、ブランドがどれだけ多くの人に購入され認知されているか(浸透率)と、そのブランドをどれだけ頻繁に買うか(購買頻度)の関係を説明する理論です。この理論を提唱するバイロン・シャープ教授によると、知名度が低いブランドは、購入する人が少ないだけでなく、購入頻度も低くなると証明されています。
小さなブランドほど、購買数、購入頻度が小さくなる
これまでは、「小さなブランドであっても、リピーターの満足度を高めればいずれ顧客数が増える」と考えられてきました。しかし、この通説は実証研究によって少数派になりつつあります。
詳細は、戦略ごっこ―マーケティング以前の問題 (著者:芹澤 連、出版:日経BP)をご一読ください。
ダブルジョパディの法則は、従来の「少数の熱心なファンがニッチなブランドを支える」といった通説に一石を投じる理論です。
地方企業が取るべき戦略は「顧客数(浸透率)の向上」
私たちが支援する事業は地方の中小企業ブランドであり、多くの既存顧客や、潤沢な資金があるケースは稀です。そのほとんどは、顧客も資金も限られている中で、ブランドの認知を浸透していく方法を探しています。
ダブルジョパディの法則にもとづけば、小さなブランドは顧客基盤も小さいため、離反のインパクトは大きくなります。実証研究においても、ブランドが衰退するときは、顧客の離反が増えて衰退していくというより、むしろ顧客を獲得できなくて衰退していきます(Riebe et al., 2014)。
逆にいうと、体験をしてもらうことで新規ユーザーが増えて顧客基盤が大きくなる。この法則を私は、「人は実際に体験しなければ『商品・サービス』の価値を理解できない。だから浸透率を上げるべきだ」と解釈しています。
浸透率を上げるためには、思い出してもらいやすくする
次にここでは、現状の「ブランドに触れる入り口=きっかけ」を分析し、入り口の量を増やすことで浸透率を上げていく方法について解説していきます。
例えば「炭酸飲料を飲むシチュエーション」を思い出してみてください。
喉が渇いた
外は真夏の炎天下だ
炭酸系がいいな
スッキリした飲み口がいい
近くのコンビニで買えるもの
CMで見かけたアレ、気になる……
このように、炭酸飲料を買う前には、さまざまな想起のきっかけがあると思います。
このきっかけ一つひとつを、カテゴリー・エントリー・ポイント(CEP)と呼びます。
さらに、CEPを掛け合わせて購買に至る文脈をオケージョンといいます。ブランドはこのオケージョンを増やすことで購入のための入り口を作っていきます。
ブランドを想起するきっかけ「カテゴリー・エントリー・ポイント」
上記で説明した通り、CEPとは、その商品・サービスにおいて想起するきっかけ(入り口)を指します。
例)炭酸飲料
夏の暑い日に飲みたい炭酸飲料
風呂上がりに飲みたい炭酸飲料
友達とのピザパーティーに飲みたい炭酸飲料
気分転換に飲みたい炭酸飲料
食事と一緒に飲みたい炭酸飲料
クリスマスに飲みたい炭酸飲料
映画館で飲みたい炭酸飲料
「ピザパーティ」「クリスマス」「食事と一緒に」「映画館で」などから、コカ・コーラを想起したかもしれません。コカ・コーラはCEPを多く持っているブランドと言えます。
▼カテゴリー・エントリー・ポイントについてもっと知りたい方は、こちらの記事がオススメです。
ブランド想起の文脈「オケージョン」
オケージョンとは、消費者が特定の製品やサービスを必要とする「状況やタイミング」を指します。
ブランドを想起するカテゴリーエントリーポイントを分析し、購入する文脈(オケージョン)を理解することが、ブランド戦略において重要となります。
ブランドの想起されやすさ「メンタル・アベイラビリティ」
ブランド成長には「ブランド=アベイラビリティ」という考え方があります。これは、ブランドの想起されやすさには2つの軸があるとする考え方です。
メンタルアベイラビリティ(想起されやすさ):生活の中でカテゴリー需要が発生した時に思いつきやすい
フィジカルアベイラビリティ(買い求めやすさ):思いついた時に見つけやすい、買いやすい、利用しやすい
消費者にとって気づきやすいこと、役に立つこと、都合が良いこと。このような記憶や体験の集積がブランドだと定義します。
HONEの戦略設計では、ブランド=アベイラビリティの「想起されやすさ」「買い求めやすさ」をもとに、ブランド想起のきっかけを検討、戦略設計を組み立てています。
▼ブランド・アベイラビリティの詳しい解説はこちら
HONEの戦略設計は、ターゲット・オケージョン・プレファレンスがベースにある
HONEのブランド戦略は、MVVや顧客の声・調査・既存データをもとにブランドの「想起されやすさ」「買い求めやすさ」を洗い出し、有効な組み合わせをオケージョン(文脈)に落とし込みます。
この調査、分析、絞り込みにより、浸透率を上げるターゲットとプレファレンスを明確にし、を着実に実現できるのです。
ターゲット・オケージョン・プレファレンスとは
「ターゲット・オケージョン・プレファレンス」は、単に顧客をセグメント化するのではなく、特定の状況や機会における顧客の嗜好性を重視すること。つまり、顧客がどのような場面で商品やサービスを必要とするのか、またその場面でどのように選択するのか文脈ごとに細分化するプロセスです。
ターゲット:顧客の属性
オケージョン:市場機会の文脈
プレファレンス:顧客にとっての価値
▼オケージョンについて詳しく知りたい方は、こちらの記事もご覧ください。
▼HONE桜井が愛してやまない「戦略ごっこ(芹澤蓮さん著)」を読み解き、地方のビジネスに落とし込む! 本記事から一歩踏み込んだ「ターゲット・オケージョン・プレファレンス」のセミナーをアーカイブ配信中です。
HONEのサービスについて
当社では、地方企業さまを中心に、マーケティング・ブランド戦略の伴走支援を行なっています。これは、事業成長(ブランドづくり)と組織課題(ブランド成長をドライブするための土台づくり)の双方からお手伝いをするサービスです。
私がこれまで会得してきた知識・経験を詰め込んだ「3つのサービスプラン」をご用意しており、お悩みや解決したい課題に合わせてサービスを組んでいます。ご興味のある方は、ご検討いただければと思います。
その他、マーケティング・ブランディングに関する「無料壁打ち」も受付中です。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
【記事を書いた人】
株式会社HONE
代表取締役 桜井貴斗
札幌生まれ、静岡育ち。 大学卒業後、大手求人メディア会社で営業ののち、同社の新規事業の立ち上げに携わる。 2021年独立。 クライアントのマーケティングやブランディングの支援、マーケターのためのコミュニティ運営に従事。
※本記事は一部AIを活用して執筆しています。
Comentários