【レポート】中央大学商学部/特別講義~ローカルに骨のあるマーケティングを実装する~
- PR・広報担当
- 7月9日
- 読了時間: 7分
更新日:7月20日

2025年7月1日、中央大学商学部にてソーシャル・アントレプレナーシップ・プログラムの一環としての特別講義が開催されました。
今回の講義では、株式会社HONE代表・桜井貴斗が登壇。自らが手がける地方創生支援事業や、地域の観光戦略や民泊運営を行うAstlocal株式会社での実践をもとに、地域に根ざしたマーケティングについて講義を行いました。
桜井は、「次世代に現場のリアルを届けること」の重要性を日々の実務のなかで痛感しており、教育の場にも積極的に登壇しています。本講義もその一環として、学生と真剣に向き合う貴重な時間となりました。
Mission
地方に骨のあるマーケティングを実装する。
HONEの掲げるミッション「地方に骨のあるマーケティングを実装する」を軸に、 講義のテーマは「ローカルに骨のあるマーケティング」。
地方創生の最前線で行われているリアルな取り組みを、学生が体感できる機会となりました。
株式会社HONEでは過去のセミナー資料、お役立ち資料、会社紹介資料がダウンロードできます。
目次
バリュープロポジションとは?
「問い直す」ことで見えてくる、本当の価値
<中央大学商学部講義>「ローカルに骨のあるマーケティング」とは?

HONE代表・桜井が拠点とするのは静岡県静岡市。
地域資源を活かしたブランド開発、販路開拓、後継者支援など、多岐にわたるプロジェクトを全国で展開しています。自治体や大学と連携した産学官事業から、SNS運用や商品開発、第三者承継まで、「ローカルにマーケティングを実装する」ことに徹底的にこだわっています。
「現場主義」のマーケティングが持つ力
「マーケティングとは実践である」という桜井の信念のもと、地域資源の価値化や観光プロデュースの事例を交えて解説。
たとえば、人口50人の離島での取り組みや、静岡のお茶農家のリブランディングなど、「課題を聞きに行く」のではなく「共に過ごす」ことから始まるアプローチを紹介しました。

伝わる形としての地域の価値
地域ならではの文化や営み、人とのつながりなど、数字では表せない価値があります。
それらが「地域内で意味のあるもの」として大切にされていても、外部に「伝わる価値」として届けるには設計と表現が必要です。
この視点は、
「バリュープロポジション(提供価値の設計)」という考え方です。
バリュープロポジションとは?

バリュープロポジションとは、 自分が最も得意で、且つ競合が提供できず、顧客が求めている独自の価値を指します。 「美味しいお茶がある」という情報だけでは、消費者の行動は変わりません。 そこに、「どんな人の手によって、どんな思いで作られ、今なぜ届けたいのか」というストーリーが加わることで、はじめて「伝わる価値」として立ち上がってくるのです。
一次情報と二次情報の違い
では、顧客が本当に求めている価値をどうやって見つけていくのか? そのカギとなるのが、「一次情報」と「二次情報」の違いを理解し、現場から得られる声に基づいて価値を設計していくことです。

地方マーケティングにおいては、「一次情報」の大切さを指摘します。
一次情報とは、「自分が直接体験をすることで得た情報、もしくは自ら行った調査や実験で得た情報」
数値化や言語化が難しく、明確に解釈しきれないような曖昧さを含んでいますが、それこそが現場でしか得られない「体験」や「感覚」に根差した「身体知」だといいます。
「たとえば、風が気持ちいいという感覚。これは言葉にできるけれど、どんな風かを正確に伝えることは難しい。実際にその場で肌に感じてみなければ、わからない温度感があるんです。」
一方で、統計データやレポート、既存インタビュー記事などは「二次情報」。誰かがまとめたものであり、一次情報の「温度」はそこには存在しません。
「問い直す」ことで見えてくる、本当の価値
地域の事業先を訪れ、店主と膝を突き合わせて話をしたとき、返ってきたのは想像とはまったく異なる言葉でした。
「外部からの情報をもとにこの事業はきっと続けたいと思っているだろうと私は勝手に解釈していた。けれど、実際に現場で直接話を聞いたら、あんまり続けたくはないという本音が出てきた。そのとき、自分たちは実情ではなく理想の物語を作っていたことに気づいた。」
直接肌で感じ、耳で聞き、目で観察しながら得た一次情報に基づく理解を通して初めて、「なぜ続けるのか」「なぜやめたいのか」といった地域事業者の内面に寄り添うことができるのです。
私たちが地域の営みを語るとき、それを単なる理想やロマンで美化してはなりません。
「社会性」と「経済性」の両立に根差した視点で捉え直すことが、地方マーケティングの根幹にあるべき姿勢であります。

「失敗」は成功の途中にある
講義の終盤、学生から「失敗はありますか?」という問いが寄せられました。
「前職で自身が担当するペット関連の事業をなくしたことがあります。利益が出ず、継続できなかった。けど、今振り返ればそれは成功の途中だったのかもしれない」 失敗とは、終わらせてしまったときにだけ成立するものであり、「諦めずに続ける限りは、全部成功になるから失敗はない。」という言葉で答えました。
質疑応答の時間は、学生のリアルな関心と、現場で戦うプロの視点が交わる、非常に濃密な対話の場となりました。
「現場感覚」を支える6つの要素

現地訪問・観察:顧客の日常行動を「見る・聞く・触れる」を意識して現場で過ごす。
参加体験(疑似ユーザー):実際の作業やサービスを体験。痛み/不便を身体で理解する
五感メモ法:匂い・音・温度・光など、数字化しにくい要素をメモ
インタビュー&雑談:形式張らない対話で本音に触れる。お酒や食事を共にして距離を縮める
同じ釜/裸の付き合い:共同作業・宿泊・風呂・食事会など「時間を共有」する
写真・動画・音声ログ後で主観が入りすぎないよう、客観的な記録も同時に残す
この6つの実践を通して見えてくるのは、マーケティングとは単なる施策ではなく、 その土地の人にちゃんと向き合い、その場所にちゃんと身をゆだねることです。
「地方に骨のあるマーケティングを実装する」
というHONEのミッションは、こうした小さな感受性の積み重ねの上にあります。
地域をマーケティングの力で元気にしていくには、資格よりもまず、その土地にいる人たちとの関係や、そこで流れる空気を感じ、その中で一緒に新しい価値をつくっていくことが大切です。
まとめ
今回の講義を通して、「ローカルに骨のあるマーケティング」をテーマに、実際の現場での取り組みや具体的な事例をもとに、地域との関わり方や価値の見つけ方についてお話ししました。

学生のみなさまには、マーケティングを単なる知識や技術としてではなく、地域の人や場所と向き合いながら価値を共につくっていく営みとして捉えてもらえたのではないかと思います。
これから先、どんな場所に立つことになっても、「自分なりの視点で目の前にある違和感や悩みなどに向き合い、行動し続け積み重ねる」こと。それこそが、ソーシャルアントレプレナーとして、社会課題をビジネスに変える力となっていくのです。
中央大学のみなさま、ありがとうございました。
最後に(HONEのサービスについて)
HONEでは、地方企業さまを中心に、マーケティング・ブランド戦略の伴走支援を行なっています。事業成長(ブランドづくり)と組織課題(ブランド成長をドライブするための土台づくり)の双方からお手伝いをしています。
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最後までお読みいただき、ありがとうございました。
【記事を書いた人】

株式会社HONE
代表取締役 桜井貴斗
札幌生まれ、静岡育ち。 大学卒業後、大手求人メディア会社で営業ののち、同社の新規事業の立ち上げに携わる。 2021年独立。 クライアントのマーケティングやブランディングの支援、マーケターのためのコミュニティ運営に従事。
※本記事は一部AIを活用して執筆しています。
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